2021-08-30

自分ライオンズ栗山巧

ライオンズを知ったのは新聞屋内野自由席のタダ券。

秋津の乗り換えは分からなかった。

蓋のあるスタジアムなんてと珍しいものを見る目だった。

初めて観に行ったら松坂燃えてた。

でも試合は勝った。

もう一度行ったら西口が好投してた。

勝ったら花火バックスクリーンで爆発してた。

何度目かに行ったら名前インボイスが付いていた。

選手佐藤友亮とか貝塚とか、何故かは分からないが覚えて帰った。

今思えば若手として出始めていたのだろうが、全く記憶にない。

それが、あったかも知れない栗山との出会い

それからしばらく浦和レッズばかり見ていて、野球から離れていた時期があった。

さすがに少しだけ日本シリーズ記憶はある気がするが、暴れ回る片岡絶対に打ちそうなナカジくらいだろうか、はっきり覚えているのは。

派手な髪の軍団の中の一人で、片岡の後ろで地味な仕事をこなす人。

それが、栗山に抱いた最初の印象。

チームは大型連敗をして、ナベQ監督コメントも息詰まっているのをスポーツニュースで見た。

昔タダ券で見た姿通りの、ずっと強いイメージであったからなのか、未だに当時の気持ち理解不能だが、その時にこのチームは気にかけないといけない、あわよくば応援してやらないといけない気がするなどという奇妙な気分になり、ファンである自覚を初めて持った。

いからと久々の観戦で外野席に乗り込み、応援の楽しさも知った。

栗山がやたらと出塁する選手であることもこの時初めて理解した。

俄然、野球を見るのが楽しくなった。

それが、10年少し前くらいの記憶

その日、デッドボールを受けて吠えていた栗山の状況を、ラジオを通して聴いていた気がする。

後日、多少の同様を隠せない秋山栗山のいない状況について語っていたことで、ライオンズ大黒柱栗山であることを初めて痛感した。

悔しいような、歯痒いような気持ちで残りのシーズンを見ていたのははっきりと覚えている。

それが、栗山をかけがえのない存在として捉え始めた記憶

初めて行った南郷の春季キャンプでは、選手にとってはキツい練習だろうが、ファンは無邪気にサインを貰いに駆けずり回っていた。

見事にそのファンの一員と化していた自分に、練習後の夕方、帰りのバスを待たせてまで、嫌な顔一つせずサインに応じてくれたのが、栗山だった。

初めて外野席に踏み込んだ時に持ち込んだフラッグに書いてもらったサインで、何らかの魂が入った気がした。もちろん、今も手元にある。

それから蓋を開けてみると、大雑把で惜しい、常にもう一つが遠いシーズンが二度、三度と来た。

来た上に、一人、また一人と応援していたはずの選手が居なくなった。

居なくなっただけならまだしも、一部は常の敵として、同リーグで牙を剥いて襲いかかってきた。

応援団にすら、残留したメヒアを評して「 こんなチーム に残ってくれた物好き」と言われるほどの状況で、日々先の見えないトンネルに居るような、耐え難い息苦しさを感じていた。

そんなシーズンを終えたタイミングで、栗山FAタイミングが来た。

日々の彼の言動を見るたびに、多分残ってはくれるんじゃないかしかしこんなチームだから‥と思っていた時に、あの言葉が降ってきた。

───「FA権を持っているだけで、ファンの方が『もしかしたら』と、思うかもしれない。その選択肢を断つことが、『これからライオンズ野球をやりたい』という思いの、最高の意思表示になるのかなと思いました」

こうだ。

自分の、いやファン全員の心の声を聞いた上で、これ以上はない答えを返してくれたに違いないと、彼は我々と喜怒哀楽を共にしてくれる唯一無二の存在なのだと、一言一句を噛み締めながらそう確信した。

これが、栗山巧を本当に好きになった理由

監督の納得感のある指揮で理に敵った強さを手に入れ、10年振りのVの文字を見た夕べ、

ようやく胸のつかえが取れたような、じっくりと喜びを味わうような表情、コメントをしていた栗山を見て、こちらの優勝の実感もようやく湧いてきたような気がした。

ただ、CS突破日本一忘れ物が二つも作ってしまったが。これはまた、彼がユニフォームを着ている内に再び共に分かち合える喜びが残っていると考えることにしたい。

もうプロ20年目。

同期の中村と同じく、最前線で戦っている姿は記憶にある選手では半ば西口領域差し掛かっており、驚異的ではあるが

さすがに毎試合守備につくことはなくなった、全盛期の打力とも言えないかもしれない。

しかし、だからこそ、彼は目の前の打席に集中し、己の今出せる力を振り絞り、懸命なプレーを見せてくれている。

ひたすらに気の遠くなるような努力を惜しまず、倦まず、ただただ「やらなきゃダメなのよ」といった感じで積み重ねている。

そうしたものの結果が、

球団上前未踏の「生え抜き2000本安打」という偉業にあと一歩という形で、いよいよ実を結ぼうとしている。

自分は、いや埼玉西武ライオンズファンは、その課程を一丸となって応援し、

達成のあかつきには惜しみなく祝福し、喜びを共に分かち合うだろう。

栗山選手、我々はあなたと共にありたい。

あなたがそうしてくれたように。

全力で、全身全霊で、応援しています

進め、今こそ2000本へ!

  • 西◯ライオンズという球団名を見ると、いまだについ反応してしまう博多っ子の俺って、いったい、、、

  • 素晴らしい選手への愛が感じられる文章。 自分はデーブ大久保がコーチ就任の時に長く続けていたファンを辞めました。 それでも栗山選手はやっぱり好きで今でも応援しています。

  • 読み応えのある良い記事。

  • 読み応えのある良い記事。

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