2021-05-20

恩師の下着感謝

中学時代下着校則違反を数えて、体育祭得点から減点するという「伝統」があった。

当時は管理教育の全盛期。

下着だけでも色・形状などが細かく校則指定されていた。

悪質なのは、それを生徒同士で監視するシステムになっていたこと。

違反者は教師にチクられ、その分がのちに体育祭の持ち点から減点されるという決まりなのだ

赤組白組それぞれの減点数は日々校内で告知され、連帯責任を煽る構造ができあがっていた。

もちろん、これに反抗する生徒は多かった。

二年生のあるとき体育祭の出し物を決める学級会のなかで、この制度おかしいという話になったことがある。

「生徒だけ監視されるなんて、不公平です!」

立ち上がって先生に抗議したのは、ボス格の女子だった。

やがて「そうだ、そうだ」という声が教室のあちこちから起こる。

私たち担任はといえば、まだ若い女教師だった。

いま思えば、先生自身もこの制度おかしいと思っていたのだろう。

しかし、新人立場ゆえ学校方針に逆らうことはできなかったのだ。

すこし黙って考えたあと、彼女は落ち着いた声でこう言った。

「それでは、私の下着監視していいですよ」

この一言から先生相互監視対象に加わることになった。

問題はここからである

先生下着は、校則という狭い檻を軽々と飛びこえていった。

端的にいって、先生毎日のようにエッチ下着を履いていたのである

赤、ピンク、紫、Tバック、紐パンハイレグなど、色とりどりの大胆な校則違反によって、いままでにない大規模な減点が生み出されていった。

そして私たち生徒は、その集計に追われる日々を送ることとなった。

集計にあたっては、色や形状など要素ごとに配点が決められていたので、その日の下着をよくよく調べる必要がある。

生徒手帳を片手に、校則下着を照らし合わせていく。

たとえばレース場合は1ひだ5点の設定なのだが、先生前後に幾重にもレースの連なったピンクパンツを履いているときもあって、それを数えなければならない。

このときは最終的に84ひだで420点に決まるかと思ったのだが、その後ピンク色は減点2倍だというルール存在が判明し、結局840点という結論になった。

こうして、体育祭を迎えるころには、16450点という天文学的な減点が積み上がっていた。

さて、ここで問題になるのが、私たち先生赤組白組のどちらに属すかという問題である

この中学では、体育祭の当日まで、先生たちの赤・白は決まらないことになっていた。

事前練習中の不公平感をなくすためか、最終種目である教員リレー」のときにはじめて、赤・白がクジ引きで決定されるのである

16450点の減点は、赤組白組どちらのものとなるのか。

体育祭勝敗先生次第といっても過言ではない。

そうして迎えた10月体育祭当日である

両チームともに熱戦を繰り広げ、お互い一歩も譲らない戦いとなった。

教員リレー」の時点で、赤542点に対して白551点と、白組が優勢。

私は赤組である

この種目ですべてが決まるのだという緊張感があった。

先生はどちらのチームなのか。

入場ゲートに全校生徒の視線が集まる。

長い髪を後ろで縛り、ジャージを着てすらりと立つ先生

かぶっている帽子の色は……赤だ!

そうだ。

先生下着で一番多いのも、この鮮やかな赤色だった。

きっと、いまジャージの下に履いている下着も赤なのだろう。

先生赤組なのも必然というわけだ。

これで赤組の負けは決まってしまった。

それでも私たちは、落胆などしなかった。

先生、がんばれ!!」

声援がどこからともなく起こり、増えていった。

それはやがて大きな波となり、校庭を包み込んでいく。

私たちと一緒に下着監視しあった先生

そうして積み上げられた16450点の減点。

こうやって先生私たちに教えてくれようとしたのは、この校則不条理ではなかっただろうか。

先生リレーで勝ってもらいたい。

そうして、赤組不条理な敗北へと導いてほしい。

私たちの心は、このとき一つになっていた。

歓声の渦に包まれながら、先生は猛スピードで左コーナーを走る。

まさに瞬足だ。

……こうして赤組は「教員リレー」に勝利し、10点を獲得した。

先生の減点を加え、赤組マイナス15898点、白組551点。

赤組の敗北である

しかし、不思議と負けた感じはしなかったことを、いまでも覚えている。

それから数十年、私もいまでは大人になり、日々エッチ下着を履くようになった。

でも、あの日先生を見ていた私は、そのことを決して恥ずかしがったりしない。

いまも減点1273点の下着はいて、この文章を書いている。

  • ワロタ 文才がすごい

  • 16450点という天文学的 俺らの銀河せま過ぎない?

    • 5点10点減点するかどうか、体育祭の総合得点が600点にも満たないという中16450点は天を穿いてるだろ

    • 「点」という単位は量的に一意ではない。 まさか「1光年」は天文学的数字ではないというつもりか?

  • 普通に面白かった こういう天才はなんで増田で文字書いてるのか謎

    • こんなのが天才と感じられるなんてレベルの低い世界で生きてるんだな

      • 褒め言葉としての「天才」を真に受けてるとかコミュ力低すぎるぞ、もっと人と話す生活しろ

        • こんなのに天才なんて言葉を使って褒めるのがレベルが低いってことだぞ

          • 天才って言葉を真に受けるなって言ってるのに「天才って言葉を使って褒めるのが~」ってコミュニケーションになってないやん 顔の見えない相手がどう受け取るかわからないから分か...

            • コミュ障ってホントキモいわ、誰かが褒められてることが許せないのか? もっと余裕持ってポジティブな言葉を交わす習慣つけたほうが良いぞ 同意だけど、ネットの向こう側には、...

      • 嫉妬はキモい

      • そうは言ってもおまえのような一切の価値を持たない失敗作と比べれば健常者は皆天才みたいなもんだろ

    • クリエイターっぽいよね

  • 絶対風俗増田だと思ったのに…

  • 喘ぎ声判定AIを適当につくったのと構造的には同じ話ですね いわば焼き直しです

    • あれは、プログミングのAIじゃなくてエクセルのマクロ、というところが味わい深かったな。

  • あえてパンティーと書かないスタイル?

  • たとえばレースの場合は1ひだ5点の設定なのだが、先生は前後に幾重にもレースの連なったピンクのパンツを履いているときもあって、 ここが作者的にも笑かしてきてるところなんや...

  • 下らん政治とかジェンダー議論よりもこういう文章の方が人を幸せにすると思う

  • 文学風に書いたらなんでも文才あるとか言うようになったな キッズが増えたのかな

  • ちょっと前に学生時代に鉛筆かなんかを通貨にしてひともうけ?流行った?みたいな話みたけど、それのパロディっぽく感じた

  • こういう文章上手い増田を見るとなぜかイラッとする

    • 自分が欲しいのに手に入らないものを持ってる人見つけるとイラッとするよね

      • そういうのもあるけど、どっちかといえば狭いコミュでウケ狙い取りに来てる感じがなんか鼻に付く

  • 増田の着用している減点1273点の下着について改めて点数を確認する必要があるな

  • 「私」は男子生徒だと勝手に思って読んでたから、最後でズルっとなった

  • 先生全員監査しないと意味ないのでは

  • あえぎ声を書くバイト https://anond.hatelabo.jp/20210408000218 恩師の下着に感謝 https://anond.hatelabo.jp/20210520231555 はてなブログランキングの増田部門に載る人には、明らかに常連がいる。 経済...

    • 糖質の症状として思い込みがあります。一度受信してみては?

    • 雑誌編集ならわかるだろ この世の表現は全てが悪だよ

    • はてなブログランキングの増田部門 増田ははてなブログが始まる前(はてなダイアリーがある頃)の2006年に開始したからちょっと微妙な気分になるんだぜ

      • じゃあ俺2006年からつかってるのか

      • へー youtubeとほぼ同時じゃん やるじゃんhatena   増田ははてなブログが始まる前(はてなダイアリーがある頃)の2006年に開始したからちょっと微妙な気分になるんだぜ

        • 学生時代にはてなやら増田やらに気付いてなくて良かったー、貴重な青春の1ページをクソリプで埋めるところだったわ

        • かつて日本のGoogleと呼ばれた企業だからな

    • ドスケベシリーズが終わってしまったのが残念

    • たしかに居ると思う。増田愉快犯。 その存在を確かめるために、我々取材班は増田の奥地へと向かった。

    • AQUOSr6

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