それはそれはめでたいことなのだけど。
去年、この人と仕事を一緒にするために地元を出て来たのだけど、
嫁入りするくらいの覚悟は決めてたし、
今回の居候については、再度・嫁入りのつもりで、転がり込んだわけだけど。
好きな人と、毎日毎日一緒にいられるって、初めての経験で、すごく幸せ。
恋人たちの同棲生活とか、新婚夫婦とかも、こんな感じなんかなぁと
結婚願望もムクムク育つけど、それは個人的なことで。
そもそも一緒に住む話は
「友達としてしか見ていないから、こいつと間違いなんてまったく起こらない」
(だからといって女らしく振舞え言われてもどうしたらいいかわからないけど)
女として見られないってことに、いま、生暖かい悲しみを覚えています。
いろんな話をして笑い合って、その最後に
「俺もお前もいい結婚相手を見つけなきゃな」
「おまえ最近女子力あがってきたぞ?結婚してもいいなって思う男もいるぞ絶対」
とか言われるの、心を無にする修行になる。
”そんな無邪気に言わないでよ”という声にならない声を奥歯で噛み締める。
…あなたは知らないでしょうけども。今日の私の笑顔があるのは、去年の絶望があるからなのよ?
去年は大変だった。
役に立てれるように頑張る気まんまんでこっちにきたのに、
どうして、考え方や行動規則などの性質はぴったりなのに、こんなに上手くいかないんだろう?ってことが何度も何度も起こって、その度にすごい言い合いになって、お互い疲弊した。
仕事の話をするのは楽しいのに、個人的な話になると何かのきっかけで私が嫌悪感を示して、展開はよくない方へ。
泣きながら抗議する私に、私の考えの何がどう間違っているか、ねじ曲がっているか、理解させようと根気よく説明して、私が納得して落ち着く頃には、私以上にエネルギーを消耗しているあなた。
どうしてどうして、こんなにぴったりな人、そうそういないのに。
出会い方さえ違っていれば、出会う時期が違っていれば、私がもっとうまくできる人間であれば、
もっともっと上手く人間関係を結べたはずなのに!!!!!!!!!
パニックになりながらも、考えて、検証して、観察して、傾向と対策を打ち立てて、と必死だった。
年の暮れ、そんな自覚が起きた。
それでやっと、絶望の底に足がついた。
落としどころをつけてからは、気が楽になった。
――この人は、どうあっても私のことを好きにならない。
この人の好みは私みたいなのではない。
外見の好みも違うし、私の性格の未熟さにとことん付き合ったぶん、親の感覚になっている。
どれだけ私が成長しても、「よかったよかった」としか思わない。
思い知れ。今まで女を磨く努力を怠ってきたことを。
思い知れ。人と交わることに臆病になって情操面を育ててこなかったことを。
その努力が身を結んでも、それでも、この人は私のことを好きにならない。
何度も何度も自分に言い聞かせて、それでやっと、もっとよい関係を築こうと思う心持ちになった。
本音は、ありのままの私を理解してよ!て感じなんだけど、そうは問屋が下ろさないことにやっと気づき始めた。
恋愛感情は、会った時から正直なくて、「うーん…まったくピンと来ない」と思ったのは今でもそう。
どちらかというと才能とか人間性に惚れ込んでいるのだけど、よく考えたら惚れ込んでいる現象は恋だよな、と。
「生まれてきてくれてありがとうございます」って言ってしまったことからして。(こんなセリフ、次に使うのは自分の子どもにしたい)
女として見ていないからと言って、さすがの私でも女心が傷つくようなことを言われたことがあって、
もう無理だ、もうこの人の人生に関わるのやめようと思ったときがあるのだけど、
最後に手紙を書こうと思って溜まりに溜まった文句を書き出したあとに
「とはいえ生まれてきてくれてありがとうございます」と締めたときには、笑った。
愛しちゃってるのだ。もう自覚とかなんとか以前に。
まずは、自分自身をしっかり楽しんで生きる。→生き生きする、自信がつく、魅力が増す。
自分の女性性を磨く。→女性としての自分を作る。成熟カワイイは作れる!
ないとは思うけど、体の関係を持たない。→そういうことは恋人同士になってから。
「今でしょ!」と言う声が聞こえたら、一生ものの告白をする。→真心をもって相手の心をノックする。そして感動させたる。
あなたが私のことを女性として好きになるように、毎日5秒祈る→ああもう神様・仏様!
そんで振られたら、それはそれ!
告白する前に素敵な子に持ってかれたらこれはこれ!
とにかく今やることは、照準を私に合わせること。
ねえねえ、たぶんだけど。
あなたみたいに特殊な人は、私みたいなのと一緒になったら、幸せだよ?
他人から見たらしんどそうに思われる状況だけど、いまの状況、全然しんどくないよ。
あなたと関わり抜くだけのたくましさはあるのよ。
そのうえ、あなたの話や情熱についていけるの、あなたのこと理解できるの、たぶん、私くらいだよ。
私の愛情深さを舐めんなよ?