・組織委員会ではうまく行っている。今後も女性登用を推進していきたい
というものであり、この内容自体は非難されるに当たらないと思った。
参考URL https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/02/04/kiji/20210204s00048000348000c.html
女性理事を4割入れるよう、文科省がうるさく言っている。4割という数字を達成するために精査せずに女性を登用すると、理事会に時間がかかるなど弊害が起きる。ラグビー協会では女性を登用するようになってから理事会に倍の時間がかかるようになった。
理事職に応募するような女性達は、優れた面でもあるが、競争意識が強いところがある。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うのだろう、会議の主目的に沿わない内容でもとりあえず発言する。私の意見ではないが、女性理事を増やしていく場合には発言の時間をある程度規制しておかないとなかなか終わらずに困る、と言っていた人もいた。
(森氏が会長を務める)組織委員会には女性が7人くらいいるが、この種の弊害は起きていない。競争意識で応募したのではなく、委員会の役割をわきまえた人だからだ。みんな競技団体からの出身で国際的に大きな舞台も経験している人達ばかりだ。だから会議においても、競争意識からの議論のための議論ではなく、意味のある議論をしてくれていて非常に大きな役割となっている。委員会に欠員があったら次もすぐに女性を選ぼうと思っている。
管理職になりたがらない女性が多いことは事実であり、理事や組織委員会に女性を登用するにあたり、見識を持った人材を確保するのが大変なのはその通りだと思う。そこで4割という目標をクリアするためにとりあえず女性を、と選んでしまうと、オリンピックの成功よりも自身の箔付けのために理事になりたいような人が採用されてしまうというのもありうることだと思う。
そのような人に理事会を自己アピールの場として利用されてしまうのは、オリンピックの成功を第一義として考えている人(JOC理事の組織目標をわきまえている人)からしたら苦々しく思うところだろう。国会でクイズ大会を見せられた時の呆れた感情を思い起こした。
今回の件は男女平等に向けて古い慣習から脱皮する中で生じた摩擦なのだと思う。古い価値観の男性(やいわゆる名誉男性)だけで理事会・組織委員会を構成していたら「女性は話が長い」という文句も出なかったはずで、新しい価値観へ向けて前進しているという証左としてポジティブに捉えてもいいのかなと思った。
データに基づいていない印象による決めつけの発言が多く(「ラグビー協会は今までの倍時間がかる」「誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね」)、そこは非難されるところかなと思った。しかし例えば、実際データを集めた結果「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」という発言をした場合は許されるのか?結局怒られる気がするので、印象だけで決めつけたからアウトというわけでもないのかな。
記者の側の問題でもあるが、なぜ組織委員会では問題が起きていない(=わきまえた女性ばかり登用できている)のか、そこの話を聞きたかった。金銭的、時間的にコストを掛けて人材登用した?組織委員会の方がJOC理事より心理的ハードルが低い?人数の問題でそれほど大人数を選ばなくてよかっただけ?なにかしらノウハウがある?
ところで、自分でも整理できていないが、わきまえていない女性が理事会・組織委員会に入ることはダメなことだろうか。
貴重な素人目線の指摘を貰える可能性がある(理事や委員の重責に置かなくとも別途意見を収集すれば良いだけな気もする)
玉石混交の人材をまとめ上げてチームとして運用していくのが会長の役割ではないか
というような考え方もできるので、一概に望ましくないと言い切ってしまうのも何かためらうところがある。
余談ながら、私は『わきまえない女』でありたい。と言った人がいたが、森氏の言うところのわきまえない女とは職責よりも自己アピールに重きをおくような女性のことであろう。果たして本当にそんな女性になりたいのだろうか。
森さん的に「わきまえる」がどのような状態を指しているかで考えてみると「身の程をわきまえる」であり、「余計なことを言わない、(既に決まっている)議論の流れを邪魔しない」...