2019-07-20

今年から鰻を食べることにした

昨日、鰻を食べた。5年ぶりかな。もっとかもしれない。両親と3人で食べた。美味しかった。

昔は夏のごちそうとして、ひと夏に2回くらい食卓に上っていた。学校から帰ってきて、夕食が鰻だと知った時のあのうれしさ!記念日でもなんでもない日に、母がスーパーから鰻を買ってきて、温めていて、その間にすごくテンション上がって両親にいろんな話をして、それで山椒をかけて食べる。かけすぎて鰻の味がよくわからなくなってヒーヒー言ってると、父が鰻を交換してくれたりして。「食べかけの鰻が新品になった!ラッキー」とか言って鰻にかじりついてた。一番疲れてて鰻を必要としてるのは父なのに。

その美味しさよりも、ウナギを取り巻く幸せ空間が好きだったのかも。お正月クリスマス、誰かの誕生日じゃないときサプライズ的に登場して家族幸せを運んでくる鰻が私は好きだった。

でも鰻が絶滅危惧種であると言う話を聞いてから何となく食べるのは良くない気がして食べてこなかった。

私が何気なく「鰻が絶滅しそうなんだって」って言った時から、なんとなく鰻が出てこなくなったと思う。それでこの数年、全く鰻を食べなくなって、鰻の話題も出なくなった。土用の丑!みたいな広告を見ても、ちょっと黙ってスーッと通り過ぎるようになってた。

それで、毎年のようにこの時期話題に上る「絶滅危惧種たる鰻を食べるなんてなんと野蛮な」みたいなネット上の話題を眺めてて、ふと思い浮かぶことがあった。

「鰻食うべからず」の論者にはいくつかの派閥(っていうかなんていうか)があって、「絶滅危惧種を食うのは野蛮だ」「養殖成功してから食べよう」「漁獲量管理し、高級鰻店にの許可しよう」みたいなのが主だと思う。

で、この3つ目の意見を見ていて、「鰻食べよう」と思ったのだ。

3600円とか5400円とかの高級うな重を出すお店にの許可しよう、安く叩き売っていたずらに鰻消費を増やすのはやめよう、という話だけど、これにものすごい反発を覚えた。

なんだろう。私たち我慢をして、鰻の消費量を減らしても、結局お金のある人が得をするだけじゃん、っていう気持ちが突然降ってわいた。

私が我慢しても、褒められるわけじゃないし、そのうち食べられるようになる保証もない。

我慢している間に、鰻を食べる人は幸せになって、私は我慢してて、お金持ちは美味しい鰻を食べていて、それでそのうち鰻が絶滅してみんな食べられなくなる。我慢している人がワリを食う構造なんだなってわかった。

社会の縮図みたいなもので、我慢する人よりも我慢しない人のほうが多くの物を得る。モラルをある程度無視するとモノが手に入る。

それなら、私も鰻を食べよう。ワリよりも鰻だ。鰻を食べるのだ。

鰻が希少になって、高級店でしか食べられなくなるのが資本主義原理なら、鰻をたくさん食べて、価格競争によってもっと安く食べられる資本主義原理で対抗しよう。

まぁ、そんなに熱くなるほどではないけれど、とりあえず私は鰻を我慢するのはやめた。ネットじゃ怒られるかもしれないけど、スーパーで私を怒鳴る人はいないし。

と言うわけで、鰻を2尾、スーパーで買ってきた。3000円くらいかな。国産らしい。大きくないけど、おいしそうだ。

買うのには大変な覚悟必要だったけど、頑張った。私の家にはあんまりお金がない。その原因は私にある。発達障害で、普通の勤め先には長く続かない。小さなミスが多すぎるので、ルーチン的なお仕事もうまくいかない。結婚すれば…・とかも思ったけど、こんな私を選ぶ人はいないわけだし。

この鰻を買うにも5時間くらい頑張らなきゃいけないけど、それでも鰻には幸せなパワーがある。買って帰るときスキップしたくなった。実際してたかもしれない。

私が鰻を買ってきたのはこれが初めてだ。

鰻を買って帰ったときの両親の顔!とっても驚いてくれて、喜んでくれた。やっぱり、なんでもない日に突然幸せがやってくると嬉しいのだ。

それで、私が責任を持て鰻を温めることにした。温めるだけだけど。母が「山椒あったかな?あ、ダメだこれ賞味期限過ぎてる!」とか騒いでて、父も「これは酒飲まないとなぁ」と物置に小走りで行ったり、楽しかった。山椒ちゃんと買っておいたのを使った。

3人で「おいしいねえ、おいしいよねぇ」って言いながら鰻を食べた。やっぱり鰻を取り巻くこの空間が好きだ。絶滅したらごめんなさい。私が死んだら鰻にシバかれるのかな。でも両親のあの嬉しそうな顔にはいくらでも代えられるな。

一年に一度鰻を食べられるとして、両親も還暦を過ぎているから、あと10回くらいかな、楽しく鰻を食べられるのは。その間に絶滅ちゃうかもしれないけれど、ちゃんと味わえる間に鰻を食べていこうって思った。それまで鰻代を稼ごう。頑張ろう。

鰻を食べよう!と決意してから、近所のスーパークジラ肉がだいたい毎日売っていることにも気が付いた。みんな「クジラを食べるのはちょっと…」って思いがあるのか、19時くらいになるとかなりの数が半額になっている。どうせだし、クジラも食べちゃおうと思っている。そこのスーパークジラ刺身用らしい。クジラのお刺身も美味しいかもしれないぞ。でも父はあんまりきじゃないっぽいから、今度一人で試してみよう。

暑い夏もこういう楽しみがあると乗り切りがいがあるなぁと思う。大きめのスイカと同じくらいの値段だし、鰻も頑張れば1年に2回は食べられるかも。

オチ結論も何もないけれど、鰻は美味しかったということで、結びたいと思います

ありがとうございました。

  • 本当に絶滅しそうなら店で売られるわけがないんだから、安心して食べていいぞ どうせ騒いでるのは専門家でも何でもない、ネットで聞きかじった情報を信じてるだけの奴らだからな

  • 絶滅危惧だけじゃなく稚魚密輸のニュースでますます食いづらい 反社に金が流れるのはまずいしな

  • それで良い。個人は個人の幸せを追うべきだ。 後、クジラは時間がたつと生臭くなって不味くなるぞ。物は試しで買うのは良いが半額の物はあんまり期待しないようにな。 新鮮で美味い...

  • 今日は土用の丑だったか。 子どものころ、卵とじしてかさ増ししたウナギを食べてたなぁ。 当時もウナギは高級品だったはずで、うちの家計で家族の人数分買うことはできなかったんだ...

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