2021-11-09

休業支援金受給しながらちょっとだけ働く話

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金という制度、今では知ってる人も多いこの制度の内容は以下の通りだ。

新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対し、支給します。

コロナ禍前にフルタイム勤務していた仕事の休業支援金を受け取り続けながら、別の仕事を見つけ、そこでもフルタイム勤務の給与を受け取っている人が大勢いるというツイートを前々からよく見かけていた。

自分は「何かしらの事実関係勘違いしてそう見えるんだろう」と思い、読み流していた。

大勢って何人? 大勢根拠は? とか思っていた。

「実際にそのような事をしていても、労働局にチクられたら一発でアウト(不正受給)になるんじゃないか? 何故、労働局にチクらずにTwitterなんかに書くのか?」とすら思っていた。

ところが、先日、「コールセンターでそういう申請の仕方をするように指導している」旨のツイートを見かけた。

コールセンタースタッフピンキリで誤った内容の案内をしてしまうこともあるしな〜」と思いつつ、時間があったので電話してみた。

結論から言うと、コールセンターの回答は不正ではありません」だった。

コロナ禍前にどれくらい稼いでいたらどれくらい支給されるのか?

コロナ禍前の平均月給30日/月の支給31日/月の支給
30万240,000248,000
25万199,980206,646
23183,960190,092
20159,960165,292
18万144,000148,800
15万120,000124,000

別のバイト先を見つけると、大体同じくらい稼げる人が多いと思う。

から上記支給額に単純に元の額面給与を足した額が手に入ることになる。

25万円稼いでいた人が、約20万円の休業支援金を受け取りつつ、新しいバイト先で25万円を受け取る。

ここで大事なのが、休業支援金は非課税ということだ。

課税なので休業支援金を何十万、何百万貰おうが、所得税はかからない。扶養から外されることもない。住民税も取られないし、国民健康保険料が上がることもない。

ふぇぇぇ、この制度やばくない?

Bさんが1日9時間、週5日の勤務で月25万円稼いでいて、他のフルタイム勤務の仕事を見つけて働き出した場合、前の職場で勤務することは現実可能性がない。

だって運良く勤務時間が被らなかったとしても、1日9時間+9時間=15時間働いて、通勤時間もかかって、いつ寝るの? それを週5日ずっと続けられるの?

それでも「退職に関する書面がない限り、休業支援金を貰い続けることは不正ではない」というのが厚労省の回答だ。

口頭で辞めますと告げたり、バックレで辞めたりするバイト退職に関する書面って作ることあまりないと思う。雇用保険に加入してなければ離職票すら必要ないし、源泉徴収票退職日が書いてあっても拘束力はないからだ。

それでもどこかでバレて返還請求されるんじゃないの?

されない。

まず、休業支援金申請する際、今現在働いているか、どこかで給与を受け取っているか収入があるか、いずれの申告も必要がない。だから事前の審査がない。

次に、休業支援金は非課税なので、年末調整確定申告所得として申告する必要がない。国保年金減免審査においても、所得ではないので申告する必要がない。だから事後の審査もない。

そして何よりも、事後的にバレても不正ではないため、返還請求もされないし、いかなる制裁も受けないとコールセンターお墨付きが貰えた。バレたところで「だから何?」で終わり。

この制度やばいのはまだまだこれからだ!

緊急小口資金総合支援資金名前を聞いたことがある人も多いと思う。

コロナ禍での減収や失業に対し、国が無利息で貸付をするという制度だ。

これは本来、利息付きの貸付であったり、保証人を立てないといけなかったりする貸付制度を、コロナ禍という緊急事態であることを理由特別保証人不要・無利息で貸し付けるという制度だ。

最低賃金で働いていた貯金もない人たちが、コロナのせいで突然失業して今日食べるものもない、光熱費が払えない、家賃も払えずに追い出されたといったような過酷な状況に陥った救済になるのかと当初批判が多かった。返済できるわけないじゃん、と。

その後、償還(返済)免除の条件が公表された。

【緊急小口資金

・令和3年度または4年度のいずれかが住民税課税である場合

総合支援資金

・初回貸付分:令和3年度または4年度のいずれかが住民税課税である場合

・延長貸付分:令和5年度が住民税課税である場合

・再貸付分 :令和6年度が住民税課税である場合

この「住民税課税」という条件、休業支援金はいくら貰っても関係ない。だって課税から住民税に影響しないもん^v^

具体的に計算してみよう。

東京都最低賃金が1,013円、今年10月1日付で1,041円になったので時給1,050円で考えたいと思う。

Aさんは時給1,050円で1日9時間、ひと月22日働いていた。

給与207,900円に加え、交通費30,000円が支給されていた。もちろんここから各種税金天引きされるので全額は手元に入ってこない。

コロナ20203月のうちに失業してしまったが、幸い休業支援金支給対象となった。

支給額は190,320円、31日ある月は196,664円だ。

総合支援資金というものがあるらしいが、緊急小口資金を先に利用するように言われたので緊急小口資金を申し込んだ。

Aさんは単身世帯だったので貸付額は15万円だ。

続けて総合支援資金の申込みをし、月15万円×3ヶ月の支給だ。

更には総合支援資金(延長)で月15万円×3ヶ月、総合支援資金(再貸付)で月15万円×3ヶ月も申し込んだ。

2021年には生活困窮者自立支援金で月6万円×3ヶ月も申請した(これは2021/11/9時点では所得として課税対象だが、「今後、非課税措置要望等を行っていくことを検討している」らしいので非課税とする)。

Aさんは運良く上記情報を掴み、バイト先を探した。

課税に収めるため年収100万円以下(参考:家族と税(国税庁))でなければならないので月8万円の収入となる。

ちなみに実費を超えない交通費給与ではないためこの年収100万円や月8万円には含まれない。

1日6時間を週3日くらいこなせば月8万円くらいとなる。

202010月に月8万円の新しいバイトを始めたとしよう。給与が出るのは11からだ。

2020/042020/052020/062020/072020/082020/092020/102020/112020/12
休業支援金190,320196,664190,320196,664196,664190,320196,664190,320196,664
緊急小口資金00150,000000000
総合支援資金000150,000150,000150,000150,000150,000150,000
生活困窮者自立支援000000000
新しいバイト000000080,00080,000
2021/012021/022021/032021/042021/052021/062021/072021/082021/092021/102021/112021/12
休業支援金196,664177,632196,664190,320196,664190,320196,664196,664190,320196,664190,320196,664
緊急小口資金000000000000
総合支援資金150,000150,000150,000000000000
生活困窮者自立支援000000000000
新しいバイト80,00080,00080,00080,00080,00080,00080,00080,00080,00080,00080,00080,000
2022/012022/022022/03
休業支援金196,664177,632196,664
緊急小口資金000
総合支援資金000
生活困窮者自立支援000
新しいバイト80,00080,00080,000
20202021年2022年全期間
課税合計2,794,6002,945,560570,9606,311,120
課税合計160,000960,000240,0001,360,000
課税と非課税の合計2,954,6003,905,560810,9607,671,120

Aさんの元の年収は270万円くらいだ。それが年収を大きく超える額を手にしても尚、所得税ゼロ円、住民税ゼロ円、年金保険料免除国保は最低納付金額で済む。

2020年、2021年については、コロナの影響で減収した人は国保免除されている。当然、国民皆保険制度の利用は制限されないのでタダで自己負担料3割の恩恵を受けられる。これだけの額を手にしていてもだ。

緊急小口資金については2021年年度住民税が非課税なので償還免除をされ、一円も返さなくていい。

総合支援資金(初回)については、2022年度住民税も非課税なので償還免除をされ、一円も返さなくていい。

総合支援資金(延長)については、2022年12月までは月8万円のバイトしかしてなければ2023年度住民税も非課税となるため償還免除をされ、一円も返さなくていい。

総合支援資金(再貸付)については、2023年もずっと月8万円のバイトでやりくりしなければならないのを耐えられるか耐えられないかで分かれる。が、別に借りなくても45万円非課税お金が得られなくなるだけで、300万円近いお金を非課税で得られるなら45万円は諦めてもいいと思うので、デメリットにはならない。

休業支援金が非課税なのはいいけど、不正を防止する観点から確定申告時に添付とかする必要があるんじゃないかと思いませんか?

いいえ、これは不正ではないため、後から発覚しても何の処罰もなければ返還請求も受けません。

ちなみにここで挙げた制度はすべて厚生労働省の所轄なので、省庁間ですり合わせができてないとかではない。

厚生労働省が開設しているコールセンターが「不正ではない。それが厚労省としての回答である」と断言している(上の人にも何回か確認してもらった)。

ふぇぇぇぇぇ、この制度やばすぎ。

時代の流れに乗り遅れるな!

緊急小口資金総合支援資金生活困窮者自立支援金は今月末が申請締切だ! まだまだ締め切り延長される可能性もあるぞ!令和4年3月末日まで締め切り延長されました。

休業支援金20204月まで遡って申請できるぞ! こっちはなんと出血サービス2022年3月まで支給対象だ!

特に日雇いシフト制のアルバイト諸君! 事業主が協力しなくても「休業前6か月以上の間、原則として月4日以上の勤務がある事実確認」できれば休業支援金を貰えるぞ!

何が有利って普通仕事みたいに離職票退職に関する書類がないため「既に退職してる」なんて誰にも証明できないぞ!

コールセンタースタッフに何回も念を押して確認したが、不正行為でないのはもちろん、不正行為ではないのでこの話を皆に伝えて皆で休業支援金を働きながら貰っても問題にはならないと断言してくれたので、全員申請しよう!

真面目に働くのアホくさ。

追記

休業支援金を満額貰いつつ、転職してフルタイム給与満額貰う方がトータルでお得というのはそのとおり。

この記事はいかに税金を支払わずに、福祉制度を「賢く」利用するかについて書いた記事なので悪しからず。

「賢く」というのは、制度抜け道を利用するのではなく、厚労省が推奨している制度の正しい利用方法を指している。個人的には正しいとは思っていないので鉤括弧付きにしているが、厚労省曰く不正でも悪用でもない。

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