2016-02-17

いつかどこかで覚えのある味

 インスタント食品がそれほど好きでない。

 特にカップラーメン独特の臭みがちょっと苦手だ。

 

 そんな中、10年ほど前にタイ土産にもらったトムヤムクン味のカップヌードル日清食品現地法人が出している)は、驚くほど自分の口に合って美味かった。

 元々辛いものが好きなのもあるが、現地人向けに作っているだけあって本格的な酸味と辛味が際立っており、それがカップヌードルの臭みも上手い具合に消してくれている。

 

 個人輸入等で買うことも考えたがけっこう割高だ。いつかタイに行く機会があったらまとめて買い込もう。

 ……と誓ってからしばらく経つうちに、ご存知のとおり、日本でも正式に「カップヌードル トムヤムクン」が発売された。

 待ちに待った商品。待ちに待った味。

 本場の味をよく知る人にはもしかしたら物足りないのかもしれないが、俺の記憶にある味とは寸分違わない。美味い。

 販売不振で早々に生産終了しては困るので、応援の想いも込めてたくさん買った。

 一時品薄な時期もあったが、その時も日清直営通販サイトからダース単位で注文できたので、箱買いした。

 

 日本国内で広く売るにはなかなか挑戦的な味なので心配していたが、俺のように夢中で食べた人が多かったのだろう、「カップヌードル トムヤムクン」は今も店頭に並んでいる。

 

 そんなある日、今から半年ほど前のことだ。

 いつものように近所のスーパーカップ麺売り場を見ていたら、ある商品が目についた。

 「カップヌードルリゾット トムヤムクン」。

 即座に買い物かごへ放り込んだ。

 

 さっそく翌日の昼休み会社食堂作ってみた

 作り方の基本は「カレーメシ」なんかと同じだ。蓋を開けて規定量の水を入れてよく混ぜて蓋を被せてレンジでチン。あと、こいつの場合は食べる直前に入れる「トムヤムクンペースト」が付いている。

 

 作った。

 レンジで温める5分間がとても待ち遠しく感じた。

 

 食べた。

 慌てて口に入れたら熱い熱い熱い。熱すぎて味もよくわからない。

 

 よく混ぜてよく冷ましつつ、ゆっくり香りを楽しみながら味わった。

 

 暖かい

 酸っぱい。

 辛さは控えめ。

 数種のスパイスの混ざった複雑な香り

 米はスープを吸って粘り気のある食感。

 

 ひと口、ふた口と食べ進めるうちに、

 妙な、感覚を覚えた。

 

 ……この匂い、この味、この食感。覚えがある。

 

カップヌードル トムヤムクン」のそれとは違う。

 麺ではなくリゾットからこそ呼び出された、別の記憶の引き出し。

 

 スプーンを持つ手を止め、沈思黙考。

 

 何だ? この嗅覚と味覚と食感に覚えのあるものは……。

 

 

 

 あ。

 

 

 

 あ、ああ……。

 

 

 

 あ、あ、あーーー!!

 

 

 

 ま。

 

 

 

 ま、ままま。

 

 

 

 ま ん こ だーーーーー!!!

 

 

 

 まんこだ!

 

 

 

 まんこまんこまんこまんこだ!

 

 

 

 これ、まんこの味がするよー!!

 

 

 

 慌ててスプーンで掬って、もう一度パクリ

 

 まんこ味! 間違いなくこれ、まんこ味!(五七五)

 

 生暖かさといい複雑な香りといい酸っぱい味といい、ヴァジャイナそのものだよ!

 

 なんで俺は会社食堂女性器そっくりの食べ物を口に運んでいるんだ!

 

 ランチタイムクンニリングス

 韻を踏んでいるようでさほど踏めてなかった!

 

 まだ8割くらい残ってるけど、俺このおめこ味の食品をこの調子で完食できるか!?

 

 もうね、手元のカップの中身が陰核と大陰唇と小陰唇の織りなす小宇宙しか見えない。

 

 五感のうち、嗅覚と味覚と触覚の3つがぼぼそのもので占拠されてるんだぜ?

 

 そりゃあ視覚聴覚もつられて騙されるわ。

 

視覚「あー、これに見えるはしとどに濡れそぼった秘裂ですわ」

 

聴覚「せやせや、クレバスからとめどなく溢れる愛液がいやらしい音を立てとる」

 

 出ましたよ、五感の総意が。

 

 満場一致でまんまん認定

 

 

 

 数分後。

 

 全身全霊をもって女陰と認めた代物を、苦労して完食。

 

 正直きつかった。

 

 職場の昼休みNHKニュースをBGVにして擬似クンニ体験なんてするもんじゃない。

 

 

 でも。

 

 もし俺が童貞真っ盛りの中高生だったら、間違いなく箱買いしてただろう。

 

 手のひらと指全体を使ってカップの温もりを感じつつ、肺が破裂しそうなほど深呼吸しつつ、総入れ歯を失くした老人でも咀嚼できるくらいに柔らかくなるまで口内で味わい尽くすでしょう。

 

 いや、それだけじゃ済まないな。

 

 突っ込んでるな。

 

 ちんちんを。

 

 突っ込んでるな、ちんちん

 

 間違いなく。

 

 そんで火傷してるな、温度調整を誤って。

 

 世にはカップヌードルを用いた自慰行為があると聞くが、それは一度も実行しようと思わなかった。

 

 でもこいつの場合は訳が違う。

 

 そいじょそこらのオナホ再現できているのは精々、形状とか触感とか温もりとかでしょう?

 

 こいつは次元が違う。匂い触感の域にまで踏み込んだ前代未聞のジョークグッズである

 

 TENGAは今すぐ日清コラボ企画を持ち込んだほうがいい。

 

 もし、この増田を読んだ中高生男子コンビニスーパーレジうつむき顔で「カップヌードルリゾット トムヤムクン」を持ってきたとしても、店員さんには優しく接していただきたい。

 

 取り急ぎこちらからは以上です。

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