小説家のA先生は自分の作品に社会問題ネタを入れるのが特徴で、私はA先生の作品を何作も買って読んできた読者だ。ファンと言ってもいい。
TwitterでA先生のアカウントを見つけた時、私は嬉しく思ったのと同時に、不安にもなった。
プロアマ問わず、字書きがSNSで失言して騒がれる様子をこれまで何度も見てきたからだ。
そして嫌な予感は的中した。
喧嘩腰で政治的主張を繰り返すA先生は、他のTwitter民に嘲笑されまくっていたのだ。
残念な事に、A先生は「思い込みで政治を語る」タイプの人だった。
この手の政治語り屋は右向きだろうが左向きだろうが自分の思い込みで語るから
「その主張、実際のデータに反してますよね?」「なんかそういうデータあるんですか? 偏見だけで語ってませんか?」「実際は真逆なんですが……」
ちなみに、A先生はTwitterが日本で流行る前からプロとして活躍してきた作家だ。
現実世界の社会問題を物語の中に組み込むという手法をずっと続けてきたせいなのだろうか、「自分は政治をよく理解している」と勘違いしてしまったのかもしれない。
思い込みの激しい愚者が周囲に被害を撒き散らして最後には社会的に不必要な悪として制裁される……っていうのがA先生の作品のお決まりのパターンで、
正直しつこいくらい何度も見てきたけど、まさか作者自身がこんなに偏見こじらせてる人だったとは……。
A先生は批判に負けず、厳しい口調で自分の考えをツイートし続けた。
自作品語りなんてほとんどせず、新刊の宣伝より政治語りの方に熱心になっていた。
着実にTwitter内で敵を増やし、悪い意味で知名度が高まっていき、
そのうちフォロワー数の多い有名な政治語りアカウントからも反論されるようになって、A先生はさらに多くの人々に自身の無知を晒す事となった。
ファンの自分はというと、A先生を擁護する気にはなれなかった。
浅い知識と激しい思い込みで自信満々に政治を語り、主張の対立する相手を徹底的に蔑む姿に、正直幻滅してしまった。
「あの人、本当に小説家なんですか?www」「小説家ってバカでもなれるんだなwww」と空リプされているのを見た時はさすがにかわいそうだと思ったけど。
んで、A先生とは全く関係ないB先生の話になるんだけど、この若手の小説家さんはA先生とは対照的だった。
・ツイートの大半が自分の新作の宣伝あるいは過去作の話、あるいは自作品に関連したネタツイート(読者へのファンサービス的な)。
Twitterを読者を増やすための場と割り切ってる感じで、個人的にはこっちの方向性の方が好き。
賞を取ったデビュー作が凄く面白くて元々好きな作家さんだったけど、Twitterを見てもっと好きになった。
新刊は必ず予約して買うようにしている。
クリエイターはSNSで自由に語ればいいと思う。そしてそれを見たユーザーは何らかの意見を表明してもいいし、無言で離れていってもいい。
ぶっちゃけて言うと過去作の方が面白かったって思いながら読んでたし、ファンを辞めるきっかけを与えてくれて結果的には良かったのかもしれない。
この増田の通りで、Twitter発でない作家は、Twitterでは自作品の宣伝だけしたほうが、失敗しなくて済むと思う 悪く言えば、物語からファンになった場合は、その作家の人格が好きで読ん...