2021-07-03

なぜ、電源タップケーブルで音質が変わると思ってしまうのか

一部のオーディオマニアは、電源タップケーブルを「良いもの」に変えると音質が向上すると信じている。

常識で考えて、そんなわけはないのだが、なぜ彼らはそんな荒唐無稽妄想を抱いてしまうのか。(たとえばケーブルによって変わる電気的な特性は、導線の抵抗値くらいしかないが、それは部屋の温度が数度変わるのと同じ程度の影響しかない)

ここでは、そんな彼らの多くが共通して信じている理論の紹介と、なぜ人はそういうニセ科学を信じてしまうのかについて説明する。

きれいな電気」という概念

オーディオに関する非科学を信じる人の多くが共通して持っている考えは、電気には「きれいな電気」と「そうでない電気」があるというものだ。これはちょうど、飲料水に「きれいな水」と「そうでない水」があり、きれいな水を飲むと健康に良いと言うようなものだ。電気場合は当然、「きれいな電気」で駆動したスピーカーからは「良い音」が発せられると彼らは主張する。

彼らによれば、家庭用の電源や大衆向けオーディオ機器流れる電気は「きれいな電気」ではない。それをオーディオマニア向けの高額製品を使って変換したり、「不純物」の少ないケーブルを通すことで、スピーカーに「きれいな電気」が流れるらしい。

この理論の秀逸なところは、その単純さにある。本来、音質を決定づける要因は無数にあり、それらは複雑に影響しあっている。それらをすべて把握することは容易ではない。しかし、「きれいな電気理論」なら、

「高額オーディオ製品を通す→きれいな電気流れる→音質がよくなる」

となり、単純明快だ。水質と健康アナロジー理解やすいのもポイントだ。

安易理屈がつけられるものを信じようとする」という思考停止

オーディオオカルトに限らず、多くのニセ科学共通するのが、問題を過度に単純化して説明を試みる点だ。マイナスイオン身体に良くてプラスイオン身体に悪いし、血液型性格判断診断なら人間性格は4種類に分類できるし、波動測定装置を使えばあらゆる食品身体にいいかどうかたった1つの指標で判定可能だ。

もちろん、「問題単純化して説明する」というアプローチ自体は間違っていない。たとえば、力学で摩擦や空気抵抗が非常に小さいならば、それらは無いものとして考える。疑似科学問題は、その理論を立証する過程実験者の主観排除するしくみが備わっていなかったり、そもそも理論中の概念が適切に定義されていなかったりする点だ。オーディオ場合で言えば、音質の評価は聴者の主観対象製品への先入観に大きく依存するし、そもそも「よい音」とか「きれいな電気」の実態も正確に定義されていない。

から、この種の「きれいな電気を流せば音質がよくなる論」は疑似科学である

なぜ、オーディオマニアはこのような疑似科学を信じるのか?結局、人は安易理屈がつけられるものを信じるということだ。オーディオ機器の内部構造やそれらの音質に与える影響を正確に理解するには、どうしたって大学レベル物理工学知識が要る。一方、オーディオマニア理論なら

これだけの理解で済む。一部の人達にとっては、小難しい数式を出されるよりも、こちらの方が説得力があるのだろう。 

ただ、事実はこの説明の通りにはなっていない。ケーブルや電源タップの変化をブラインドテストで聴き分けられた人は、この世に存在しない。結論としては、音質の向上を期待してそんなところに金をかけるのは、馬鹿げていると言える。

  • イヤホンのケーブルを変えたらあからさまに音が違ってビビった。あれどういうことなんだろうな。インピーダンスの周波数特性が違うとか?流石に電源ケーブルが効くというのはかな...

    • 壊れてるからだよ

    • イヤホンが壊れている どちらかのケーブルが壊れている あなたの耳がおかしい あなたの思い込みが激しい のいずれかてす。

  • 一部のオーディオマニアは、電源タップやケーブルを「良いもの」に変えると音質が向上すると信じている。 常識で考えて、そんなわけはないのだが、なぜ彼らはそんな荒唐無稽な妄...

  • 美味しんぼの耳バージョン。 食べただけで「四万十川のアユや……」とか分かると思ってる。それの耳バージョン。 現実とフィクションの区別がついていない。

  • 標高の高い場所に住むと、地球の自転により麓にいる人よりも速く運動することになるから、特殊相対性理論により時間の進みが遅くなる。だから、標高の高い場所に住むと寿命が伸び...

  • 彼らは耳じゃなくてオシロスコープで音楽を聴くから、いろいろ材質変えたらインピーダンスが変わって波形は変わるんじゃね

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