2019-04-30

離婚した

平成最後の平日、

私たち結婚生活は幕を閉じた。


子供には離婚することは告げていなかったが、役所に行く私を見つめていた眼差しは心なしか寂しそうな顔をしていた気がする。

妻のほうから離婚してほしいと言われたが、役所に着いたら「やっぱりやめよう」と連絡があった。

私は「今ここで止めてもこの先同じ話を繰り返すだろう」と伝えて離婚届を提出した。


他人同士が仲良く暮らすということの難しさを感じた4年間だった。

まして子供が生まれるとそれをより痛感していた。

道行く家族や両親はこれを乗り越えて私たちを育ててくれていたのかと思うと、親のありがたみを感じる。


思えば付き合った当初からすれ違いや喧嘩は多かった。

当然、喧嘩がないカップル夫婦が仲が良いとは思わない。

意見の食い違いや価値観の違いを話し合って乗り越えて成長していくものだ。

しかし、私たちはそれをしなかった。

何かある度に時間解決してもらった。

どちらかのほとぼりが冷めるまで待つだけで、今後同じようなことをしないための取り決めや話し合いを怠った。


私はこのやり方は間違っていると気付いていた。

しかし、収まった事態をまた掘り返して相手の機嫌を損ねることを恐れた。

その場限りの対応で恒久的な対策をしない。

今考えても呆れる。

ただそのとき彼女暴言自分ストレスとなり、どうしても次に生かす話し合いができなかった。

せっかく収まったのに、また心無いことを言われるのではないかと。


そんなことを続けながら付き合って1年くらい経った。

喧嘩の頻度が増えてきていよいよ私が耐えられなくなった。

お互いの家は3時間ほど離れており、すぐ会えないことも原因だと考え、同棲提案した。

今思えばここで別れるという選択肢もあったが、私も彼女もお互いに依存してしまっていたのだと思う。

同棲して一緒に居れば大丈夫だろう。』


同棲を始め、しばらくはうまくいっていたが、それも長くは続かなかった。

やはり根本的に解決していない問題を前にしては、同棲という付け焼き刃では役に立たない。


同棲前は物理的な距離があったたため、険悪な雰囲気になっても、自宅で一人知らないふりができた。

一緒に住んだらそれができない。


同棲したらすべてが解決すると思っていた。

「良いことばかりではない。」

頭ではわかっていたはずなのに、それが起こったときには結局何もできない。

こういうとき対処法をなぜ誰も教えてくれないのだろうか。

そんな馬鹿なような真面目なことを考えたりもした。


何かあったときは淀んだ空気の中で2人、喋ることもなく置物のように存在していた。

最初問題に向き合っていたが、何度も繰り返すうちに心が錆びていくのを感じた。

まるでどうやっても動かない岩を一人で運ぼうとするような。

すべてをシャットアウトする彼女を見ると、そんな虚しさを感じた。


そんなときでもお互いどちらも居づらくなって、家を出るようなことはしなかった。

彼女はそんな状態でも一緒に居ることを望んだ。

私は気分転換に家を外したかったが、自分が1人で出掛けることは浮気とみなされたので、それは叶わなかった。


一緒に住むと、いわゆる「自分時間」というものはなかった。

仕事をするか家にいるかのどちらかだ。


このあたりから別れることを意識するようになった。

ただ一緒に住んでしまうとそれは言い出すのが難しかった。


そんなとき彼女がぽつりと「結婚」というワードを漏らした。

さすがにこれには私は首を縦には振らず、「今の状態ではできない」と伝えた。


彼女は泣きながら「自分の行動を改める」と必死で訴えた。

結婚すれば大丈夫だろう。』

数日考えて結婚することにした。

彼女だけではなく、私自身を改めなければいけないことがたくさんあった。

これからは逃げずにぶつかっていかなければなからなかった。

染み付いた逃げ癖は自分の中から抜けることな居座り続けた。


ここまで読んでいただければ予想ができる通り、結婚後も何も変わらなかった。

彼女は私にありったけの暴言をぶつけ、私は逃げ続けた。

彼女の気が済むとまた日常に戻っていく。


結婚したら次は子供だった。

子供が欲しいということは以前から聞いていたので、結婚後はすぐに欲しがった。

子供は愚か2人の関係も続くか問題視していた私は反対した。

それにお互い貯金も貯まっていなかった。


彼女は激昂した。

概ね彼女意見は以下の通りだった。


・産まないほうは何とでも言える。

・作ろうとしてもできないこともあり、危険高齢出産なんかしたくない。

子供を産むのが遅くなったら仕事に影響する。

子供を作るのを止められるなら結婚しなければよかった。


2人の関係が続くかどうかや、こんな状態子育てができるかどうかは気にしていないようだった。


子供が生まれればこんな状態も終わるだろう』

子育てが始まればこんな不毛な争いを夫婦間でやっている暇はないのだ。

逃げ続けた私はあろうことか、まだ見ぬ自分の子供に救いを求めた。

それから子供ができればこの生活は終わるんだと言い聞かせて生きてきた。

1年ほどで子供を授かり、去年無事産まれた。


私の希望的観測は一瞬にして崩れ去った。

育児の忙しさやストレスから彼女攻撃性は増していった。

同棲結婚出産

夫婦の一大イベントをすべて経験してやっと理解できた。

私たちは変われないのだと。

もしくは変わる気がないのだ。


事あるごとに「離婚しろ」とは言われていたが、今回初めてそれに同意した。

彼女は一瞬目を丸くしたが、「そう。」と一言呟いた。


そして冒頭に戻る。


『一緒に住むようなれば…

結婚すれば…

子供が生まれれば…

きっと私たち関係は良くなっていくだろう。』

そんなことを毎回信じていた。


今考えたら何と甘い考えだろうか。

話し合うことから逃げて、意見の衝突を恐れて、相手に付き従う。

私たち離婚届など出さずとも、初めから夫婦にはなれていなかった。

依存の愚かなカップルまりだったのだ。


自分の行動が彼女を狂わせてしまった。

自分がまっすぐ正面から向き合って矯正しなければならなかった。

自分が例え嫌な思いをしたとしても、それは後々の自分のためになったのに。

離婚したことに対して後悔はしなかったが、子供に対しては無責任なことをしてしまったと罪悪感は残った。


結婚して子供もいて、何年も何十年も一緒に居る方達には敬意を表する。

悪いところは平成に置き去り、元号とともに自分自身を改めないといけないと感じたGWだった。

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    • 大塚家具を買えばいいんじゃないw

  • ヨカッタネ!新しい嫁は大塚家具のヘアスタイルの方かな?

  • そういう人にかぎってちゃんと整理したからって前のままを引きずるんだよね 事細かに整理した風に全部蒸し返して語るとか正直正気の沙汰じゃない

  • 1945年、日本人はアメリカに原子爆弾で大量虐殺されました。天皇は日本を敗戦に導いた指導者でした。おめでとうございます。 In 1945, the Japanese were massacred in America by the atomic bomb. The Empero...

  • とりあえず、お疲れ。

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