2020-10-01

SIer からベンチャー転職したが SIer は悪くなかったかもしれない

新卒SIer に入った。

大学時代プログラミングをかじったら楽しくて、これを仕事にできたらいいなと考えて IT 業界を志望し、

でも Goole とか Amazon とかのイケてる企業に入る実力も到底なかったので、とりあえず大手SIer に入った。

研修を終えて某大企業に常駐して働くことになったが、労働環境はひどいものだった。

IT ベンダが集まるベンダ部屋みたいなところにぎゅうぎゅうに押し込まれていた。

PCディスプレイは当然 1 枚しかなく(プログラミングするには 2 枚ほしい)、メモリも足らず、

セキュリティ問題からネットには繋がらなかった。何か調べるとき自分携帯を使う必要があった。

新卒でもいきなり下請け企業のメンバが下についたが、ペーペーの私から見ても信じられないくら能力が低く、その人たちのフォローでも時間が取られた。

そうでなくてもプロジェクト山火事のように燃え続けていたため、仕事量はあまりに多く、だいたい毎日終電まで働いていた。

実際の残業時間は当然のごとく毎月 120 時間をゆうに超えていたが、法律上申告できない部分はサービスとしていた。

ある時、客先のマネージャーに、「このタスクいつ終わるんだ?」と言われ、

私は「(無理して)2週間くらいです」と答えた。 1 週間でやれ、と言われた。

私に残された手段は、1 日で 2 日分働く以外になかった(当時はいい子だったので、バックレるなど考えられなかった)。

終電ではなく逆方向の"始発で帰る"ようになった。シャワーだけ浴びに家に帰って、1 時間くらい寝てすぐ出勤した。

それでも 1 週間ではタスクが終わらず、そいつから罵声を浴びせられることとなった。

なぜこんな頑張っているのに怒鳴られなければいけないのかと、その日は帰りの終電に乗りながら世の中の理不尽さに泣いた。

その後もしばらくハードプロジェクトをいくつか経験したが、

数年経って、たまたま割と余裕のあるプロジェクトに移ったので、積もりに積もった会社への恨みを晴らすときだと思い、転職活動をはじめた。

ハードすぎるとき転職活動をする余裕など到底ないのが皮肉ものである

自身技術力が磨けそうで、魅力的なプロダクトを作っていそうなスタートアップ企業を受けて、内定をもらった。

辞めると言ったときには偉い人たち含め、いろんな人から引き止められたが、聴く耳は持たなかった。

皮肉なことに、上記の厳しい環境でも死ななかった経験からサイヤ人のように戦闘力が高くなっており、評価が高かったらしい)


スタートアップ転職し、前みたいなひどい労働環境はなくなった。

同僚も概して優秀だし、給料残業がない分は下がったが、もともとそんな金は必要ないので問題はない。

しかし、今となっては SIer はそこまで悪くなかったかもしれない、と思ってしまう。

なぜかというと、今の会社プロダクトがあまりにクソだと知ってしまたからだ。言ってしまえば "この世に必要のないもの" だった。

現在の弊社が掲げる誇大広告に騙され、入社して内情を知るまでは見抜けなかった。うかつだった。

この世に必要ないプロダクトを作るのは苦しい。自分が世の中に貢献しているという実感が持てないから。

ベンチャーなので営業にも行ったりもしなければならないのだが、その時に「うちの製品は素晴らしい」と思ってもない嘘をつかなければいけないのも苦しい。良心の呵責を感じる。

SIer にいた頃を思い返してみると、作っていたものは世の中に明らかに価値を生み出している大企業の、明らかに必要システムだった。

もちろん、SIer だって世の中に必要ないシステム(誰にも使われないシステムとか)を作っているケースもあるのを知っているが、概して数は多くないのではと思う。

今の会社黒字化など到底無理そうなので、潰れる前に転職しようと思っているが、SIer に出戻るのも悪くないかなと思わないでもない。喉元過ぎれば熱さを的なやつ。

まぁ SIer よりも外資イケてる企業に行けるならその方が良いし、誰かいきなり 10 億円くれたりしたらもっと良いのだけど。

  • 協力会社として働いてた身からすると、Sierにあまりいいイメージはない。 世の中に必要なものはSierが作っているってよりは、世の中に必要なものはSierが囲い込んじゃったって方が正確...

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