■【将来予測】AIと人間との関わりはどうなるのかを妄想する

GPT-4が公開された。AGI実現にまた一つ近づいた印象で、こういったニュースに触れると、ついつい将来を妄想したくなる。

ということで、将来起こりそうなこと、（あるいは起こってほしい）と思うことを書いておきたいと思う。

AIはパーソナライズされる

• BingにChatGPTが導入されたように、今後あらゆるところAIが導入されていくのは容易に想像できる。
• そうすると、これまで検索結果や広告、商品レコメンデーションが利用者一人ひとりにカスタマイズされてきたことを考えると――もっともこれらの精度が高いか、あるいはそれが有意義なものかはおいておく――、AIも個人の利用履歴をもとに学習し、よりその人にあったAIになっていくと考えられる。

いかにAIを”教育するか”に個性が反映される。”自分らしさ”は失われない

• AIがパーソナライズされるとすると、使う人によってAIの挙動は変わる。つまり、AIにその人らしさが反映されることになる。
• 仕事で高い成果を上げるには、あるいは人を感動させる芸術作品を生み出すには、うまくAIを育てる必要があり、そこに個々人の差が残ることになる。
• 確かに、自分自身で資料を作ったり、データ分析をしたり、作品を作ったりすることは減ってしまうだろうが、個性の発露の仕方が変わるだけだ。

教育したAIを取引される新しいマーケットが生まれる

• パーソナライズされたAIが大量に生まれるということは、中には人から羨まれるような、非常にニーズのあるAIも大量に生まれるということだ。そうすると、それらのAIが取引される市場が生まれる、と考えるのはごく自然だろう。
• ”天才的なビジネスセンスを発揮する人が育てたAI”、”憧れのミュージシャンが育てたAI”など、これらを大枚を叩いても買いたい人は出てくるだろう。
• AIそのものの所有権を販売するパターンもあれば、サブスクのように一定期間の使用権を与えて使用料を得るビジネスモデルも生まれると考えられる。

（このマーケットはブロックチェーン技術によって実現されると考えられるが、今回はこれ以上立ち入らないことにする）

複数のAIを組み合わせオリジナリティのあるAIを教育できる

• マーケットを通じて一人が何種類ものAIを所有あるいは利用できるようになると、複数のAIの出力を組み合わせ、さらにそれを学習データとして用いることで、所有するAIの独自性をさらに高めることができるようになるだろう。

”自分らしさ”は奪われるどころか、これを追求することが価値につながる

• では、市場で取引されるAIはどのようなものだろうか。仕事ができる、あるいは感動的な音楽を作れる、といったAIの市場価値は高いものとなると考えられる。
• 一方で、ごく普通のひとが教育したAIは取引されるのだろうか。残念ながら、あまり高額で取引されるとは考えにくい。とはいえ、一般人が私生活を公開しただけのYoutube動画が何万再生もされるという事例を考えると、一定程度のニーズはあるかもしれない。たとえ有名人でなかったとしても、同じ趣味嗜好を持った人が、あるいは自分とは全く価値観の違う人が育てたAIがどんな挙動をしてくれるのか、私はお金を出してでも試してみたい。
• 一つ言えることは、自分の好きなことをして自分らしさを追求することによって、パーソナルAIをオリジナリティのあるものに育て上げあげることができ、それが高品質な仕事や芸術、あるいは直接的なAIマーケットでの価値につながるだろう、ということだ。

”AI自体”のビジネスはどうなるか

• AIはパーソナライズされるだろうが、学習される前の大本のAI（仮に"汎用エンジン"と呼ぶ）を提供する会社は2〜3社程度に集約されていくのではないだろうか。
• 初期には色々な汎用エンジンが公開されるだろうが、「ビジネス利用という観点では○○社の汎用エンジンはイマイチ」「クリエイティブ系なら△△社の汎用エンジン一択」といった評価によって淘汰されていくと考えられる。
• このような汎用エンジンを提供する会社が次の時代の覇者になると考えられるが、それはGoogleなのか、OpenAIなのか、はたまた別の会社なのかはわからない。

以上。数年後、あるいは数十年後、答え合わせをしてみたい。

Permalink | 記事への反応(1) | 21:43

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