2016-08-16

若手俳優厨を辞めた話

一年半ほど前、若手俳優厨界隈にもリツイートで回ってきた匿名ダイアリーの内容が結構話題になった。

と、勝手に思ってる。

http://anond.hatelabo.jp/20150209010459

これを見てよっしゃ私も俳優認知された話でも書いてみっかと思ってはてなIDを取得して早数ヶ月…

お盆休みに暇なので久しぶりにパソコンをつけたのでこうして文章をしたためている。

上記の匿名ダイアリーを読んでからなんとなく私も追っていた俳優への興味が薄れつつあってようやく自分の中で完全に降りたと思えるようになった。

ここでいう若手俳優というのはテレビより舞台がメインの仕事ぶっちゃけ世間的には無名若さオタクへのアピールしか取り得のない役者ですらないタレントのことを指す。

出る舞台も2.5次元原作が多い。

(失礼なことを書いていると重々承知しているが顔なり演技なりコミュ力なり何かしら飛びぬけている人ならいつまでもそんなところに燻ってなんかいないのは見ていれば分かる)

不毛なので舞台テレビより下かという議論はしない。

それでも私は舞台が大好きだ。

応援していた(私は推しという言い方が嫌いなのでここでは応援という)俳優には服や時計などプレゼントもしたし、今思うと怖いくらい長い手紙も書いていた。

一応認知もされていたと思う。

自意識過剰丸出しでキモイので認知という言葉使用したくないが、なぜ認知されたと思うようになったかというと無視されるようになったからだ。

私は入り待ち出待ちなんてしたこともない。ただ座って公演を見るだけ。

客席降りのあるときは降りのパターン見出して通る通路を押さえたし、降りないパターンときは積んで前のほうの席に座るようにした。

遠征もした。

DVD発売イベントがあるときは同じDVDを何本も買って応募した。

握手会のためにCDも買った。話すことなんて無いし覚えて欲しくもなかったけどレーンが空いてると見栄えが悪いと思い何周もした。

そんなことばかりしてたら避けられるようになった。

考えすぎかと思うだろうが公演に一緒に入った友人にも言われたから確かだと思う。

それが原因で降りたかというと違う。

若手俳優を追っている人なら分かると思うが俳優にもいろいろなタイプがいて、

自分ファンしか構わない

自分ファンを避ける

新規をつけたくて既存ファンをないがしろにする

・分け隔てなくファンサする

・そもそもファンサしない

細かく分けるとこんなもんじゃないがざっくり分けるとこんな感じ。

そして私の応援していた俳優認知したファンには構わないタイプだと判断した。

まあ関係ない一回くらいしか行かない人からしたら知ってる顔ばかり構ってる俳優なんて嫌だからいいんだけど。

このことに気付き、覚えられたという喜びが一瞬芽生えたが次の瞬間にはそれならばどうにかしてファンサが欲しいと思うようになった。

彼の視界に入るための席を次々と買った。

公演や俳優を見るためではなく、自分が見られるために通うようになった。

回数入っていることをアピールするために手紙も毎回書いたし少しでも対応が良くなればとプレゼントを贈る頻度も一回に遣う金額も増えた。

手紙も回数を重ねると書くことがなくなるからプレゼントごまかしてたのもある。

服は結構着て貰えていたと思う。

雑誌取材とか稽古場の映像写真で形として残るのは素直に嬉しかった。

それなのに公演では反応がないのが悔しくてまたチケットを増やす、の悪循環だった。

毎日仕事終わりに行く公演は眠くて内容は頭に入らないしアンコール前奏が始まれば緊張で気持ち悪くなる。

いつからか私は公演本編も全然楽しめなくなっていた。

それでも同厨より多く公演に入ることがステータスだと信じていたので通った。

こんな観劇姿勢なのにネットで晒されなかったのは我ながら地味でよかったなと今更ながら思う。

しかしそんな舞台永遠に続くわけではない。

いわゆる卒業が来る。

終わりが来るのは最初から分かっていたがそれでも最後の公演の千秋楽は驚くくらい泣いたし次の日会社も休んだ。

もう二度と舞台でこの姿を見ることができない寂しさもあったが辛くて仕方なかった公演通いからやっと開放されるという思いのほうが強かった。

その後に舞台出演が発表された。

今までお金を掛け続けて追っていた自分否定したくないので勿論行く。私を突き動かすのはもはや意地だけだった。

公演がない間も花も贈る準備をするしプレゼント事務所に送るし手紙も書く。

そして迎えた卒業後初の舞台を私は全然楽しめなかった。

客降りとかファンサが無かったからとかではない。むしろ無くて良いと思っていた。

そこで初めて自分俳優の彼では無く、キャラクターを演じている彼が好きだったんだと気付いた。

あんなに見るのが辛かった舞台だけど、キャラクターを演じるためにカンパニー一丸となって作る世界観を追いかけていたのだ。

気付いたとたん魔法が解けるように彼の全てに興味が無くなった。

写真雑誌も全部処分した。

自分でも薄情だと思うほどに熱が引いていくのが分かった。

世界観が好きとは言ったが、新しいキャストが演じている同じ公演を見ても前と同じように一人のキャストに夢中になることは無くなった。

今はファンサとかそういう感情無しで見るステージは凄く楽しい

本当に何を見ても楽しいしみんな輝いて見える。

時々思う。たまたまあの公演で彼では無く別の俳優が目に付いていたらまだ俳優厨を続けていたのかと。

それでも私はきっと同じように追いかけて同じように降りていたと思う。

ここまで散々ネガティブなこと書いておいておかしいが、俳優をただがむしゃらに追いかけた日々は凄く充実していた。

ファンサを求めてから地獄だったけどいろんな地方に行ったり美味しいご飯を食べたのは楽しかった。

今、手元には半券くらいしか残ってないが時間お金を掛けた最高の道楽だったので後悔はしていない。

お金の無い俳優自分たちオタクのあげた服で少しずつ洗練されていくのも結構面白かった。

預金は全く増えなかったがお金は生きていれば稼げる。

生の舞台はその1回しかいから行かなければ後悔もできない。

やりたいことは大抵出来たし、不祥事とかカノバレではない分幸せなのかと最近やっと思えてきた。

これからお金を掛けずに無責任若い男の子にキャーキャー言おうと思う。

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