ウェイ系オタクの彼女は、小説書きだがTwitterでは専ら絵師へのリプに徹している。好きな絵師がいたらすぐに感想を送ってふぁぼりつする良質な腐女子である。絵師のはしくれでもある私もその対象となったらしい。1年ほど前から、彼女にたくさんリプを頂いた。本も買ってもらった。
そんな素敵な彼女と私がなぜ距離を置いたのか。一番の原因は彼女が愛されすぎているからだろう。そう、単なる嫉妬だ。
美人で明るい彼女。オフ会などで何度か会ったことがあるが、私が青春時代に敬遠していたタイプの女性なのだ。チア部やテニス部に所属してそうな感じの、スクールカースト上位のウェイ系だった。片や私は陰気なデブス。かれこれそういう人種とは極力関わらないよう努めてきた人間なのだ。恋愛経験豊富な彼女と喪女の私。社会人でお金持ちな彼女と貧乏学生な私。推しカプのこと以外は全く話が合わない。彼女がときどき口にする「大学時代に飲みサーで〜」とか、「推しに〇〇万課金したwww」とか、そういうステータスを持たざる者には逐一グサグサと突き刺さった。何度も言うが、彼女は全く悪くない。私と180度違う人生を送ってきたリア充なだけなのだ。私の醜い嫉妬も甚だしい。
極めつけは、このコロナのご時世。周知の事実だが大学生はほぼ全面的に登校を禁止させられている。様々なイベントに行かなくなったし、家に引きこもる時間が大幅に増えた。しかし彼女は違った。在宅勤務をフル活用し、ここぞとばかりに様々なフォロワーさんと会って食事やカラオケやオフ会をしているのだ。感染症対策は怠っていないというのでそれを咎める気はないのだが、もともと人脈が狭い私は、彼女がTLにアップする飯テロ写真を見る度に複雑な気持ちになった。
そして先月。比較的近場に住んでいるため、私にも彼女から遊びの誘いが来た。久しく誰かと会って話せる機会。私は二つ返事でOKした。
けれど、彼女を見る度に自分の情けなさを痛感し辛くなる。私も彼女のように美人だったらな。彼女のように神絵師ともたくさん話せたらな。それが積もり積もって、気づけば私は彼女の事ばかり考えていたのだ。恋ではないほうの別ベクトルで。
先週が丁度約束の日だったのだが、その前の日にも彼女はフォロワーさんとカラオケで推しの映画鑑賞をしてワインを飲んでいた。私が遊びの時間帯や内容やらを聞いても未読無視(結局、遊ぶ当日の10時頃にようやく既読したのだが…)。そりゃそうだ。彼女はフォロワーさんと遊ぶのに忙しい。1ヶ月間会うのをソワソワ待っていた暇人とは違うのだ。
そう思ったところで、私の中で何かが吹っ切れた。彼女に嫌われると他のフォロワーさんとのオフ会でも気まずくなるのは目に見えている(彼女は色んなオフ会に必ずと言っていいほど参加している)。それは分かっていたが、もう彼女を見てますます自分が嫌いになるのが怖かったのだ。適当な理由をつけて、その日にドタキャンした(最低)。
彼女もそれを暗黙の了解として受け取ったらしい。その日の晩に「嫌われているのかと薄々感じていたが、案の定そうだったと今日分かった。今夜は呑む」とツイートしていた。そのコメントには、多くの絵師からの慰めリプライ。そう、それでいい。もう彼女はたくさんの人に好かれているんだ。こんな嫉妬心の醜いやつとは関わらないでくれ。
支部における彼女の作品を非表示にし、Twitterではこっそりミュートをかけた。堂々とブロ解しないところにも、私の惨めさが滲み出ている。
最後にアカウント晒すものだと思ってた
✋(👁👅👁)🤚クンニしてえなあ