はてなキーワード: 関西とは
何にもやる気がおきない、食べるのも面倒臭い、人と会うのが怖い。起きるのが辛くて一日中ふとんの中で過ごす事もしばしばあった。
たまに起きてもPCの前で鬱病チェックとかググってたり、メンヘル板でROMってたり。次第に自分は鬱病なんじゃないかと疑い始める。ますます気が滅入る。
ネガティブシンキングの連鎖は朝から晩まで止まる事を知らなかった。
まぁ、ここまではそんな珍しくない話かな。
こうして4週間ぐらいひきこもりの日々が続いた。もう朝も昼も夜も日付にも感心がなくなってきた頃の事だ。
幸いな事に自分を心配してくれる友人がいたので、彼のススメで精神科に通う事になった。
厳密に言うと、通ったのではなく2度ほど受診しただけなんだが。
開院時間や休診日などのチェック、問診票のPDFをコピー、記入を行い準備完了、いざ出陣。
電車で二駅、そこから徒歩数分の場所にあった。
私は大の病院嫌い、それに加えてこの精神状況。正面ドアを開くまで5分ぐらい手前でウロウロしてしまった(自動ドアではない)
初めての病院って大体こんな感じになるよね?
靴を脱いで上がる。ロビーはコンビニの4分の1くらいの大きさ。受付は目の前だ。そこで初診の旨を伝えると、窓口の小汚いおばさんから想定外の言葉が返ってきた。
「当クリニックは完全予約制です。申し訳ございませんが来週の◯曜日、◯時にまた起こしくだしあ」
え?え?アポ必要なの?マジで?そんなのホームページに書いてなかったじゃんか!!なんでそんな大事な事を予め知らせてくれなかったの!
ひきこもりには電話なんてできねえよ!ネット予約できるようにしやがれ!てか正確な情報掲載しろよ!
私は受付前で挙動不審、軽いパニック状態に陥り、他の患者の痛い視線を浴びながらそそくさと病院を出た。靴を脱いでからここまで2分も経っていない。
後日、あのババァの言われた通りの時間に合わせて、再び足を運んだ。
この時気付いたのだが、ドアに貼付けてあった受診時間や休診日の張り紙を見ると、ここまでホームページと違っていたのだ。もう呆れて物も言えない。
前回来た時より私の心は弱っていた。もうノーガードにも程があるだろってぐらい。19歳なのによぼよぼの足取りでソファへ腰掛けた。
ここから第二の地獄が始まった。精神科の雰囲気がもう堪え難い程酷かったのだ。
前述の通り、ここはとても小さなロビーでソファが3台ほど備わっていて、受付と向き合う様に配置されている。
ロビー側はやわらかな照明で患者をいたわる姿勢がわかるのだが、正面にある受付を照らす蛍光灯が気持ち悪くなるぐらい眩しいのだ。
ロビーと受付は吹き抜け?のような構造なので互いを遮る物はなにもなく、全てがダイレクトにはね返ってくる。
この構造が生み出した更なる弊害は、受付看護婦の私語が常に耳に入ってくる事。
ここでは表記できないような品の無い言葉や、業務に関係のない私語や嘲笑、それら全てがこちらの五感を障る。もう耐えられん。
おまけに謎のバックミュージック。ヒーリング効果のある音楽なのだろうが、私から言わせればファミコンゲームの安い電子音。
S.E.N.Sとか世代を選ばない無難な音楽を流せよっ!てフロントに怒鳴りつけたくなった。
時々、診療室から先生と患者の会話のやり取りが聞こえるのもあり得ないよね。
先生がカウンセリング中に部屋を出る事があるんだけど、こいつドア閉めないの。ロビーから患者丸見えだよ、なによこのプライバシーを配慮しない最大限の努力。
ただでさえ他人の視線や言葉に敏感な患者(私)の容態を悪化させるには十分すぎる環境作りだった。
こいつら・・・・・・治す気あんのか?
いよいよ自分の受診の番がやってきた。既に私は、相手の言葉が耳に入らなくなる程ストレスが溜まっていた。
気付くと自分は「躁鬱病」と診断されていて、窓口で一週間分のパキシル(抗うつ剤)を受け取り、3500円も財布からなくなっている。
……そうか、やっとわかったよ。精神科医は来る人来る人を「鬱病」にさせ、お金をふんだくる最低な奴なんだね。
あらゆるメディアが「うつ病」を有名にして流行らせたけど、あれは精神科医の陰謀だよ。もう洗脳だよ。
そう気付くと、私は次回の診療なんて行く気が失せてしまったね。
長くなったけど、私が言いたいのは友達を大切にしましょうってことです。
自分のことをある程度理解してくれる友人、あるいは家族が一番のお医者様です。臭いけどこれ真理。
*追記
仲のよかった男友達が就職で関西に行くことになったので夕飯を食べに行った。
ごはん食べながら話しててもなんだか楽しくなかった。
お店出てから少し歩いて、人気のないところで抱き締められて告白された。
ついでにチューした。
一度唇が触れたらすごい勢いでキスしてきて、胸に手が伸びてきたので一旦制止。
エッチしちゃうのは簡単なんだよな、問題はエッチしたあと関係が続くかどうかだよな、
と思いつつ、
「やらない後悔よりやった後悔」
と思ってそのままホテル行った。
想像より柔らかい体だった。男の人の体ってもっと筋肉質で固いもんだと思ってた。
ぺたーんとひっついてるのがすごく気持ちよくて一晩ずっといたいなあと思った。
休憩でしかいられないのが寂しかった。
挿入しようとしたけどなかなかうまくいかなかったから、ひたすらいちゃいちゃしてた。
普段は挿入がないと物足りないんだが、なぜかすごく満たされた感があって
上等のお酒で酔っ払ってる時みたいなふわーっとした感じがしばらく体に残った。
機会があったらね、とかわされたけど、もっかい裸でくっついてみたいなあ。
今の恋人と付き合い始めたのがちょうど1年ほど前、同居を始めたのが六ヶ月前。飲みすぎた時などにちょっとした口論をすることはあれど、そのつど仲直りをして、基本的にはうまくやってきた。それが、昨日、殴り合いの喧嘩をしてしまった。
そもそも最近、恋人の私に対する扱いが(特にセックスにおいて)ないがしろになっていたのだ。生理中にはほぼ毎日口でしてあげていたのに、生理がちゃんと終わってないにも関わらずセックスしようぜと迫られたり(結局した)、で久しぶりにちゃんとセックスしたらなんかやたら早いし、お前ただやりたいだけなんじゃないかということが続いていた。
それで知らず知らずのうちにストレスが溜まっていた折、共有パソコンの履歴に小学生のエロ動画を見つけてしまった。「関西援交」とかそういう名前のサイトだった。そこでは胸もぺったんこの小学生が、チンコをくわえさせられたり、つるつるで割れ目もばっちりのあそこにつっこまれたりしていた。
正直に言って、かなりひいた。小学生はないわ、と思った。これまでも恋人とはよくエロ話をしていたが、ロリコン趣味があるなんて聞いたことがなかった。高校生のときに、友達からお菓子系の雑誌を回されてきたことがあったとか、そういうことを言っていたくらいだった。普通の(成人女性の)エロ動画やAVをたまに見ていることは知っていたが、それくらい男だったら普通だよなとか思ってきた。びっくりして履歴を遡って見たら、一緒に暮らし始めてから少なくとも4~5回、そのサイトを見ていることが分かった。一回何かの間違いで見ちゃったとか、とにかくそんなレベルじゃない…!あと、近所のデリヘル店を店名で検索していたり、お見合いサイト(match.comとかそういう感じのやつ)に登録していることもわかった。履歴ひっくり返しているという罪悪感がありつつも、手が止まらなかった。それでも相手に「あんたロリコンなのか」と聞くわけにもいかないので、「最近寝つきが悪いので」とかなんとか理由をつけて、その夜は別々に寝た。
次の日は仕事の人と飲みに行ったのだが、そこで予想外に飲み、予想外によっぱらってしまった。夜の1時ごろ家に戻ると、すでに恋人がぐーぐーと寝ていた。そこから先のことは、ぼんやりとしか覚えていない。私は寝ぼけた恋人に「小学生が好きなのか」「家にデリヘルを呼んだのか」と詰め寄り、そして彼を殴ったのだという。最初は恋人の上に馬乗りになっていたのだが、男の力には勝てず組み伏せられてしまった。そして手元にあった目覚まし時計を掴み、「死ね」と叫びながら恋人の頭を殴った。目覚まし時計が壊れると、今度はエアコンのリモコンを手に、殴り続けた。恋人は最初こそ反撃してこなかったか、途中で何か心境の変化があったのか、「調子乗ってるんじゃねえぞ」「お前が死ね」と叫びながら、よく分からない寝技をかけてきた。恋人は元柔道部だった。息が出来ず、「苦しい」「死ぬ」と叫んだ。本当に痛かったが、相手に女に手を上げているという罪悪感を抱かせ、手を緩めさせる作戦だった。ベットから転げ落ち、床にはなぜかマヨネーズが落ちていたため、中身が飛び出てぬるぬるになった。私が本気だということを思い知らせてやろうと、台所から包丁を持ってきた。ほんとに彼を刺すつもりだったのかは、分からない。「それはダメ」と包丁を取り上げられると、台所に戻ってもう一本の包丁を握ったが、それも取り上げられた。「このキチガイが」と恋人が叫んでいた。台所の床は片栗粉まみれになった。あと、これは翌朝になって分かったことだが、コタツ机の脚も一本折れていた。「もう出てって」と言うと、「お前が出て行け」と言われたので、財布を持って一人で一番近所のラブホテルに行った。ちょうど2部屋の空きがあり、料金はたしか1万円しなかった。部屋はやたら広く、トイレや風呂などドアがいくつもあり、迷ってしまいそうだった。広いベットでちょっとだけ寝た。いつの間に戻ったのか、朝起きたら自分の家にいた。ホテルのスリッパで帰ってきてしまったようで、お気に入りの靴がなかった。
朝方に目が覚め、恋人と少し話をした。「『誰でも一度は処女だった(寄り道パンセから出ている辛酸なめ子の本、私が買って家に置いていたもの)』という本を読んでいたらちょっとムラムラしてしまって、そういうサイトを見てしまった。小学生が好きなわけではないし、オナニーもしていない。『この子何歳ぐらいなんだろう』という、単純な興味で見ていた。本当にオナニーに使っているエロ動画はちゃんと隠しているし、履歴も消している。ただサイトを見ていただけで、ロリコンと決めつけられるのは大変不本意。デリヘルは前の部屋の時に一回使ったことがあったので、あの子はどうしてるのかなと思って見た。この部屋に呼んだことは一度もない。別に履歴を見るなとは言わないけど、そこまでされたことは正直言って不快」というようなことを言っていた。複数回に渡って「関西援交 小学生 妹」のワードでグーグル検索をかけておいて、「この子何歳ぐらいなんだろうという単純な興味」では無理があるだろうと思った。血こそ出ていなかったものの、顔には引っかき傷が何箇所かあった。体が、頭が、物理的な意味で痛かった。私は夜半薄着で外をうろうろしたため、風邪をひいてしまったようで熱があった。私は会社を休んだが、恋人は普通どおり会社に行った。
恋人が会社に行った後、熱めの風呂を入れ、一人で入った。体のあちこちに、あざが出来ていた。シャンプーをするために腕を上げただけで、さまざまな筋肉に痛みが走る。私は恋人をたくさん殴ったが、私自身も同じくらいたくさん殴られた。頭の形がおかしくなっている。風呂に浸かって裸の自分の脚のあたりを見つめながら、もううまくいかないかもしれないとなんとなく思った。恋人のパソコンからエロ動画が見つかったということだけで、自分がここまで取り乱し、キチガイになれるということに、正直に言って恐怖を感じた。悪いのは私だし、恋人のことを嫌いになったわけではないが、一度関係が破綻した上で何もなかったように関係を続けることが出来るのだろうかと思った。ああ、部屋を片付ける気力がない。
大学を中退して数年、初めてまともな文章の形にして、サッカーの現状を書こうと思う。大御所が見た「現状」ではなくて、知識も経験もろくにない学生の意見なので、細かい突っ込みはご勘弁。簡単な経歴には触れざるを得ないと思うので、匿名日記だけども別に身元がバレても構わない気持ちで書く。長くなるから、適当に読み飛ばしてくれて結構。
関西のまあ誰でも知ってる進学校出身。男子校。何を思ったのか、サッカーに強い興味を持ち(そのころの時代の雰囲気も影響していたと思う。Jリーグ開幕とかね)、まあ実家からそこそこ近い大学に進学。授業は正直言って、まったく面白くなかった。系統だった講義があるわけでもないし、科学的な考え方を叩き込まれるわけでもなく、雑多な知識を積み込まれるだけという感じ。今考えてみると、恐ろしいことに9割以上が就職する割りに、勉強している人間はほとんどいなかった。
4年生になると週のほとんどが実験。レジュメを読んで手を動かす。ある程度問題意識を持って、研究室に遊びに行ったり、セミナーに参加したり。そこそこ充実。ゼミでも知識が増えていくのは面白かった。ただ、このあたりで、他のやつらと比べて、「ああ。おれ全然頭使ってない感じがする」と思っていた。このあたりでサッカー止め様かとか就職活動も少し頭にあった。
焦燥を感じつつも、周りのやつらも同じようなことを言っていたので、まあこの時期誰でもそういうことを感じるもんなのかな、と自分を納得させる。卒業する前に少し早めに部室に通い始める。生活はここで激変。鬼コーチの特訓で、時間の縛りが大変厳しい。1週間のうちほとんど拘束。土日もなし(毎年のお正月は部室でどんべえ食べていた)。練習も一度始めると、当然自分の意思で「今日はきりがいいからここまで」ということはできない。週3日は徹夜で練習してそのまま練習に出てた。まあ、これは耐えれないこともなかった。
ただ、皆が使う器具や練習場の芝の世話を、仮にもお金を払うお客さん側である学生に負担させることへの違和感は感じていた(この違和感は後に海外に短期留学し、向こうの様子を知ることで強まる)。試験前は本気で「どうしたらいいんだろう」と悩む。しかし自分が(自分で言うのもなんだけど)純粋培養で、世間知らずというのもあったし、部内の人間関係は悪くなかったし、周りが「当然、Jリーグ関係に進むんだよね?」という雰囲気(実際にコーチにそう言われた)もあり、某Jリーグ下部組織に進む。
いよいよ生活は練習の日々。練習が始まると生協にすらいけなくなり、コンビニ弁当ばかり食べていた。唯一の楽しみはチョコボールを一緒に買って、金のエンゼル当てること(結局、金のエンゼルは一回も当たらなかった)。夏あたりで体がおかしくなり始める。朝起きれない。同期の練習生は合わせて7人中5人が去っていった。残りはおれともう一人だけど、もう一人もほとんど練習に来ていなかった。
信じがたいことに、天下の某Jリーグ下部組織(今となってはこんなこと思っていた自分に失笑してしまうけど)に苦労して入っても、わずか数ヶ月でほとんどの人間が辞めてしまった訳だ(そいつらがどうなったかは知らない)。当然器具や練習場の芝管理の負担はおれに圧し掛かる。練習に行こうとしても、吐き気がして行けない。自分が練習している姿を想像するだけで、目の前が真っ暗になって、体から変な汗が噴出してくる。構内を歩いていても、些細なことで物凄い感情の波が押し寄せてきて、まったく知らない人間に怒鳴り散らしてしまったこともあった。常に目の前を小さな蚊が飛び回っていて、当時はタバコを吸っていたんだけど、気がついたら一日に4箱くらい無くなっていることも。練習のきつさ以上に、将来に対する不安が大きすぎて、押しつぶされてしまった。
秋に観光に来た母親が異常に気がついてくれて、即刻病院に連れて行かれた。連れて行かれるまでは、自分が欝だということを認めたくなくて、母親を怒鳴りつけたりもしてたけど、一旦認めてしまうと、ようやく自分のおかしさに気がつくことができた。そのまま逃げるように某Jリーグ下部組織を辞めて、半年くらいは何もせずに実家で引きこもっていた。
http://anond.hatelabo.jp/20090222224732
を読んで、当時の記憶が鮮明に思い出された。すべてがそうだとは言わないが、少なくともおれのいた某Jリーグ下部組織では、練習生を体のいい労働力としか考えていなかったのではないかと。よくよく調べもせずに安易に某Jリーグ下部組織を決めた自分が悪いのも分かっているし、細かい雑用を通じて学べることがあるのも分かる。ただ、某Jリーグ下部組織を去っていた同期や、他のJ関係にいる友人と話してみても、日本のサッカー環境では、「サッカーは娯楽提供機関であると同時に、文化養成機関である」という自覚が欠けている気がしてならない。
現実に、おれのいた某Jリーグ下部組織ではほとんどの人間がJ1やJ2でプレイできていない。就職先も絶望的。コーチのなかにも、危機感を感じていた人間はいたのだけども、練習生の立場からみると、若い人間に不利益を押し付けているだけにしか見えない構造がある。サッカー文化を根付かせるとか言いながら、都合のよい言葉を吐く上の人間にしか金は回ってこない。チェアマンなどの大御所が、「日本のサッカーは練習生や支援企業によって成り立っている。彼らには一律生活できるだけの奨学金を出すべき」とのたまったはいいけれども、ふたを開けてみれば1人につき2万円/月。どうやって生活したらいいのだろうか。奨学金は単なる借金に過ぎない。生活費も考えると、就職した人間とくらべて、J1やJ2の選手やコーチや審判の資格を取るころには1000万近くの借金。それで就職先がないというから、もう罰ゲームでしかない。
おれの同期には、それでも不平を言わずに一生懸命日夜練習を続け、不安定な身分でも前を向いて頑張っているやつらがいるけれど、おれはもう無理。この国の偉い人は、若者が心の底から嫌いなんだと思う。もしかしたら、日本のことも憎んでいるのかもしれない。
読んでもらったら分かると思うけれども、おれにも随分甘い部分がある。これは失敗例の一つでしかない。もしもこれから先、サッカーの選手を志す人がいるならば(サッカーなどのスポーツは社会にとって絶対に必要なものだし、立派なことだと思う)、この失敗から何かを学んでほしいと思う。
その後、親に拝み倒して借金をして、海外の大学院でMBAをとり、まったくサッカーとは関係のない仕事に就くことができた。幸運だったと思う、正直。今は幸せかと聞かれれば、So soという感じ。
金のエンゼルはまだ一回も当たっていない。
大学院を中退して数年、初めてまともな文章の形にして、生命科学の現状を書こうと思う。大御所が見た「現状」ではなくて、知識も経験もろくにない学生の意見なので、細かい突っ込みはご勘弁。簡単な経歴には触れざるを得ないと思うので、匿名日記だけども別に身元がバレても構わない気持ちで書く。長くなるから、適当に読み飛ばしてくれて結構。
関西のまあ誰でも知ってる進学校出身。男子校。何を思ったのか、生命科学に強い興味を持ち(そのころの時代の雰囲気も影響していたと思う。ちょうどゲノムが全部読まれたころ)、まあ実家からそこそこ近かったこともあって、京大理学部に進学。授業は正直言って、まったく面白くなかった。系統だった講義があるわけでもないし、生命科学的な考え方を叩き込まれるわけでもなく、雑多な知識を積み込まれるだけという感じ。今考えてみると、恐ろしいことに大学院に8割以上が進学する割りに、周りに統計を勉強している人間はほとんどいなかった。1,2回のうちは系は決まらないので、周りもなんとなくCellをパラパラ眺める程度。
3年生になると週のほとんどが実験。レジュメを読んで手を動かす。ある程度問題意識を持って、研究室に遊びに行ったり、セミナーに参加したり。そこそこ充実。ゼミでも知識が増えていくのは面白かった。ただ、このあたりで、他の系のやつらと比べて、「ああ。おれ全然頭使ってない感じがする」と思っていた。paperも、コントロールの取り方と極基礎的な統計の知識さえあれば、30分もかからずに読める(ある程度の単語が分かれば誰でもそう)。このあたりで系の転向や就職活動も少し頭にあった。
焦燥を感じつつも、文系のやつらも同じようなことを言っていたので、まあこの時期誰でもそういうことを感じるもんなのかな、と自分を納得させる。4回になる前に少し早めに研究室に通い始める。生活はここで激変。生き物を扱う関係で、時間の縛りが大変厳しい。1週間のうちほとんど拘束。土日もなし(4回のお正月は研究室でどんべえ食べていた)。実験も一度始めると、当然自分の意思で「今日はきりがいいからここまで」ということはできない。週3日は徹夜で実験してそのままゼミに出てた。まあ、これは耐えれないこともなかった。
ただ、皆が使う器具や動物の世話を、仮にもお金を払うお客さん側である学生に負担させることへの違和感は感じていた(この違和感は後に海外に短期留学し、向こうの様子を知ることで強まる)。教えてもらったことといえば試薬の置いてある場所と作り方くらいか。
大学院の試験前は本気で「どうしたらいいんだろう」と悩む。しかし自分が(自分で言うのもなんだけど)純粋培養で、世間知らずというのもあったし、研究室での人間関係は悪くなかったし、周りが「当然同じ研究室の大学院に進むんだよね?」という雰囲気(実際に助教にそう言われた)もあり、大学院に進学。
いよいよ生活は実験実験の日々。実験が始まると生協にすらいけなくなり、コンビニ弁当ばかり食べていた。唯一の楽しみはチョコボールを一緒に買って、金のエンゼル当てること(結局、研究室にいるころには金のエンゼルは一回も当たらなかった)。夏あたりで体がおかしくなり始める。朝起きれない。同期の院生や、学部生は合わせて7人中5人が去っていった。残りはおれともう一人だけど、もう一人もほとんど学校に来ていなかった。
信じがたいことに、天下の京都大学大学院(今となってはこんなこと思っていた自分に失笑してしまうけど)に苦労して入っても、わずか数ヶ月でほとんどの人間が辞めてしまった訳だ(そいつらがどうなったかは知らない)。当然器具や動物の管理の負担はおれに圧し掛かる。研究室に行こうとしても、吐き気がして行けない。自分が実験している姿を想像するだけで、目の前が真っ暗になって、体から変な汗が噴出してくる。構内を歩いていても、些細なことで物凄い感情の波が押し寄せてきて、まったく知らない人間に怒鳴り散らしてしまったこともあった。常に目の前を小さな蚊が飛び回っていて、当時はタバコを吸っていたんだけど、気がついたら一日に4箱くらい無くなっていることも。実験のきつさ以上に、将来に対する不安が大きすぎて、押しつぶされてしまった。
秋に観光に来た母親が異常に気がついてくれて、即刻病院に連れて行かれた。連れて行かれるまでは、自分が欝だということを認めたくなくて、母親を怒鳴りつけたりもしてたけど、一旦認めてしまうと、ようやく自分のおかしさに気がつくことができた。そのまま逃げるように研究室を辞めて、半年くらいは何もせずに実家で引きこもっていた。
http://d.hatena.ne.jp/kaz_ataka/
を読んで、当時の記憶が鮮明に思い出された。すべてがそうだとは言わないが、少なくともおれのいた研究室では、学生を体のいい労働力としか考えていなかったのではないかと。よくよく調べもせずに安易に研究室を決めた自分が悪いのも分かっているし、細かい雑用を通じて学べることがあるのも分かる。ただ、研究室を去っていた同期や、他の研究室にいる友人と話してみても、日本の大学、大学院の研究室には、「大学は研究機関であると同時に、教育機関である」という自覚が欠けている気がしてならない。
現実に、おれのいた研究科ではほとんどの人間が博士を取れていない。就職先も絶望的。教官のなかにも、危機感を感じていた人間はいたのだけども、学生の立場からみると、若い人間に不利益を押し付けているだけにしか見えない構造がある。科学技術立国を目指しながら、都合のよい言葉を吐く上の人間にしか金は回ってこない。学会の長も務めたさる大御所が、「日本の研究は院生によって成り立っている。彼らには一律生活できるだけの奨学金を出すべき」とのたまったはいいけれども、ふたを開けてみれば1人につき2万円/月。どうやって生活したらいいのだろうか。奨学金は単なる借金に過ぎない。生活費も考えると、学部で就職した人間とくらべて、ドクターを取るころには1000万近くの借金。それで就職先がないというから、もう罰ゲームでしかない。
おれの同期には、それでも不平を言わずに一生懸命日夜研究を続け、不安定な身分でも前を向いて頑張っているやつらがいるけれど、おれはもう無理。この国の偉い人は、若者が心の底から嫌いなんだと思う。もしかしたら、日本のことも憎んでいるのかもしれない。
読んでもらったら分かると思うけれども、おれにも随分甘い部分がある。これは失敗例の一つでしかない。もしもこれから先、生命科学の研究者を志す人がいるならば(生命科学の研究自体は社会にとって絶対に必要なものだし、立派なことだと思う)、この失敗から何かを学んでほしいと思う。
その後、親に拝み倒して借金をして、海外の大学院でMBAをとり、まったく生命科学とは関係のない仕事に就くことができた。幸運だったと思う、正直。今は幸せかと聞かれれば、So soという感じ。
金のエンゼルはまだ一回も当たっていない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000060-mai-pol
「民主党には不安がある」「小沢一郎代表は首相になるのか」。9日、大阪市内で開かれた関西経済同友会の関係団体の会合で、政権交代後の構想を語った民主党の鳩山由紀夫幹事長に対し、出席者から「小沢政権」への懸念が相次いだ。
鳩山氏は約100人の聴衆を前に、「100人の議員を政府に送り込む」「局長クラス以上には辞表を提出していただく」などと、同党の政権構想を詳細に説明した。しかし出席者からは「民主党は反対のための反対、党利党略だ」「小沢代表は首相をやっても短期間では」などと厳しい声があがった。
鳩山氏は「(小沢氏は)当然首相をやる。しかもあっと驚くほど長期政権かもしれない」と反論。小沢氏がしばしば見せるマスク姿についても「徹底的な自己管理、予防保全だ」と擁護し、「首相になったら国会で官僚主権と戦う姿を見せきる」と力説した。【佐藤丈一】
特定の民族・地域の服装をダサいと思ったり食事をまずいと思うのは差別なんだろうかとも思う。前にアイヌ民族の文化が日本国のせいで滅びつつあるという話があったが、アイヌに限らずどの地域でも方言とかが廃れつつあるし衣食住も昔と全然違うものになってるのに被害者意識を持つ人があまり射ないのに驚いた。アイヌを除けば日本は大和民族という単一民族の国だと思い込んでるんだろうけど、これは明治政府が後からでっち上げた幻想だということに気づくべきだろうに。遺伝的にも言語的にもヨーロッパの隣国間ぐらいの違いは日本国内でもあるのに東北も関東関西も中国四国九州も同じ民族という根拠は一体なんなのか考えたこともない人ばかりなんだろうけど。
よくご存じで(笑)
この時期は道が凍るので大変です。
先に友達がトンペーに行ってたので誘われて、つい。
本郷には1つ上の先輩がいたので、ちょこっと見学させてもらいました。
失礼ながら、「東京は住むとこじゃないわ(苦笑)人多杉やわ。」ってのがあったりして、
敬遠してしまいました。仙台は狭くてそこそこ便利な街ですが、正直やっぱり田舎です。
大きすぎず小さすぎず、楽しい生活圏ですよ。
12月末付けで解雇されて、大体の書類が手元に届いたから書いちゃうよ。
まず、前提として
会社は関西に本社がある中小企業。とてもニッチな業界なので詳しく書いたらばれるくらい。自分は地方の工場の事務だった。
まず、別の工場の事務員さんが、家庭の事情で自分が勤めていた工場の所在地へ引っ越しすることになった。それに伴い退職を願い出たわけだが、どうせならこっちの工場で勤めればいいよとかジュニアが言い出したわけですよ。その事務員さんは当然ながらジュニアのお気に入り。
↓
ジュニアからの圧力で自分の上の人が困って、とりあえずパソコンに詳しいということで別部署に行かないかという話が自分にある。どうせ断れないので自分は承諾。
↓
やってきた事務員さんに引き継ぎ後、別部署に異動。んが、上記に書いたとおり、ニッチな世界なのでかなり専門的かつ曖昧なことが多く、パソコン操作云々以前の問題。一ヶ月もしてないのにジュニアが自分に教えていた人に使えるかどうかを聞く。「向いてない」と応えたらしい。
↓
11月1日、本社から研修の話が上がる。25日から来いとかいう無茶。ちなみに、研修と称して行って5年くらい帰って来てない人がいたり、結局帰って来ずにそのまま辞めたりした人がけっこうな数いる。つまりは、そういう使いつぶされることを前提の研修。
↓
結局、本社が忙しくなって研修の話は流れるも、そうやって使いつぶされるよりは今のうちに転職した方がいいから会社都合の解雇という形でどうよと自分の上の人に泣かれる。
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辞めた
流れではこんな感じ。
本社が一番辞めさせたがっていたのは、営業事務の人。仕事ができるのであちこちに飛ばされた挙げ句、ちょっとしたすれ違いから「使えない」認定を受けてしまったカワイソウな人。ただ、この人は既婚者であり子供もいるので辞めさせるには問題があり、独身で女でふらふらしていた自分が代わりに、という感じで言ってたけど本当かどうかはわからない。
取締役の人はかなりかばってくれたらしいが、ジュニアの暴走を止めることはできなかったらしい。ジュニアが事務員さんとどんな関係かなんてのは知らん。が、昔違う工場にいた事務員さんは社長の愛人だって噂だった。
社長が死ねば多分潰れるんじゃね? と思われているくらいワンマンな会社で、なくなりはしないけど広がりもしない業界。一応引き抜き状態でその会社に入ったし、それなりの恩はあったんだけど、恩を返したい人はすでに退社してたり亡くなってたりでどうでもよくなっていた。未練はないけど、今時こんな理由で辞めさせられたんだぜ、みたいな笑い話として書いておく。怒ってくれた友達がいることにちょっと幸せを感じたりもした。
そーいえば。ボーナスや査定時期になると、車のタイヤにクギがぶっ刺さっている事件が何度もあったそうだ(自分も一度やられた)。犯人は分かっているけれど、確証がないらしい。そういうことを平気でやる人が、十数人しかいないところにいるというところが怖い。というより凄い。
http://anond.hatelabo.jp/20090130180016
( ・∀・)人(・∀・ )
FESTAの地下で喰ってような印象はあるんだけど、いつのまにデパートスイーツに進化しとんだ...。
http://anond.hatelabo.jp/20090130181028
それなんて551?
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20090116/p2
断然、おじいさんが悪い!
じじいが悪いです(キッパリ)。理由はこう。
最も無責任だから
この話の場合、登場人物が5人だけど、
たとえば6人とか7人くらいで、相談されない人がいたらどうなるんだろう?
まったく相談されなかったAと、おじいさんに相談していたのを見ていたBがいたとする。
二人ともそれだけで何もしないとする。
AはともかくとしてBは悪くなりそうだよね。
相談され、事実上スルーしたことでおじいさんが「責任」を負わされるのなら、
話を聞いたのに何も行動を起こさなかったBはもっと悪くなる。
おじいさんが行動を起こさなかったことに対してアクションをとらなかったし、
妻にたいしてもアクションを起こさなかったからだ。
なので、このおじいさんは、通りいっぺんの答えをしながら、何の解決方法も示せず、ただ妻を突き放した。それだけなのです。で、それが最も罪深い。何のリスクも負わず、知らん顔。そういう状態だと思うので、俺としては最もひどいと。そう思うわけです。自分が無責任な傍観者であることを嫌うという理由も大きいけどさ。
「リスクを負わないことが悪い」という結論はどうだろうね。
まさしく最後の行で言ってるんだけど、
この話のような少数限定の限界状況でなければ、大抵のことでは、僕らは否が応でも傍観者にならざるをえない。
「何もリスクを負っていないおじいさんが悪い」ってのはブーメランで、見てるだけの人間は常に「悪」になってしまう。
だとしたら正直、たまったもんじゃない。
といいつつ、
ちょっと前(1〓2年くらい)関西の方で、特急電車でレイプ事件があったけど、それを思い出すなあ。
「共犯者」としての目撃者。
おじいさんは「共犯者」なのかな?
個人情報配慮Ver
岡○氏(IPA職員=准公務員)、Shareをつこうてハメ撮り.scrを踏む。個人情報流出。
↓
同時にAtok、SoftEther?(IPAプロジェクトによるソフト)、エロゲー、
エロ動画(児童ポルノの関西援交など含む)をダウンロードしていたことも発覚。
↓
勤務先のIPA(独立行政法人)、ありきたりの謝罪文をHPに載せる。
しかしShareでの流出なのにwinnyと書いてあったり、ファイル共有ソフトとファイル交換ソフトの区別が付いてなかったりして失笑を買う。
↓
嫁の石鹸サイト非公開に。石鹸転売に薬事法違反の疑いが浮上し話題になる。
参考:http://www.tanteifile.com/newswatch/2009/01/06_01/index.html
↓
NHKはじめ一部マスコミで「IPA職員の情報流出」報道が始まる。
↓
岡○氏の素敵な言い訳 「古い無料ソフトウエアを探すためにつこうた」
しかしどう見ても違法ファイルも落としてます。本当にありがとうございました。
↓
↓
IPA、1月6日18時より記者会見「やっぱりAtokや児童ポルノ落としてました」
岡○氏の民間時代の顧客情報が大量に流出、ファイル数16000件以上。
↓
↓
政党政治家や早稲田大学への振込リストなど、きな臭いファイルが出てくる。
個人の振込先リストも。(振込Xといういかにも怪しい名のファイル)
ソニーやマイクロソフトなど大手企業勤務者等の大量の個人情報流出!
自民党とか衆議院とか年金基金とかも。岡ちゃんマネーロンダリング疑惑。
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特許庁の庁内ファイルが岡ちゃんのPCから見つかる。父親のものか?
特許庁の内部資料がダダ漏れ状態。2001年(平成13年)公表済みの特許データベースが
何故か最終更新日時1999年11月の状態で発見される。インサイダー取引疑惑も。
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01/08(木)00時37分02秒、IPA、再度おまんちんにひっかかる。
岡ちゃんのソフトウェア不正利用の証拠発見(秀丸・VC++・Becky)。
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めざましテレビで一瞬取り上げられる。
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13日、196氏の分散型解析ツール、通称「ダミアン」(196氏が666レス目に登場し、しかも書き込んだ時間の下3桁が666と「オーメン」の呪いの番号と一緒だった為に住人により名前が付けられた。)のうp待ち最中にキンタマウィルスのURLが貼られた。
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同日、突如現れたUSAがパスを解読(パスがかかっていたファイルは全て同一パスワード。IPA職員だとは到底思えない)。
これで全部のファイルは解かれた。あとはν速住人のつたない解析能力のみが頼りになる。
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http://anond.hatelabo.jp/20090119210533 よりつづく
モーリー:はあ。でもずいぶん意識に隔たりを感じる部分があって、発展途上国でWindowsを買うお金も無いからバッタモノのWindowsをインストールしたとか、そういうんだったらなんかわかるんですよ。全体的につらい、貧乏な状況にいるっていうか。でも、買おうと思えば買える人たちがすごくがんばって違法というか、やっているんですか、ファイル交換というのを。
津田大介:ウィニーだけじゃなくて、もうちょっとカジュアルに使えるファイル交換ソフトというのもありますよね、たとえばカボス(Cobos)と言われてたりとか、あとはライムワイヤー(Lime Wire)と言われているような、ウィニーほど匿名性は高くないけどまあその分ファイルはいっぱい流れていて落ちやすいみたいなソフト。音楽とかってデータが少ないですから、わざわざCD、3000円のを買うまでもないやという人は落としている人はいるし、僕が聞いた事例とかだとほんとにいま20代から30代、子どもがいる家庭で、お母さんとかお父さんとかがジブリアニメとかをそういうファイル交換ソフトで落としてきて。
モーリー:子どものために?
津田大介:そうそう。それで見せる。
モーリー:ええええっ?!!!!!
津田大介:ぼくも最初ええっと思ったんですけれど、意外とそういう使われ方をしているのが実際に結構増えてるんですよね。
モーリー:でも、たとえばそういうものをもうちょっとスッキリさせるためにアイチューンズ(iTunes)が大成功したというのがボクの認識なんですけど、ぜんぜんそこに行ってない人たちがすごくいるってことなんでしょうか。
津田大介:だからやっぱりみもふたも無い話ですけれど、タダで済ませられるものはタダでいいやと考える人がいるということですね。
モーリー:ただそれにまつわるリスクをまったく意識して無いってことなのかな。でも逮捕された記事が出るとさっと止める人がいるというのは意識はしてるんですよね。万引きみたいな心理でやってるの?
津田大介:万引きというほどの罪悪感もおそらく無いと思うんですけど。さっきの最初の話とつながりますけど、いままでファィル交換ソフトを使ったダウンロードすること自体は合法なんですよ。ネットにアップロードして、インターネットって誰でも情報落とせますから、アップした奴が一番悪いわけじゃないですか。アップしたらそこで数十万とか数百万の人に売り物がバラまいてしまう。だからアップする奴がいなければそもそもダウンロードする人もいないというんで、それで日本の著作権法だとアップロードする奴が逮捕されるようになっていたんですけど、ただダウンロードする側はそれは自由というのがいまの日本の法律で、それじゃいまはもう収まらないから著作権者、映画会社がそういうのはもう被害が収まらないからそういう違法なものをダウンロードした側も違法にしましょうよという議論をずっと三年ぐらいやってたんですよね。
モーリー:たとえば、どうなんだろ、だんだんややこしい話になってきたような気がするんですけど、iTunesの日本でもUSでも売ってない古い曲とか、ユーチューブに行くとジャケット写真の静止画とともにそういう曲が載ってるというのがあって、やっぱりファンがかなり聴いてるケースがあって、最近そういうケースの曲を結構数多く掘り起こしているんですが、コレは最初に津田さんが言ったようなかんじで著作者に支払いがいってるんでしょうか、それとも勝手にやってる感じなんでしょうか。
モーリー:それも違法になるんですか? いまのダウンロードの違法ということになると。
モーリー:今はね。
津田大介:これまたややこしい日本の議論なんですけど、日本の議論だと、一応今回の三年ぐらいの議論の中だと、ダウンロードを違法化しましょうという話になったんですけど、ただ、ストリーミングは対象外ということになってるんです。ユーチューブって一応ストリーミングじゃないですか、あれは、ニコニコ動画とかユーチューブって。
モーリー:ああ、フラッシュのファイルがストリーミングしてるんだ。
津田大介:要するに、文化庁の解釈としては、ダウンロードっていうのはネットにつながらない状態でも
モーリー:iPodで持ち歩くとか…
津田大介:パソコンで遂次再生できるってことが、保存、ダウンロードということなので、ストリーミングというのはネットにつないだ状態でないと見れない一次的な視聴だからそれは複製ではないという考え方なんですよね。
モーリー:でもそれはフリーウェアなんかを使うとユーチューブのストリーミングしているというタテマエの動画を抜いたり、他のファイルの動画に変換したり、3000円でそういうツールも売ってますよね。
津田大介:ありますよね。フリーソフトでもありますよね。それは明示的に自分で意識してユーチューブの動画をパソコンのなかに保存するという行為は、それは複製なんですよ、それは違法です、著作権法上複製ということに当たるので、違法にしましょう、という話です。
モーリー:これは一般論として語るといろんなところに議論が分岐していっちゃうので、ひとつの事例にしぼってみたいんですけれど、たとえば具体的にぼくの身近に起こったところでは、去年の五月にチベット暴動に関連して聖火リレーの妨害というのが世界各国でオリンピック前に行われたんですね。そうすると、当時の日本政府、福田政権だったんですけれど、非常に親中的なところがありまして、メディアが非常にトーンダウンしたんです。聖火リレーが長野に来たときも中国から「赤い軍団」と呼ばれる人たちを、アルバイトなんかボランティアなのか強制なのか知らないけどいっぱい来て、どうも現地の人の話を聞くと警察はむしろ彼等を守っていて、というふうに変なねじれ現象が起こっていたんですね。そこら辺をするどく指摘する報道というのはメインストリームのニュースからは外れた時間帯だったり、ちょろっとした流さなかったりするから、見たという実際の実体験を画面の前で持つ人は少ない。そういうふうにバイアスがかかっていたと思われるときに、それをユーチューブを使って民放やNHKが流したものをうまく編集してつないだりして意識をもっと周知を徹底させるための運動というのがチベット問題とかで起こったわけですよね。これは一種の報道のフェアネスにもひっかかってくるんですね。
津田大介:そうですね。
モーリー:ところが、たとえばこういう状況が将来おきて、なんでもいいんですけれど、社会正義のために、テレビがちょっと偏ったことをやっていたときに、ここをもっとひっぱり出さなければならないと、市民運動レベルで民放やNHKのニュースをいっぱい流すと、ほんとに政治的に都合の悪いことだったら、すかさずテレビ局はおろせって言うじゃないですか。それを実際にやったんですよ。チベットの時も二日以内になにか告発するような動画や関西のテレビ局だけがチベット問題をずっとうるさく言ってメジャー局がなにも言わない時期があったんですね。その時に関西ローカルだから、全国で見てほしい、世界中で日本語のわかる人に見てほしいとどんどんアップしては削られがずーっと続いていたんです。で、どうして削ったのかという、一種の情報公開をせよという請求にはすごくあいまいな答えしか返ってこなくて、それがまた二重三重に政治的な配慮を感じられるわけね。だからそういう状況にあると、なにが起きたかというと、やっぱりもぐらたたきのようにあちこち動画を移してまわったり、ぼくはあまり2ちゃんねるの仕組みはよくわかっていないんだけれど、2ちゃんねるが好きなアフロダにも公開していたみたいなのね。こういった社会正義のために市民が起こした運動も全部ブランケットに違法になっちゃうんですか、見たことも。
津田大介:著作権っていまモーリーさんが仰ったみたいに、実は著作権ってすごくそういうときに「悪用」って言ったらおかしいけど、利用されやすいんですね。たとえば、明確に日本の法律でコンピューターウイルスを作成したのって、どういう罪に問われるんだろうって時に、結構微妙なんですよ。
モーリー:ふーん。
津田大介:コンピューターウイルスって、作者は明らかに被害を及ぼしているわけじゃないですか。ウイニーを使った情報漏えいウイルスを作ったりコンピューターに破壊活動を行わせるようなウイルスを作ったときに、その作者はどういう罪状でどういう対応をしてどういう署名をして起訴までいこうかと考えたときに、逮捕までいくのが結構大変で、そういうときに一番わかりやすかったのがウィニーを使ってるとどうしてもいろんなところにアップロードをしまくるという特性があるので、あれは非常に著作権侵害なりやすいツールなんですね、法律的にも。そこでウイルス作者を著作権侵害で逮捕したりするんですよ。ほんとに結構そういう例っていうのは結構あって、本来それは著作権侵害ではなくてもっと悪いことしてるよねみたいなときに、そういう著作権侵害っていうのが都合よく使われている。
モーリー:別件…
津田大介:別件とまでは言わないですけど、やりやすい方法で著作権が利用されて逮捕されたりとか、逮捕じゃないけれどそうやって一部から脅される口実に使われたりということがあって、本来的な著作権の使い方とは違うんですよね。あれってもともと創作者が経済的利益や人格的利益を守るためのものなのが、方便としてそういうふうに使われてしまっているというのが非常にぼくは歪んだ状況だと思います。
モーリー:うーん。たとえば、直近でいうと、テレ朝でしたっけ、ブログの自作自演疑惑。
津田大介:ありましたね。
モーリー:あれを報じるNHKもふくめて、やっぱりあちこちにまとめサイト的にユーチューブで動画が公開されていますよね。こういったときに、どっちかというとボクの直感では、テレ朝はは黒か黒に近いグレーだと思うんですよ。そういうことをみんなが議論したりするときも、テレ朝が著作権を主張して自分の都合の悪い報道を全部降ろすっていうことがあり得るんですか、そういう法律が。
津田大介:もちろんそれは法律が通っていなくても、アップロードですからいまやろうと思えばできるっていうのがありますよね。それをやるための、権利者側がやりやすいツールというのがグーグル側が提供していますから、たぶんもうどんどんすぐ削除できます。
モーリー:ただそれは露骨にやると、ほんとに露骨に隠蔽しているから、ますます火に油を注ぐことになって、毎日のワイワイ騒ぎみたいに大きくなっていく。
津田大介:そうですね。だからそこら辺は、要するにモーリーさんが仰った報道の公共性ってどうなるんだというところがすごく大きいじゃないですか。結局、報道って限られた電波を使っているがゆえに、ニュースみたいな報道とか、公共の利益になることをやっている、やらなければならないということが規定されているわけで、著作権とは別なレベルでやっぱり周知しなければならない社会的な問題みたいのがあって、ユーザーがユーチューブみたいに報道とは違う動画で大量に伝播させる手段を持ってしまったがゆえの対立というのが起きているのですけれど、でもこれはぼくがおととし出した「コンテンツフューチャー」という本の中でMXテレビの草場さんっていう方も言っていましたし、ボクと同世代ぐらいのNHKのニュースの記者の人と話したりそういう人とユーチューブってどう思っているのと聞いたら「報道にとってはいいことだよ」と。要するに、報道ってどうしても検証されなかった、と。テレビの報道って「消えモノ」っていうところがあったんで、録画といっても毎日の報道を録画してる奴なんていないし、っていうのがユーチューブみたいのがあって、録画してだれかがアップしてそれに対しての論評が誰しも簡単に論評検証ができるようになったことによって、もうああいうバレバレの自作自演とかいわゆる偏向的なものというのが、ある種市民の目にすごく曝されやすくなったわけじゃないですか。それは報道にとっては実はいいことなんだよというのがわりと30代くらいの現場の記者なんかでは、その中でも進歩的な考え方をしている人なんかでは、そういうふうに思っていて、結構それはあると思うんですよね。
モーリー:ふーん。
津田大介:そういう意識とは別に、でもやっぱり著作権っていうことで、これは自分のところの番組の不祥事だから削除しようというのが、それは報道の現場とは違う力学ですよね。
モーリー:うん。
津田大介:やっぱり社内のコンプライアンス委員会だとか、やっぱり対外的にどうなんだというところ、対外的にこういった騒ぎが不祥事じゃないか、不祥事はやっぱりとにかく削除できないかというふうに、著作権侵害で簡単に落とせますよっていうのがあったら、テレ朝とか制作会社とかがそういうふうに行ってしまうというのが当然と言うか、仕方の無い話なのかなあという気はします。
Posted by i-morley : 2009年01月16日 17:46