私は怒っている。君に。君らに。直接言えないからここで書く。
一昔前は「クリエイティブ」な活動といえば、一部の人間のものだったんだろう。でも、今は誰だって簡単に何かをクリエイトすることができる。
自分が作った文章、料理、イラスト、漫画、ダンス、歌、音楽……なんでもいい。世界に発信し、反応をもらえる。
すばらしい時代だと思う。
私の友人も、そういう人が増えた。君らのことだ。
そういうのを見ると、友人の一人として、活躍が嬉しいし、応援したいと思う。作品がよいものであれば、自分のことのように誇らしくも感じる。
君らの「これを作りました!」という投稿には、「いいねお願いします!」「見てください!」「来てください!」と書いてあることも多い。
投稿だけじゃなく、個人的に直接メッセージをもらうこともある。「いいねよろしく」「友達登録してください」「公演見に来てください」。
「いいねが集まらないと仕事に繋がらないからお願い」と頼まれたこともあった。
実はあんまり興味がなくてスルーしていたのだが、直接言われたとあって「いいね」をしにいった。
宣伝は大事だし、どんどんした方がいい。赤の他人よりも人柄を知っている分、興味を持ってくれる可能性が高いはずだ。
興味はなくとも応援してくれる心優しい人もいるだろう。
私もこういった投稿を見て、「いいね!」を押したり、その人が書いたという本を買ったり、展示やライブを見に行ったりした。
もちろん、先述のように作品自体が自分の興味のないジャンルのこともある。
それでも友人として少しでも役立ちたいという気持ちから、わりと積極的に反応している。
単純に、他人に自分の趣味の範囲を広げてもらうのがおもしろいと考えているのもある。
誘われなければ、渋谷の小さなライブハウスに行くことなんてそうなかっただろう。流している音楽はよくわからなかったけど、あれはいい経験だった。ありがとう。
さて、本題だ。何に怒っているのか。
実は私自身もイラストやら漫画やらを描いては、SNSで「こんなの作ったよ」と投稿している。
「すごいね!」「昔から好きだったもんね!」「才能あるね!」といった内容ばかりで、まぁ社交辞令や身内贔屓だったとしても嬉しいものだ。
しかし、先述の「これを作りました!」という友人に限って無反応なのである。
おいおいちょっと待ってくれ。
確かに私の作品は拙いよ。趣味で作っているものだし、クオリティも素人丸出しだ。趣味じゃないってこともあるだろう。
お金なんて取りゃしない、イラストや漫画なんかチラッと見たらいいだけ。難しくもなんともないし、時間もほとんど取らない。頻度だって少ないもんだ。
もしどうしても忙しいんなら、「いいね」のポチだけだっていい。それも無理なのか?
私は君にとってただの養分なのか?
それともなにか、自分の作ったものは人間関係とは関係なくクオリティを純粋に評価されていると思っているのか?
……とまで考えてしまう自分もどうかと思う。自分の作るものの力が足りないのも元凶だろう。けど、率直な思いでもある。
他人をたくさんの「いいね」のひとつだと思うのを辞めてほしい。そのいいねを押す指は、きちんと生身の人間に繋がっているのだ。
うんち
友人だと思っているのはあなただけでは?