はてなキーワード: 新・のび太と鉄人兵団とは
日本映画監督の女性割合12% 昨年公開の邦画調査(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d991b5712dc609877698f072b646aab428e2708
是枝監督も「一番の課題」 女性監督作品、21年間でわずか3% 映画業界埋まらぬ男女格差 実態把握へCF(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/31de424623f9bcb6968872dfa2a97f7f786c3c41
上の記事を受けて女性が監督で興行収入10億円以上の2000年代以降の邦画をざっと調べてみた。まだまだ見落としありそうだが、、、
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遅ればせながら、ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~をようやく見ることができた。
ハッキリ言ってこの映画、素晴らしいとしか言いようがない。近年まれに見るクオリティの高さだ。
さてこのとても素晴らしい新ドラえもんを、あえて旧ドラえもんと比較してみようというのが今回の企画だ。
野暮だとはわかっている。そんなことはとてもナンセンスでどちらも本当に素晴らしい映画なのは間違いない。
だからこそというか、天邪鬼というわけでもないのだが、どちらも素晴らしいがゆえに、旧ドラえもんを絶対的に正しいものと仮定し、新ドラえもんの何が悪かったのかという思考実験をしてみたくなったのだ。
さて、冒頭からもう既に新ドラは微妙だ。いきなりリルルの素性ネタバレ。おいおい、全然謎の少女じゃないリルル。もう開始10秒で鉄人兵団からの刺客であるというネタバレ。
しずかちゃんが良くわからないままボタンをポチっと押してしまって、ザンダクロスのレーザー装置が作動するシーン。
旧ドラではポチ→パカ→ドーン!という一連の流れがとてもスムーズであったが、新ドラではあきらかに何か恐ろしいことがおきるという間をたっぷりとりすぎていた。
見ている人が状況を把握できないまま、そう、まさにしずか達と同じ気分で崩れ落ちるビルを眺めることになったであろうシーン。それがなんとも迫力の無いシーンになりさがっていた。
旧ドラでは、リルルとのび太たちの心の交流を描いていた。しかし新ドラではピッポがそこに入ることで、リルルの影がかなり薄くなっている。
簡単に言うとピッポとリルルで感動が二分されてしまっている。いやどっちかというとピッポの方がメインであろう。
旧ドラではリルルがしずかの首を絞めるシーンがあった。これは二人は分かり合えるはずが無いという重要なワンシーンだ。しかし新ドラではカットされている。
しずかとリルルの確執が、リルルの「取り消しなさいビーム」のみというのが若干弱い。
のび太とリルルの最大の見せ場。ドラえもんとのび太がたずね人ステッキを使ってリルルを探し、リルルが兵団と合流するのを阻止するシーンだ。
ここでの改悪はひどすぎる。「撃って!」「撃てない・・・」「いくじなし!」というお互いの立場から分かり合えない気持ちを複雑に表現した重要なシーンなのに、なんとリルルのビームをピッポが受けてしまう。
これではのび太の思いも、リルルの思いも、どこへやら。全てピッポに持っていかれてしまった。
旧ドラでは最後のシーン、ハッキリとリルルが現れて何も言わずに去っていく。このシーンはとても重要で、のび太が確かに見たリルルは、映画を見ている我々も確かに見たのだ。
しかし新ドラでは、光に包まれたピッポとリルルしか写っておらず、これではのび太の戯言と言われても誰も文句は言えない。
ただこのシーンはそうするしかなかったんだろうとは思う。なぜならピッポはあくまでもドラえもんの道具でヒヨコのような姿に擬人化されただけに過ぎず生まれ変わったピッポの姿をおそらくどう表現すればいいかわからなかったからだろう。
うう、ミクロス。あの無邪気で屈託の無いキャラが殺伐としたストーリーに癒しを与えていたわけだが、可愛そうにピッポのせいでリストラにあってしまった。
しかも旧ドラでは世界を救うためのキーパーソンとなったキャラなのに、その手柄もしずかちゃんの自作自演に奪われてしまう。不遇のキャラ。