2013-09-02

萌豚(便宜的に男で、美少女萌えられる人たちのことを指すとして)が腐女子を語るのは難しい。

萌豚としては、男同士のカップリングは理解しがたい。それは男が男を好きになるのは何だかんだでマイノリティなわけで、それを妄想するのが難しい。BLセクシャルマイノリティを扱ったものではないにしても共感は難しい。

それでもちょっとその深淵を覗いてみたくなった。

覗くためのキーワード百合だ。女性同士の恋愛を扱ったアレだ。百合は、女学校の生徒たちの間で流行ったエスという関係から来ている。女の子はお砂糖スパイスと何かステキものできている。エスは同性だけの共同生活でのスパイスであったのだろう、と思う。

百合ルーツ腐女子側にあり、それが萌豚のところにも浸透しているということだ。だから百合をたどることで、BLについて何かが分かるんじゃないか、と思ったりする。

じゃあ、百合って何だ。

萌豚的な百合っていえば、東方二次創作かなと思う。少女しかいない作品で、その少女同士の恋愛っぽいものがでてくる。マリアリが俺のジャスティスとかそういう感じ。マリアリの何がかわいいのかっていえば、外交的で恋愛には無頓着魔理沙アリスが恋してしまって、魔理沙の何気ない仕草にどぎまぎする姿がかわいいのかもしれない。もしくは、完璧で付けいる隙のないアリスが、まだお子様な魔理沙に大人な態度で接する――さらっと魔理沙キスしたりとか――で、魔理沙が思わず赤面するのがかわいいのかもしれない。

アリスかわいいし、魔理沙かわいいし、それがいちゃつけば光と闇が両方そなわり最強に見えるみたいな感じでかいわさが最強だ。

百合にはカップリングというものがある。

ハーレムものでもあるのだろうし、ごくふつう青春ドラマでも誰と誰とが惚れた腫れたのという話にもなるだろうけれど、百合場合カップリングは特殊だ。

その特殊さは、原作カップリングが語られていない、ということだ。

原作ストーリーキャラクターとのなかに、カップルを見出す、作りだしている。目の前に素材があり、その素材同士の関係萌える。この関係を見出すことが肝だと思う。

東方カップリング原作の数少ないセリフ存在しない行間二次創作での盛りあがりなんかでキャラ同士が関係を持って、それが恋愛に発展して、その恋愛しあうキャラがかわいくて萌えるのだと思う。

魔理沙魔理沙だけでも可愛いけれど、だれかとカップルになっている魔理沙のほうがもっと萌える。誰かとの関係のなかでいろいろな表情、感情を見せる魔理沙かわいい

百合双子のような関係BLも、キャラ同士の関係大事なのだろう。

攻め受けの逆転で別ジャンルというのも納得できる。萌豚以上に関係に拘っているのだ。誰がだれを愛していているのか、愛されているのか。誰というのは、実際にはあまり重要ではないのかもしれない。天井と床とに萌えるという話は、きっと天井と床とがいいのではなくて、天井から見た床がどういうものなのか、床から見あげた天井はどういうものなのか、という関係性に萌えがあるのだと思う。決して届かない、もし天井と床とが出会ときは二人が終わるとき、みたいな関係性を見出したら、それで切なくなれるのかも・・・しれない。天井と床とは、そのときにはそれぞれ違う何かの例えになっているかもしれないけれど。

から、萌豚が腐女子を語るのは困難だ。

同性同士の恋愛という点では似たものを持ち合わせていても、どういう関係かといったところには無頓着から、分かりにくい。

そういう意味で、エスも女学校という閉じた環境、先輩と後輩という関係同性愛タブーといった色々な環境のなかでの告白、特別な関係というところが刺激的で心に響いたのだと思う。

たとえば、マリみてを読んでも、萌豚は祐巳が好き過ぎる祥子様に萌えて、腐女子としてはお嬢様完璧ちょっと抜けたところもある祥子様と平凡で愛嬌のある祐巳とが友人以上恋人未満な関係であるところに萌えているのかもしれない。

リヴァイ兵長腐女子に人気だ、と聞くとどうしてもリヴァイ兵長個人に焦点を当ててしまいがちだけど、きっとそうじゃない。リヴァイ兵長というキャラが誰かと関係すること、その関係リヴァイ兵長がどう反応するのか、どういう感情を見せるのか、みたいなところを考えないと分からないのだろうなーと思う。

なんというか、そのキャラ個人が好き嫌いという萌豚と、そのキャラとあのキャラとがどうだから好き嫌いという腐女子とでは、同じ作品でも見てる場所が違うのだろうから、分かりあいにくいよね、ということ。

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