2016-09-23

透析患者死ね」の長谷川氏は全然悪くない

長谷川氏の言う、透析患者にかかる金を減らせば医療費削減になるという意見同意する人も多いだろう。悪いのは長谷川氏に「糖尿病患者自業自得」と吹き込んだ医師である

http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/48497760.html

仮に不摂生がたたって糖尿病を患ったとしても医者としては患者教育を施そうとする最大限の努力必要で、病気の怖さを教え、生活改善を助ける糖尿病教室などのリソースもある。コンプライアンスの悪い患者もいるが、前提として我々医師の使命は病気を少しでも無くしたり和らげたりすることにある。予防医療により医療費を軽減させることもあるが、逆に先進のがん治療など結果的医療費を沢山使うことになることもある。納税者として無駄遣いする気はないが、医療費削減は我々の本来仕事ではない。

3分診療などと揶揄されるように患者とじっくり向き合う時間などないと愚痴を言う医者もいるだろうし、そもそも病院にすらこなくなる患者もいる。そういう患者は面倒見きれない、と言い放ってしまえばそれは長谷川氏の自業自得論に加担してしまうことになる。内輪で不満を言う分には他愛がないが、長谷川氏には医師としての立場を離れる事なくせめてもう少しよそ行きの言葉で話すべきだったろう。

そもそも自業自得の線引きをしようとすること自体ナンセンスなので深入りはしないが、医療世界にはこんなことはいくらでもある。料理中に包丁で指を切っても不注意からくる自業自得断じてもかまわないであろう。今のところ、交通事故労災などを除いて患者の扱いに線引きは行われない。コンパで飲みすぎた急性アルコール中毒大学生救急車を呼んでいい。

反論した医師id:fujipon特に間違った事は言ってないが、長谷川氏の言論を「弱者叩き」と反論しているにすぎない。当たり前の事を書いたせいで逆に長谷川氏に煽られてしまっている。

長谷川氏に言いたいことがあるとすればただの一つである食生活の不摂生からくる糖尿病透析に至ったとして、それは純粋個人の不摂生自業自得によるものだと断定できるかどうかは今の医学でもってしても非常に難しい。おそらくは生活改善すれば、糖尿病の進行は抑えられるだろうが、それでも本来個体差遺伝的素因を全く無視しても良いとは言えそうにない。

さらには不摂生改善されない理由として、知的レベル精神的な気質や基礎疾患の影響もある上に、貧困一人暮らしなどの社会的な要因であることも多い。不摂生はもはや個人意志でどうにかなる問題ではない場合もある。どのような理由があるにせよ、我々、医師科学者努力が至らないせいで透析患者は未だに無視できない程度に存在し、患者はもとより納税者負担になっていることは申し訳ないと思っている。長谷川氏の自業自得論がどうしても不摂生をやめられない患者に対するエールだとすれば、どうか透析患者またはその予備軍に取材し、対話をしあらためて感じたことを記事にして頂きたい。

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