2023-06-27

自動車メーカーでのIT土方の思い出5

急展開

  • 退場者の残した作業をどうにか片付け、次の業務の準備をしていると、予想外のニュースが飛び込んできた。

 

 自動車メーカープロパーAが異動になり、今の現場を離れることになったという。

 

 聞いた話では、今回10名が退場した件で、自動車メーカー元請け間で話し合いが持たれ

 「Aを現場からさないならば、うちは全員撤退する」と元請けが啖呵を切ったらしい。

 

 逆ギレで返す元請けもどうかしているとしか思えなかった。

 怠慢な元請けがここまで動くということは、自動車メーカー下請け訴訟沙汰になりかけていたのではないかと予想している、

 部下が全滅した後に撤退命令を出し、指揮能力を誇っている間抜けしか見えなかった。

  

 今まで一緒に仕事を回してきた同僚も、睡眠障害で起きれなくなり退場。

 Aから戦力外通告を受けていたメンバーも、ようやく次の職場が決まった。

 残ったのは私一人と、Aが残した数百件の改善指摘だけだった。

 

 隙間なく詰め込まれていた開発作業にも大分余裕ができ

 Aが私に丸投げしていた、他部署からの問い合わせ対応も無くなった。

 特に後者が非常に大きかった。

 「そちらがリリースしたコードをいじってビルドしたら動かなくなったんだけど、デバッグしてくれない?」

 「ソフトビルドをしたいから、環境作成を1から教えろ」

 「君らのリリースしたソフト、容量が大きすぎてローカルダウンロードできないんだけどどうにかならないの?」

 のような、これが世界規模の自動車メーカーの開発現場か?というレベル質問に数時間付きっきりで対応する必要があったからだ。

 

退場へ 

 もはやこの自動車メーカー元請け上司も信用できなかった。

 Aが現場に戻ってくる可能性も否定できなかったし

 いずれ元請けねじ込んでくるであろう、補充要員の世話をまた0から始めるのもウンザリだった。

 上司は難色を示していたが、ここ最近残業の件で労基に相談に行くと言ったら

 「数百件の改善指摘を全部片づけるなら」という条件でOKが出た。

 

 退場したメンバーの残した指摘は、知識が浅い状態レビューを受け、指摘の意味も分からぬまま記載されたものが多かった。

 不快なことに、それらを解読できるのはAから理不尽な指摘を長年さばいてきた自分だけだった。

 

 Aの残した指摘の不毛さにうんざりしたのかもしれない。

 

 その手の資料は、作業ミスの発生時に再発防止策として追加されたものであったし

 教育環境のない職場なので、レビュー資料を作ることで内容を学んでいく側面もあった。

 プロセスの削減や自動化の結果、また「手順書通りにやっただけで中身は知りません」な人材が増えるのも容易に想像できた。

 

 すべてが不毛不快職場だったが、後を濁さず退場できたことは、唯一達成感を感じることができた。

余談に続く

https://anond.hatelabo.jp/20230629024636

記事への反応 -
  • 破綻 自動車メーカーからの無茶なスケジュールでの作業依頼は続いていたが  一軍メンバーの長時間残業によって、辛うじてオンスケでこなしていた。  しかし、長時間残業が定常...

    • 現場 下請けはうちを含め複数社が入っていたが、元請けに取りまとめる人間がいないので  お互いの情報共有はうまくいっていなかった。   自分が居た数年間で、他社含めると30...

      • 元請けのリーダーB 顧客から巻き取った業務を内容把握もせずに丸投げするのが仕事。   いわゆる「作業内容を全部手順書に書けば、ど素人でもそれ見て仕事できるじゃん」教の信...

        • 親会社が某自動車メーカーの元請けに入っており 様々な開発案件を巻き取っては、うち含む下請けに撒いているのだが 現場に入ってみたところ、上から下までブラック案件だった。   ...

          • マイナンバーであれこれやってるところと相性が良さそうじゃん? 「バッファがない」とか。 「オレたち頑張ってる」とか。

          • 残業80時間程度はゆるいなぁと思ってしまった

          • その他 上司からは「プロパーのAがいなくなって、これから仕事が楽になるのに何で辞めるのか」と聞かれた。 それはA以外にもヤバい奴が多すぎて、もうこの会社そのものに嫌悪感しか...

        • これはヤバイ。 製造が原因で顧客に〇人が出ているような職場だとそういうピリピリした空気になるんじゃないかな。 合掌。

      • 俺はIT沖田だ!!

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