2002年に放送されたそのアニメは、当時ネット黎明期だったとは思えないほど
放送から18年経つが、技術が発展した今だからこそより楽しむことができるほどだ。
見たことない人はぜひ見てほしい。
当時インターネットはすでに日常の一部になっていて、話の内容はとても身近なものだった。一気にハマった。
SSSの3D上映も見に行ったし、渋谷のIGストアにグッズを買いにも行った。
そうして1ファンとして楽しんでいたある日、攻殻の新作が発表された。
正直、受け入れられなかった。
まあ、それでも、シリーズが違うということで納得はできた。
攻殻機動隊は、漫画版も、GITSも、SACも、それぞれ違う世界の出来事なのだ。
そしてあるプレスリリースを目にした。
攻殻機動隊SACの続編が出るのだ。しかも、2045。SSSの15年後になるらしい。
一気に心拍数があがった。そして、キービジュアルを見て一気に血の気が引いた。
だれだ、この女は。
おそらく少佐だろうその女は、自分の知らない見た目をしていた。
ただ、少佐な義体を頻繁に乗り換えていた。少佐の見た目が違うくらい、些細な問題だ。
フルCGアニメ。嫌な予感がした。
正直彼が作った009の映画は耐えられなかった。
いや、しかし、それも何年も前の話だ。
最近の神山監督はもっとうまい3DCGアニメを作ってるに違いない。
Netflixで神山監督が制作しているULTRAMANを見た。嫌な予感は更に深まった。
妙に女っぽい体型の男が、話しながらずっとせわしなく体を動かしている。
後ろのモブの動きが鼻につく。
アニメのようにデフォルメされたモデルがモーションキャプチャーでリアルに動くと、こんなに気持ち悪いのか。
もしかしたら、自分は、攻殻機動隊の新作が生理的に見れないかもしれない。
不安を抱えながら、それでも時間は流れ、ティザームービーが公開された。
PS2だった。
いや、この際、妙にきついハイライトや、色気のない影、
テクスチャー感が凹凸と合っていないヤシの木には目をつぶろう。つぶりたくないけど。
本当に衝撃なのは。少佐が、地面に降り立つときのSEが、軽かった。
まるで、見た目の少女相応の軽い音をたてて、全身義体の少佐は車から降りた。
些細なSEだ。が、自分の求めてる攻殻機動隊SACは見れないだろうな、という確信を抱いた。
ただ、その後田中敦子の声を聞けたのは最高だったけど。
自分がどういう感想を抱こうと、制作は進むしPVはどんどん公開される。
当初SSSの15年後と聞いて想像した、年季の入った9課メンバーはいない。
シワがないのだ。体型が幼いのだ。もはや前作よりも若く見える。
しかし、前回のPS2かくやというPVを見て期待値は地に落ちていたので、思ったよりもショックは受けなかった。
そうして公開までの日常を過ごしていたある日、
何気なくNetflixのランキングに入っていたドロヘドロを見た。
アニメならではのかっこいい演出、自然なモデル、ケレン味のあるモーション、
気がつくと、自分は泣いていた。
なんで攻殻機動隊はこうならなかったんだろう。
リアルになんか動かなくていい、アニメには静と動、かっこよく動いていれば誇張してたっていい。
あんなリアルにもデフォルメにもよりきれていない中途半端なモデルになるくらいなら、
でももう、2045が出てしまったら、俺が見たいSACの続編は一生出ないんだ。
悔しくて涙が止まらなかった。
そして、ついに攻殻の新作が公開された。
今、途中まで見てる。
やっぱりモーションキャプチャーはやめてほしかった。
なんで少佐とトグサが同じような動きしてるんだ?
少佐は、今まで散々「一目で全身義体だとわかる」と言及されてたんだ、
…そんな怒りもただ虚しい。
それ、神山監督じゃなくてもう片方の監督(とスタジオ)の問題だと思うよ フィルモグラフィー見ると全部そんな感じの作品
サーモグラフィー