私は実家がギリギリ通勤圏内だったから、この4年間はずっと実家ぐらしで、ぬくぬくと親のすねをかじっていました。
でも私ももう今年で27歳です。さすがにそろそろ独り立ちしないと、自立できない甘やかされた独身女になってしまうでしょう。
そんなのはいやだと思ったので、先日の土曜日、思い立って物件の内見に行ってきました。家賃格安の和室の部屋は、値段の割に悪くないと思ったので、申込書を書き、あとは審査が通って契約書にサインしたら終わりだよ、というところまでつめて、不動産屋を出ました。
しかし帰り道で、なんだか自分の心の様子がおかしいことに気がつきました。
最初は大きい買い物だからしょうがないのかなと思って、引っ越し手続きのことを調べたり、家具のサイトとかインテリアの画像を見たりして不安をワクワクに変えようとしました。
でも、思考に隙間ができるとすぐに涙が出てくるのです。
日曜日、食欲もなくベッドで呆然としながら、もしかして間違えたのだろうか、ということを1日中考えていました。強盗殺人にあったらどうしようと不安になって、自分を安心させようとネットで安全マップや評判を調べまくったり、金銭面の不安から何度も何度も予算を計算し直したり(勿論額は変わらない)、本当にそれだけで1日が終わりました。
翌日も仕事なのに不安で眠れなくなってしまった私は、最後に大学時代に一人暮らしをしていたときのことを思い出しました。
貧乏で、友達も恋人もいなくて、朝に眠り夕方に起き、腐った野菜の臭いがする部屋で畳に湧く虫を潰したり、風圧で動く玄関の扉を見て「誰かがポスト口から監視しているのかもしれない」と怯えたりしていたときのことです。
当時はコミュ障がひどく、バイトをして生活に余裕を持たせるよりは、貧乏でもいいから誰にも会わず誰からも傷つけられないこの部屋にいたい、という気持ちが勝っており、はっきり言って生活ではなくただ生きているだけの状態でした。
それなのに私は、安いからとまた似たような和室の部屋を選び、住もうとしているのか。
今日、私は不動産屋に契約取消の電話をしました。担当の女性は本当にいい方で、わかりました、預り金もお戻しします、と言ってくれました。
27にもなって契約ひとつ成立できないこの有様は、とても恥ずかしいです。
こんなことになってしまいましたが、自立したい気持ちも相変わらず強いので、今度は独り立ちできない不安に怯えるようになるのだと思います。
私は、一人暮らしをしてる人、ほとんどは社会人だと思うのですが、その人たちを心から尊敬します。不安をうまくいなし、自己管理をしっかりして生活できるのは本当にすごいと思います。
私もはやく一人暮らしできる強い心を持ちたいです。一人暮らしで自立しながら、友達や恋人という血のつながっていない人と信頼関係を結べるくらいちゃんとした人間になりたいです。がんばらないと。
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