2015-11-12

簿記、というか財務諸表ってなんぞやっていう端的な解説

ホッテントリとかに上がってくる簿記記事が大体間違っていることが多いので書くことにする。

というか、コメントとかを見る限り知りたいのは簿記の知識というよりは財務諸表のことだと思うので、

そちらを重点的に書くことにする。当方日商簿記一級持ち。

簿記って何?

財務諸表を作るために、帳簿を正確につけるための技術。以上。

シンプルではあるが、正確な帳簿をつけることは正確な財務諸表を作るためには必須

財務諸表って何?

正確な単一会計帳簿から作る様々な形式企業状態を表す資料

なんで様々な形式かっていうと、企業経営者投資家取引先等様々な利害関係者によって求めるものが違うので。

例えるなら、経営者からすれば家賃の変化だとか光熱費の値上がりだとか、そういうのもそれなりに重要情報になるんだが、

投資家視点だとそれってどうでもいいよねって話。

ただし、元になる帳簿は同じじゃなきゃダメだよってことで、これを単一性の原則という。

財務諸表ってどんなのがあるの?

概ね、特に重要とされるのは貸借対照表損益計算書の2つ。補足としてキャッシュフロー計算書なんてのもある。

貸借対照表って何なの?

端的に言うと、企業財政状態を表す資料資産の部・負債の部・純資産の部の3つで構成される。

資産の部は企業支配する経済的資源を載っけるところ。つまり、モノとカネ。なんでヒトが載らないのかって言うと支配してないから

負債の部は企業支配する経済的資源放棄・又は引き渡す義務を表す。代金の支払の約束とか借金とかそういうのだ。

純資産の部は正味財産を表す。……ぶっちゃけた話、単に資産負債の差額だ。見方を変えれば「まだどれだけ負債を抱えられるか」を表しているとも言える。

資産負債には流動と固定って区分があるんだけど、ざっくり言うと一年以内に自由に動かすことができるものとそうでないもの、と思ってくれればいい。

損益計算書って何なの?

企業経営成績を表す資料。某記事では通知票ってしてたけど、わかりやすくていい言い回しだと思う。

内容は収益-費用=利益利益率が大きい=今期はよく頑張りましたねってことだ。

収益とか収入とか費用とか支出とかよくわかんねえんだよ!って人いるだろうし、ちょっと解説する。

収益とは

企業活動の成果を表す。ぶっちゃけ収入のことです。はい

ただし、信用取引が行われている現代においては売り上げた時期とその代金の回収の時期がずれるのは日常茶飯事なので、

収益という形で収入が確定した時期を明確化するわけですな。「確定した」っていうのは商品の引き渡しとか役務提供完了した時のこと。

費用とは

収益という成果を得るための努力、それが費用支出のことと思ってもらっていい。

細かく言えば、支出のうち、収益を得るための代価として割り当てたもの費用と呼ぶ。

例えば工場機械を買ったとして、普通は何年も使うよな?

でも、買った年に全部費用としてしまうと正確な期間損益計算ができなくなるので、会計期間ごとに「今期使った分」を見積もって割り当てるわけですな。

これを費用配分という。

収益費用って収入支出と違うんじゃないの?

期間損益計算においては違うけど、最終的には同じになる。

というのも、すべての収益費用はすべての収入支出に基づいて計上しなければいけないからだ。

じゃあなんでこんな面倒くさいことするんだよって思うかもしれないけど、

昔は会社は一回の活動が終わったら解散してたか収入-支出=利益で、利益を分配しておしまいだったんだが、

今は継続企業、つまり特に事情がない限り永遠に営業活動を続けることが前提になったので、

どっかで区切りをつけなきゃいけなくなったわけだ。で、期間損益計算って概念が生まれた。

んで、期間損益計算を正しくやるために、収益費用という形で収入支出対応関係のズレを解消するっつーか、そんな感じだ。

最終的にまとめると?

貸借対照表=財産借金、その差額。

損益計算書=企業の一期間の活動を金額ベースで示したもの

っつーことです。

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