はてなキーワード: ラッキーとは
まったくなんてやつだ人生は。結局勝ち馬に乗ったやつが勝つゲームじゃねえか。僕は今日も布団にくるまってそう呟いた。だから成功するか、しないかなんて確率なんだ。よって、僕はここから動かなくてもいい。布団のなかはとてもあたたかで、やわらかくて、僕の汗の臭いがする。もういい加減干さなきゃだめだろう。しかもそろそろ布団を薄くしなきゃならない季節だ。面倒すぎて気がめいる。時間なんか止まっちまえばいいのに。
新着メールは来ていない。就活で出合った岡山の女の子と先ほどまでメールをしていた。しかし、もう返ってこなくなった。だいたいからして口説く気がまんまんに満ち満ちたメールを返してくるほど今の女子は暇ではない。ま、今までがラッキーだったということで。
とりあえず言い訳をして、僕はテレビの電源を入れた。DVDの電源もつけて、いつものようにCUBEの映画を見る。もう何回も見ているから、内容は諳んじている。僕はこの映画が好きだ。現在の社会で生きている僕らの人生はこの映画と同じような状況だと思う。その中であがく彼らを見るのが好きだ。そして、どうにもならない結末だからこそ、余計リアルだ。
淡々と進む映画を見ていると、いつも僕は自分が皮肉屋で、動きたがらない登場人物、ワースになったような気分になる。こいつの気持ちがすごくよくわかる。初めて見たときはすごくいらいらした。知識持ってんだから動けよ馬鹿、と言いたい気分にもなった。しかし、バカでっかいCUBEみたいなこの社会では、こいつの立ち位置が一番楽なんだ。誰にも迷惑をかけない確率が高いからだ。女の子に後ろから笑われることもない。グループディスカッションで誰かの足をひっぱることも、ひっぱられることもない。だから役員面接で緊張と圧迫でボロクソに評価されることだってない。学校で「イラっとする」と陰口を叩かれ、うざいやつという烙印を押されることもない。布団は本当に暖かい。
未練がましいやつだな、と自分でも笑う。メールのタイトルをちゃんと消せているかを確認する。ふと、昔の彼女を思い出す。Re:とかついてると何故か怒り出したっけな。僕にはいまだになんで消さなきゃいけないのかわからない。本文を読んでいると、つとめてやる気をださないようにしている僕の努力がよく見て取れた。たしか考えたテキストの量はこの三倍にはくだらないと思う。書いては消し、書いては消しでようやくできたこの結晶には、やっぱり不備が残っていた。東京に出てきたら云々、って書いちゃった。ダメねー、あたし。こうなっちゃうとだめね。
岡山の女子から送られてきたメールを見る。絵文字がとても可愛い。実際はもっと端正な顔をしているのに。じゃけん、とか時々標準語のガードからすりぬけて出てくるそんな言葉のイントネーションにすごく悶えさせられた。でも、そのあとの恥ずかしい表情がもっと可愛いんだ。だけど、メールはもう返ってこない。
きめぇな、自分…
自分で呟いた。画面では、クエンティンが独善性を発揮している。いいぞ、もっとやれ。お前みたいなのがいてこそ世界は回るんだ。セリフを口パクと同期させて発音してみた。数度やって、疲れた。なんで俺はこんな何回も見たDVDなんか見てるんだ?やり場のない怒りは、脳内で環境と化した登場人物たちに向くことはなく、ただ自分のなかの焦燥感に変換されただけだった。布団のあたたかさがじれったい。だが、僕はもっとそれにくるまった。露出した足に布団をたぐりよせ…
どうやら、眠っていたようだ。何分ぐらい寝たのかな?画面を見ると、クエンティンがいないぐらいなので、そんなに眠っていたわけじゃないだろう。佳境ってやつか。見すぎてなんとも思わないけれど。焦燥感はまだ残っている。腕の付け根あたりがうずうずしているのがわかる。動悸を感じれば感じるほどそれは早くなっていく。生きているのは面倒だ。僕みたいな馬鹿はうごかないほうがいいんだ。そう、ちょっと前までのワースのように。この売り手市場で、内定が出ないのは僕が馬鹿だっていう証明じゃないか。そう誰かも言ってたのを聞いた。バイト先だったかな?…それからのバイトは全部ブチった。電話も無視。だいたい、今の時間に動いたって何にもできないだろう?あたりを見る。夜だ。もうそろそろDVDも終わる時間だな。
ふと足元で、何かが青色に光るのを見た。なんだろ?
携帯が落ちていた。これってことは。拾い上げて、ボタンを押す。メールが来ていた。サイレントにしてたんだな。
そう思ってメールを開く。
そのメールの内容はよく覚えていない。ちょっと前のことなのに。ただ、東京に出るときに絶対連絡します!って内容と、ハートマークの絵文字がふたつ入っていたことは覚えている。あと、もしかしたらGW明けに本社面接が入るかも、って書いていてくれたのも覚えてる。なんとなく、年甲斐もなく嬉しくなった。もう充分に僕は諦めていた。今までのことすらラッキーだったと、本当に諦めていたのだ。それが、こんな形で、彼女が、僕に、返信してくれるなんて。何故か涙が出そうだった。馬鹿みたいだってことはわかってる。だけど、胸が一杯になって、ありがとうって気持ちすらわいてきた。GW明け、か。どきどきする。わくわくもする。テレビの画面をふっと見た。ワースがレブンの手を握ったところだった。ワースが立ち上がろうとするシーンだ。手を、握ったんだ。死ぬな。死ぬな。何度も見ている映画のシーンなのに、記憶が出るのが一瞬遅れた。その一瞬ののち、あのシーンが、あの顔が、この液晶画面いっぱいに…。僕は、目を瞑っていた。はじめてのことだった。今は、ワースには殺されて欲しくはなかった。そう、今は。レブンにも、殺されて欲しくはなかった。ちらっと、やる夫のように、片目をうっすらと開いたとき、写っていたのは
カザンの、そう、脱出のシーン。
嫌いだったこのラストが、今は、ちょっとだけ、わかるような気がするなぁ、と思えた。理解なんかじゃなかった。同意の写像に近いものだった。
だけど。だけど。僕は少しだけ今日は思う。どんな人間でも、どんな馬鹿でも、一歩を踏みしめて歩きだすことは、このようなものなのかもしれない。
神々しい光に満ちて、まだ見ぬ未来が待っているような。
気がつけば僕は親しんだ布団から這い出て、メールの返信を頭の中で妄想しながら、パソコンの前に座ってGW明けに着ていく服を探している。今着れるのはボロボロの茶色いパーカしかないから、それじゃ不釣合いだろう。まだ見ぬ未来ってやつには。
裏メニューなんだからできない場合もあるって散々言われてたよね。ラッキーだったとしか。
細かい話だけど、スタバは中~高級店かぁ?と思ったので、チェーン展開してるカフェについてちょっと調べた。
コーヒーの一番小さいサイズで比較すると
確かにスタバはチェーンカフェの中では高級な部類に入るのかも。
タリーズはそれなりのトッピングが指定できるけど、エクセルシオール(ドトールの系列)はホイップクリームくらい。
実際ちょっと高めの所じゃないとトッピングのシステムを用意してないみたいだけど、トッピングが別料金なら元のコーヒーの値段まで高級である必要はなくない?トッピングしない俺涙目。まあ、スタバに行くくらいならドトールに行きますが。
すいません。それ書いたのは、トイレに行くとき以外は生理であることすら忘れてるようなラッキーな体質に生まれた女です。ごくごく健康体で、周期とかも乱れないタイプ。生理が重い体質に生まれてしまった不運な人達には本当に申し訳ないなと思うのですが、周囲の数少ない女もそういう波のある人ってまずいないんで、分からないんですよ。そんなにそういう人ばっかりなのかな。中高のクラスメートを思い出してみても(大学以降は女の少ない世界に入ってしまったのでサンプル数が少なすぎるから)、生理重い人って1割くらいだったと思うんだけど。その中でさらにPMSになって、かつ元増田が想定してるようなひどい状態になる人って、どのくらいいるんだろう。
もちろん、超辛いけど超がんばって外に出さないようにしてるとか、単に自分の観察力がないだけとか、自分だって波がないつもりでも周囲から見たら丸分かりとか、そういう可能性も否定出来ないけど。
http://anond.hatelabo.jp/20080408073523
読むからにまずSEのほうから出会い系に登録したことがうかがえる。
俺が出会い系SEだとしたら、鴨が自ら登録したプロフィールに対して引っかかりやすいサクラプロフィールジェネレーターを既に作っている。
仮にこの鴨が自分のプロフは一切書かなかったのにも関わらず、こういったハイスペック(笑)のプロフが届いた、と主張するなら、それこそ鴨葱である。
なぜなら、
まさに鴨。
夢を見るのは結構なんだが、
高校になると受験勉強できて模試のランキングに名前が載るような奴がヒーローで
大学に入るとみんな大人だから容姿で人を判断してはいけない空気になっているし、
社会に出た後は地位と金がすべてでしょ。
多分、イケメンが得をするのは中学まで、というふうなルールになっているんだと思う。
国の親心なんじゃないかな。イケメンであることはラッキーだったから中学まではいい思い
させてあげるみたいな(もっとも真正イケメンなんて例外中の例外だから競争が生じないけどな)。
その後はイケメンだから美味しいと言うことはないと思うよ。ルール的に。
大学でイケメンが流行ってるってのは、あれは雰囲気イケメンだから。雰囲気イケメンは
要するに髪型や服装といった要件を具備するかどうかの話なので競争に利用できる。
この考え方もどうかと思うよ。
だって日本人自身っていったって国債を購入した人=国民全員じゃーない。
儲かる人は国債を買った人や法人だけど、損する人はそれを負担する国民全員だ。
それは一律に日本人と談じていい性質ものじゃないとおもうがな。
それを言うなら納税者だって一律に日本人と断じていいものでもない。
税金は日本人が平等に負担してるものじゃなくて大企業や金持ちが多めに負担してるわけで。
インフレとかで借金の実質負担を減らせば、税負担の収入はないが資産を多くもつ人が損する。それを防ぐためには増税しないといけない。
要するに財政再建先送りするほうが収入少なく資産の多い老人(とその子孫)が損しやすく資産のない人が得するわけ。子供たちのために増税で財政再建しようとか言うのは大間違い。
それにね、国債を単純な貸し借りで考えるのもどうかなとおもうんだ。
貸してるという考え方がよくないよ。
金利をつけて返すことを前提に政府が国債を「売ってる」わけじゃない。
みんな政府を信用して国債を買うわけだけど、この信用は「買っていただいた国債は利子をつけて弁済しますよ」ちゅう契約のもとに成り立っているわけじゃない。
だから「誰に」貸した借りたという話しはさほど重用じゃなくって売った以上、国債は償還する必要があるわけ。
国債償還というのが具体的にどういう状態にすることかを考えないと。
たとえば、国債を一億円もってる人に償還する場合普通は預金に一億円振り込むことになるが、その場合銀行が国債を代わりに持つことになるだけで国債残高を減らす必要性はまったくない。じゃあ現金で返した場合はどうなるかというとこれは日本銀行が一億円分の国債を持つことになる。預金というのは民間銀行にとっては借金であり、現金というのは中央銀行にとっての借金。そして銀行は負債だけを持つことはなくて必ず資産もおなじだけ持ってバランスさせる。
結局国債償還しても貸し手が変わるだけであって残高を減らす必要性はない。
本当はさ、お金を前借りしてまで先行投資することにより、将来にもっと稼げるようになろう!というのが投資じゃない。
これは悪くない。いいこと。いい事なんだけど……。
投資先をしくじると負担以外の何者でもないとおもうんだ。
この10年日本が投資してきたものは、道路とか箱ものとか補助金とかなわけですよ。
これがそのまま価値を生み出してくれればよかった。問題なかった!
でも、道路をつくったおかげで経済効果がでてそれだけ国民の生活を豊かになっにしたかといったら、そうじゃないんだよね。
逆にいらんものをつくったせいで将来にわたって、そのたいして経済的価値がないものをメンテナンスしつづけなくてはいけないという、ランニングコストの増大を招いたちゃった。あちゃーーっていう感じ。
これは使い道の問題であって財源の調達方法の問題じゃないでしょ。
財政赤字を問題視する人は歳入の問題と歳出を混同しすぎだと思う。
所得税や消費税財源にして不要なインフラ整備してもランニングコストは発生するでしょ。
利払いももう税金じゃ賄いきれないからがんがん国債出しているけど、そういうのも含めて国債発行してまで集めたお金の使われ方そのものが将来日本を担う子供達のためになってるとは思えないんだよね。
この10年でさ、10年後に日本が先進国であるために国際社会に立ち向かえる産業をちゃんと育成できてる?
そこにどれだけ国策としてお金落としたのよ。
いまお金落としているところって10、20年後社会にでてくる子供達の食い扶持になる産業?
ほんと負担だけ押し付けてない?大丈夫??
デフレでも財政再建して失業や倒産増やしてたら育つ産業も育たなくなって将来の子供は困るだろうね。
国債を償還することを前提にしたらインフレにせざるをえないよね。
そうすると資産の目減りは避けられない。
ローンを組んでいればインフレはラッキーだけど、既に日本はあるていど成熟した国。
年率10%成長なんていうのは無いから80年代のような賃金上昇は無理。
結果国民はものすごく困窮することになる。
インフレのほうが失業率は下がりやすいし、企業の投資もやりやすいので生活水準や生産性はあがりやすい。
80年代のよう座成長が無理だとしてもデフレを続ければさらにひどいことになる。
実際2000年前後のデフレ真っ盛りの時期と今じゃ明らかに今のほうが失業率や求人倍率マシになってるし。
賃金上がりにくいのはたぶん失業率下がりきってないから。数%のインフレにしたら失業率は2%台になって賃金が本格的に上がってくだろうと思うんだけど。
今やって少しでも減らしておかないと将来偉いことになる。((すでにこのタイミングを逸した気もしなくもないけど。))
だから国債は返さなくてもいいなんてバカなことはいって欲しくないな。
国債発行額を増やしつづけても日本がいけるってなら、そういうシナリオ書いてくれよ。
無理に国債残高減らそうとするほうがえらいことになる。これは橋本や小泉で経験済みのこと。
上に書いたように社会全体では常に円の現金預金を持ってるだれかが日本国債の貸し手になるからデフォルトは杞憂。
貨幣を使った売り買いというのは社会全体とのモノや労働力の貸し借り。
国債を返すというのは貸し手を別の人に変えるだけのこと。
国債を返してほしいならさっさと金をつかってほしいものでも買えということ。
現金や預金で持てば間接的に貸すことになって銀行とかに利息ピンはねされるだけ。
国債を減らし続けたらやってけないが、予算の無駄遣い減らしながらどんどん国債依存度上げて減税すればやってけるんじゃないかなと。
横レス。
この考え方もどうかと思うよ。
だって日本人自身っていったって国債を購入した人=国民全員じゃーない。
儲かる人は国債を買った人や法人だけど、損する人はそれを負担する国民全員だ。
それは一律に日本人と談じていい性質ものじゃないとおもうがな。
それにね、国債を単純な貸し借りで考えるのもどうかなとおもうんだ。
貸してるという考え方がよくないよ。
金利をつけて返すことを前提に政府が国債を「売ってる」わけじゃない。
みんな政府を信用して国債を買うわけだけど、この信用は「買っていただいた国債は利子をつけて弁済しますよ」ちゅう契約のもとに成り立っているわけじゃない。
だから「誰に」貸した借りたという話しはさほど重用じゃなくって売った以上、国債は償還する必要があるわけ。
日本人が日本人に借りてるんだから大丈夫だとかそんな論点ではないわけよ。
だから必ず返す必要がある。
右から借りて左に返すんでもいいから返さなくちゃね。
だけどね、今の日本はその返済のための金利も集めた税金では賄えない状態にまで悪化してしちゃってるの。
利払いのために国債を発行しなきゃいけないわけ。
利払いのために国債発行なんてばからしいよね?
でも現実は税収が50兆ぐらいの国なのに国債費が20兆円あるわけよ。
国債の利払いが20兆円。
利息分を支払うだけで20兆円。
わかる?この状況。
本当はさ、お金を前借りしてまで先行投資することにより、将来にもっと稼げるようになろう!というのが投資じゃない。
これは悪くない。いいこと。いい事なんだけど……。
投資先をしくじると負担以外の何者でもないとおもうんだ。
この10年日本が投資してきたものは、道路とか箱ものとか補助金とかなわけですよ。
これがそのまま価値を生み出してくれればよかった。問題なかった!
でも、道路をつくったおかげで経済効果がでてそれだけ国民の生活を豊かになっにしたかといったら、そうじゃないんだよね。
逆にいらんものをつくったせいで将来にわたって、そのたいして経済的価値がないものをメンテナンスしつづけなくてはいけないという、ランニングコストの増大を招いたちゃった。あちゃーーっていう感じ。
信号機設置しまくって維持費だけあがって、既得権益者を肥やしただけみたいな。
国民の生産性の向上に寄与しない浪費は将来の負担以外のなにものでもないとおもうわけよ。
そりゃあれば便利かもしれないけど、公益性と効果対費用はちゃんと考慮しなきゃ。
結果論かもしれないけどね。
毎年利払いだけで20兆になるほどお金つかっておいて、この日本の状況はないだろうと。
もっといいことできたんじゃないかって思うわけよ。
利払いももう税金じゃ賄いきれないからがんがん国債出しているけど、そういうのも含めて国債発行してまで集めたお金の使われ方そのものが将来日本を担う子供達のためになってるとは思えないんだよね。
この10年でさ、10年後に日本が先進国であるために国際社会に立ち向かえる産業をちゃんと育成できてる?
そこにどれだけ国策としてお金落としたのよ。
いまお金落としているところって10、20年後社会にでてくる子供達の食い扶持になる産業?
ほんと負担だけ押し付けてない?大丈夫??
はあぁ・・・。ため息でちゃうよ。
国債を償還することを前提にしたらインフレにせざるをえないよね。
そうすると資産の目減りは避けられない。
ローンを組んでいればインフレはラッキーだけど、既に日本はあるていど成熟した国。
年率10%成長なんていうのは無いから80年代のような賃金上昇は無理。
結果国民はものすごく困窮することになる。
だからできるだけ国債発行額はさげて少なくしていかないと。
今やって少しでも減らしておかないと将来偉いことになる。((すでにこのタイミングを逸した気もしなくもないけど。))
だから国債は返さなくてもいいなんてバカなことはいって欲しくないな。
国債発行額を増やしつづけても日本がいけるってなら、そういうシナリオ書いてくれよ。
残念ながら自分の想像力では中国並みの成長をとげながらインフレを受け入れるか、デフォルトするかぐらいしか思いつかないわ。
10年で給与所得が倍になるような前提で話せるほど楽天家じゃないもんよ。
参考までに。
これ今年可決された予算案な。日本人で大人ならこの国がどうなってるのかはみておいたほうがいいきがする。
春になると転職の話が増えますね。自分の頭が前時代的なのだろうけども、みなさん本当に気軽に転職するなぁと思っている。以下は転職せずに、就業形態を無理やり変えた自分の話。
俺は美大を出てデザイナーとして新卒採用された。ガチガチのデザイン会社じゃなくて一般企業のデザイン室。そこを選んだのは、業種に特別興味や魅力があったわけではなく、単に定収入と社会人の肩書きが欲しかっただけ。出来れば絵に関する仕事だったらいいな、ぐらいの志望動機だった。何故なら、本当によくある話なのだが、実は漫画家になりたかったからだ。
漫画家にはなりたい、だけど就職せずアシスタントとして修行してデビューを目指すなんてことが出来る程、自分の描いているものに自信が持てなかった。とにかく就職しろという両親を振り切って飛び出す勇気もなかった。働きながら投稿したり、同人誌を描いている間にスカウトが来ないかなーなんて、夢見ている典型的なワナビだったわけだ。
ところが就職してみると、めちゃくちゃ忙しかった。仕事は楽しかったが、毎日終電だったし、それを逃すことも頻繁にあった。休日出勤こそなかったものの、自堕落な大学生活を送っていた自分にはキツかった。なにより漫画を描けないことが多大なストレスになっていた。平日の帰宅後1時間、プラス土日を使って同人誌はなんとか続けたけども、投稿なんて夢のまた夢。自分はこのまま歳をとっていくのか…と焦りだけが先走った。
2年経った。慢性的な寝不足で体はボロボロ。焦りと劣等感で精神的にも限界が来ていたと思う。そんなころ、エロ同人で副収入を得ていることが会社にバレた。唯一漫画のことを話していた同期が飲み会で上司にポロっと言ってしまったらしい。帰宅後、上司から電話がかかってきて言うには「そんなことをしているから体を壊すんだ、今すぐ漫画を止めろ」。今思えば完全なる逆ギレなのだが、「体を壊したのは、毎日終電のこの会社のせいだろが!普通の会社なら余暇に漫画くらい出来るんじゃ!もう辞める!」と言って電話を切ってしまった。
その翌日、ガクブルで荷物の整理をしに行くと、思いがけないことに上司はあんな口をきいた自分を引きとめてくれた。入社してからの2年間で、俺がした仕事を評価してくれた。その上、漫画家になって忙しくなるまで、出社日を減らしていいから仕事を続けてくれとまで言ってくれた。もちろん、正社員しかいないこの会社では初のケースとなる特例措置だ。しかもそれをきっかけに、会社全体で就業時間の見直しが入り、遅くても9時には帰宅できるようになった。
ここまでしてもらうと、今度は「時間がない」とか「自信がない」とかいう言い訳が一切出来ないことになる。それからは会社にケツを叩かれる形でなりふり構わず漫画を描いた。エロ同人もやめた。投稿、持ち込みを繰り返して、頂いた時間はほぼ全て漫画にあてた。
結局デビューまでに3年、連載までにさらに1年かかったわけだが、ここまで来れたのも上司と会社のおかげだと思っている。この会社が普通の会社だったら、今もダラダラとエロ同人を描いてニヤニヤスカウトを待っていたことだろう。俺は本当にラッキーだ。今日、週5で2年間、週2で4年間お世話になった会社を、辞める。
元増田です。
つまり、基本給とちょろっとした手当があるだけです。
跳ね上がりは期待できません。
「大学生が就職したいランキング」のトップを飾るような会社に入った友人たちも、有給をフルに使い切ってました。
よく若者の転職向けの媒体に「勉強」とか「やる気」とか言う文字が、「社格」という言葉を見たことはありません。
この社格ってやつは、同級生の人材業界の大手に勤める同級生にお酒を飲ませて聞き出した言葉です。
「社格ってのもあるからね??。名前も聞いたことない会社の人より、損保大手に勤めてました、って方が採用する側もポテンシャルがあると思って安心するし??。」
だから、理解されないで当然だしそれが前提ってことだよ。
理解してくれる人がもしいたら、それはラッキーだけどな。
間違った意見を言われてそれを否定するのはいいよ。
ただ、攻撃的な意見を言われて、意趣返しに相手を悔しがらせようとするのはそんなもん正当防衛でも何でもねーじゃん。
俺はそういうの嫌いじゃないし、相手が暴言を吐きたいだけだと思ったら自分も暴言を吐き返すよ。
それは悪いことじゃない。ただそれをやった時点で、言葉の応酬はただの殴り合いになる。
どっちが正しいとかどっちが間違ってるって話じゃなくて、匿名での傷のつけ合いだ。
その自覚はもたないといけないと思うよ。そして、それが外から見られていることも忘れちゃいけない。
で、聞きたいんだけど侮辱罪ってのを持ち出したのは何故?
ここは匿名前提の場で事実あなたも匿名で書いている以上はそんなもんに問いようがないと思うんだけど。
逆に訴える意思もないのに訴えるって言葉を使ったら脅迫に問われるわけでさ、これもお互い匿名だと無効になるのかもしれんけど。
どっちにしたってあなたの侮辱罪発言ってのはもう不条理としか言いようがないよね?
今あなたに注目が集まっているのはまさにそこだよw
TRACK8(INSTRUMENTAL)
トゥルルル、ガチャ。
「はい、もしもし。----ですけど」
「あたし、分かる?」
「うん。どうしたの?突然に」
「別にどうもしてないんだけど、忙しい?」
「いーや。何もしてないよ。暇だったけど」
「…あのね、さっきテレビで怖いドラマ見ちゃってそしたら電話して言いたくなっちゃった」
「どんなの?」
↓
「別にそんだけ。用はないんだ、じゃぁね」
ガチャ。
TRACK9
待ち合わせ。と、いう行為は非常に楽しいことであると同時にとてつもない苦行でもある。その日は僕は極小Tシャツにデッドストックのブーツカットジーンズ、エナメルのビルケンのサンダルという出で立ちでひたすら彼女を待っていた。風のない日でおまけに正午、じりじりと僕を責めたてるものが太陽でなかったら一体なんだろう。焦燥、字面からしてもう、焦がれている。遅れること20分彼女はやってきた。いつもパンツルックの彼女がスカートを履いている。吉兆と緊張。
昼食はでたらめに飛び込んだ店でとった。その割にはまぁ、美味しかったので、良い気分で店を出て電車に乗って移動する。ガタンゴトン。語っとこう、肩の力抜こう、と聞こえる。従い、彼女と語る。
彼女の話は長いので省略。
「へー。そうなんだ」
とりあえずのところそんな風にあいずちを打っておけば問題ない。一応、カタルシス。
「いつもはね、汚れちゃうからパンツなんだけど。足太いからあんまし履きたくないんだけどさ、今日はね。あたし、デートのときしかスカート履かないんだよ。どう?」
「いいね」
色々いい。色も良いし、もっと履いたらいい。
様々な店がひっきりなしという感で立ち並ぶ雑多な、滅多に歩かない、街の通りを見て歩く。それはもう本当に様々で、古着屋、雑貨屋などをはじめに目に入った順に立ち寄った。僕も彼女も何も買わないし、何か目あての物があったわけではないのだが非常に楽な気分になれた。肩の力が抜けたという感じか、顔を合わせるのが3度目とは思えないほど僕達はリラックスし、それ以上に親近感が2人の周りの空間を包み込んでいた。呑み込んでいた。淀みが飛んでいた。
夕方になると幾分風が、心地良く吹き始め、人々の頭髪を、柔らかく揺らす。僕の崩れた頭髪も、あっちも、こっちも。いつもおろしっぱなしの髪をバレッタで巻いて揚げた隣の彼女をも。もう。
「はぁー。疲れたね」
「うん、生き返った」
喚き、歩き疲れた僕達はファーストフードの店に入りその体に飲み物をひとしきり流し込んで、そう交す。まるで仕事後のサラリーマンが居酒屋でやってるみたいにだ。彼女の話を聞いていた。彼女はとてもおしゃべりな子で、そうそう黙り込むことはなかった。ハンバーガーを食べていた僕の口の周りはもはや壊滅的状況といった装いで、その被害情況は両手、トレイにまで及んだ。僕はハンバーガーだのがうまく食べられたためしがない。だったら食べるのよすのが良いんだけど。
「もう。汚いなぁ、あたしが食べちゃおうかな」
と言って大きく口を開けてかじりつくふりをする。ライオンみたい。
やっとのことで食べ終えた僕は、
「そういや、何か用事があるんじゃなかったっけか。何時に何処?もうすぐでしょ?」
と尋ねた。外れない。
「そうなんだよねー。あーあ、どうしよう」
「すっぽかすのはまずいでしょ」
「うん…」
力なくそう答えてからいつも元気な彼女は次の瞬間しゅんとなって
「…もっと一緒に居たいな」
ぽつり。
ここは駅付近、駅構内へ向かう人出て来る人どちらの人も皆せわしなく歩いている。足音だけが彼等の存在証明、そして僕等も、その存在を立証すべくお互いに優しく注意深く手を振る。彼女はもうすっかり笑ってそのたてがみの様な頭髪をゆさゆさと差し込む陽光で金色に光らせて今もう一度手を振った。もう1度揺すった。
僕達は一体どうなるんだろう。願望だけが宙に浮いて。振り向いて。
真夏のライオンキング。
TRACK10
僕と彼との一旦。
暑い暑い気が触れる寸前の夜、俗にいう熱帯夜。基本的には気が滅入ってヤダ。でも、ちょっと素敵じゃない?
「いらないね。酒を飲むときは何もいらないんだ。しいていえばピスタチオくらいあれば申し分ない」
「そうだった。じゃ、ピスタチオも」
ウェイターにそう告げると快くカウンターに入っていった。無音で「いい」って言った。えらく少ないオーダーに嫌な顔をする店というのは結構世の中にはたくさんあるものだ。そんな中にあって稀少といってもいい店。だからよく行くお店。
「最近さ、どうしてんのさ」
「別に。どうもしないさ」
「でも呼び出したからには何かあったんでしょ。少なくとも」
「ただの世話話だよ」
世話話というのは世間話のことだ。
少し遡ろう。ちょっと盗聴っぽく。
「はい?」
電話に出た僕の耳に聞こえてくるのは紛れもない彼の声だ。
「あのさ、ちょっと出れない?」
「いいけどオールとか無理だぜ。君と違って明日も学校があるんだから」
「あるのは知ってるさ。毎日ある。さらに言うなら君が行かないことも知ってる」
「わぁったよ」
「場所は分かってるだろ。何時に来れる?」
「8時」と、僕。
「ということは9時だな」
彼の失礼な言葉で電話を終わらせ部屋に戻り飲みかけのコーラを飲んでしまうとそのあとでゆっくりとマールボロを吸う。ゆっくりと支度をした。
「ごめん、遅れた」
時計は8時45分を指している。
「いいや時間通りだよ」
こういうことを分かっている存在だ。ぞんざいか?
「また夏が終わるよ。1人者の夏が」彼。
「そうかい。嘆くことでもないと思うけどね」と、僕。
「まーね、君は顔がいいからね」
といつも言う口癖を言って5杯目のカクテルを飲み干す。とはいっても彼の飲んでいるのは全てショートカクテルの強いものばかりだ。僕だったらもうストップなのに彼はまだ飲むつもりらしい。積もることでもあるらしい。
「オーダーいいすか?チャーリーチャップリンとスレッジ・ハンマー」
「ああ、俺、結構キいてきたよ」
「でも飲めるだろ?」
「俺何か食おうかな。あ、これ頼んで。ナスとミートのオープンオムレツ、これ食いたい」
「オーケー」
僕は吸いかけの煙草を灰皿で揉み消し、新しい煙草に火を付ける。僕も彼もはっきりいってチェーン・スモーキングに近いのだ。そして料理を食べる。僕達は当初の予定通り身のない話を山ほどした。見ない未来の話や、なにか、そういう意味では今日のノルマはクリアしている、現実的にも比喩的にもお腹一杯だ。だけどどんなに話し合っても分からないことだらけだったし、どんなに飲んでも食べても飢えも渇きも消えなかった。僕はそろそろ答えを欲している。そして、バックグラウンドはレゲェミュージック。ワン・ラブ。笑う。
「どうだい?」
「どうだろう?」
夜はまだまだ終わらない。
僕たちはまだまだ笑い終えない。
TRACK11(INSTRUMENTAL)
僕は今まで数多くのものを憎んだけれど、このときのベスト1は美術予備校の講師だ。僕は天秤にかけられ、結果彼女に拒まれた。それだけだ。だけど秤に乗せられる気持ちなんて秤に乗ったことがある人間にしか分からない。僕は偉大なる日々から日常へと帰っていく。
あるいは僕が憎んだのはこの僕自身だったかもしれない。もう忘れた。
TRACK12
僕ともうちょっとマシなものとの会話。
『ほら、言わんこっちゃない』
「何が?」
僕は怒っている。
『分かったろ?』
「だから何が?」
『僕が話したいのはそんな君じゃないんだけどな』
「いいよ、あきらめついたから」
『そう?』
「拒絶したい奴はすればいいさ。僕はそれほど何もかもに関心があるわけじゃないんだから」
『ただの負け惜しみにしか聞こえないけど。未練たっぷり。直視出来ない、まともに見れん』
「それも1つの見解でしかない」
『まだ他人がうらやましい?忘れた?あの日、君は道標を見つけたんじゃなかった?なら進めよ。君が今嘆いているのは大前提の事実だぜ、うかれて足元すくわれただけだろ。だいたい何をうかれてんだよ。君は何も知らなかった、それだけだろ。大きな勘違い』
「裏切られた気持ちを知らないからだ」
『なら言ってやる。求めればあたえられるっていうのはナメてんだよ。子供か?何でも向こうからやって来るのを待ってんのか?耳かっぽじれ。求めよ!渇望せよ!そして進め。これが本当だ。この先はない。与えられん』
「…」
『泣いたってだめだよ』
「どうしたらいい?」
『大丈夫、きっとうまくいくさ』
その夜、誰も見てないのを確認してから泣いた。
TRACK13(INSTRUMENTAL)
そらで言える電話番号を押して彼女に電話をかける。時の流れと一緒にプレッシャーも流動しているのだ。なぜならもう合格発表の時期だからだ。
「どうだった?」
僕と彼女では専攻が違うのでこの聞き方はおかしい。まるで一緒に受けたみたいだ。
「そっか、俺の方もだめだったよ。今度のはいつ発表?何処?そんときにまたかけるよ。じゃぁね」
別に彼女の恋人でなくともできることはたくさんある。あるいはただ未練がましいだけかも知れない。それはそれでかまわないのだ、僕に重要なことは正しいベクトルであること。これだ。
××美大の発表の日、僕はすぐには電話をかけることができず少々ごたついてしまい結局かけることができたのはその何日か後になってしまった。胸を早く打ちながら、受話器があがるところを想像したが電話に出たのは彼女ではなかった。
後にも先にもこれほど途方に暮れたのはこれっきりである。
TRACK14
時の流れはきっと冷たいんじゃないかと思う。非情という意味ではなくて体感温度として、ちょっとした心象表現だ。下らないことを言ってみたかっただけ。そして、今だ僕の体もその流れの中にある。聞き流して。
いや、溶かして。
ハイ・シエラの谷でとれた水の冷たさで僕の右手はもはや麻痺し、何も描けない。はっきり言って逃げ出したかったけれど一体僕は何処へ逃げたらいいんだ?そんなわけで僕は日常の中で小さな現実逃避を繰り返しては、ぶりかえしては、熱病に執拗に、連れ戻されていた。
僕には浪人という立場があり、やるべきことがきちんとあったがその答えをまるで別の方向で弾きだそうとするみたいに足掻いた。足掻いて、足掻いて、その跡で凍傷で焼けた赤い手を見て、そして、そのことからまた逃げるように他のことで代償行為としたのだ。言ってみればこの時にひょんなことで出会った娘と何度も、映画を見るための2時間限りのデートを繰り返したのだってその一環でしかなかったかも知れない。
良く晴れた平日の昼間に近場の公園で文庫本を読みながら、溜め息をついた。いまだ、僕の右手はかじかんだままである。
あがけばあがくほどより深い溝にはまってゆく、それが僕に限った話かどうかは知らないけれど。アリジゴクっていうのがあるけどとても悲惨なネーミングだ。もう、本当に。誰がつけたか興味ないけれど、そんな名前をつける奴こそが深い溝の底で未曾有の苦しみを味わうがいい。
僕は予備校にまた通い出した。大好きなマイナーなクソ映画もあらかた漁りつくし、しまいには見るものなくてフェリーニまで見た。夜な夜な飲み歩き、好きでもない酒を知らない人間と飲むのももううんざりした。近所の公園なんて僕の縄張りみたいなもんだ。やるべきことをやる時期、そう判断したのだ。ゆらゆら、ゆらゆら、クラゲのように気楽に海水と愛の巣をつくる話は破談した。求愛する相手も無くし、色んな居場所を追われたけれどラッキーなことに僕にはまだやらなければいけないことが残っていた。僕はついてる。
相変わらず判で押した様に定時に行くことは無理だったけどそれでも少しは救われた。
ピリピリという擬音が聞こえてきそうなほど押し差し迫った空気の中、僕は浪人2度目の受験を迎える。そんな中に在っても僕はふっきれないまままるでコンクリートのプールで泳ぐ気分だった。
具合が悪くなるくらい考え事をして僕は生まれ変わる夢ばかり見た。1度だけ大学生に生まれ変わる夢を見た。勿論、笑い話だぜ。
TRACK15(INSTRUMENTAL)
いよいよ試験の日程も押し差し迫るといった最後の前日、友達がお守りをくれた。実際に彼が身につけ、数々の合格をむしりとったラッキーお守りだからといって僕にくれたのだ。
そして、僕は合格した。拍子抜けした。
TRACK16
僕は大学生になり、あくせくと大学生をまっとうし、わだかまりとアクセスしたけれどそれが何だっていうのだろう?僕は考えられないほど学校に通い恋をすることもなかった、何事もなかった、暇がなかったわけでもないし余裕がなかったわけでもない。浪人中に比べればさほどの欝没も感じない。歳をとったせいか、はたまたそんな時代なのか知んないけどな。
ただ僕は絵を描いていた。派手に遊ぶこともなく前から付き合いのある友人と付き合い、本を読み、そして絵を。辛かったことを忘れないように、嬉しかったことをかみしめるように、恥ずかしい自分を戒めるように、何よりも自分自身の僕という存在の力を知りたくて。
そして、まだ、在りたかった僕になりたくて。
TRACK17
蟻はただ働き、そしてそういう自らを肯定した。そのおかげでかつての僕を知る人などは変貌ぶりに驚嘆の声など挙げてみたり、またある人は近づき難しと距離をおいた。何も考えない、蟻は死など恐れない。死への行進、日付だけが更新。そんなの怖くなかった。ただ、そのシステムが変わるのが恐ろしかった。何かが変わるのが恐ろしかった。でも、案の定何かが変わる。
僕はある女の子と出会った。それは特別にマーキングしておかなければとても目立たないような特徴のない毎日に降ってきた、だから僕はその娘が特別だとは少しも思わなかったのだ。
電話が鳴る。その内容はとても事務的に終始しつつ意図の分からないものだった。予想外の人物、ただの1度以前に引き合わされただけの人物が電話の主とはいえ、特徴のない平穏な毎日の中にある僕はこの出来事の持つある種の特殊性に気付かずにいたのだ。
そして2度目の電話も鳴る。
「もしもし 覚えてますか?」
消え入りそうな声。
「ええ、覚えてますよ」
遥か、遥か遠くから語りかける言葉。
そう。堯倖に等しい毎日はとても当たり前の顔をして始まったのだ。キングダム。
実際に会った彼女の中の王国は、かつて様々な人の中に垣間見たような理解の範疇を超えるような代物ではなかったし、逆もまたしかりだったのではないだろうか。
なんとなく信じられないのは、今こんなふうに生きていること。ただその喜びは宙に浮かんで輪郭もはっきりとすぐ鼻先にあるみたいなのだけれど、蜃気楼みたいに決して届くことはないのかもしれない。物事は現実的であればあるほどそのリアリティを失っていく。誠実であろうと思えば思うほどそれが叶わないようにだ。
世はなべて。僕は儚む。
そして、一筋の光明。
TRACK18(INSTRUMENTAL)
最初に体を重ねてから数ケ月経ったある日、僕達は共同作業を終えた。それは本当に思い掛けないぐらい突然にやってきた。僕はこの時やっと誰しもが容易に掴み取ったであろうリアルを手中に収めたのだ。
彼女は笑った。
僕も笑った。
何かが起こりそうな予感がする時は必ず何かが起こる。僕の得た貴重な経験則のひとつだ。
TRACK19
人は忘れる生き物だから、人は忘れる生き物だから、人は忘れる生き物だから。
------
男は言った。
「信じているか?絶対の、完全無欠の、無制限の、無条件の」
TRACK20
夕方4時頃目が覚めた。
頬をつたう涙の正体は一向に分からなかったが、多分コンタクトを外さずに寝たせいだろうと解釈した。大学は夏休みに入っていて特にすることがないのだが埒のあかないことにいつまでもかかずらっていることはあまり好みではないからだ。さてどうしようと考えて外食しにいく事にした。
身支度をして部屋のドアを閉める。
僕は随分と長い間喋り続けた後のような疲労感と、倦怠感、凄絶とも言えるかつてない空腹に襲われていた。そしてあまりに腹が空いて相当笑えてもいた。炎天下の下、こんな体を引きながら繁華街まで出るのはどう考えても億劫だった。駅に行くまでには定食屋だってあったし、それこそラーメン屋や各種飲食店の類は数え上げたら切りがないほど存在したのだけれど、何故か僕の足は駅に辿り着き、そして疲弊しきった体はというと、駅のホームに立ち、新宿行の電車を待とうとしていたのだ。辟易とした。
平気?いや、平気じゃない。今何故か僕の体は睡眠から覚めたばかりだというのに随分と疲弊していて、風邪をひいたのか何か分からないけれど異常な倦怠感があったのだ。喫煙所でバカスカ煙草を吸いながら、僕は癇癪を起こしそうだった。どんな解釈も無用だった、もう、電車がホームに入ったからだ。どうも僕は乗る気らしいし。
新宿の街で食べたものはといえば、それが果たして自分の住む近所で食べたこととそうも結果が変わるとも思えないようなメニューを選択してしまったし、それでなくとも、まともに考えればわざわざ新宿に電車に乗って飯を食いに来る意味は何なのかと、自分に問うていた。腹が朽ちるとそれも馬鹿馬鹿しくて良い方向に笑えてくる。満腹になった今でいえば、そんなわけの分からない自分が、少し気に入ってきつつもあったのだ。
大学が夏休みに入ってからというもの、怠惰な生活に、対話なき生活に、僕はすっかり馴れてしかも親しんでしまっていた。基本的に自炊で食事を賄う僕としては外出することもなかなかなくなっていた。まぁ、念願叶うといってはおおげさだが、いい機会でもあった。
ファッション・ビルの1番上から順に眺める。店舗に入る服屋を物色する。僕は必要に迫られない、狭められない、そんな買い物が好きだった。もう、若い者ではない僕には最先端の流行は必要ではない。購い者でもない。
ひとしきり人ごみを満喫し、ポケットから煙草を取り出して、目的もなく歩く。人の流れにうまく乗り、集団の中手に、苦なく波に乗り、咥えた煙草に火をつけた。映画の巨大な看板を目にして、胸に何か去来する。僕には何も、分からない。
信号の青い点灯を待たずに、跨がずに、すぐ手前の白線を踏む。人の織り成す濁流が交差して、甲翳して、ふたつの流れの交わるところで僕は前方から歩いてくる若い女性の姿が目に止まる。歳の頃も同じぐらいで、髪が肩よりも短く、白い開襟のシャツを着ていた女だった。堪らない程多くの人間といっぺんに交錯するようにすれ違う。目を覆うようにして翳した手の甲の影から、急に涙が込み上げて、歩きながら振り返ると個と解けた濁流は散り散りになっていずこへと消えた。
僕は吸いかけの煙草をもう1度大きく吸ってから、迷うことをやめた。
激しい喉の乾きで突然目が覚める。枕もとの煙草とライターをまぶたも開けずに手に取りカサカサに乾きあれ果てた、割れ果てた、唇にくわえ火を付ける、ここまで3秒だ。
ふた息ほど肺に送り込み喉の乾きが最高調を迎えてから立ち上がり、冷蔵庫の中のうんと冷えたコカ・コーラの缶を開け、流し込むように飲む。
ようやく意識がはっきりと戻ってから今が朝か夜かを確認する。僕は起きた時はここまでしないと喋ることも考えることもままならない。起き抜けの煙草と飲み物、ここまでが見物。この2つで僕はやっと僕という存在になる。察するに今は夕方、だいたい4時といったところか。部屋の中を見回してもいつもと変わった様子は見られない。脱ぎ散らかされた服、いつもどうりだ。汚くて狭い部屋。その通りだ。僕の部屋を末期症状と呼んだのは誰だっけか、そろそろ掃除のしどきかもしれないな。
とりとめのないことをそこまで考えたところで、僕は自分が泣いていたことに気づいた。いや、正確にいうとさっきまで泣いていたのだ。足元に転がった鏡に顔を写し、見ると目の下に涙が乾いた跡がある。それは、とても妙なことだった。なぜなら泣かなきゃならない理由がない、思い当たらない、仮に嫌な夢や怖い夢。憶えないよね?見ていたとしてもそれは妙なことに分類される。僕は眠れば必ずといっていいほど夢を見、またそれをことごとく覚えているという割合特異な人間なのだ。特別何もなくても、何はなくとも、何かの拍子に涙がこぼれることがあるのだろうか。窓の外では子供の声がする。今、何時?汝、そういえば僕は寝る前、何をしていたんだっけ。
僕は、なんで泣いていたんだろう。僕は何してたんだろう。ねぇ。
TRACK2
何年前?5年前。
僕は浪人生だった。とある大手の美術の予備校に通っていて、それなりに志を抱いてもいた。一体、僕の志って何だろう?愛称は「ダル夫」、同時にそういう悩みを抱え始める年でもあったのだが、最初、風向きはすっかり僕にあるような気がし、そして何かが僕の思うとうりに、旗幟、動きはじめるそんな気がしてもいたのだ。単純に浮かれていたといってもいいのかもな。
その年、僕が夏の捕獲に成功したのは5月ごろだった。
「何してるの?」
「昼寝しようと思って」
「あ、そうなの」
あたりさわりのない会話の中でもとびきりあたりさわりのない、言葉を交した。裃から下。僕は臆病な割にはずうずうしい人間なので、誰もいない屋上のベンチの彼女の隣に座った。これから寝ようとしてる時に、よくしらない男に隣に座られることがどのくらい嫌なことかなんて気に、考えたこともないし、考えてもよく分からないし。なので考えないけどどういう訳か彼女は眠った。
時計は2時を回り僕の居る建物の廻りでは人がせわしなくぐるぐると回る、その証拠にたくさんの音を巻散らていた。カサカサと葉擦れの音。聞こえ出すと。彼女の少し茶色い髪もさわさわとなびきだすのです。とたん、工事現場の騒音も人びとの喧騒も、不思議と遠のき、何も、聞こえなくなってしまった。僕はなんとなく彼女の髪を撫でた。訳もないけれど。
僕は何も確かなことは分からなかったけれど、ショートカットの彼女の髪の暖かさと連動。この世界に、やがて、ほどなく、やってくる季節のことをそっと教えてくれた。
僕は鉛筆をカッターナイフで削る。これは僕にとってとても落ち着く行為なのだ。何故か。別に僕が文明の利器を忌み嫌い、しつこくアナログにこだわっているというわけでもなく、純粋に絵を描くためには、そのためには、字を書くときに比べ長い芯を必要とするだけの話だ。
どういうわけか、というわけで。僕は鉛筆をカッターナイフで削っていた。全部で30本くらいは削ったんじゃないだろうか。この時は時間潰しのつもりで筆入れの中の鉛筆という鉛筆を削ってしまおうと思っていたので、だので、むやみに使うあてのない鉛筆を中心に削っていた。
僕の座っていた場所、もう人の通ることのなくなったアトリエの前の廊下。普通はこの時間はアトリエの中で一生懸命になっているものなのだが僕はそこにいた。ふとした拍子にドアが開き、見覚えのある髪の色が目に飛び込んで。時、綻んで。
「描かないの?」
その髪を知っている。
驚いたことに、僕は隣に座る彼女の名前さえ知らない。驚愕に値。なのにこうしてもう随分と話をしている。
彼女も自分の鉛筆を削っているが、並んでこんなことをしているのは、なかなかどうして変なものだ。僕はもう指が痛い。意味あんのか、だいだい。
「カッテぇなこれ」
「貸して、こういうのは…ほら」
と、その髪。
「うまいね」
鉛筆の木の部分を大きく削り取り芯を露出させた。彼女にそう言うと少し得意そうだった。6Hの鉛筆ともなると、異様に固く、尖らすのにも苦労するのだ。
「ねぇ、ご飯食べないの?」
「うん。俺はあんまり減ってないからいいや。食べたら?」
「…わたしもいいや。お昼ご飯とかっていつも食べないから」
「そう」なんて言っていいか分からなかったからそう答えた。
僕も彼女も結局絵なんて描きやしなかった。なんだか知んないが、かったるくなってしまったのだろう。
その何日か後。僕達は1度だけデートした。
TRACK3
J子さんの髪の色には変化、少し変わった。どのへんが?あそこのへんが。あ、そこらへんか。
彼女は僕よりも歳がひとつ上で。その上でそのせいも有るのか無いのかそれは分からないけれど、ときおりお姉さんぽい態度をとろうとした。しかしながら、彼女は僕と同じ年度に卒業している。留年したからだ。入院したからだ。とにもかくにも、彼女は何となく僕に世話を焼いてくれてるようだった。
彼女の作ってきてくれたお弁当を一緒にたべながら、僕は彼女に好意を感じたが、それははっきりした形をとる様なものではなかったし、言わなければいけないのであろう一言が僕にはどうしても言えなかったのだ。あるいは彼女はただ親切だっただけなのかもしれないのだし。シット。
何月だったか忘れたがとりあえずは冬のとても寒い日だ。ラッシュアワー時よりはいくらかは空いた、電車から降りてきた僕はそう急がずに改札をくぐり、彼女の姿を探す。姿を捕捉。細かい位置まで指定しなかったのに、彼女はきちんと分かりやすい場所にたった今定刻どうりに立っていたわけだ。
「ごめんね。待たせちゃった?」
「ううん。そんなに待ってないよ、さっき来たから」
「来たね」
「来たよ」
僕はそう答えて微妙な顔つきをした。
なぜ僕達がこの朝などに待ち合わせをしたのか。といういきさつはこうだ。前後するが戻る。
この頃僕の足は予備校から大分遠のいていて、ほっといてたまに行く程度になっていたのだが、たまたまクラスの奴(ボケ)が僕のことを学校に連れて来いと彼女にちょこっとほのめかした。軽い冗談ぐらいにしか僕は考えいなかったのだが、帰りがけ彼女はこう言った。
「何時にする?」
僕は驚く。
「早目に着くようにしよっか、そしたらいい席取れるし。わたし達来るのとても遅いでしょ。だから、変な場所でばっか描いてるから、やる気にならないんだよ。8時じゃ早いか、8時15分は?早すぎる?」
早過ぎるし、展開早過ぎるし。早く過ぎるシーン。
「がんばるよ」
彼女の乗る電車はもうすぐホームに入ってくる。それを知らせるアナウンス。
アーッ、アーッ。…イエスッ、プラットフォーム、ナンバシックス、まもなく打診。
「ちゃんと来るんだよ。いい」
アーッ、アーッ。ンンッ。…イエスッ、プラットフォーム、ナンバシックス、まもなく打診。答えはアイ、シー。
ネクスト・デイ、という呈。
2日目の待ち合わせも同じ時間・場所で行われた。まるで口の中にドライアイスでも入ってるかのように白い息がもわもわと凝固せず出る。当たり前のような話、僕はそんなもの食べたくない。けど、でも。あたりの人という人の口からも同じように白い煙が出ても、誰ももうドライアイスなんか食い飽きたとは言わないので、僕も不平不満を口からは出さなかった。出したのはまさに白い煙だった。
腰の絞られた濃いグレーのピーコートのポケットに手をつっこみ、眠い頭と当惑する気持ちをこさえ、彼女を迎え、姿を残さねぇ。そんな背が高くないというよりは小柄と言ったら正しいくらいなのに、彼女はロング丈のコートが意外に似合った。
と彼女と翳す手。
「そりゃね」
と僕。
言葉少なにそう歩き出す。
「こうやってお互い待ち合わせればきちんと行けそうだね。こういう風にしてればわたしも行くしかないしね」
「俺だって早く起きないわけにはいかないもんなぁ。7時くらいに起きてんだよ俺」
「えらいじゃん」
初めからそうだったけど僕達は相変わらず言葉少なだった。けれど、淡々としているというわけではないのだけど、大はしゃぎするふうでもない。笑いはしても、腹を抱えてゲラゲラと笑うなんてことはなかったようなという記憶で。19才になったばかりの僕と20歳の少女、差異があると、「サイ」が変わるの。そう彼女は20才になっているにも関わらずその印象は少女のままだった。その2人がこんなにも、まるでうっすらと積もった雪の上を静かに歩くように言葉を交すことは、僕にある風景を描かせた。
描く、書くと。
その風景とはこうだ。
(ムーボン、ムーブ、オン。見えるか、聞こえるか。始まるぞ、濃そうな妄想のシーン。)
陽の光がとても弱々しく感じられる。風が強いせいか肌寒い、ここは何処だろう?
見慣れた風景と感じるのはきっと有るものがすべて決まりきっているせいなのだろう。僕はここが何処か分かった。学校、おそらく高校だ。びゅうびゅうと風が空想の怪物の呼吸みたいに聞こえるので僕は心細くなりフェンスにしがみつく。その僕の指を固く食い込ませた金網の向こうに彼女が見える。小さくしか見えないが僕の知っている彼女は僕だけが学校と分かり得るぐらいの小ささで建つ建物と僕の中間に立っている。なぜか僕も彼女も制服を着ている。バサバサと髪が巻き上げられ服の皺がとたんに生命を持ったように暴れる、風が僕達の世界の全て、有体から思念体、一切合財何もかもを飲み込もうとしているみたいだった。
「 」
僕は胸が潰れそうになって必死に彼女の名を呼んだけど全てかき消されてしまい、届かない。すると、髪を服を草を巻き上げる耳を裂く風の音、一切の音という音を彼女が遠ざからせてくれた。
あたりにはもう心配する事なんて何もないのだ。
けど、けれど、何で彼女はまだ思いがけず不幸に命中してしまったような悲しい顔をしているのだろう。
(ちょっと調子が悪いのか、そうか。なら、鬱蒼など晴らそうか。そのスイッチを押せ、行くぜ。)
リブート。
その後。
僕は何度か彼女の悩み事のような話に付き合ったことがある。そのたびに快方にむかったように思われた彼女も、それはしばらくするとまたがくんと調子を落とす。こういうふうに言うと冷たいかも知れないけど、そういうのはどうにもこうにも本人次第だ。何とかしたいが、したいが、悲しいけどどうしようもなく本人次第だ。SPみたいに、彼女にへばりついて、いつ降ってくるか分からない災いの流星群から守ってやることもできないし、だいたい、彼女が望むかどうかも不明じゃ現実的じゃないじゃない。
というわけで僕はただ見ていた。
その日も彼女は複雑な表情。僕はと言えば相変わらずも怪訝な顔。それらには触れられずに帰りの道を僕は彼女と歩いた。
「ご飯食べていく?真直ぐ帰る?」
「お腹も減ったんだけどそれよかコーラが異常に飲みてぇよ。どっかに自販機ないかな?」
下がる血糖値、命の危機。
「ここら辺ないね」
仕方がないので彼女の知っている店へ向かった。彼女の指差す先は目的の店の電飾で、その店はばっちりコーラが飲めたのだ。
「行く?」2本目のマールボロに火をつけながら僕は尋ねる。
食事を済ませた僕達は向かい、駅構内へ降りていく地階からは長い。長いエスカレーターに乗っていると改めて僕は彼女の横顔が視界に。そしてきっと僕には何もできないだろうなと思ったのだ。何故そんなことをこんなときに思わなければいけないのかさっぱりだが、僕はその顔を愛いと感じた。ウイ。
またホームへ電車が入って来た。けたたましいブレーキ音とまるで抜けた魂、知性の感じられない雑踏のミックスジュース、もう嫌気がさす、ミキサーから出す、一息で飲みほしてしまいたい、彼女の声が途切れる前に。耳を澄ましたが池袋駅でははっきりと聞こえない。もし今が初夏だったら。その奇跡の力ならば。
「 」
「え?」
僕は憂う。
何であの時みたいに必要なものだけ、必要な声だけ、それだけを抽出してくれないんだ。僕には必要な世界があって、そんなこと勿論はなから分かってる、多分そんなに重要なことは言ってないんだろう?僕はそんなこと勿論分かっているけれど、彼女の表情はそうは見えないし、多分そうじゃない。なんだか胸が詰まりそうだ、僕の傍、彼女の顔が無理やり笑ったみたいに見えた。胸が潰れそうだ。
「バイバイ」
電車が行ってしまったあとには言葉を遮るものは邪魔も何もない。だけどきっと遅かったんだとは思う。彼女は誰かに救いを求めたかったのだろうし、あのいやらしいノイズがかき消したのは、彼女のなんとなく悲しげな顔に含まれた聞かなきゃいけない一言だったかも知れないのに。そしたら途切れないのに。
「ふぅ…」
僕はため息をひとつついてみた。人とすれ違う。
あくまでも推測だ、多分僕の考えすぎなんだろう。
でも、僕に何かができたんだろうか。何だろうか。見当つかない、それは分からない。
ねぇ、笑ってよ。
止めてぇよ。
TRACK4
「なぁ、花火大会行かねぇ?俺の友達の女の子も来るんだけどさ」
昼ご飯時で人の多い通路に,5・6人もかたまり地べたに腰を下ろし、カップラーメンOR出来合いの弁当、貧相な食事を僕らは済ました。それぞれ煙草を吸ったりジュースを飲んだりと全身からやる気を排出していた。
「あ、俺行きてぇ。女の子来るんでしょ。何人来んの?」
「多分3人くらいは来るんじゃねぇの。行かない?」その場の全員に振るのは主催。良い返事下さい、と同意求め。
「行く行く」
「女かぁ女かぁ」
「俺は無理だな、無理無理」
めいめい自分なりの反応を示し、僕はデニム地のベルボトムのパンツで灰に汚れた手を拭きながら尋ねた。
「そんでその花火はいつよ?」
それは皆が知りたい重要な事だ。
「今日」
結局一緒に行ったのは僕だけだったとか。
僕が挨拶をすると2人の女の子も同じ要領で続けた。1人はショートカット、割合奇麗な娘。もう1人はロングのパーマの表情の豊かな娘。有体に言えばそういう子。僕はニコニコ。
「良かったね、ちょうど人数あって」
僕がそう言うと彼はあまり同意はしなかった。聞いた話によると田舎に恋人がいるとのことだ。そうは言っても毎日モチーフとにらめっこしていて大分クサッていたところなのだ、遠くの恋人は恋人じゃない。4人は電車で目的地へ向かった。話をしながら。
目的地がもう目の前という頃まで近づくと、僕とロングの娘はすっかり仲良くなった。いざそうなると最初に感じたファースト・インプレッションも変わり、「ケバイ」も「チャーミング」に変わろうというものだ。僕はそういうところが調子良いようだ。
「次の駅で降りるよ」彼の指示で僕達は降りた。
僕にとっては見知らぬ街で、駅から出たとたんに潮の香りで、満ちるような海辺の街に降り立つとダウン。僕はロングの仲良くなった彼女と並んで、先導する友達の後をついていった。途中、道で擦れ違うのは真っ黒に日焼けしたサーファー風の男女ばかりで、
「サーファーしかいないのか?もしかして」
と、誰に言うともなしに言うと、
「なんか、あたし達だけ格好が違うよね、みんなショートパンツにビーサンとかなのに」
「俺なんかめちゃくちゃ浮いてるんじゃない。Tシャツ小せぇしパンツの裾開いてるし」
「そしたら、あたしも浮いてる。だって格好似てるじゃない」
そんなことを話しているうちに波の音のするところまで来てしまった。多分、僕は相当うかれていたんだろうと思う。だって波の音がする。潮の香りもする。僕のような人間にとって、海という所は、そう簡単にほいほい来れる場所ではないので、しかもそれが、もう目の前とあっては高揚せずにいられるものか。浜辺に降りるには多少なりとも道なき道を行かねばならぬもので、僕達も慣例に従い膝丈くらいの草を踏み倒して進んだ。16ホールの編み上げブーツは砂利だろうと草だろうと蹴散らして行ける。爪先にスチール入りの頼れるタフガイは彼女の履いていたサボ状のサンダルとは違い、あちらはどう見てもタウン用なのでそれが理由かどうかは知らないのだけれど、結果、我々一行の中で彼女は遅れぎみだった。
「ほら」
差し出す手、手出して、握り返して、そのまま固く封印。
僕の手を握る彼女の手の平は汗でじっとりにじんでいた。
花火なんてない。いらない。
クラスメイトの彼は相当がっくりきたらしくご機嫌斜めでショートの娘の相手すら放棄している。その娘にも悪いんだけど、本当に悪いんだけど、僕とロングの彼女は楽しんでいた。途中で買ってきたビールを開けひとしきり、
「ちょっと海の方いってみない?」
と彼女は言った。
僕達は軽く走りだす。別に急ぐこともないのだけど何故か足早に。渚は玉砂利を転がした様な音だけをたて、波が僕の足の下にあるものを掴もうかと、否かといった感じで近ずいたり遠のいたりする。
「わ」
ふいに勢いのある波が靴のソールを濡らす。
「靴脱いで足だけ入っちゃおうかな」
「いいね、そうしようか」
紐を解いてブーツをほうり投げ、サンダルを脱ぎ捨てるとジーンズの裾を捲り上げて。ちょっと悪いことをするみたいな顔をちらと僕に見せて。確信犯の顔、隠し得ぬと、一歩、また一歩と沖の方角へ歩を寄せると、いともあっさりと捲った裾が波に晒され、「ひゃぁ」と背中を撫でられた様な声を彼女は発した。うかれた僕達にピークがやってきて水をかけたりする行為をとらせ、あろうことか渚を走らせた。ここで擬音、もしくは無音、体だけはムーブ・オン。手をしっかりと繋いで。はぐれないように。
そのとき、彼女の悲鳴が聞こえた。知らないうちに波がさっきよりも満ちて僕達の靴が波にさらわれかけた。僕は悪の魔王からお姫さまを救出する、まるでブロンドの王子。白馬にまたがり魔の手ののびる靴たちをひどく格好良く助け出すのだ。彼女は、幸せに暮らしましたとさめでたしめでたし、といった顔をして笑った。 一番最後に僕も何も特別なことはないようなフリをして、そして笑った。
二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。
TRACK5
話はそう簡単じゃない。人生は長く複雑である。というのがまさに一般論だぜ。
僕は中央線に乗っている。僕の用事はパーマをかけたロングのあの娘に海で借りたハンカチを返しに行くと言う至極下らないものだが。だがもちろん、世の若者が往々にしてそうであるかは僕の知ったところではないんだけど、僕の用事がそれだけであるはずがない、僕は彼女に会わなくてはいけない。いや、会うべきだ。
待ち合わせ場所のファーストフード店で、コーラを飲みながら過ごすこと数分。彼女はやってきた。奇麗な茶色のタートルネック、サマーニットにジーンズという出で立ちに画材道具の入ったトートバッグを抱えて。気持ちの良い笑顔と一緒に駆け寄ってくる。本当ならばハンカチなんてここで渡せば用事はそこでフィニッシュなのだが、あいにくと僕はおみやげを持参していたのでそういうわけにもいかないのだ。おみやげの名称は下心っていうんだけど。そこら中で見かけんだろ?
彼女、FMの部屋は一般的なワンルームから比べると少し広めで、あまり物がないせいか当時僕が住んでいた部屋とどっこいぐらいの、な、はずなのにもっと広く感じた。備え付けのキッチンの小さな開け放した窓からは小気味良いまな板を叩く野菜を切る音が空へと帰り、その間、僕はただ彼女の後ろ姿を眺めていた。
手慣れているとは言い難いものがあった。が、毎日自炊しているというのもままんざら嘘ではなさそうではあった。借りたハンカチを返すだけで手料理が食べられるなんて僕は全然知らなかったけれど、割とメジャーな潮流に乗った、そんな不問律らしいとの噂は聞いた。女の子からは何はなくとも、必ずハンカチを借りることを是非おすすめしたい。
出てきた料理は手の混んだ代物ではなかったがそれだけになかなか感動的でもあった。味よりもむしろこの事実、リアリティが僕を満腹にさせる。その後、僕たちはマットレスの様な寝床でごろごろと転がり、何を話すでもなくうだうだ雑談していただけなのだが、僕が帰るためにはそろそろ私鉄の電車の時間が近ずいてきていた。ここで。僕はけっこうな勇気とカロリーを消費しなくてはならない。
「あ、もしかしたらうちの方へ行く私鉄がもう間に合わないかもしんない。やばいな、多分今からじゃ終わっちゃうかも」
本当にもう正気の沙汰ではない、この白々しさといったら。真っ白だよ。
「どうしよう」
こんな風に反応を伺うのももう最悪だ。
「…いいよ。泊まっていっても」
まさに、まさに。嘘をつくのは大変な作業である。でも無理も道理も通った。押しの一手、おっしゃる意味が分かりません。
TRACK6
僕と僕との会話。
『気分はどうだい?』
「ああ、すこぶる良いね。まるで風が僕に吹いているみたいだね、別に強がりじゃないよ。だって、そうだろう?もはや何の憂いもない」
『そう?』
「そうだよ。見ててみなよ、きっとうまくいくから。そういつまでも同じことは繰り返されないさ、アンラッキーだなんて言わせないね、君にもだよ」
『別に運は悪くないよ』
「立ち位置の問題なんだよ。僕はここなら平気さ。大丈夫。ノープロブレムだね」
『そうなの?』
「そうさ。僕も捨てたもんじゃないだろ?」
『どうだろう?』
暗転、という呈。
TRACK7
同じ布団の中、僕も彼女も眠れていない。大分個人的な話へと突入し、立ち入った空気が男と女を意識させる。いや、意識せずにはいられない。話の途中で彼女はごく自然に寝返りをうち、肩を下にして僕の方を向いた体制をとった。その鮮やかさに感心する。明鏡止水、拳法の極意。きっと僕の寝返りはとてつもなくみっともないんだろうから。
向かい合った体制の均衡がふいに破られ無我夢中できつく抱き合う、が、彼女は僕の足を自分の股にきちんとはさんだ形に。一枚上手だ。僕は自分のイニシアティブの存在をないがしろにするわけにはいかないのであえて言わせてもらうが、僕達は破ってはいけない沈黙を破るように同時にキスをした。同じ心音、同じタイミングってことだ。正確なところは僕が気づいたときにはすでに彼女の舌は僕の喉内に潜りこもうという意気込みであったがとりあえずそういうことだ。そこから彼女の前の彼氏の話が始まる。
長いので省略。
「うん」
曖昧に、何も言うまい。このスタンスはとても便利だ、いつも僕を助けてくれるのだ。言うべきことなんか在りはしないんだから。たかだか、僕らの歳などでは。
「あたし、けっこううまいよ」
「前の彼氏より大きい、してあげよっか?」
と舌舐めずり。
返事はあとまわしにして僕はマウントポジションを取り返す、そして彼女のくりんくりんとうねるライオンのたてがみみたいな髪の毛を見つめていた。彼女はしっかりと現実を見つめている、だけど僕に見つめられるのはその髪ぐらいのものだ。ひどくうつろなまま彼女の服に手をかけひとつひとつボタンを外しにかかり、ワン、トゥー、スリーで3つまではずしたところで彼女がブラジャーをつけてないという当然のことが分かったが、かまわず全部はずした。ワン、トゥー、スリーで出るのは鳩ばかりとは限った話じゃなく、ハッとする。乳房だったからね。
でも僕はぜんぜんダメだった。
うん、とも、ううん、とも言えなくなってしまった僕に腕をまわし、そんな僕をよそに、
「なんか、あたし、したくなっちゃった」
「あたし、したいよ。しない?」
もはや疑いようもなくなってしまった。セックス。
「よそうよ」
10秒経過、残り20秒。10秒。5秒。持ち時間は無常にも、少なくなる。こんなときには異常に早くだ。
オーケーと気軽に言えたらどんなにか楽だったか知れない。軽く堕落へ踏み込む覚悟もできていたはずだ、なのに、僕はダメだった。ぜんぜんダメだった。一体何の為だった?
胸の内、頭を抱え。イエス、ノー、オー、ノー。いや、不能なんだよ。
勝手にアンケートにするマンの俺が参上。ちなみに東京都下在住。
エスカレーター → △空いてればラッキー、空けてなくてもまあ今日は運が悪かったなくらい。てめえこらどけよマナーだろとかは思わない。
電車の電話 → △普通の声量なら別にいいんじゃないの。声を発するのがダメなら複数で乗ってしゃべるのもダメじゃん。ときどき超うるさいやつがいるけどそういうのはNG。
優先座席 → ○優先であって専用ではない。該当者が来たら譲ればよい。
煙草 → ×なんでそいつのタバコの煙を俺が我慢しなきゃならんのだ。俺が定期的にカミソリ振り回さないとイライラする性癖で、人がいるとこでも振り回すけど、たまたま近くにいて皮膚を切り裂いて流血しちゃうかもしれないけどそれくらい我慢してね、なんて通らないだろ。それと同じ。
なんか、お前、ドラマチックに一人盛り上がってるとこ悪いけどさ(なんかBGMとかかかってそうな勢いだよな)
他人からしてみると、なんてこたーない、なんつーかそれ一種のマリッジブルーなんじゃねーの?
恋心っつーのは一般に3、4年経つと落ち着くという。
それでもその間に燃えるような恋心をのほほんとした愛情に変えることができればオッケーなわけだがそれがなかなか難しい。
6年も付き合ってる彼女はまあそれが出来たっちゅーことだな。これは非常にラッキーな話だ。
そんでもな、いざ、結婚するとなるとな、まあ言葉になってるくらいだしな、マリッジブルーてもんが出てくるわけよ
別に嫌なわけじゃない。好きで結婚すんだが、それでもなんかしんみりすんのな。
ってのは新しい生活が始まるわけだからな。色んな意味で。精神的にも。それは要するに、今までの生活を捨てるってことになる。乱暴にいえばな。それはやっぱ寂しいんよ。愛着わいてるから。
そんでもう相手を一人に、本当に絞ってしまうという結婚時には、そりゃまーちょっと後ろ髪ひかれる思いはするもんなんよ。
決断ってのは、他の可能性を切り捨てることと等しいんよ。
人間、菓子一つでさえも「よし!一番美味しそうなこれにきめた!」とか自信満々で選んだとしても、レジでちょっと人に「あれも美味しそうじゃなかった?」って言われる程度で簡単に揺らいでしまうもんなんよ。「そうだったかも…この菓子でいいかな…あっちにしようかな…」ってな。人間そこんとこめっさ弱いんよ。
それが結婚だべ?そらー結婚前のマリッジブルーさといったら人によってはすごいでっせ。
別に好きじゃないわけじゃないんだけど怖いんよ。決断って怖いんよ。自分の責任で、他を切り捨てる行為ってめっさこわいんよ。それならむしろ他者にむりやり、たとえば親にめっさ反対されて無理矢理別れさせられたほうがまだマシってもん。それだとまだ他者を恨んでせいせいできるかんね。それほど嫌なもんなんよ
で、「あーもう俺は他の女性と付き合えないんだ」って思うと、まあ反発的に逆に「付き合いたい」って欲が出てくるんよ、普段よりわっさりと
「結婚前に限ってどうして」って言うけど、逆逆。結婚前だからこそなんよ。決断にチミの精神が耐え切れとらんのよ。
そこへ出てきた魅力的な女性。しかもなんかなに?ちょっと俺の事好きっぽいとな?
そらもー、惹かれますわな。
しかも、さっきもいったが恋愛というのは3、4年が相場。それも初期が一番ゴウゴウ燃える。下手するとくっつく前が一番燃えたりする。告白する直前のやきもきなんて最高潮やね。もはや燃えるような恋愛は去った現彼女より、今の彼女の方が燃えるように魅力的に見えるのは生物的に至極当然の話。んでもって、恋ってのは、障害物があればあるほど燃えるんよ。それもよくいわれることで知ってると思うけど。で今、「結婚間近」というハードルがある。すげーでっかいハードルだよ。申し分ないハードルさ。
まとめるとだな。
「結婚前」
「恋愛初期という一番恋愛において楽しい時期の今の彼女(候補)」
「相手は自分を好きっぽい」
こんだけ要素あったらそらハマるわ、どっぷり。
結婚前だからこそだよ。
だから、冷静に考えてみると、ぶっちゃけ、身も蓋も無いけども、今の彼女候補の方を選んだとしてもまあその燃えるような情熱は4年もありゃ確実に尽きる。生物ってそうなってるかんな。成功すれば、今付き合ってる彼女と同じように愛が築けるけど、それって結構ムズいから、失敗する可能性も大いにある。要するに「あれ?こんなはずじゃ」ってやつな。結局2年で別れちゃったり。そもそも数ヶ月で別れちゃったり。全然有り得るわけだ。
しかも、その恋は上記の理由で盛り上がってる。んだから、もし今の彼女候補選んだら、「結婚前」だとか「結婚間近というハードル」とかは全部消えちまう。今までそれらにゲタはかせてもらって盛り上がってたのが、急にゲタなくなって、アレレ?そうでもないぞ?みたいな事になる。ま、それでも恋愛初期だからしばらくは楽しいかもしれんが…今より盛り下がりまくるのは間違いない。
つーわけでお前がそう感じるのは、ドラマチックに盛り上がってるとこわるいが別にフツーのことだ
ただし今の彼女候補を選ぶとだいぶリスキーな賭けとなる。恋愛感情なんてほんとな、最も理性を狂わせるものだから、今一番恋愛で楽しい期間にある中こんな冷静な事はきっと考えられんだろうが……今たぶんお前は、その彼女候補に対する恋愛感情が、廃れるなんて想像もつかないほど燃えていて、彼女候補が信じられないほど魅力的に見えて、信じられないほど楽しくて、こんな恋愛、数年して廃れるなんて全然考え付かない!!な発情期状態なんだろうが、それ、錯覚錯覚。まあ恋って全部錯覚だから、敢えて酔うのも全然アリだけどな。ただ結婚を控えるお前にとってはその発情はめっさリスキーだ。そこんとこ考えとけ。
結婚式をすることになった。
きっと書かなくてはいけないだろう。
旦那様は書きたいみたいだし。
ありきたりな薄っぺらい言葉でなら書けると思う。
実際、自分は甘やかされて育ったのでそれを愛情といえば愛情と考えることができる。
しかし、
しかし。
欲しいと言う前に買い与えるというだけで
こんなに高いものを買ってやったんだぞと感謝する事を押し付けられるだけで。
マッサージや手伝いをするのはこれだから当然だ、と。
でなければ自分に対してはどれだけからかってやってもいい、と。
からかいに対して怒る自分が悪い、と。
感謝するべきなんだけど
感謝ができない。
甘やかされてきたことにたいして「ラッキー」と思うところもあり
反面「すごく恥ずかしい」が故にこのことをあまり話したくない。
ああ、でもあと少しだ。
あと少しで、この関係が薄まる。
けして終わることは無いけれど、あと少しでまた楽になれる。
マジレスしよう
1.女が誘ってきた(と感じた)場合
1.1. 女とは知った仲である場合
1.1.1 恋仲か、それにあと一歩の場合⇒誘いに乗ってよい。
1.1.2 割と仲がいい場合⇒どうしたのかな」から始まる、ストレートだが雰囲気のある大人の会話をして、相手の気持ちを確かめながらゆっくりとベッドインする。
1.1.3 顔を合わせる程度の場合⇒これは難しい。恋心の告白ならわかるが、いきなり関係を迫られているとしたら悩むところ。上司のきれいな奥さん?なやむねぇ。隣のきれいな奥さん?なやむねぇ。隣の元ヤン臭い奥さん?やめとけ。
1.2. 知らない女の場合
1.2.1 あったばかりで素性を知らない女である場合⇒あなたはとてもラッキーですが、美人局である可能性があります。バックがや○ざなのかライバル会社なのか中○なのかはわかりません。
1.2.1 いきつけの呑み屋の常連である場合⇒あなたはとてもラッキーですが、美人局である可能性があります。バックがやくざなのかライバル会社なのか中国なのかはわかりません。
1.2.1 大学の合コンの参加者⇒あなたはとてもラッキーです。
1.2.1 会社の合コンの参加者⇒あなたはとてもラッキーです。
1.2.1 高校の修学旅行で偶然会った別の学校の女子⇒それなんてエロゲ?(答:きみステ)。
2.あなたが誘った場合⇒せいてはいけません。ゆっくりと雰囲気よくくどき、髪をなで、どれだけ魅力的か伝えてつたえてあげましょう。キス、タッチ、ベッドの順番はきちんと守り、かつステップには時間をかけます。特に、初めてのキスでいきなりベッドから向かうような場合は、それぞれのステップの間で、やさしく怖くないか問いかけ、いやならやめてもいいんだよとささやいてあげましょう。
どんなときにも女に拒否する余裕と手段を与えること。大きな声をあげて嫌がったら、さっと体を離し、おちつかせて害意がないことを行って聞かせること。
それをラッキーと思えるなら、あなたが可哀想。