2015-10-06

ブスの一生

中学校時代男の子からブス!デブ!足太い!ブタ!と言われていた。

家の前で「ブスしねー」って叫ばれたりとかロッカーブタって書かれるとか、いろいろあった。

9年間そんな感じだったから、そうか自分デブでブスなのかーと思っていた。

体重は平均以下だったのに、デブからなーとか気にして私服ではスカートを避けたり、体育のジャージも大きめのものを着たりしていた。

家族や親戚は私のことを可愛いと言ってくれたけど、姉2人は「ハーフみたい」「フランス人形みたい」「子供なのに美人」と絶賛されていたので、やっぱり私はあんまり顔が良くないんだなあーとなんとなく思っていた。

姉2人がハーフ顔なのに、私は完全にコケシ系の顔立ちだった。

高校ちょっと良いところへいったせいか、あまり外見についてネガティブ言葉を聞くことはなかった。

入学してしばらく立った頃、部活ユニフォームを着て廊下を歩いていたらクラスメイト数人とすれ違って、「わーかわいいー!」と言われた。

親や親戚以外からかわいい」と言われた記憶あんまりなかったので、ものすごく嬉しかったのを覚えてる。

と、同時にそれは衣装のことであって、やっぱ私の顔はブスなんだよなあとも改めて思っていた。

高校時代の友人は優しい人が多くて、服装とか髪型とかちょっとした変化をいつも褒めてくれていたので、自分の外見に関する意識が一番穏やかだった期間だったかもしれない。

初めてできた彼氏は「髪かわいいね。惚れ直すよ。」とか「服のセンスが好き。」とか言ってくれて、嬉しかった。

まれ持った外見以外で努力出来るところを頑張っていこう!と前向きになれた。まあ、顔はブスなんだけど。。

大学に入ってからが辛かった。

同じゼミに私のことを「ブス」と呼んでくる男性がいて、周りの女の子数人も私を「ブス」と呼んで来て、1日何回ブスって言われるんだろうって思って過ごしていた。

呼びかけが普通に「おい、ブス」とか、「笑顔が汚い」とか、あきらかにブサイク芸人に似ていると言われたりとか。

失礼ながら、そんな風に言って来る女の子たちの顔をあんまりよくないなあと思ってたので「これ以下ってことか…」と凹んだ。

女の子から言われる事は今までなかったので、余計に苦しかった。

(変な話だけどこの頃、激太り・激痩せを繰り返した。ブスって言い続けられるとブスは悪化する。)

性格は昔からいわゆるイジられキャラお笑い担当みたいな感じだったけど、ここまでくるとさすがにこたえた。

2、3人だけ、そんなことないよ可愛いよって言ってくれる人たちがいた。

そういう子たちは大抵可愛かったり、大学生にしては年上だったりして、心に余裕があるんだなーと思った。

中心になってブスと言って来る人は3,4人で、それ以外は特別外見のことを話題にしてくることはなかったけど、追いコンの時に酔っぱらった1人の女の先輩に「初対面から顔立ちが嫌いだった」「とにかく嫌いな顔をしている」「性格は好きだけどね」と言われて悲しかった。

ただのブスじゃなくて、私は人を不快にさせるブス。


母親ゼミ写真を見て「あなたが一番かわいいじゃない」と言ってくれたけど、親は子供なら誰でも可愛く見えるのでアテにならなかった。

姉に相談すると「私も昔はブスって言われたよ。女の子に囲まれてブスブスーって言われたりとかね」と言っていた。

女の子に妬まれてブスって言われるのと、男の子主導で日常的にブスって呼ばれるのはわけがちがう。

体が大人になったせいか、ナンパは人並みにされるようになったがその価値は体にあるわけで、顔は相変わらずのブスだ。


小中と大学の4年間、合計13年間もブスって言われながら過ごしてくるとやっぱり性格も変わって来る。

ブスだからSNS自撮りをアップしたりしない、タグ付けされてもタイムラインに顔が出ないようにする。

ブスだから出しゃばってはならない。

外見的な部分で、自分をよく見せようとしてはいけない。(これは一番大変だった。写真を撮るとき、壇上にあがるとき挨拶するときカメラはもちろん相手の目を見ないようにして、なるべく目を細めて、口を自然にあけて笑うようにしていた。)

ブスなのはどうしようもないとしても、イタいブスになるのだけは何としてでも回避たかった。

つのまにか私の自粛は外見以外のところにも及んだ。

他人評価内面についてのものだったとしても、全て避けるようになっていった。

教授や先輩が私に興味を示してくれても、それに全力で向き合っていけなかった。

大学後半はほとんど無駄に過ごした。あれだけ入りたかった大学ゼミだったのに。

なんだかいろんな恨みを書き連ねていたらすごい長さになってしまったのでもう結論に移る。

私はブスではなかった。

もちろん美人でもなかったが。

世の中にとけこめる普通の顔だった。

人を不快にさせる顔なのかどうかは未だにわからない。つり目だから、嫌いな人は嫌いな顔だと思う。

未だに人の顔の良い悪いが分からない。

たいていの人は可愛い美人に見える。ブスだなーと思う人はなかなかいない。

100人中1人とかだろうか。ぱっと思いつかない。

美醜で人を眺め始めると、身の回りランキングで見えてくる気がして怖くなるからすぐやめる。

私は人にいじられやすい。嫌じゃない。

面白い感じのキャラクターなのは分かってるし、私は楽しいことが好きだ。

場をなごますためのちょっとした軽口なら快く受け止められる。

でもその場に居合わせた誰かが、全然面白く無い誰かが、無意味に私をブスと呼んで喜ぶ。

不機嫌にできないせいで、私はずっとブスとして生きて来た。

全力で「ブス」を受け止めて生きて来た。

知らない人と会うのが嫌だった。顔を見られるのが怖かった。

写真をとるとき小顔に移りたい女子たちがみんなが後ろへ行く中で、こわばって1歩も動けなかった。


先日、大学ゼミ同窓会があった。

私を真っ先にブスと呼んだ男性は、資格試験に落ちて以来、連絡がつかないらしい。

私をブスと呼んだ女の子達は、相変わらずブスだった。

歯並びが悪いとか、太ってるとか、そういう要因でしか見れないけど、私の目にはブスに写った。

教授や他の同級生は「綺麗になったねー」と声をかけてくれた。

やっぱり本当に当時ブスだったのかな?と思いながら「おめかししまたからねー」と答えた。

美人だった子はやっぱり美人なままだった。

私たちほとんどは普通の顔をしている。

だが驚くことに、多くの人は自分の外見は良い方だと思っているらしい。

確かに私の周りにも自分の外見に自信があるんだな〜と思わせる話し振りの人はたくさんいる。

「私の彼氏可愛い子としか付き合わない」とか「美人から合コンなんか行かなくていいって言われるんだけど」とか。

私もそう思って生きられたら、もっと臆せずいろんな経験が出来たのになと思った。


これが物語だったら私はすごい美人なはずだった。

すごい美人な私が今までのひどい仕打ちを見返して生きていく、そうなれたら最高だった。

ほんのちょっともしかして美人かもしれないし!と考えた時もあった。

でも、まあ、普通に違う。

せめてニュートラル自己認識で生きてこれたらよかったのに。


可愛い美人チヤホヤされて大人になった姉たちも、たぶん「やや美人ぐらいの普通の人」として暮らしている。

  • まーん()

  • 今はなんでもかんでも美少女美少女ってうるさいから、ごくごく一部の完璧美人を除いて皆ブス扱いされるって感じ。

  • ブスでもなんでも女ってだけで勝ち組だよな いくらブスでも若さを求めるオッサンには引く手あまただし 社会も女優遇ばっかだし 日本では女ってだけで恵まれてるんだって自覚持てば...

  • ブスだなんだっていう女の自分語りって、それでもなお >初めてできた彼氏は「髪かわいいね。惚れ直すよ。」とか「服のセンスが好き。」とか言ってくれて、嬉しかった。 とかギリ...

  • 中学の頃、割と小柄の体型なのに、むっちりボディで顔つきが少し日本人離れしていた子が居たんだけど、 なぜかみんなに嫌われいたことを思い出す。

  • 重症アトピー系ブスです。学生時代ぶすぶす気持ち悪い近寄るなバイキンウツるヤベーよブス!と ずっといじめられてて、はじめてできた彼氏にすら「俺の方がお前よりずっとかわいい...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん