2013-04-02

ラノベ界隈のこれ

http://anond.hatelabo.jp/20130331034659

http://b.hatena.ne.jp/entry/ameblo.jp/marehitomikagami/entry-11499736332.html

同業者であります(書き手側)。面識はありません。電撃さんとはお仕事したことありません。

という設定でコメントですが、これに関しては、結論として運が悪かった……に尽きるかと思います

悪ではなく

記事だけ読んでみると、言葉はきつくなってしまますが、担当編集氏は腕が悪かったです。売り上げが上がらなかったという点を取ってもそうですし、このようなトラブルが表面化し、編集長に持ち込まれている時点で、担当作家手綱も握れないのか、と編集長としては叱責をせざるを得ないでしょう。Web上にこういった醜聞が出ているのは、明らかにレーベルイメージにたいしてプラスにはなり得ません。これは編集氏の失点であり、どう見たところで手柄にはなり得ないでしょう。

しかしでは悪なのかと問えば違います無能と悪、あるいは悪意の存在は違います担当編集氏はおそらく悪意の人ではないでしょう。電撃も悪意の編集部ではありません。

作者氏も。こう書くと言葉はきついですが、力及ばなかった。良いものを書くためには戦略と書くための環境必要です。そのためには、担当氏との関係性を構築するのは必須です。その段階で敗北していたというのが後々にたたった。国内世論をまとめきれなかったために遠征軍の戦力がそろわなかった→結果として軍事的敗北。というような種類のトラブルです。それは担当編集氏のみの責任に帰せるものではない。作家業は個人事業主です。小説を書くというのは個人事業の一部であって、中核ではあってもすべてではありません。営業力や交渉力が足りなかった。

その力不足が、悪かと言えば違います。作者氏は悪ではなかったと思います。むしろ読者によいものを届けようとした、善であろうとした事に疑いはないかと思います

しかし結果、売れなかった。悪意など無くても、結果として負けると言うことはあります。両者の言い分を妥協させることが出来なかった。

担当氏の力量の問題もありますし作者氏の力量の問題もあります。相性の問題もあるでしょう。2人の戦闘能力を足した結果(おそらく足の引っ張り合いになってしまい)、コンビ空中分解醜聞事例がひとつ出来た。別に誰が悪いと言うことではなく、運が悪かった。

どうすりゃいいのさ

今回の件はこの距離から見る限り、担当氏と作者氏にコミュ能力(説得能力)が欠けていたのが、第一の躓きのように思われます

コミュ能力信頼関係というのはトラブルを表面化させないためのクッションとして有用です。クッションですから根本解決はできませんが、トラブルが爆発するまでの時間を引き延ばすことは出来る。またトラブルの目を小さなうちに摘むことも有用です。今回の件でいえば、たとえば担当氏は作者氏の反感を買うことなく、新しい魅力の付加という形で作風変化を促すことも出来たと思います。作者氏から見れば、担当氏の要望を受け入れつつも自分の書きたいことを守るというような結論の出し方はあったはずです。

そのように信頼醸成をしつつ、引き延ばした、もしくはチャレンジ時間でなにをすれば良かったのか? 根本解決の手法はなにか?

というと、それはおそらく部数を積み上げ売り上げを上げることでした。利益というのは様々なトラブルを癒すことが出来ます利益的な意味での成功というのは、なによりも「次のチャレンジの機会」を保証してくれます。食い違った担当氏との視点についてゆっくりと話し合い精査をする時間です。たとえば、担当氏の方針で一作書いてみる、作者の方針で一冊書いてみる。2シリーズやって確かめてみる、というようなことでもいいですし。そもそも、出版社が求めているのは利益なので、利益さえ十分に上がっているのならば、編集から作風への口出しはずいぶんと減ります編集部から作者への信頼の究極的な形のひとつが「1人で稼げる作者という評価」です。その場合担当編集仕事は、原稿の受け取りと事務連絡、取材の中継くらいになります

事例の希少度

本人にとっては(作者氏のみならず、おそらく担当氏にとっても)辛い件だったとは思うのですが、余り珍しい事でもないな、というのが本音です。表面化しないだけで、おそらく年間十件以上、類似の事例が発生しているでしょう。

ラノベ界隈の新人賞システムというのは「今まで一冊も本を出したことのない素人、下手をすると社会常識もわきまえぬ素人」を、いきなり「プロとして扱いデビューさせる」という乱暴なシステムです。おまけに作家業は前述の通り個人事業であり「就職」ではないので、オリエンテーリングガイダンス新人研修教育も、公的には一切存在しません。作者は個人事業主として「自分プロとして教育する」事も大事仕事として求められます(1年目はそれに忙殺されるといってもよいと思います)。

耳によい話ではないですが、こんな事例はごろごろ転がっています。ですからやはり、健康社会常識コミュ力の3つは、どうあっても必要になってしまうかと思います

記事への反応 -
  • 三行?|悠然と端然と 「こういう揉め事を公開する時点で社会人としての良識を疑う」みたいなコメントが付くの、なんなんすかね。 ↑の事例だと許可取ってるみたいだけど。 立場が...

    • http://anond.hatelabo.jp/20130331034659 http://b.hatena.ne.jp/entry/ameblo.jp/marehitomikagami/entry-11499736332.html 同業者であります(書き手側)。面識はありません。電撃さんとはお仕事したことありません。 ...

    • http://anond.hatelabo.jp/20130331034659 これ批判する人は「みんな我慢してんだからお前も泣き寝入りしろや」って言ってるわけじゃないよ。 引用記事のラノベ書きは要は「自分がこんなに頑張...

      • 作家はいくらでも替えがいるけど、編集は替えがいないかのような書き方 会社の権力を自分の権力と勘違いしたサラリーマンってほんとうざい

        • http://anond.hatelabo.jp/20130331072317 もちろん編集も作家とかわりなく替えのきく「消費しうる人材」でしかないが、比較すると作家よりも編集の方が替えるの大変なんだよ。 契約形態とか見...

          • Webで人気だった作品が、大手出版社の賞にことごとく落ちて、読者の支持が多ければ出版できるところから本出して、10万部のヒットとなったって話は知ってる? 「作品」や「作者」の...

            • ダイレクトに読者に届けて、お金にするシステムが出来たら つ同人

            • どうもピンポイントだったわけでwwww

            • Webで人気だった作品が、大手出版社の賞にことごとく落ちて、読者の支持が多ければ出版できるところから本出して、10万部のヒットとなったって話は知ってる? うん、それは素晴ら...

              • 編集さんの仕事は「調整」なんすかー? 「山師」なんだと思ってたー。読者にウケる原稿を「掘りあてる」お仕事。売れる原稿をよそに持っていかれたら負けの世界なんじゃないのー?

            • http://anond.hatelabo.jp/20130402094250 電撃で例えればSAOだの魔法科高校だの、webで実績残してからレーベル入りしてる作品もあるけどな。 大手出版社の主催する賞で落ちたような作品を、...

              • 根本的な勘違いがあるようだが。 文章のわからなさから推測するに、出版関係の人ではないね? 客観性を欠いているからね。 コンテンツを「出版する」ことにこだわってるのは、「紙...

                • 横だが、そうなった所で 「名の知れた出版社の信頼のおけるレーベルから出た電子書籍」と「どこの馬の骨とも知れない作者が出した同人」じゃ DL数はまるで違う結果になるだろうって...

                • http://anond.hatelabo.jp/20130406194343 あのな。一番上の親記事をよく読め。 誰も電子書籍の話なんてしてねえんだよ。 お前が話逸らすから本題に戻したんじゃねえか。客観性がないのはどいつ...

                  • 「みんなでよってたかって作ったコンテンツ」でも、結局、責任取るのは「作者」として名前を挙げられる奴だよね。だから、「作者の納得」ってのが必要なんじゃないか。それが、小...

                    • http://anond.hatelabo.jp/20130407151619 おいおい…。何も作家を取って食おうってんじゃねえんだから…。 出版社や編集はあくまでも利益上げるためにやってる仕事なんであって、何も作家を潰...

          • あと、作家の書いた作品をどういう戦略で売っていくか、書かせた作品をどういう形で売り上げてゆくのかについて説明して欲しいんじゃないか、という意見もあったが、それ説明する...

          • もちろん編集も作家とかわりなく替えのきく「消費しうる人材」でしかないが、比較すると作家よりも編集の方が替えるの大変なんだよ。 小説大賞に応募してきたのは作者、賞を取...

            • http://anond.hatelabo.jp/20130403134033 その二行だけ抜き出して態度横暴と決め付けるやり口はどうよ。 二行の間に、きちんと編集がそういう態度を取るべき理由を書いておいたよな? 意図的...

        • なんか話逸らしてる感じするけど。 Webで人気だった作品が、大手出版社の賞にことごとく落ちて、読者の支持が多ければ出版できるところから本出して、10万部のヒットとなったって...

          • 横だが 読者の支持が多ければ出版できるところから本出して これってまずwebに載せてランキング上位の作品は商業化する、と言う商業レーベルの事だよね。 「自費出版」と「(他社...

      • 編集の言うとおりに書くのはやぶさかではないが、ちゃんと戦略を説明してくれませんか、という話だろ。 特に根拠もない思いこみと思いつきで書かせんじゃねえ、と。

    • 江戸時代の昔から「お上に直訴」は、打ち首覚悟と相場が決まってる。 自分を雇ってくれた人たちに対する批判的な意見を公開するんだから、干される覚悟でやるべき。

    • 他の記事の書きっぷりからしても、企業は知らんがこいつは普通にクズっぽいので擁護するの難しい

    • この人の場合、これまでに著作のあとがきで散々編集や自作の路線への文句書いてるよ 今回みたいに情報公開を目的としてるわけでもなく単に愚痴として

記事への反応(ブックマークコメント)

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