「批判を覚悟していた」 それでも大丸梅田店が店員の生理をオープンにした理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191125-00030892-forbes-soci
ブコメでも賛否あったし (前者の方が優勢だったかな?)「男性も体調不良のときに使えるように」という意見もあったね。自分もそう思う。生理バッジのその先は
・性別関係なく体調悪い人が気楽に「つらい助けて」と言える社会
の構築。
後者は有休ではなく、今ある「生理休暇」の対象を広げるイメージ。生理休暇は有給/無給様々あるし、「体調不良」となるとさらに運用方法が難しくなるだろうけど、いわゆる(paid) sick leave を導入している国は多々ある。生理バッジは「生理をオープンに」という取り組みだけど、どうしても隠したい人にも考慮すべきで、「生理休暇」なんていかにも原因がバレる休暇より一般的な「体調不良」で休める休暇の方が取得しやすいのではないかしら(周期的に取得してたらなんとなく分かってしまうけれども)。現に自分は生理休暇なんて一度も取得したことがない。あぁ、貴重な有休よ…
(参考) https://en.wikipedia.org/wiki/Sick_leave
(参考) https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000115/0908R3.pdf
で、前者。もちろん最終的には性別関係なく誰でもが体調不良を訴えられる社会を目指すのだけど、最初からぼやっと「体調不良」とするとこぼれ落ちるものがある。その一つが月経。まず女性限定。さらに女性の中でも10代〜40代、50代くらいまでと年齢が限られているし、妊娠中は止まるので対象者が少ない。その上その症状は人によって千差万別で、「PMS なんて病気じゃない(から我慢すべきだ)」と同じ女性から言われることもある。生理バッチは、まずこのこぼれ落ちそうな「体調不良」から先にすく上げておくことでその後の「すべての体調不良に慣用な社会」への速やかな導入を期待できる。「病気じゃない PMS だって我慢しなくていいんだから偏頭痛や腹痛だって配慮してもらっていいよね?」というわけだ。実際には重すぎる月経・PMS は病院にかかるほどの体調不良だし、実は原因はまさに「病気」だったということもあるのだけれど。
ちなみに「つらいなら休ませろ」という意見もあってもちろんそうなのだけ (だから先にpaid sick leaveを挙げている)、一般的な体調不良でも休むほどでもないんだよなぁ〜というときってあるでしょ?PMS〜月経終了まで長い人で約2週間体調不良が続くわけだが、もちろんめっちゃつらければ休むけど、休むほどでもないんだよなぁ、痛いけど〜という日もあるのよ。
上記は性別関係なく将来的にみんなが助かりますよ〜という話をしてきたが、一番の理由は別にあると自分は考えている。それは「PMS や月経中のつらさを相対化できるようにする」こと。さっき「重すぎる月経・PMS は病院にかかるほどの体調不良」と書いたが、実は女性同士でも(家族内でも)自分の月経について詳細を話すことはほとんどない。「今回なんかいつもよりつらいわ〜」「まじか〜お大事にね〜」くらい。ぶっちゃけ自分の月経しか知らないと言っても過言ではない。これでは自分の月経が重すぎるのかどうかなんて分からない。最近婦人科の先生たちが一応の目安を発信してくれるようになったけど、自分の月経しか知らないので「えーでもみんなこうでしょ〜?」と軽く考えてしまう。かくいう自分もここ数年で月経痛がだんだん酷くなり、でもネットなどにある目安ほどでもないから我慢し続け、あるとき母にポロッと相談したら「それはおかしくない?」と言われ婦人科いったら大きな卵巣嚢腫ができていて即手術!ってことがあった。
もちろん痛み・つらさのハードルは人それぞれなのでつらかったら他人がどうあれ病院行っていい。でも「我慢しろ」と言われ続けてきた生理でそれをするのは難易度が高い。だから生理をオープンにして他人の月経も知ることで、「あれ、もしかしてこれは我慢しちゃダメなやつじゃないか?」と気付く人が増えてほしい。これが生理をオープンにすることの一番の狙いなのではないかな。「一番の狙い」だと一部の人にしか恩恵がなくなってしまうから、前半部の「体調不良に寛容な社会の実現」を長期目標とするならこちらは短期目標、というべきかも。
「今日めっちゃ喉痛い…」くらいの気楽さで「今生理前だからめっちゃ立ってるのつらいわ…」「今回生理痛がやばいんだけど…」と話せるくらいPMSや月経が社会生活の一部になれば、月経に関するおかしな誤解や、被災地に生理用品がない、特別警戒のたびにトイレからゴミ箱が消えるといった無知(ある程度仕方がない)ゆえの無配慮もなくなっていくと思う。なんて、生理バッジにここまで期待するのはお花畑かしら?
・体調悪いバッヂ(妊婦バッヂなど)はいいアイデアだがすでにやられていたりそれぞれに問題があったり(妊婦はかえって電車などで攻撃をうけることがある。優先席に座っていても...