「あそこの先生の生徒さんは皆同じ弾き方をする」
また、youtubeで教室の生徒さんが演奏している動画を見ると、国内/海外、あるいは洋の東西を問わず
「お前そこのフレーズ、先生にそう弾けって言われたからその通りに弾いてるだけだろ?」
のが常態化していると言っていい。
別の言い方をするなら、口が悪くて恐縮だが、
「学習者の個性や解釈力の涵養は無視して、まずは立派な猿回しの猿になってもらう」
教育をしているわけだ。
でもそれってさ、
「じゃあお前、先生がいなかったらなんにもできねえのかよ」
って結果になるだけだと思うのだ。
…と、ここまで完全に悪口を書いてきてしまったが、これ難しい問題だよね多分。
など、子供の躾に近い大変さがあると思う。
では、音楽教育の素人である自分がなぜ言及するかというと、生徒さんの演奏で心底がっかりする経験ばかりというか、
「その曲、ちゃんと弾けたら本当に良い曲なのに、なんでそんな音で『弾けた』ことにするんだよ、頼むからこの曲が本来持ってる素晴らしい時間を台無しにしないでくれ!」
と思わされることが多すぎるのと、自分の仲間で先生に「ここはこう弾く、ここはああ弾く」のお仕着せで多少は上達してるっぽいけど、それ以上に苦しめられている人が何人もいるから。
ちなみに自分は幼少~高校まででいったんレッスンを辞め、数年前に別の先生の所でレッスンを再開したクチ。
確かに例によって先生に苦しめられてはいるが、再開前は腕が荒れまくっていて「音を出したら睨まれる」レベルだったのが、再開後半年で「別人のようになった」と言われ、今では「増田さんは凄く上手なので、ここに来て音を出してもらえれば、あとは何も心配していない」と事情を全く知らない共演者に言われるくらいにはなった。
これは本当に先生のおかげで、自分にとっては「アドバイスの内容は面倒だけど、逃げるわけにはいかない」という感じであるし、その先生の人格はともかく、指導内容はまっとうなのだと思う。
そして指導内容は
「これは私の好みだと思ったから言わなかったけど、何度か色んなフレーズを弾いてもらって、やっぱり○○の部分は直さないと奏者として先がないから言うね」
「結果的に××が●●にならないといけなくて、そこで重要なのはこの部分だけど、でもそれは奏者によって腕も手も指も大きさ・長さがまちまちだから、適正位置は奏者が体得するしかないんだよね…だから申し訳ないけどセンチ・ミリ単位では教えられない所です」