絵を描くという苦労を知らない人が、絵師さんに絵を頼み、炎上してしまうという場面が多く見受けられる。今回はその事について書いていきたい。
私はどちらかと言うと絵を描くオタクだと言う事を前述しておく。私は運動が大嫌いで体育が大嫌い。だけど絵を描く事とゲームをする事は物心ついた時からずっと大好きだったという、生まれながらにしてオタクとして生きていく宿命を背負ったオタクだ。
絵を描かない人からしたら、『絵を描く人は絵を書く事が好きなのだから、気前良く絵を描いてくれれば良いじゃないか!』と思うはずだ。
私はここで、絵を描く事の本質はスポーツと同じ説を提唱していきたい。
例えば運動大好きな少年がいるとしよう。子供の頃から走れば褒められ、ボールを投げれば褒められ、鬼ごっこでは負け無し。その後もスポーツ大好き少年として生きていき、中学に上がってからも勿論運動部に入部する。運動部には運動大好き少年がわんさかいるので、その中じゃ全然自分上手くないやんけ?!という状況が発生する。運動部の練習は朝早いし、つらいことばかりで楽しくないし、周りめちゃうまいし心折れそう!でもやっぱ運動楽しい!上手くなれるように頑張るぞ!となるだろう。
絵も同様なのだ。
子供の頃から丸を描くだけで褒められ、家族を描けばリビングに飾られ、学校でも四六時中絵を描いている。絵描くのほんとに楽しい!その後、高校に入って文明の利器、スマートフォンを手にして、Twitterを始める。するとそこには絵の上手い人がわんさかわんさか!自分の絵を人に見せるのが途端に恥ずかしくなる。でも、やっぱ絵を描くことが好き!つらいし、しんどいけど、何百枚も模写をして手にペンダコ作りながら頑張るぞ!となる。そうして絵描きは画力を身につけていく。
自分が描きたいものを描く落書きは、ラウワンのスポッチャで遊ぶようなもの。気楽だし、背負うものが何も無い。そりゃ楽しい。
人からしっかりお金を頂いて頼まれた絵は、プロのスポーツ選手が本番の試合をする様なもの。相手の期待に沿わなければいけない。勝たなければいけない。プレッシャーがかかる。
スポーツの練習のように、絵師だって模写は苦しいしつらい。(模写をすると画力がグッと向上するので、絵の練習には最適とされている。)
アニメみたいなイラストが得意な人もいれば、絵画を得意とする人もいる。
絵描くのが得意な人に、「君、絵描くの得意だよね〜?私の為に可愛いイラスト描いてよ〜!無償でお願い!」と言う事は、運動が得意な人に、「君、運動得意だよね〜?私、友達に箱根駅伝出た人がいること自慢したいから特に報酬とかはないけど箱根駅伝出てよ〜」と言う事と同義である。誰でも、は?お前なにいってるん?となるはずだ。箱根駅伝は言い過ぎたかもしれないけど、その様な事を言っているのだ。
絵で食べていけているようなプロのイラストレーターに、「無償でイラスト描いてください」
と言うのは、イチローに対して、「近所で草野球の試合あるんだけど、ちょっと出てくれない?」と言っている様なものなのだ。
プロを目指していない、完全趣味で絵を描いている人に対しての依頼も同様だ。流石に例え話を書くのが面倒くさくなってきたので、各自考えてみてほしい。
そして、絵描き側も、もう少し、(あ!この人は絵の事を全く知らないズブの素人なのだ。)と理解した上で、コミュ力0みたいなオタク丸出しの最悪の言い回しで相手を蹴散らした挙句、DMをスクショしてツイートする、見せしめの様な対応をするのではなく、もう少しオブラートに包んだ言い回しで、相手にそれは無理だと言う趣旨の事を伝えられるようになると、双方の理解が進むのではないでしょうか?
(あ!この人は絵の事を全く知らないズブの素人なのだ。)と思う時、大半の方は(あ!この人は救いようの無い運動音痴なのだ。)と思われた経験があると考えられるので、自分と同じ、可哀想な境遇の方がいたらどうするか、想像力を働かせて、相手の気持ちを汲み取るれるようにコミュニケーション力を高めて、楽しいSNSライフを送りたい。
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