2021-04-07

弱者男性という概念の正しい使い方

アンチフェミの連中が諸悪の根源だと思うけど、「弱者男性」という概念モテるモテないの話になっていて、ほんとうにうんざりしている。本来は、「安定した正規雇用身分を得られなかった場合女性よりも差別的視線や扱いを受けることが多い男性」のことを意味しなければならない。例えば弱者男性という概念が指しているのは以下のような現実である

・同じ「40歳非正規年収150万」で、女性男性とどっちがいったい「将来大丈夫なの?真面目に人生考えているの?」と親や人から言われる(思われる)確率が高いか

・同じ「昼間に住宅街を一人で歩いている40歳」「平日昼間に公園散歩している40歳」の場合女性男性でどちらが不審者扱いをされがちか。

・同じ「40歳無職」で、パートアルバイト簡単仕事を得ようとする場合女性男性でどちらがより有利で、職場に受け入れられやすいか非正規男性の多い職種は総じて3K労働であり、非正規の中でも軽度の事務作業的な仕事はほぼ女性が独占している。

・同じ「40歳無職引きこもり」の場合女性男性でどちらがより「恥ずかしい」ものとして家族や周囲に扱われてしまうか。周知のように、家族とも会話をしないレベル引きこもりは、男性の方が圧倒的に多い。女性の方がまだ、「家事手伝い」などのカテゴリーでかろうじて救われている面がある。

女性政治家の少なさや非正規比率の高さ、とくにシングルマザーの異常な貧困率など、政治経済世界女性が圧倒的に差別されていることは言うまでもない。夫婦間の家事育児女性への負担が偏りすぎていることも明らかである

ただし年収200万以下の未婚低所得層限定していうと、女性よりも男性の方が偏見差別を受ける可能性が高くなる。「男性は生まれただけで下駄をはかされている」というフェミニストは多いが、その下駄が重くて履けなかった男性は、そもそも下駄のなかった女性よりも自己責任論で社会偏見差別さらされやすくなる。また一般論として、女性低所得でも友人がいることが多いが、男性低所得孤立度が完全に比例している。

以上のように本来弱者男性」というのは、「いい歳をした男」が非正規無職であることの社会的な偏見差別表現するための概念であったはずだし、また、そうした偏見差別社会に訴えるための言葉が、依然として貧弱で抑圧されていることを訴えるための概念でもあったはずだ。白饅頭などSNSアンチフェミ一派が本当に腹立たしいのは、とにかくリベラル派やフェミニスに対して、女性の「わがまま」「ぜいたく」を指摘してマウントをとる快楽に夢中になり、非モテ問題ばかりに熱を入れあげ、弱者男性問題をきわめて歪んだ方向に誘導していることにある。彼らは弱者男性の味方のような顔をしているが、実際は食い物にしているだけである

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