従姉の元に産まれた娘ももう10歳になる。近所なのでたまに顔を見に行っている。
わかりにくいので仮名をリオとしよう。
リオちゃんは妖怪ウォッチとロボットのpepperに夢中である。その入れ込みようは半端なく、妖怪とロボットは彼女の心の支えなのだなと思う。
「うちにジバニャンとウイスパーがいたらいいなってすっごい思う」
なんで?と聞けば、味方をしてくれそうだから、という話であった。
昔からわりと厳しく育てている印象があったが私には子供がいないので、子供ってこんな感じに育てるのか~ウチはヌルかったんだな~程度に思っていた。
しかし最近はテレビで毒親の特集を見たり、精神不安定な元恋人の両親が更にヤバかった件もあったりして、従姉親子の変な点が目につくようになった。
たとえば、最近缶コーヒーBOSSのCMにpepperが出ている。「ロボットなのにこんなになめらかに腰が動くんですよ~」と言って踊る部分でリオちゃんは大歓喜なのだが
それを通りがかりの母親がみて「うっわー喜びすぎ。バカみたいだよ」と言い、一瞬でリオちゃんの顔は固くなって黙り込んでしまったこと。
あとはある日遊びに行ったら従姉がリオちゃんを大声で罵倒していて(お前みたいなバカは将来どうのこうの系)泣きながら勉強をさせていたこと。
いつもおとなしいのに時々やたら怒りっぽく興奮するようになったこと。
組み立て式のRobiが欲しい、お爺ちゃんかお姉ちゃん(私)と作るとねだったところ、「女の子なのにそんなことしたいの?リオちゃんは男の子だったのかなー?^^」から始まり、ネチネチとからかったこと。
それがセクハラじみていてとても可哀そうになった。小さい時に性絡みの事でからかわれるのは辛い。
私も髪が短くスカートも履かなかったので同級生の女の子達から随分からかわれたことがあり、その後の何年も自分を卑下して生きていたと思う。それが親からなら余計辛いんじゃないだろうか。
私はロボット好きなことは変じゃないし、きっとリオちゃんの人生の役に立つと思うよとやんわり言うのが限界だった。
もし仕事や勉強に繋がらなくても好きなものは人生の支えになってくれる。
従姉は間違っているのだろうなと思うのだけど、幼いリオちゃんにとっては唯一の母親で愛しい存在だろう、それを我々が否定するのはとても難しいことだ。
フォローすることも難しい。あなたは悪くないよ、悪いのはお母さんだよと言うのも傷つけてしまいそうな気がする。リオちゃんはまだ自分の母親を否定することは言ったことがない。
「いつかママが死んじゃったらどうしようと思って怖くて寝たくなかった」なんて言ってた子なのだ。
従姉は見栄っ張りでとても悪口が多い、母子家庭にも高齢出産にもヤンママにも偏見がある。それは両親がそう育ててしまったからで、本当に可哀そうなことだ。
彼女は夫と別居し実家で暮らしているが(従姉が離婚に応じない)周囲には単身赴任中ということにしている。見栄が邪魔して潔い生き方ができないのも彼女の不幸と苛立ちの元のような気がする。
私はアラサーの独身子無しであり、しかも会社員でないので従姉からしたら完全に被差別民である。
わりと頻繁にdisられていている。「結婚しないよりマシ」「あんなんじゃ結婚できない」という言葉は直接言われるのではなく、他の人間の悪口の為に言われるのだが
間接的にダメージを受けている。たぶんバカにされているなという部分で余計臆病になってしまう。
何か言ったほうがいいと思うかもしれないが誰も何も言えるわけがない。
夫は彼女に耐えきれず出て行き、両親は完全に支配下に下っている。妹は海外だ。
彼女の叔父である私の父に言ってみたがあまり状況をわかってはいない上に兄貴に悪いと言って注意できない。他人である私の母もやんわり言うくらいしかできない。
親しいママ友もおらず、一番友達っぽい存在が随分年下の私である。そして気弱で怯えている。
近所且つ親戚なので、関係の悪化は恐ろしい。そしてリオちゃんに会えなくなったらというのも怖い。
それにまだ問題はない状態ともいえる。
でも問題がおきたとしたらそれはもう子供にとっては遅いことなのだろう。
仄暗い想像をしながらも自然に状況が変わることだけを願っている。
かもしれないじゃなく立派な毒だ 子を無意味に否定するのはすべからく毒
ま~首突っ込まんほうがええな