言い方はかなり乱暴になるが、ニュアンスとしていちばん正しいと思う。
統合失調症は恐ろしい病気だと思った。医療ドキュメンタリーなどでよく見る、狂人(これもかなり乱暴な言い方だけど)が家にいるのは正直厳しい。
テレパシーで会話が聞こえる
BGMが常に頭を回る
私は女王だ
母はこの国を統治する女王なので、ベルサイユ宮殿のような屋敷に住んだことがあるらしい。自らの能力を使い、人を助けないといけないらしい。
だから、昨日母は手負いの青年を抱き締め、身を呈して守ったが、もちろんそんな人物は存在しない。一時間半、見えない敵と戦って、力及ばず死なせてしまったと泣く。久しぶりに帰省した娘の言葉は一切聞かず、脳内に語りかけてくる謎の人物ABCDとばかり話をする。よその家のチャイムを押しに行こうとし、暴漢がいると警察に通報する。
内科外科的な症状がないと救急車は使用できず、平日ではなかったこともあって最寄りの精神科は頼れない。ただ、メンタルヘルス系の相談ダイヤルに掛けたら、入院可能な病院を探してもらえた。タクシーで一時間はかかる、山の上の病院だった。
ふっとスイッチが切れたように大人しくなった母を、タクシーで病院へ連れていく。もちろん母は自分が入院するなんて思っていないから、ただ夜遅くまで開いている病院という認識で、楽観的だった。車内の会話はほぼない。
周囲にコンビニもないような山奥で、20時くらいから診察が始まる。自分に何が起こっているのか、医師にひとつひとつ説明していく。周りに勧められて心療内科を受診していること。エビリファイという薬を気休めに飲んで、調子がいい気がするということ。母と唯一同居している兄がとっていた、支離滅裂な言動のメモが決め手だった。医師の表情はどんどん貼り付いたような表情になっていき、屈強そうな師長は慣れた様子でうんうんと話を聞く。
「あなたはね、もうおかしくなっちゃってます。もうね、これは病気です。心配してご兄弟が集まって、相談して、あなたを入院させるために今日ここに来たんです。あなたは帰れません。帰せません、入院です」
緊急措置入院だった。
女王は激昂し、同意書を破り捨てる。こんなのはおかしい、私は正常だ、だから帰る、喚いて逃げようとしてもそれは叶わない。師長は手慣れた様子で女王を取り押さえ、兄もそれを手伝った。医師が義務的に早口で書類の文言を読み上げる。診察室のある棟を抜け、施錠された扉をいくつか越え、保護室へと向かった。
「こんなのおかしい! 拐われる、信用できない、許さない、離して!」
とにかく大声で叫ぶ。ここが山奥で本当によかったと思った。
「味方が必ず助けに来てくれる! お兄様助けて、お父様助けて、助けに来て!!」
入院患者が驚いた様子で見守っていた。ずるずると引きずられるように歩みを進める女王の抵抗は凄まじかった。足を踏み、腕を払おうともがく。ギロチンに向かう女王の姿としては、あまりに無様なものだなと思った。ショッキングな光景ではあったが、正直胸が軽くなった。もう、無理な仕事のスケジュールで帰省することもなくなる。電話でノイローゼになりそうな話を聞くこともなくなる。ご近所の方に怪訝な目で見られることもなくなる。これからきっとよくなる。
母は女王かもしれないが、私は王女ではない。もちろん、臣民にもなれない。入院に関する説明を上の空で聞いて、求められるまま書類に電話番号を書いて、女王には会わず病院を出た。意外とあっけないものだなと思った。
今日も女は毒親叩き
お疲れ様
なんかすげえ おつ
ネタか?
とりあえずはお疲れさま、大変だったね。治療でお母さんが落ちついてすごしていけますように。
そんな重い病状なのに初めて精神科を受診したの? 主治医の先生に相談しなかったの?
ネタにマジレス厳禁だよ
エピリファイ飲んでるって書いてるのに読解力ゼロですか
主治医の先生に相談しなかったの?
1.してない 2.したけど主治医の同意は得られなかった 3.して紹介状などももらったが書かなかった 元増田じゃないから知らないけど、どのパターンも考えられますね。 3のパタ...
かかりつけの精神科に入院設備がなかったので紹介状をもらった、は考えはしたけれど、それだと > ただ、メンタルヘルス系の相談ダイヤルに掛けたら、入院可能な病院を探してもら...
病識のない増田民はデパスとブロンとコンサータしか知らないのであった(完)
薬ではコントロールしきれないものなんだな統合失調って。
もしかして知らないかもしれないので。 精神病院に入院させても、たいていは3ヶ月で退院か転院を余儀なくされます。 →保険料の問題で、3ヶ月を超えると稼ぎが減るので、たいていの...
相手が例え肉親と言えど痴呆や統失のサポートをする辛さは分かるから支持しますね。主に安らぎが訪れますよう。
入院させたら二度と会わなくていいわけもなく、 入院こそはスタート地点だということが分かってない人間が書いたんだろうな。
家庭で支えきれない人がいるってわかってない人が書いたんだろうな
母「わたしにはスタートだったの あなたにはゴールでも」 https://anond.hatelabo.jp/20190720163623
精神科で面会なんてほとんどない 法に触れないよう死ぬまでぶち込むんだニャン🐈
面会の多さは家族によるなあ
けっこう精神病って遺伝するよね。
よく頑張ったなぁ
タイトルが魅力的
美しい、読み応えある文体で綴られるだけにその裏にある静かな苦しみが聞こえてくるようでどうにもやりきれない名文。 書いてくれてありがとう。釣りなら良かった。 釣りでないなら...
「クワイエットルームへようこそ」見たくなった。
おめでとう これで増田の母親はこの世にいないも同然だね。 死ぬまで牢獄から出てこれないんだからね。 精神病患者は犯罪者も同然だと思ってるんでしょう? 家族の恥さらしを抹殺す...
分かるんだが、こんな簡単に本人の同意なく拘禁できるものなんだな