ヤフオク!アプリ(以下、iPhoneアプリを前提にして書く)には「隠れ機能」と呼べるような機能がある。これは悪用が可能であるため、注意喚起したい。
(実は、私自身に、これに関わる取引トラブルが起き、それについてヤフオクに問い合わせをしたのだが、ヤフオク側の対応があまりに杜撰だったため、ここで「注意喚起」という形で文を載せることにしたという事情がある。トラブルの内容については最後のほうに書きたいと思う)
ヤフオクでは、出品者が商品画像にコメントをつけられる。このコメントは、入札者側が、アプリで開いた商品ページの画像をスライドしただけでは表示されず、タップしてやっと表示される。
フリマサイトやショッピングサイト一般(例えば、メルカリ、ラクマ、Amazon)において、画像をタップしたらコメントが表示されることはないし、一般のブログやウェブサイトでもそのようなことは基本的にない。そのため、入札者側が、(スライドして確認できる画像をわざわざタップして)この機能に気づくことは、難しいであろう。
この入札者側が気づきにくい「隠れ機能」を利用して、商品の欠陥を「見えにくく」することができる。たとえば、最初の3ページが破れて紛失している書籍を出品するとしよう。この書籍の「欠陥」を、画像コメントに書くことによって、出品者側は「説明責任」を果たすことができる。
商品のあらゆる欠陥を、画像のコメント機能を用いて記載すれば、その機能を知らない入札者が集まり、商品の欠陥を認識させずに、商品価格を高騰させることが可能であろう。
商品到着後に欠陥に気づいた落札者は、出品者にその旨を連絡するだろうが、出品者は、画像のコメントに欠陥部分をちゃんと記載したと強弁するかもしれない。特に、落札者が取引に慣れてない新規ユーザーの場合は、それがヤフオクの常識だと主張すれば、「泣き寝入り」してくれる可能性は高いであろう。
以上の内容が、ヤフオクの「隠れ機能」を悪用する方法であり、注意喚起したい内容である。
以下では、私がどのようなトラブルに巻き込まれ、それに対してヤフオク側がどのような対応をしたのか参考情報として書きたい。
(特定されるのも好ましくないため、以下では、被害額等の数字を若干控えめに書いている)
今回の件において私は落札者であり、出品者とのあいだでトラブルが起きた。
実は、私に起こった件において、出品者側に上記のような悪意のある方法を用いようとした意図はない(はずである)。(出品者は、良い評価が99.7%以上ある「優良」ユーザーでもある)
実は、上記の「画像をタップしてやっとコメントが表示される」という機能は、iPhoneアプリにおける話であり、PC上では、コメントは画像をタップしなくても画像の下部分にすぐに表示され、誰でも気づくような仕様になっている。
今回の件において出品者側はヤフオクPCユーザーであり、iPhoneアプリを使用したことはないようである。そのために、出品者は、画像コメントは誰もが気づくものとして考えて記載していた。この画像コメントに、商品内容を誤解しないための注意書きが書かれていたのだが、iPhoneユーザーの私はそれに気づかず入札してしまった。
案の定、(おそらく他のユーザーもそのコメントを気づかずに)入札競争で商品の値段は高騰し、いつでもAmazonで6000円程度で購入できるような商品が、18000円程度まで高騰したのである。
商品が手元に届いてから上記の内容に気づき、出品者とも連絡を取った上で、PC上の表示とiPhoneアプリ上の表示の相違が大きいために起きたトラブルだと結論づけた。この表示の相違は、出品者にも落札者である私にも責任がないため、ヤフオクサポートに連絡することにしたのだが、それに対するヤフオク側の対応は不満が残るものであった。
まず、「このたびいただきました「画像のコメントがヤフオク!アプリでは画像を
タップしないと確認できない」点については、今後のヤフオク!アプリの
改善検討課題とするため、担当部署にしっかりと申し伝えます。」とアプリに改善の余地があると認めながらも、
「なお、商品画像や商品説明は、出品者の判断で掲載いただいております。」とし、
「そして、ヤフオク!でのお取引に関わるやり取りにつきましては、すべて
お客様同士の責任と判断で行っていただくようお願いをしております。
弊社でお取引について何らかの対応を行うといったことはできませんため、
引き続き出品者に直接ご相談くださいますようお願いいたします。」と返答している。
PCユーザーである出品者が、iPhoneで画像コメント機能が「隠れ機能」的なものになっていることを知るはずもないのだから、「商品画像や商品説明は、出品者の判断で掲載」したところで、このアプリの「隠れ機能」についての配慮をすることは不可能であろう。
したがって、今回のトラブルは、iPhoneアプリの機能の不備によって生じたものであり、ヤフオク側が責任を取るべきものだと考えている。このような公式アプリの機能の不備によって生じたトラブルまでも、ユーザー側に責任を押し付けるのなら、何のために高額な手数料を課しているのだろうか。メルカリに市場を奪われてしまった理由がなんとなくわかってしまった瞬間であった。
(もし、この記事をヤフオクの中の人が読んで、筆者に連絡する必要があると思いましたら、ヤフオクサポートにお問い合わせした件(お問い合わせ番号200226-005068)に返答する形でお願いします)
パンティー