2019-03-29

うちの妻の話

うちの妻は親がネグレクト家庭で育ち、高校は某治安の悪い区の都立出身で1-2割が大学進学、6割が専門学校、残り2割は謎という卒業実績で、

本人も当然のように専門学校に進む。その専門学校卒業後に、某有名ホテル就職

スイートルームルームサービス食事を持っていくと、わざと見せつけてくる全裸おっさんがいたりして、

自分は本当に社会底辺にいるのではないかと思い、一念発起して大学に進学することを決める。

とりあえず上流階級といえば、医者弁護士くらいしか知らなかったので、某大手予備校医学部コース入学

ちょうど同じく浪人してた自分出会う(自分医学部コースではなかったが、物理化学の授業で会うことがあった)

異常にかわいい子がいると思った自分浪人生にもかかわらず、もうアタック受験直前頃に、ついに付き合うことになる。

自分は無事志望校合格するも、彼女不合格。少しでも手伝おうと思って、プライドを捨てて何がわからいか話してくれと言ったところ、

「このABの上についてる矢印、何?」とそもそもベクトルがわかっていなかった。

どんな勉強法をしてるのかと聞いたら、某国立大医学部に行きたいので赤本を買ったとのこと。

アホかと言って、とりあえず赤本のことは忘れろ、チャート式でもやれということで、

仕方ないのでドラゴン桜よろしくから勉強を始めることに。

高校時代の3年間は何も勉強していなかったとのことなので、現時点で高校一年生だという認識をもってもらい、

今年受かるのは難しいと思うので少なくとも3年はかかる、そのつもりでと言って勉強を教えた

結果、すったもんだがあり(この苦労は涙なしには語れないが、割愛)、

しかし3年後に無事、当初の志望校ではないものの某大学医学部合格自分大学4年生のときであった。

何があのとき自分を動かしていたのかわからない。

でも、浪人してつれーなと思ってた自分、他の人より回り道してしまったなと思った自分がいて、

それに比べて彼女の話を聞くと、自分なんて親や周りの環境がつくってくれた「普通の道」をちんたら歩いてきただけで、

こんなに「茨の道」を歩いてきた彼女が報われないなんておかしい、報われてほしいという気持ちが大きかったように思う。

ググるキーワードが思いつかなければググれない、とよく言うものの、

よく彼女があの環境の中で「医学部でも行くか」と思ってくれたな、よく予備校というものがあることに気付いてくれたな、

そしてそれは奇跡的な確率ことなのではないかと思う。

そんな人をサポートしないという選択肢自分にはなかった。

ちなみに後に彼女は、あの何もわかっていない段階で医学部を目指し、無意味赤本を買った自分無知すぎて殺したいと言っていたが、殺さなくていいと思う。

彼女大学に入った頃には、現役の学生と比べると随分と年を取っていて、影では多浪生と呼ばれていたそうだ。

アホかと。お前ら、自分があの環境にいて、ここまで這い上がってこれるか?

お前らがやったことなど、誰かがお膳立てしてくれたテストの点数が取れるための勉強したことだけだろうが。

それは所詮オレと同レベル人間なのだそもそも実質受験勉強3年で受かってるからピカピカの高校3年生じゃい!と思ったりしたが、直接その人たちに会ってないので何かを言ったことはない。

彼女自身はこの一連の話は人生の汚点なので他人には言うなと言うのだが、今日、別の増田を読んでなんとなく他の誰かに言いたくなった。

そんな妻は某大学病院の勤務医として、クッソ安い給料で働かされている。残念ながら、オレも高級取りではない。

でも、うちの妻はすごく楽しそうに仕事をしている。上流階級にはなれなかったけど幸せだったら嬉しい。

  • いいはなしだね😸増田さんもいい人だ。そんなお医者さん素敵。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん