2021-06-01

「この指とめよう」の野望は潰えた。結局のところ、運営に名を連ねる面々が「この指」を止められなかったのだ。津田はあちゅうらが「この指」に対する批判我慢しきれず、批判者をSNSで晒上げて口汚く罵りはじめた。それを大手まとめブログ面白おかしく取り上げ、炎上煽り「この指」がまとめブログに対して裁判を仕掛けそれを他のまとめブログが取り上げる。地獄のような泥沼の様相を呈してきたあたりで「この指」からアドバイザーが一人消え、二人消え、そして代表の小竹が捨て台詞のような文書公式ページにアップし「この指」の活動は終了した。

 ところが「この指」の活動が終わってから数週間後、おかしなことが起こり始めた。始まりはこんな記事ネットニュース掲載されたことだ。

会社員男性暴漢に襲われ指を切り取られる。SNSなどでトラブルか」

 記事の内容はおおむねタイトル通り。和歌山県で30代の男性会社から帰宅中に突然、黒ずくめの服装をした複数人に取り押さえられ両手の人差し指と親指を切り取られ持ち去られた。被害者男性は「元カノ」をSNS上で激しく批判しており警察はその線で捜査している、といった内容だ。

 小さなネット記事だったためあまり大きな関心は集めなかった。オカルト、怪事件好きのごちゃんねらーの間で少し盛り上がっただけだ。

 しかしコトはそれだけでおさまらなかった。そのニュースの翌日、広島県新潟県で同様の事件が起きた。被害者は年齢も性別も違うが黒ずくめの人物に両手の親指と人差し指を切り取られ持ち去られた。共通点SNSトラブルを抱えていたことだ。

 事件の奇怪さにネット上は大きく盛り上がった。複数ネットニュースが3つの事件の関連性を報じ、それを実況するスレッド大手まとめサイトが取り上げた。曰く、恨み屋のような復習代行業者がいるらしい。曰く、SNS被害者の会が結成されており交換殺人のような形で輪番で指を切り取って回っている。曰く、妖怪仕業である。曰く、宇宙人仕業である。曰く、フリーメイソン仕業である議論は紛糾した。

 その翌日には同様の事件が5件、その翌日は6件。その6件の中に2人、ネット上の有名人インフルエンサーが含まれていた。社会風刺を盛り込んだネタで注目を浴び、批判者を苛烈攻撃することで有名なお笑い芸人、それなりの実績を持ちつつも自信を批判するものに対して子供っぽい罵倒を押さえられない研究者。本格的な有名人被害が及び、騒動は加速し地上波でも取り上げられるようになった。『令和の指切り魔』。マスコミらしいクソダサネーミングが浸透し始めたある日、とあるTwitterアカウントウオッチがごちゃんねるに投下される。

「その指とめ隊」

 アイコン画像プロフィールも設定されていないそのアカウント毎日一回。記号だけを投稿していた。アカウント開設は初めての指切り事件が起きた前日。初投稿事件の当日で投稿内容は「|」縦棒が一本だけ。その翌日は「|||」、その翌日は「/|||」。事件の数を表しているに違いない、と話題になった。ネットニュース等に報道される前、事件が起きた当日の夜11時59分に決まって投稿されていた。

  • うしろ指指され隊はなんか関係あります?

  • 増田妄想文学に勝手に登場させるとはあちゅうに訴えられるよ せめて一部伏せろよ

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