就職活動――特に新卒のエントリーシートでは、時々「挫折を乗り越えた経験」を書かせる項目がある(勿論、面接でも聞かれる)。
だが、俺はこの設問(あるいは質問)が非常に嫌いだ。
理由はシンプルだ。ここにウケることを書けるか否かは他の設問と比べ「運ゲー過ぎる」からである。
そりゃあ、世の中には
「体育会に所属していて、2年生のとき準決勝で敗退。一度は挫折したが、猛練習をした結果3年のときは優勝できた。」
みたいな、完璧な挫折経験エピソードを持っているやつもいるだろう。
だが、殆どの学生はこんなドラマのような挫折エピソードは持っていない。いるはずがない。
普通の学生の持つ挫折エピソードは、高校受験や大学受験を除けば
・恋愛で失敗した
・バイトで(ESに書くべきではない、といわれる類の)ミスをして叱られた
・推薦で入ったら周りが頭良すぎてヤバい
ここらへんだろう。
まあ、下2つならまだマシかもしれないが。
あるいは「本人にとっては挫折だが、ネタとしてはしょぼすぎるもの」とかな。
そして、この「挫折」は、たいていの場合、工夫や努力によって乗りこえるのではなく、
・あきらめる(挫折を乗り越えられなかった) ※多分このパターンが一番多い
・他所に逃避する
・誰かに助けて~~とお願いして助けてもらう(not自分の工夫)
それが、特別無能だとか、クズだとかではない、「普通の大学生」の日常である。
リスクヘッジがきちんと出来ているやつは、小さな失敗や敗北はしてもそれが「挫折」レベルになることは避けるだろうし、
ポジティヴなやつは、例えそれが挫折経験だとしても「挫折」とは認識しない。
さっきの体育会の例だって、そもそも最初から優勝して負けないやつや、負けたとしても、自分で立てた目標の順位を超えて大満足~♪なやつは大勢いるのだ。
じゃあストレートにあったことを書けば良いのか?
そうではない。
やれ恋愛ネタは駄目だ、やれ挨拶が出来ずに叱られたエピソードは駄目だ、
やれ自分の力で解決したわけではないエピソードは駄目だ、やれ大学入学前の出来事は~~やれなんちゃらは~~と
(どこまで信憑性があるのか無いのかわからないけど)就活マニュアルやら、マニュアルを信じ込む人事やキャリアカウンセラーから駄目だしを食らうだけである。
そんな状況でマニュアルを無視し、己を貫きとおせる学生はそう多くない。「普通の学生」なら尚更である。
なので結局、皆「盛る」「作る」に手を出さざるを得なくなる。
マニュアル通りは良くない、ありのままの自分を、と言っても、現実として、普通の学生は結局マニュアルどおりにやるし、広告代理店に入りたいのでもない限り、それが無難だからな!
まあ、盛ることなんて資格や学歴以外、大体の質問設問に付き物ではあるのだが、
この「挫折経験」は、「ありのまま書いて受け入れられる人」が少なすぎるうえ、
そうなるか否かが(他の設問と比べても)運に左右されすぎている。
俺は日本の就活面接とかエントリーシートとかいう制度が大っきらいだが、 たまたま今暇で、たまたま反論を思いついてしまったので、暇つぶしに書きなぐる。 人事側だって、別に派...
安心しろ 大多数は深く考えていないし残りの半数くらいも考えてる気になってるだけだ たださらに残ったほんの僅かに当たった場合は仕方ないから頑張って意識の高さを見せつけるんだ
ドラマってのは派手な外的イベントにあるんじゃなくて、内面にあるもんだぞ。 過去の自分にとって、「世界とはこういうもの」という認識があり、その中でベストであるはず、ある...