借りてきた漫画が思ってた以上に面白く、二度読むつもりだったが返却日ギリギリとなった。10日(水)の朝まで読んだけど肝心のおもしろい巻までは2回読むことができず、とりあえず四時間くらい寝るかとふとんにもぐった。
気付いたら16時になっていた。
急いでおきてご飯も食べずに漫画を読んで、二度目の読了を果たすことができた。
それからすぐに服に着替えてマスクをかぶってレンタルショップに向かった。
返したらすぐ帰る予定だったが帰りにスーパーでチーズケーキでも買いたいなと思い財布も持っていくことにした。
一応財布の中身もみておこうと中身をみたら一円玉が六枚しか入ってなかった。
はあ?嘘やろ?盗まれた!?とちょっと本気で焦ったけど、よくよく考えたら前家族と花見行ったときに頭痛がして帰りに頭痛薬を1000円で買い財布の中はスカスカになったのだと思い出した。
このくらいあれば一ヶ月もつだろうと下ろした二万円は、たったの二週間ほどで知らぬまに使いきっていたらしかった。
クソニートのくせに。
いや使ったのは全て自分のはずなのに。
行く間際、玄関で鏡をみた。
なんやねん。
そのまま玄関を出てチャリンコを走らせた。チーズケーキを買うかギリギリまで悩んだが、己に弱すぎる自分はチーズケーキを買う決意をし、とちゅうでお金を下ろすことにした。
二万円引き出したときみたいにサッとすぐ三千円引き出して、このままATMを後にして、レンタル屋に借りたものを返し、スーパーでチーズケーキ買って、帰る、という、今日はそれだけの日だった。
それだけの日になればよかった。
私のカードは「使えません」と跳ね返されてそのまま出てきた。
何かの間違いかと隣のATMでカードを差込み「引き出し」ボタンを押したが、やっぱり「このカードは使えません」と出てきた。
急いでチャリンコに乗って近くのコンビニに行き、そこのATMも試してみた。
入り口にいた若い男数人がわたしのクソダサな格好をみて何か笑ってる気もしたが(自意識過剰な自覚はある)そんなことは最早どうでもよかった。
悲しかった。
当たり前のように引き出すことのできた私のお金は、もう引き出すことができなくなった。
不思議と、案外にも私の心は妙に落ち着いていた。
ああバチが当たったと思った。
この歳にもなってろくに働きもせず半分引きこもり。
バチが当たらないはずがなかった。
年金も当たり前のように払っていなかったから、ついに差し押さえでもされたのだろうかと思った。
あまりにも怖かった。
レンタル屋さんに向かって走っていく自分のチャリンコが、大手企業のビルから出てくるエリートさん達を引いてしまわないかとヒヤヒヤした。
自分の意思とは裏腹に、体が勝手に動いてエリートを引くんじゃないかと、怖かった。
というか単純にむちゃくちゃボーッとしていたようにも思う。
エリートの波を錆び付いたチャリンコでパジャマみたいな(というか実際にパジャマにしている)クソダサの格好で走る口座からお金すらも引き出せないクソニートの自分が気持ち悪かった。
レンタル屋さんにレンタルしていたものを返してそそくさと逃げるように帰宅した。
一応念のため、いつもお金を引き出している行きつけの(?)銀行のATMも寄ってみたが、やはり私のカードは使えなかった。
帰宅したらご飯の手伝いをするつもりが、まったくそんな気になれず、ひたすらに「年金、口座、差し押さえ」などなどと調べた。
仕事をやめてから年金事務所から一通来ていたが、差し押さえするぞ!!という手紙などは一切来ていなかった。
こんなことありえるのだろうか。
母に相談したら「カードがおかしなったんちゃうか?」と言われた。
年金に手続きしていないことや今現在たるけていることを怒られるかと思ったが母は「あんたの稼いだお金なんて微々たるもんやのに、それすら徴収しようとするなんて無理矢理すぎる」と言ってくれた。
微々たるもの。
口座には12万円ほど残っていたと思う。
その12万円であれをしてこれをしてから自殺しようとやんわりと最近毎日考えていた。
しかし
それすらできなくなった。
手元にお金がなければ何もできない。
とにもかくにも、
めんどくさいことを後回しにしたツケがまわってきた。
自業自得すぎる。