はてなキーワード: 正義の味方とは
ふと思ったのですが、皆さん自分が「どの会社と」「どんな内容のサービスを」「どういう契約で」しているかちゃんとご存じでしょうか?
最近イーモバ絡みで思わぬ請求が発生し、「そんなの知らない!詐欺だ!」と主張されている方がいます。
http://emobiletrickspeople.blogspot.com/
自分これを見て「あー、ちゃんと契約内容やサービスの詳細を確認してなかったんだねぇ」と感じました。
が、はてブのコメントを見ると、あくまで他人事として「イーモバはやっちゃったね」「イーモバは悪」と言った論調が多くて正直驚きです。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://emobiletrickspeople.blogspot.com/
あのー、この問題、誰でも起こりえるものなんですが…
はてブを利用している方なら、自分が結んだ契約の内容について一度は目を通しているような方が多いと思ってましたが、どうやら違うんですね…
今回の事例を題材に、注意喚起の意味合いで色々書いてみます。
まず、今回のような料金関係のトラブルが発生する要因を列挙してみます。
口を酸っぱくして言います。
月額○円というサービスは『契約である』ということを確実に認識して下さい!!
「スーパーで今日の晩ご飯のおかずを買う」のとは全く違うんです!!
あなたが勝手に想像したとおりに料金が発生したりしなかったりするのではないのです。
また最悪の場合、あなたが望むサービスが受けられなくても料金は発生するんです。
「サービスが受けられないのに料金が発生するって詐欺じゃん!」と考える方がいらっしゃるかもしれませんので、とても身近な事例を挙げます。
上の例では望んだサービスが受けることが出来ていません。
でも、大概のケースでは通常通り料金が発生します。
またこれまで支払った料金が返納されることはありません。何故でしょうか?
答えは簡単で、「契約の中でそう定めているから」です。
「圏外で使えなくても保証しないよ」「ブロードバンドだけど速度は保証しないよ」と書かれていればそれまでです。
またキャンペーンを筆頭に料金プランもなかなかの曲者で、「この条件を満たす人だけ割引だよ^^」と書かれていればそれで 糸冬 了 です。
他に何か契約書やサービス規約などに書かれていなければ、利用者側に何かメリットをもたらすようなプランになることはまずありません。
保険も同じで「ここに記載のあることだけお金出します^^」「この場合はNGね^^」と書かれていれば、それ以上のことはしません。
そして、間違った説明・虚偽の説明を受けて損害を被ったならば、「詐欺」と言えるでしょう。
しかし、契約書あるいはそれに準ずるモノ、告知などが定めている通りサービス提供会社側が動いているにもかかわらず、「詐欺」ということはまず出来ません。
「自分が望んだサービスが受けられていない」「バカ高い料金が発生した」といった、あなたにとって予期せぬトラブルとしてまず認識されます。
次に、あなたはサービス提供会社へ連絡します。そこで契約に基づいて保証される内容であれば、丁寧な謝罪を受けつつ保証を受けることができます。
しかしそこで保証されない内容であれば、大概は相手側の説明と謝罪で終了です。それ以上はありません。
「だって契約の通りっす><」「契約書とかサービス規約とか約款とか告知とかにちゃんと載せてます><」「うちのホームページからも確認できるよ!><」
このときに「どうして料金が発生するんだ!」と会社側に聞いて、そこで初めて契約内容やサービス内容を把握される方が多いと思われます。
# なお、「金は払わん!」といったら「お金は請求されます><」という趣旨を伝えられます。
# ちなみに何もせずに本当に払わなかったら債権と化します。
# 詳しくは知りませんが、債権は専門に取り扱う業者に売られるようで、この段になってしまうと法律上どうしようもないことになるという噂…
で、サービス提供会社側の説明に納得がいかないとなると、国民生活センターなどへ相談にいくことになります。
大概は、「そんな料金が発生するなんて聞いていない」「事前に説明を受けていない」といった内容で相談することになりますね。
ただし国民生活センターならびに関係機関について誤解されている方が多いので先に言っておきます。
あそこに行けば何もかもが解決するとは思わないで下さい。お金が戻ってくると確信しないで下さい。
迅速に解決できるのは、明らかに法を遵守していない悪質な場合だけです。
国民生活センターは「正義の味方」と言えるでしょう。悪と戦うには心強い味方です。
しかし戦う相手が悪ではない場合、その正義の味方はどう戦うのか?
結論として、正義の味方は戦いません。消費者側・企業側双方から聞き取りを行い、双方にアドバイスをするのがメインです。
また、特定の企業で特定のトラブルがあまりに多発し、企業側に改善が見られない場合には、国民生活センターのHPなどで「この会社こんなトラブル起きてるから気をつけて!」と『告知』しています。
でも特定の誰かのお金を取り戻すような戦いは…
「企業側の意見を聞いてみたら、『必要な情報はちゃんとWebに公開してる。こちらの対応に落ち度はないからお金は払わない』って主張だよ。どうする?もう後は裁判するしかないね☆やるなら自分で頑張ってね^^」って感じかと。
企業に対して改善要求はしてくれるだろうけど、返金は難しいかと。
あとはもう裁判だけです。
契約書や約款があるといえど、相手の法解釈がビミョーで貴方が勝つかもしれません。
でも、特に中堅ー大手企業だと、契約書や約款の内容は練りに練り込んでますし、ぶっちゃげ勝てるんでしょうかね。
それってどうなの??そもそも企業と喧嘩することが最初の目的じゃないよね?
以上のように、『契約』とはトラブルになったときに非常に面倒です。
企業側は『こちらは契約通りに動いています。必要な説明も公開していますし、不明点は相談があればちゃんと答えてます。もちろん法令も遵守しています。』と主張してきます。
そういわれたら後は本当に裁判するか諦めるしかないんですね。
しかし、携帯やISPの料金みたいにせいぜい数千、多くても10万程度であれば、コスト対費用の面で釣り合いが取れません。
じゃあどうすればいいか?と言えば、事前に調べて身を守ることしかありません。
で、こういうことを言うと「契約書とかサービス詳細とか長くていちいちみないよ!めんどくせーじゃん!」と言う方がよくいます。
大体そういう方がこの手のトラブルに巻き込まれる、もしくは引き起こします。
これは確認しない人が悪いとか、会社が悪いとか、そういうことを言いたいのではありません。
(場合によっては会社が悪いと判断されるケースもザラにありますし)
一番言いたいことは、トラブルが発生して最終的にお金は戻ってきたとしても、その時間や労力は戻ってきません。
また二次被害があったとき、その分の損害が補償されることはほぼ無いです。
「安全に生活したいなら、それだけの時間的な投資は事前にしておいた方が良いよ」って言いたいだけです。
いつもどおりはてなブックマークで放言を楽しんでいたらなんか絡まれた。
私が、
とコメントしたところ、かよこさんという人から、
[正義][悪]>コンビニ店員さん ちゃんと考えた上で、分からんと仰っているんですか? 当然、これだけ問題視している人が沢山いる対象についてそう仰るのだから、なぜ「さっぱりわからん」のか、ちゃんと説明出来ますよね。
という指摘を受けたのだ。
問題視している人が沢山いることと私の説明責任の関係はいまいち不明だが、とりあえずそれはおいといて上のコメントについて説明すると、私が「わからん」のは、突き詰めると正義の味方と悪の秘密結社と宗教の違いだ。3つとも同じに見える。要は人間が信じるか信じないかというだけでしょという点において。宗教も正義の味方も、人間にあたかも世の中に客観的な真理があるかのように思わせる手段に過ぎない。
ただ残念なことに、どうやらこれ以上突っ込んだ説明は二日酔いの頭では無理のようなので、Wikipediaにあったそれっぽい部分を貼って一旦終わりにする。下に書いてある通り、正義の味方は正義ではない。私の認識では巷に溢れかえる悪の秘密結社批判は単なる正義の味方信仰に過ぎない。悪の秘密結社批判に余念がない人は、世の中の人が全員正義の味方を信仰しているとでも思ってやしないだろうか。その<普遍性>も「わからん」。と言っておく。
スクウェア・エニックスの漫画雑誌『ヤングガンガン』に連載されている。単行本は2008年10月現在、7巻まで刊行。
神奈川県川崎市を舞台に、世界征服を企む悪の怪人組織フロシャイムと正義の味方のサンレッドの闘いを描くギャグ漫画。
主人公は一応サンレッドとなっているようだが、実質的にはフロシャイム川崎市支部幹部のヴァンプ将軍を始めとする悪の秘密結社側が主人公となっている。
怪人の性格は、フロシャイム川崎市支部幹部であるヴァンプ将軍を始め地球や人に優しいが、一方正義の味方であるサンレッドは粗暴なうえヒモであったり、悪と正義の性格が逆転している。
もし今後上記について質問やコメントがあったら、追記で対応したいと思う。よろしく。
一応言っておくけど、正義の味方批判じゃないよ。悪の秘密結社批判の批判だから、正義の有用性を指摘するのはやめてね。
詐欺とかと関連づけて考えちゃう人の気持ちはわからんでもないけど、詐欺は悪の秘密結社の結果じゃないでしょ。逆。詐欺ありき。悪の秘密結社に罪はないだろ別に。
いまヨーロッパの某国にいる。そこから日本のニュースを見てると呆れることが多い。今はなに、米で騒いでるそうだ。僕もちょっと調べてみて、なんだと思った。騒ぐほどのことじゃないし、農政の問題が結果的に暴露されちゃっただけじゃないか、と。いまやブログでも簡単に事態が理解できる。でも、マスコミの論調は例によってそうじゃない。古館やみのもんたの顔が浮かんできた。あいつら、また正義の味方ヅラしてエラそうに言ってんだろう。あーあ。
外国にいるとよく分かるけど、日本って本当に情報鎖国をやっている。いまだに「依らしむべし、知らしむべからず」。外国語ができて他国の情報を比較できればいいんだろうが、日本人の大半は外国語ができないし、学校で勉強して以後はアルファベットにさわりもしない。日本語だけの言語空間がきれいに成立してしまってる。それにネットなんてこれだけ広まってもたいしたことないから、結局日本語マスメディアの一人勝ち。こりゃ、あまりに為政者に都合がいいというか、なんというか、まるで北朝鮮と同じだ。米の話だってうわーっと騒ぐだけ騒いで叩くだけ叩いて、また別のネタに移って前のことは忘れて、の繰り返しになるんだろう。本当に大事なことは国民に知らされない。日本人って海を知らない蛙でしかないんじゃないだろうか。
でも、海を知らない蛙は必ずしも不幸ではない。知らぬが仏、むしろ知らないほうが幸せなのかもしれない。そう考えると、日本語は天然の城壁・防壁(障壁ではなく)であって、日本人の利益や生活を守っている面が確かにある。だから、一概にどうとはいえない。
いえないけれど、それにしても。もうちょっとなんか他のやり方・あり方があるんじゃないのかよ。もうちょっと自分でものを考えるようにはならんのかね。
http://anond.hatelabo.jp/20080908053206
というか児童文学館の業績ってどう評価するんだろ。金生まないだろ元々。
利用頻度だよ。全国の自治体で簡便だからと利用されている。
利用頻度全体を下げる招かれざる客は、図書館の生命をも止めかねないほどの危険な存在。
つまり専用の施設を作らなければ結局は諸共に自滅なんだよ。
そこがわからずに、というか頑として認めようとせずに、他人の迷惑は100年でも
我慢出来るって言う態度で無理を通そうとしているのが、最近の図書館戦争で
見掛ける頭の悪い連中の腹に据えかねる所だね。
他人を悪し様に言って、事態を悪くする一方の暴論を喚き散らし、
自分は正義の味方だと僭称していい気になりたいだけなんだろうけど、
現実の弁護士は別に正義の味方でもなんでもない、商売人だとわかったのは、
俺が悪いのかもしれない。その可能性はある。
しかし、人の紹介でビルに事務所を設けている弁護士に相談に行ったら、
「民事ってのは結局は商談なんですよ。どっちが良いとか悪いとかではなく、
どうやって収めるかの話し合なんですよ」
紹介者がいたら、その紹介者に「どんな弁護士だったか」って印象が語られるから、下手な対応は出来ない。
しかし無料法律相談所に来る連中には、そんな気遣いは無用だから、(苦労の割に金になりそうもないな)と思ったら
「あなたが我慢しなさい」と平気で言えるのは、確かだ。
「全体最適はナチ」どころか、「合目的性はナチ」なんてタグも必要になってきたな。
2008年08月09日 K416 追記2部分。hokusyuさんは経営学全般を指してナチスだって言ってる(経営学全般を批判してる)のではなく、ある経営学者が理想とする組織がナチスと通底する部分があると言ってる(ある経営学者を批判してる)ような。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080808/p1
そうなるとどんな組織も目的を意識して活動する点でナチに通じることになると思うが...。それだとある経営学者ではなくどんな経営学者(含むドラッカー)が論じる組織は全部ナチに通底するだろ。
あなた、それ本気で言ってますか? そうすると、fuku33先生≒ナチス呼ばわり!? 問題というのがまた出てきてしまうんだけどねえ・・・。以下はid:K416さんが何をなさっている方なのか存じ上げたうえでわざと書きますが、たまに医療哲学とか医療史とかやっている先生には、医学史の抑圧的な暗い側面への傾倒が過ぎて、余りに単純な反医学主義に陥っていく方がおられるわけです(もちろんその辺りはK416さんが御専門でしょうから、「それは偏見だ」「そんな絵に描いたようなアホな研究者はいない」という反論もあることでしょうし、それはそうなんでしょう) ただ万が一、hokusyuさんが「ある経営学者が理想とする組織がナチスと通底する部分があると」本気で思っておられるとすれば、自分が脳内で偏見を持って作り上げている「絵に描いたようなアホな研究者」そのものだなあ、と拙のような「あたまがわるい」人間は独り善がりに笑ってしまうのでした。
いやいやHALTAN、「正気で言ってますか?」と聞いたほうがいいよこれは。
もともとこの一件は、誰かを叩く快感を満たしたい、吊るし上げたがり屋たちがスケープゴートを見つけたと思ったらその認定の穴をつつかれていると見えるな。
NakanishiB 2008/08/08 11:34 >しかしなんですかこのまるで他人事みたいな態度は
魯迅を援用すれば「フェアプレイにはまだ早い」ということではないでしょうか。22世紀ごろにはフェアプレイでやってくださると思います。だとしたら水に落ちたときも覚悟してほしかったものです。
リンチされるときは往生際よくしろ、とでも言いたいのかね。正義の味方は大したもんだね。
Wallerstein 2008/08/09 06:59 上の私のコメント中の「あたまがわるい」タグ、については、「あたまがわるい」メソッドに訂正させていただきます。
この「訂正」は意味がないだろ。最初にタグをつけてHALTANを馬鹿にした側にブーメランが帰ってきただけで、「あたまがわるい」と罵った側が自縄自縛になっただけで、それをさも相手が卑劣な「メソッド」を使ったかのように言っちゃいかん。Wallersteinは暑さでどうにかなったのか、単に言い方を訂正するのではなく、最初の自分の言い分を撤回しなさいよ。最初に「あたまがわるい」という貶め方をして議論を成立しなくした側に苦言を呈するならともかく。言葉遣いの問題ではなく、ロジックの問題だろ。
普段キャッキャウフフしてる身内で固まって庇いあっても、後から言い分の無理が無理でなくなるわけではないんだからさ、まあ、頑張ってくれたまえよ。
アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
に触発されて作ってみた。少しも反省していない。
(2008/8/4 追記)
d:id:Ryuzu が素晴らしいネタを作ってくれました。
ボカ廃が非ボカ廃の彼女にボカロアングラ曲を軽く(?)紹介するための10本 - アングラっておいしいの?
(2008/8/6 追記)
d:id:he-noki が10本選んでくれました。
真面目に10本紹介しています。
ボカロ廃が素人にボカロオリジナル曲を軽く紹介するための10本 - 耳小屋
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まあ、どのくらいの数のミク厨がそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「ミク厨ではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らない初音ミクの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ボカロ曲のことを紹介するために
聴かせるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にボカロ曲を布教するのではなく
相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴うぼからん未掲載の大量のミク曲は避けたい。
(名誉の除外は例外)
できれば音楽ランキング入り、少なくとも合計再生数100位以内の作品にとどめたい。
あと、いくらミク厨的に基礎といってもオリジナル曲でないものは極力避けたい。
新参のミク厨が『星間飛行』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
ボカロ曲の知識はいわゆる「組曲」系動画で聴いたり、ねんどろいどのミク動画を見たことがある程度
ニコ厨度も低いが、頭はけっこう良い
という条件で。
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「メルト以前」を濃縮しきっていて、「メルト以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。再生数も200万越えだし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
このべたべたなラブソングについて、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
アレって典型的な「ミク厨が考える一般人に受け入れられそうな曲(そうミク厨が思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「ミク厨としてはこの二つは音楽としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種のミク厨が持ってる曲の背景への妄想と、鏡音リンのミクとは少し違う独特の声を
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもトラボルタP的な
リンへの愛情をこれでもか、というぐらいに詰め込んでいるのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを見た彼女は「お母さんのこと思い出しちゃった」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがミク厨の間では大人気になったこと、
メジャーレーベルならミリオンセラーになって、葬式の時の定番ソングになってもおかしくはなさそうなのに、
商業音楽でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱり音楽はノリの良さだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは私の時間
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるシンPの思いが好きだから。
どんな卑怯な手を使ってでも勝つ正義の味方、っていう設定が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その勝てば官軍的な発想そのものが卑怯だなあと思えてしまうから。
コテコテのヒーローソングを俺自身は陳腐とは思わないし、もうこれ以上のべたな曲はないとは思うけれど、一方でこれが
デッドボールPや乱数Pだったらきっちり名誉の除外にしてしまうだろうとも思う。
しかも、自身で歌ってみた動画を作るのみならず、デッドボールPやゆうゆP、暴走Pなどが自重せずに歌ってみた動画をうpしてしまう(デッドボールP、ゆうゆP、暴走P。特にデPの歌ってみたは必聴。これ以上ないというぐらい卑怯だから)、というあたり、どうしても
「自分の猛る気持ちを自重できないオタク」としては、たとえシンPや他のPがそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
ミク厨以外でこの曲を聴いたことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
メルトよりも前の段階で、bakerの音楽センスとか作曲技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの作品がインターネット上でこの時代に聴けたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくミク厨としては不思議に誇らしいし、
いわゆる組曲系でしかミクを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
ふたなりPの「センス」あるいは「曲づくり」をミク厨として教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「女の子からの一方的な愛情を表現した曲を聴きたい」的な感覚がアクティブさに欠け、女の子への能動的なアプローチが苦手なオタクには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそryoの作るメルトや恋は戦争、ワールドイズマインが大ヒットしたんだとも思う。
「自分のことを盲目的に愛してくれる女の子がいてほしい」というミク厨の願望が今日さらに強まっているとするなら、その「ミク厨の欲望」の
源は恋スルVOC@LOIDにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうエロゲOP的な男の劣情を刺激する歌詞をこういうかたちでボカロオリジナル曲にして、それが非ミク厨に受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にみくみくを選んだ。
メルトから始まってみくみくで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし(理由は毎週ぼからんを見てればわかる)、ニコニコを代表する作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。
「西岸良平って、あの『変な絵』で『昭和臭い』漫画の人だよね?」
その認識は、間違っていない。全くもって問題ない。確かになんの差し支えもないんだが、多くの人はビッグコミックオリジナルに掲載の「三丁目の夕日」しか彼の作品を知らない。映画で知ったり、コンビニ本で見たり。他に知っていても「鎌倉ものがたり」くらいだろう。
そして、彼の作品の対象年齢層は、主に50代以降。「古き良き昭和の時代」を少年時代/思春期として過ごして、思い出の1ページとして色濃く脳裏に焼き付いた世代。
要は、若い奴はまず「あの絵」で敬遠してしまう。「なんかきもい」「とにかくへん」「口がデカい」「あんな人間いない」「デフォルメされすぎ」「みんな似たような顔」「スターシステム使いすぎ」「古くさい」「進歩がない」「何よりダサイ」など(全て俺の偏見的「考えられる意見」だが)。
それは、あなたが「三丁目の夕日」しか知らないからだ、とここに断言する。そして力説しよう。
と。
リストとしては、
など。そしてこれらに「ある程度」共通する特徴を列挙しておく。
これらの要素の他に「SF」「超能力」「変身」「受験生」なども。そして、ここで注目すべきなのはなんと言っても「後味の悪さ」だろう。これこそが彼の短編集を薦める理由でもある。
ここで一例として「魔術師」収録の「ジキル博士とホンダ氏」のあらすじを記しておく。
二重人格の研究を続けている痔切(←ジキル。彼のネーミングセンスは好きだ)博士は、ある日「学業優秀・スポーツ万能・明るく温厚で正義感強く・やや協調性に欠ける」という「典型的な正義の味方」である本田氏に「もう一人の自分」を呼び覚ます効果のある薬を投与する。
気が付くと彼は「スーパーマン」の格好をして街を破壊している自分に気付く。実は、彼は元々クリプトン星で生まれたクリプトン星人だったが、かれらの星の滅亡の際に地球に彼を「最新の技術」で送っていたのだった。着陸時のショックで記憶を失っていたのが、その「薬」によって記憶を取り戻した。
そして彼は恐ろしい新聞記事を目にする。
「狂ったスーパーマンの恐るべき破壊により人類の危機迫る・・・」
最後に彼はこう泣き叫ぶ。
「ばっばかな!
これはみんな夢だ!
あの薬で見ている
悪夢なんだーっ!」
この話も含めて、全体的に読んだあと「うわあ・・・すげえ空しい・・・」「読むんじゃなかった」「かわいそうすぎる」「あまりにあんまりだ」「なんだこの虚無感・絶望感は・・・」などと非常にしんみりとした気分になる。あからさまなハッピーエンドもあるにはあるが、個人的には「力を入れずに」描いているように思える。
短編集で多く見られる「後味の悪い」作品には、「人間なんてしょせん」という彼のニヒリストとしての一面が垣間見られる。「美しい昭和」「なんとなく全てうまくいく」「しあわせな日常を送る人々」という、おそらく多くの「ライト西岸読者」の持つ彼への印象を、ことごとく打ち破る力が、短編集にはある。
ちなみにそれらは、1970年代後半に描かれたもので、初期の三丁目の夕日(プロフェッショナル列伝)よりも読みやすい絵、かつ「深い」「考えさせられる」話が多い。しかし残念なことに、それらは古本・オークション・マーケットプレイスでしか入手できない。絶版なのだ。
俺は、何らかの手段で購入することを強く勧めたい。特に「孤独」「非モテ」の層に対して。彼の作品に時折見られる残酷なまでの「現実感」は、月並みな言い方だが「ある種のカタルシス」を味あわせてくれる。そして時折見られる「ギャグとすれすれの不条理」もそれと合わせて、彼の魅力を引き立てている。
不条理と言えば「可愛い悪魔」に出てくる「自称」イエスキリスト2世だろう。虫歯が突然痛み始めた主人公の前に現れる彼(ちなみに彼、「その後のストーリーのなんの伏線にもなっていない」ところが逆に不気味さ出している)は自分を「イエスキリスト2世」と名乗り、彼が「アーメン」と唱えた瞬間痛みがスッと消えた。
そして彼は自分の人生について語り始める。彼は昔から、「人の痛みが自分に移ってしまう」人間であるという。病気の人間を見ると「相手はケロっとして自分の苦しみがドンと増す」ようになり、ある日「5人乗りの車が事故を起こした瞬間を目撃」した彼は「気が付くと宇宙を飛び回って」おり、降り立った星には砂漠が広がっていた。
ふと見ると十字架にイエスキリストがはりつけられており、「俺の代わりに神をやってくれ」と言われ、それから自分が「イエスキリスト2世」であることを自覚したと話す彼に、急に痛みが押し寄せる。彼は注射器を取り出し、自分の腕に注射。そこを警官に取り押さえられ「麻薬取締法違反」で逮捕され、唖然とする主人公一行、の図。
特筆すべきは、このシーンはこの後の展開に「なんの影響も与えない」点である。私の読解力では、そのシーンが一体何を意味するのかは分かりかねた。「彼なりの不条理」を「きまぐれ」に「遊び心」ではさんだ程度にしか考えていない。
2007.11.29(その3)
森田実の言わねばならぬ[757]
「稲は実るにつけて俯き、侍は出世につけて上向く」(日本の諺)
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11月中旬、東京の中心地で行われた経済人の会合に招かれた。40分ほど前に会場のホテルに着くと、主催者はすでに待っていてくれた。
しばらく3人の経済人と懇談した。それぞれかなりの大物経済人である。ひとりの経済人が言った。 「森田さん、最近、中央官庁が非常に強くなりましたね。戦後、中央官庁がこんなに強くなり、こんなに民間にきびしくなったのは初めてではないですか。国民は今の流れは“官から民へ”と思っているかもしれないが、実態は逆です。官と民の力関係は、官の側が強くなるばかりです。日本の現実は完全な(中央)官僚独裁国家ではないでしょうか」。
この見方は、私と同じである。最近、私の耳には各方面から「中央官僚が強くなった」「きびしくなった」「威張るようになった」「横暴になった」という話が断片的に入ってきていた。しかし今までの情報は経済界の中枢部からの情報ではなかった。今回の情報は日本の財界の中枢部にいる人の情報だった。財界中枢部にも冷静な判断力をもった人がいるのである。
数日前に、かなりハイレベルの経済人の集まりに講演に行ったときにも、同様の話を聞いた。ある経済人が言った。
「最近、公益法人法が大幅に改正されたのですが、実は法律ができあがってから、その法律のなかに当然入るべき“公益法人の定義”がなかったことに気づいたというのです。欠陥法律をつくったのです。そこで監督官庁で研究会をつくって、公益法人の定義についての議論を始めたのです。法律づくりがずさんなのですね。次々と法律をつくるものですから十分な審議が行われず、そのためにこんなひどいことが起こるんですね。ただ、公益法人法改正後、中央官庁の干渉はきびしくなりました。いちいち口を出してくるようになった。公益法人の自由度は狭まっています。最近、中央官庁は次々と法律をつくったり、改正したりしていますが、その都度、中央官庁の力は強くなっています。小泉内閣は“官から民へ”“民にできることは民に”と言っていました。国民はこれを中央官庁の権限を弱めることだと思いましたが、錯覚でした。逆でした。実態は、新法ができたり、改正されるたびに中央官庁が強くなっているのです。いまの日本は中央官庁の官僚独裁国家になってしまいました」。
小泉内閣以来の構造改革の結果、アメリカ政府とアメリカの巨大ファンドと日本の中央官庁の指導層が勝者となった。最大の勝者とみられていた日本の財界の地位はいまや傾きかけているのである。日本の「民」は中央官庁に負けたのである。中央財界からこのような告発がされ始めたことは、大変な進歩である。
山本尚利
1.猪瀬流の日本国批判
猪瀬直樹著「日本国の研究」「続・日本国の研究」文春文庫には、日本
の政官財の構造問題が事例中心に詳細に書かれています。誰でも、コレを
読めば腹が立ってくるでしょう。猪瀬氏は日本国の研究成果が認められて、
小泉内閣の下、道路関係四公団民営化推進委員会の委員に抜擢されました。
政府委員会は、これまで官僚からみてイエスマンの権威者を委員に選ぶの
が普通でした。小泉首相は、官僚の敵を委員会に入れたのです。この判断
は画期的でした。おかげでこの委員会はもめにもめて、マスコミに格好の
ネタを提供してきました。小泉首相は、同委員会に構造改革派を入れて、
国民の前に、道路族・国交省と小泉首相の対立の構造を鮮明にして見せま
した。この作戦は図星となり、2003年11月の衆院選挙で小泉は見事勝利、
国民に承認されたのです。衆院選挙後は、元のシナリオどおり、道路族と
手打ちして、道路公団問題のゲームは終わりました。小泉首相は、国民の
中に、悪役、道路族議員を支持する沈黙の人々が少なからずいることに着
目し、国民に紛れ込む無言の抵抗派を喜ばせたのです。まったく狡猾なパ
ーフォーマーです。日本において構造改革への抵抗派はバカではないので、
道路建設の無意味さを百も承知ですが、背に腹は変えられないほど切羽詰
まっているにすぎません。道路建設がまさに生命維持装置と化しているか
らです。構造改革派の猪瀬氏も委員に選ばれて、テレビへの露出頻度が上
がり、小泉首相へ大感謝です。ツケはまたも国民に押し付けられます。日
本国批判は、一定程度、ビジネスになることを猪瀬氏は証明してくれまし
た。これも小泉首相のおかげです。
小泉首相の手口は、野党的批判を身内に取り込んで、野党の攻撃を無力
化するものです。「自民党をブッコワス」というスローガンも同じ手口で
す。ほかの自民党議員より、若干スマートなだけですが、一時的には新鮮
な手口に見えました。
さて、前述の猪瀬氏は、日本の官僚、そして官僚に操られる自民党議員
がいかに私利私欲を追求しているかを克明に告発しています。彼は日本国
批判の急先鋒でしょう。日本国民の資産は、政官財の支配層によって、好
き勝手に食い荒らされていることが、猪瀬氏によって克明に検証されてい
ます。小泉首相は日本国批判のシンボル、猪瀬氏を取り込むことによって、
正義の味方、月光仮面を演じることに成功しました。小泉首相自身は、た
たき上げの鈴木宗男氏と違って、政治家ファミリーの2代目ですから、正
義の味方を演じるに十分、身辺はきれいであったのでしょう。小泉首相が
登場するまで、金権まみれの政治家しか首相になれなかったのが、運良く
構造改革の波に乗って、幸運にも首相の座を射止めることができたのです。
正義の味方は常に、悪役を必要とします。構造改革を標榜する月光仮面、
小泉首相の場合、官僚や族議員が悪役にさせられます。ところが小泉首相
の手口は常に、WinWinです。彼は悪役にこっそり耳打ちします「実は獲ら
せるから協力してよ」と。道路問題はこの手口で見事、成功しているよう
に見えます。その結果、小泉首相への評価は二分します。100点満点では
ないが、ソコソコ、健闘していると観る人、彼はごまかしている。インチ
キだと批判する人。
彼の新鮮な手口を今、もっとも勉強しているのは官僚でしょう。官僚が
小泉首相から学んだもの、それは国民ダマシのテクニックでしょう。その
秘訣は与党への批判派を取り込んで、野党を無力化する手口です。改革す
る振りして、実は何も変えない。インフルエンザの耐性菌のように、従来
の薬が効かないという厄介な代物です。しかし、この手口が通用するのは
一時です。批判丸め込み手口が流行すると、国民の不満は不完全燃焼する
ことになります。国民に精神状態が慢性不健康となります。これは、まっ
たく始末が悪い。
日本の官僚批判は、猪瀬氏の日本国の研究にまかせます。ところで、日
本の官僚の特徴とは何でしょうか。それは匿名の独裁性にあり、出る杭を
打つ習性です。官僚の天敵は、政治家ではなく、個人のカリスマ的独裁者
です。小泉首相が官僚の料理方法にどれだけ精通しているかは、実のとこ
ろ、よくわかりません。もし、小泉首相が名実ともに、日本国のカリスマ
独裁者になろうと野望を抱いたら、たちまち、官僚から引き摺り下ろされ
るはずです。かつて学歴のない田中首相は官僚から内心、軽蔑されていま
した。そこでロッキード事件によって無残に引きずり下ろされた。この事
件は、米国の事情と官僚の利害が一致したことで田中おろしが奏功したの
でしょう。その娘、田中真紀子氏は天性のカリスマ性を引き継いでいるの
を、官僚の勘で悟られ、たちまち外務大臣の地位を引き摺り下ろされたこ
とは記憶に新しいところです。
戦前の日本の官僚(軍部官僚含む)は、虚妄の独裁者、天皇を祭り上げ
て、好き勝手をやったとみなせます。ヒトラーとか、フセインとか、金正
日とかの個人のカリスマ独裁者は、官僚の匿名独裁が維持される限り、日
本では生まれにくいでしょう。しかしながら、民主主義精神の醸成がプア
な日本において、当分の間、日本の国家運営には、必要悪として所詮、な
んらかの支配者を必要とするのでしょう。そこで、日本では当分、官僚支
配か、カリスマ独裁者支配かの二者択一しかないかもしれません。戦後の
官僚は、天皇のカリスマ性を利用しないで、自民党という利権集団を担ぐ
だけで実質的官僚独裁を維持できたのです。この実績により、一部の官僚
は非常に傲慢となっている一方、子羊国民を内心、愚弄していることでし
ょう。米国覇権主義者は、日本には、想像以上に民主主義が根付かず、実
質的官僚独裁国家であることを悟っています。そこで、官僚人事権に介入
して、官僚経由で日本を支配しようと考えていると思います。小泉首相は、
米国覇権主義者と官僚に間で、適当に泳がされているという図式が見えて
きます。しかし、小泉首相はそれほどバカではないので、米国エリートと
日本国の有能官僚の駆け引きのテンションを巧みに利用して、首相の座を
守っているのです。
日本国民に民主主義が定着しない限り、日本の統治には、結局、官僚独
裁か、カリスマ独裁かの二者択一しかない。これは完全に必要悪です。ど
ちらが、子羊国民にとってリスクが低いかの選択です。カリスマ独裁者の
悪例は隣国北朝鮮を見ればよい。
リスクの点では、チェックアンドバランスがソコソコ機能する官僚独裁
の方がまだましです。支配者がある程度、好き勝手をすることは、避けら
れない。人間は神様ではないですから。カリスマ独裁の場合、10人に9
人は悪徳支配者でしょう。だから、世界支配を目論む米国覇権主義者にと
って、カリスマ独裁の方が、ある意味で攻撃しやすい。しかし、彼らにと
って、日本の匿名官僚制ほど不気味なものはないでしょう。フセインや金
正日の方がよほど御しやすい。敵が見えますから。ならず者国家と名指し
もしやすい。一方、日本は、民主主義を装う匿名官僚独裁国家ですから始
末が悪い。敵が見えない。かつて、日本は顔が見えないと言われました。
米国として、本音では、北朝鮮ではなく、日本こそがならず者国家なので
す。にもかかわらず、日本は民主主義の衣をまとっているので、ならず者
と面と向かって名指しできない。米国にとって、実に腹立たしい大嫌いな
国、それが日本です。旧ソ連の共産党独裁、中国の共産党独裁、ともにカ
リスマ指導者を頂きます。米国にとって、この方がまだわかりやすい。と
ころが、日本では、明治以降の天皇制時代でも、天皇がフセインや金正日
のように振舞っていたわけではなく、裏に匿名官僚集団が控えていたわけ
です。だから、敗戦後、戦犯天皇の死刑を回避すると決めたマッカーサー
の主張が通ったのです。イラクのフセインなら到底、独裁者の無罪は通用
しません。米国が日本にもっとも警戒心を抱いているとすれば、その警戒
の対象は不気味な官僚独裁でしょう。そこで米国の現ブッシュ政権は、戦
前日本のしたたかな権力構造をモデルにしているように見えます。ブッシ
ュ大統領を戦前日本の天皇のように扱っている。9.11テロ事件以降、ブッ
シュ大統領のオドオドした表情に、それは見て取れます。彼の個人的キャ
ラクターは育ちのよい、お人好しカウボーイです。決してヒトラーのよう
な実質独裁者には見えない。その意味で現代の米国の政治体制も民主主義
を装う特定資本独裁と言えます。日米政治体制を比較すれば、軍事・石油
資本のリモートコントロールに傾斜している現代の米国の独裁体制の方が、
日本の官僚独裁よりも、はるかに危険で悪徳であると思います。米国の影
の独裁者集団は、あるときは、共産主義者を敵だと騒ぎ、あるときは、テ
ロリストを敵だと騒ぎ、結局のところ、最後は戦争に持ち込むことが最優
先している。こうして戦争をビジネスとして、国際軍事競争力を維持する
ことを通じて、世界を支配するには、米国は世界中で定期的に戦争を引き
起こすしかないのです。刀は使わなければさび付きますから。テロリスト
のオサマ・ビンラディンも、フセインも一時、米国の手先となって、初め
て米国の本質を知り、ともに、過激な反米独裁者と化したのです。彼らの
間違いは、「目には目を」の戦略です。この発想では、永遠に殺戮が繰り
返される。その点、インド独立の父、ガンジーの非暴力主義のほうが絶対
に正しいのです。
さて現代の日米関係は、端的に言えば、上記のような危険な米国の影の独
裁者集団と日本の官僚集団の駆け引きです。戦前の日米対立構造と、その
本質は少しも変わっていないでしょう。大きな違いはただひとつ、戦前の
日本の官僚独裁が、軍事力をもつ軍部官僚に支配されていたのに対し、現
代日本の官僚独裁は軍事力を持たない点です。戦後、日本の軍事勢力再発
の封じ込めに成功している米国覇権主義者は、獲物としての日本に関して
は、1400兆円の日本国民の資産(レント)を狙っているでしょう。ただし、
獲物としての優先順位は、中東の石油資産の次くらいでしょう。だから、
日本は戦争に巻き込まれなくて済んでいるのです。石油が取れない日本は、
天然資源の資産価値はゼロです。このハンディキャップは、プレデター
(肉食獣)から狙われないという意味において、不幸中の幸いと喜ぶべき
です。さらに、イラクと北朝鮮は「ならず者国家」としては一括りにされ
ていますが、プレデター米国にとって獲物としての価値には天と地の差が
あります。北朝鮮は、イラクのように石油はない。日本のようにお金もな
い。獲物としては、まったくおいしくない国家なのです。それでは米国に
とって北朝鮮の価値は何でしょう。それは日本を、恐怖心を煽りながらコ
ントロールする上において、北朝鮮はある程度、利用価値があるにすぎま
せん。この点を、日本国民はよく認識しておくべきでしょう。私利私欲に
目ざとい官僚はわかっていると思いますが。日本における子羊国民の究極
の選択とは、その虎の子資産を、日本人の匿名官僚集団に好き勝手に食い
荒らされるか、それとも米国プレデターに好き勝手に食い荒らされるか、
どちらの被害が少ないかの選択です。どちらにしても、支配者というもの
はそれ相当のピンハネをするのが世の常です。前述の猪瀬氏の官僚批判を
逆手にとれば、私利私欲のかたまりのような悪徳官僚の方が、清廉潔白で
まじめな官僚よりプレデターの横取りをある程度防いでくれる可能性があ
ります。
漫画家・横山光輝が描いた傑作ロボットSF「鉄人28号」。幾度もアニメ化・実写化されている人気作品だ。
この鉄人28号というロボットの特徴はアニメ版のOPの歌詞に詰まっている。
ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先、良いも悪いもリモコン次第
ビルの街にガオーッと現れる鉄人が、悪漢を倒す正義のロボットなのか、
それとも街を壊す恐怖のロボットなのか、見ただけじゃさっぱりわからない。
人間だって同じ。見ただけじゃ何もわからない。裏で操っている人間がいる。
恐ろしいことに操られてる側は自分が鉄人28号であることに誰も気づいていない。
当然、操るコントローラーがあることにも気づけず、ずっと操られ続ける。
私は誰よりも早く操る側に周る。
水木も、古川も、岡沢も、出口も。全員私が操ってやる。
悪徳商法マニアックスのサイトを見て、彼を正義の味方だと認識するのは、なかなか難しいんじゃないかとは思った。
悪と戦うからって正義だとは限らないんだぞ。
以下では、官の頂点にある旧大蔵省をとりあげ、行政権力の根を見ます。行政権の枠を決めるのは法です。法は国会が決める。国会議員は国民が、代議員制度で選ぶ。
国民主権で国民の権力が至高だというのは、形式論です。実体論では、国民は統治される者であり、中央官庁が統治者であると言っても過言ではなかった。
キャリア官僚を選ぶ国家公務員試験第1種(上級公務員試験)には、昨年
38,841名が受験し、合格は1,228名。32倍の狭き門です。(試験は、隋・唐時代の、官僚選抜の科挙の伝統を引く感じです)
約半数くらいは東大で、国公立、私立が続きます。毎年1200??1500名くらいのキャリア官僚が生産され、現在5万人が在庫されていると見ていいでしょうか。
合格者の一次試験、二次試験の順位で、省庁への順列的な割り振りが決まります。各省庁は、競い合って成績上位者の確保を運動します。なぜでしょうか? ここに官僚が生産する「商品」の特殊性が関係しているのです。
1回のペーパーテストの成績が、能力やその後の仕事の成果と、どう相関するか?民間企業では、ほとんど無関係というのが結論でしょう。
企業が販売するのは「商品」であって、文書作成や言語能力ではないからです。
官僚の作業能力、そして行政権力のもとになるのは、文書作成と法の解釈能力、及び利害の調整能力です。それ以外に、商品はない。
(3)彼らが「生産する商品は文書」である、と言っていいのです。
(1)マスコミや野党から突かれる隙のない論理で武装した文書を作って、
(3)説得的に説明し、調整するのが官僚の仕事であり商品です。
【上級公務員試験と入省年次】
上級公務員試験の成績順位と、入省年次がその後付きまとい、事務次官候補のエース組みが選ばれ、将来のポジションの序列を決めます。その意味での「実力主義」です。次官競争での落伍者は、天下る。
成績トップクラスの入省先は、大蔵省です。大蔵省のみは官僚の中の官僚で、特殊ポジション。
言語能力の優秀さで政治家と他の省庁を説得し、切れる頭脳で他を圧倒しなければならない。
(01年1月6日から、省庁再編で財務省になり、金融部分が金融庁に切り離されました。実態はさほど変わっていない。以下ではあえて大蔵省という、伝統的名称を使います)
なぜ、大蔵省がこの国で特殊ポジションであったか、理由があります。
(1)80兆円の省庁の予算編成、配分権を持つ。(主計局)
(2)国債の発行権を持つ。(主計局)
(3)残高414兆円の財投の配分権を持つ。(理財局)
(4)民間金融機関の認許可、指導権を持つ。(銀行・証券・保険局)
(5)税を決め、徴収する権限を持つ。(主税局・国税庁)
以上5つで、国家のマネーの出入りの急所、及び民間銀行マネーの急所を、押さえていたのが大蔵省です。
他の省庁は、大蔵省に対して、一段低い予算申請団体の位置です。
信じられない位の、権限の集中です。
大蔵省の官僚は国税庁を含めると8万人。1%の800名がキャリア官僚。どの省庁でもノンキャリアは、1%のキャリア官僚の支配下にある。画然とした、不文律の身分制度がある。
公式的には三権分立で、行政は法の執行であり、法と制度を決めるのは立法(国会)です。
ところが立法の実務、つまりほとんどの「法案、予算案の作成」は、各省庁のキャリアが行い、自民党の実力者との調整で決めますから、実質権力と言えるのです。
【予算委員会という場の機能】
最も重要な「予算委員会」で、予算の中味の審議が行われますか?そこで、予算が変わりますか? 決まったことを通す、形骸化した儀式です。テレビ中継を見れば分かりますね。
質疑の内容は、マスコミが取り上げた問題や、大臣、首相の発言の追求です。予算配分の調整が問題になった審議は、見たことがない。国会の各委員会は根回し、調整が終った後に、野党の顔を立て、国民とマスコミへに対するガス抜きの場になっている。
▼ここで蛇足的な逸話:民間銀行に対する恐怖型支配
ある銀行の支店に大蔵検査が入った。検査官に混じって1人、入省2??3年くらいのキャリア組みがいた。銀行にとって、大蔵検査は鬼より怖い。次長が応対した。新米キャリア官僚が、銀行業務のイロハも知らないような質問をした。
次長は「これはどこの銀行でも同じでして・・・」と説明した。キャリア官僚は、「他行のことを聞いているのではない。この処理の説明をせよ」と、怒り始めた。無知をさらしたことを恥に感じたためです。そのキャリアは、怒りで手を震わせていたという。
次長は、思わず「こわっぱ役人が・・・」と小声でつぶやいた。それが聞こえたのか、後日、銀行に、「貴行の**支店で不穏当な発言があった」と伝えられた。その次長は、数日後に銀行を退職した。
これに類する逸話は、多数です。当然、公式には明らかにならない部分です。法に基づかない、恐怖権力です。大蔵省の銀行支配には、恐怖権力が根にあった。
省庁にタテをつくと、他の認許可や検査、指導のどこで仕返しされるか分からない。これが、民間企業が行政へ恭順を示す理由になっている。法や税法は、字義通りの執行を行えば、企業を潰すことくらいはできるからです。生殺与奪の権がある。
私の狭い経験からも、十分に首肯できる話です。
(ソースは明かせません)
▼銀行の3分類
銀行の頭取と頭取含みの役員は、大蔵省系、日銀系、独立系に分けることができます。独立系に対する大蔵検査は、厳しくなる。(現在は金融庁)
大蔵権限の根は、銀行が破綻した時、国家が国民の預金を保証することです。つまり銀行は、民間企業として実態的には独立した法人ではない。真の株主は、大蔵省でした。
民間銀行が天下りを受け入れるのは、行政指導と認許可で有利な取り計らいを受けること、行政のインサイダー情報の、取得のためです。
銀行は、箸の上げ下げに至るまで監視されていた。
大蔵権力に90年代後期から陰りが見えたのは、大蔵省が銀行の不良債権問題の深刻さ、巨額さを見誤ったことに起因します。
1997年の第一次金融危機が起こるまで、大蔵省は不良債権の寡少見積もりをしていた。対策が後手に回り、銀行の信頼と民間の信頼を同時に失ったのです。
▼しかし今後の政策の、裏の意味を「憶測」すれば
【ペイオフの裏】
2003年4月から開始される「ペイオフ」も、大和銀行NY支店の米国債ディーリングの巨額損失隠し事件が表面化した1995年から、事毎に、大蔵省に反発してきた銀行への、意趣返しといった面を含んでいると感じますね。
【95年の大和銀行NY支店事件】
大蔵省(西村銀行局長)は、大和銀行に<損失隠し>を指示していたことは明らかになっています。しかし、米国SECに叩かれると、大和銀行が勝手にやったと押しつけた。行政のこうした時の指示は、口頭です。
大和銀行NY支店の損失隠しは、象徴的な事件でした。
【ここまで言うと、危険でしょうか・・・】
2002年4月からのペイオフの実施では弱体銀行に預金引き出しが起こり、日銀特融、または政府資金投入、合併が必要になり、再度、世論とマスコミをバックアップに官の権力拡大をする機会を狙っているように思えるのです。
信用金庫や地銀では、すでに、預金減少が現実に起こっています。
米国の銀行でも、事実上のペイオフは金融システムの混乱の害が大きいので実施していない。米国情報は、選択的に利用されます。
【不良債権問題の早期解決】
小泉内閣が掲げる不良債権の処理も、銀行の自己資本と利益での処理では不足することは、誰が見ても分かる。
金融のシステミック・リスクを避ける手段は、政府資金注入になる。分かり切ったことですね。
政府資金注入は、金融庁、大蔵省、日銀の権益、天下り先の拡大です。国民の金融資産を守るために「やむを得ず」そうせざるを得ないというふうになるのが、一番望ましい。
こうして、時代、時代の世論、マスコミ論調、学説を使い、予算をつけ権益の拡大を行うのが、省庁の自己肥大の基本手法です。
以上は「憶測」です。しかし憶測しか方法はない。
誰も、言わないからです。
世の中の事象は、実は、語られないことに重要なことがある。
ペイオフの後、不良債権処理の後、銀行の支配がどうなるかを詳細に見れば、憶測が正しいかどうかわかるでしょう。観察して下さい。
キャリア官僚の最終的な狙いを判断する時は、「推理小説の手法」が、役に立ちます。
「この政策と予算で、誰が、またはどのグループが最終的なゲインを得るか」との方法です。
(1)高齢化社会に必要な「福祉」→福祉予算の拡大(極めて強い)
(2)国土の「均衡」ある発展→公共投資・公的事業の拡大(弱い)
(3)不況対策→公共投資・公的事業の拡大(極めて強い)
(3)地方分権
(5)郵政三事業の、公社化から民営化
(6)年金への401K導入
これで、予算が動きます。具体策の起案は、官僚が行います。その時、世論・マスコミ・ガイアツをバックアップにした新たな公的セクターの、認許可、指導のための組織ができる可能性が高い。
現在、公的セクターでも就業人口が多い50代前半の世代の、今後の行き先が問題になっているのです。
(一部:30%)キャリア官僚は、組織拡大の戦略的技術者であると認識したほうがいい感じですね。
今後3年間で、77の特殊法人、及び2万6000の公益法人から選択して民営化される<骨太の方針>は決まっています。
2000年12月、森内閣の閣議決定で、民間への天下りが解禁されたのはご存知ですか?今後は、大臣が許可すれば、民間企業へ公然と天下りができるようになっている。
民営化された特殊法人、公益法人のトップに天下るための決定でしょう。有力議員が官僚に恩を売って、利権の範囲にあった特殊法人、公益法人の民営化をおこなうために、官僚との綱引きで政治的取引をした結果と言われていますね。
加えて、今省庁が狙っているのは、官の文書のデジタル化予算です。膨大な官の文書、図面のデジタルデータ化で、30兆円が見こまれている。当然そこには、民間会社の受注活動が絡みます。週刊ポストの「覆面座談会」で、キャリア官僚自身が発言している。<電子政府>の情報化予算を無駄だと言う人は、まだいない。
官であることが問題ですね。官が食うのは<税>ですから。