http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/51448658.html
という記事を見た上での話なので、先にご一読ください。
内容は、IT系で働く自分からするとよくわかるのですがIT未経験者はよくわからないかもしれません。そのあたりを詳しく書きたいと思います。
終身雇用が崩壊して、いわゆる会社に就職するわけではなく、本当の意味で仕事を身につける必要があるという点は本当にそのとおりだと思います。
いわゆる大きい会社の話をすると、かつてクライアントで一緒に仕事をした大きな会社の人々の中でも、いわゆる偉い人というのは声が大きかったり、挨拶がしっかりしていたりとそれぞれいいところはあったと思いますが、仕事が出来るかと言われると、出来ない人ばかりです。
極端な話、自分(もしくは自分の部下)がどんな案件を発注しているか把握していないし、例えばワイヤーフレームレベルのものを見せたところでそのサイトやサービスがどうなるかなんて想像もできない人です。ただひとつのメリットは、適当に風呂敷を広げれば金だけは払ってくれることぐらいです。(だから大手SIerとかが食っていけるわけですが)
一方、いわゆるベンチャーで役員なんかをやっている人っていうのは、例えば部全体の新サービス勉強会みたいなのにも普通に参加して、普通にコメントしたりするし、部下のやっていることは大体把握していて、部下が休んだりすると自分で業務を肩代わりしちゃったりできる人が結構います。
このタイプの、いわゆるプレイング・マネジャーとカテゴライズされるような人の下で働くのは、彼らが自分と同じ水準での労働を求めるので大変だけれども、短期でとても成長しますし、自分のワークスタイルに良い影響を与えてくれます。これがベンチャー企業のメリットです。
もう1点触れなければいけないのは、ベンチャー企業って何?って話です。
いわゆるIT企業でも、大きく分けると何パターンか、違いがあります。
・事業会社
・小さい何でもやる会社
NTTデータみたいな会社は僕はIT系とは思ってないので、除外します。
順に説明すると、制作会社はクライアントから発注されたページの制作や企画、運用などをやる会社です。基本的にはクライアントありきなので、人から言われたことをやる会社です。
事業会社は、自分の会社で収益の上がるサービスやサイトを持っていて、その運用や最適化などをしている会社です。人から言われていることではなく、自分の会社のサービスを使ってくれる人からお金をもらったり、広告でお金を貰っている会社です。
小さい何でもやる会社は、社員が数人〜十数人ぐらいで、制作の受託もやるし、自社サービスも立ち上げるしと言ったいわゆる何でも屋さんです。
ざっくり分けると、この3パターンから生み出される人間はそれぞれ違う人になります。制作会社で仕事の出来る人は、外部との調整が上手い人が多いです。正直、成果物のクオリティなんてどうでもよくて、クライアントが満足してくれればいいので、とにかく仕切りが上手くて頭の回転が早い人が多いです。
事業会社で出来る人は、割とじっくり真面目にやるタイプの人が多いです。サイトのトラフィック分析やUI分析をじっくりやり、ユーザー満足を上げたり、コンバージョンを高めたりするのが主な仕事なので、てきぱきとある程度何かを犠牲にしながらスケジュールを守る制作会社タイプよりも、抜け漏れが無いように一歩一歩着実に仕事をするタイプが重宝します。
小さいなんでもやる会社で出来る人というのは、完全なオールラウンドプレイヤーです。コードも書けるしクライアントと調整もできるしデザイン絵もかける。企画書作らせたら超絶スピードでハイクオリティな物ができるみたいな人です。でも人に教えるのは苦手だったりします。
じゃぁ主題に戻って、IT系で働くことのメリットを説くと、これはつまりこの3パターンの会社たちの中で、自分がステップアップして色々なスキルを学べるってことに尽きます。で、IT系は転職回数を気にしないので、別に辞めまくっていたからといって、その人のスキルがきちんとしていればどこでも就職できます。
おすすめコースとしては、小さい会社でベースの知識をつけ、制作会社で対外調整などを勉強し、事業会社で余生を過ごす。っていうのが一般的です。やっぱり小さい会社は多いし入りやすい。もちろんブラック度は高いですが、そこは我慢です。多少の苦労なくして成功はありません。制作会社は特に大きいところがおすすめです。大きい案件の仕事が出来ますし、分業が進んでいるのでいわゆるディレクションという業務が学べると思います。それらで培ったスキルや経験を活かして、最後は事業会社に行くと。このころには結婚していたり子どもがいたりして、プライベートも大事です。事業会社系はまぁまったりとしたところも多いので、比較的楽に暮らせるようになるはずです。
もちろん、ここに書いたことは例であって、超絶ブラックの事業会社もありますし、やたら安定したITベンチャーもあると思います。まぁその辺は例外もありってことで。
最後にひとつ触れておきたいのは、いわゆる大手SIerという存在です。IT系人気就職ランキングで某社が1位になったりしていますが、彼らはIT系ではないと思います。あれは基本的にITにちょっと詳しい代理店と考えた方が良いでしょう。直接的な発言は控えますが、おすすめはしないです。あそこに行くぐらいなら、別の大企業の方がおすすめです。
学生でITを目指す人も増えてきていると思います。ITは、本当に仕事を身につけるという意味で素晴らしい業界ですし、転職も出来るので失敗を修正しやすいです。でも逆に、自分のステップアップイメージが無いと厳しい業界でもあります。そのあたりを考えつつ、選択肢の一つにITを入れてみてはどうでしょうか。
IT企業と言いつつ、WEBに特化した話になるのが、増田クオリティ。
小規模のウェブ開発がITの全てだと思い込んでいる。