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2008-04-19

選挙カーが家の前に止まっています

白い霊です。日本兵のようにも見えます。じっと立っています。日本兵ですから見張っているのかもしれません。あちこちに立っています。私の椅子の横にも立っていますが、私の部屋にはその一人しかいません。外は白い霊でいっぱいです。日本兵かもしれません。みんな手と足がありません。消えかかったまま立っています。しかし危険はありません。彼らは安全です。ただ立っているだけです。彼らがなにをしたいのかは私にはよくわかりませんが、兵士ですからたぶんなにかを見張っているのだと思います。天皇陛下も白い霊になってしまいました。しかし目だけ残りました。その目は私を見ています。見張っているのかもしれません。でも悪意は感じません。天皇皇后陛下の目は私をじっと見ています。身体は白い霊になってしまいました。天皇陛下が白くなってしまったので、この国はもう白い日本です。地球も白くなってしまいました。恐ろしい白地球です。大変なことです。白地球をなんとかしなければなりません。でも私の力ではなんともできません。ごめんなさい。本当にごめんなさい。白地球は偽物なので早く本物の地球に戻さなければなりませんが、私にはそれはできません。オトタチが耳から入ってきます。オトタチが追いかけてくるので私はじっとしていなければならないのです。オトタチは私の周りをぐるぐると回っています。私を狙っているのです。オトタチが中に入ってきますが、オトタチには形がないので、パンクすることはありません。オトタチはぐるぐると回っているだけです。

http://anond.hatelabo.jp/20080418015808

未熟なハンターは迷惑なだけじゃなくて危険なんだよな。人を間違って撃つおそれがあるから。

ネット見てると疑似科学叩きとか歴史修正主義叩きとかやってる人がいるけど、後者はともかく前者についてはそういう意味で俺はかなり苦々しい思いがあるんだよね。なぜなら、疑似科学ハンターやってる人間自身が科学的思考法をろくすっぽ理解してなかったりして、これもまた科学哲学をろくに理解してない「科学主義者叩き」の温床になってたりする。で、そういう奴らが科学であろうと歴史学であろうとあるいは科学哲学であろうとそういう分野への偏見を増殖してるんだから、専門家にとっては迷惑この上ない話だよ。

それで、君は何が目的なのかな?ウヨあぶり出しとか言ってたけど、わかっててわからんふりをしてるのか、本当にわかってないのかどちらなのか。

俺が言っているのはあくまで「君の意見には反論がいくつも考えられて、たとえば例1、例2、例3・・・」という話だ。君はその中で、俺が「例1」まで言ったところでそこに延々と噛み付いて、それを元に反動主義者だとかウヨ認定だとかしてくれてるわけだよね、俺に。正直、確かに「例1」は粗雑な議論なんだが、自己啓発厨やネトウヨみたいな反知性主義者なら一番簡単に料理できる論法なんだよ。ところが君は反知性主義者じゃなくて素朴近代主義者だったわけで、その意味ではかえって逆効果だったかもしれん。ただそこを見誤ったというのはディベート戦術としての問題ではあっても、勝ち負けで議論しているわけではない俺としては別になにも痛くないわけだ。

これがわからんのだったら、正直本気で頭が悪いと思うぞ。君はswitch文で最初のcaseに引っかからなかったらswitch文を抜けると思ってるのかね?

で、いつまで撤回した仮定を引きずるわけ?w

つまり、君が絡まなくなるまでだ。

何かひとつ共通言語がないとITなんてやってられん、というのは厳然たる事実だろ。

別にITに限ったことではない。だが、英語である必然性はないと言っているんだ。むしろ、近代科学の初期の頃にラテン語が用いられたことに比べてこの点では退歩している。英語という言語は公平ではないし、習得が容易なわけでもないんだから。

ナショナリズムの浸透によって各国で自国語が用いられるようになり、第二次大戦の時にヨーロッパの有力な科学者がこぞってアメリカ亡命したことが結果的に英語一極支配を作ったというだけのことだ。つまり、英語支配というのはアメリカナショナリズムの勝利ということなのだ。

で、それを「韓信の股くぐり」で受けいれるというのなら俺は反対しない。しかし、文化資本英語文化資本あるいはそれと類似の構造の産物だぞ?)による階層格差を否定する君が、「英語帝国主義で構わん」というのだから、これは明らかなダブスタだろう。それを俺はおかしいと言っているんだ。

教育ってのは、特に公教育ってのは、底上げのためにやるもんであって。

底上げをすることと、古典をやめるなどして内容を減らすことは全然関係がないだろう。それからもう一つ、俺は「普通東大生数百人のレベルをギリギリにチューンする」なんて話は一度もしていない。

それは、特にアセンブラが必要でもないケースでか? ちょっと勘弁して欲しいなw まあ仕事としてうまくやれてるならそれでもいいけどさ、特殊ケースだろ?

特殊ケースじゃない。大多数の人にとって計算機プログラミング言語というのは単なる道具だからだ。字を書いてる人間はいくらでもいるが、みんなが書道を習っているわけではないというのと同じこと。計算機自体が目的ではないのだから、不便を感じなければ勉強しない、他にすることはいくらでもあるという人は多い。だから、それ以上の領域は趣味と考えるべき。その意味で、明らかに筋の悪い無駄コードを書かないようにするための感覚だけが身に付いていればそれでよしと考えるのは割と普通のこと。

以下は枝葉末節

具体的に挙げてくれる? 君の議論の最大の弱点って多分具体性がないことだから。

いや、君の「役に立つ」の基準がわからんと、また筋違いな方向から噛み付かれるだろうからうんざりしてるんだよ。君は何をもって「役に立つ」としているのか、それを挙げてみてくれ。率直に言えば、普遍的な観点から「役に立つ」なんて断言できるものはほとんどないと思うが(洋の東西を問わず)、絞ってくれれば答えもできよう。

そりゃ「影響」はしてるだろうがな。別にキリスト教の神である必然性などない。/いや、親鸞の書いたものは当然古語で書かれてるでしょ?

一神教文化圏で「神」といえば論理的に当然限定されるわけだが。まして、冠詞がある欧米語では"the God"のようにそのことは明示される。で、日本古典というのは君にとって親鸞以外読む価値がないのか?ちなみに親鸞というのはむしろ江戸時代以前の過小評価反動明治以降に過大評価されているんだが。正確に言うと過大評価というより、君のような近代主義者が、日本プロテスタンティズムの代替物を無理に求めた結果親鸞を再発見したということだ。

いや君がニュートンを引き合いに出したんでしょうに。民主主義に関してはギリシャにまで遡って意義深い書籍を見つけることは出来るだろうなあ。

さすがにニュートンより古いものを引用する奴はいないからなあ(ガリレイとかならあるかも)。あと、ギリシャ民主主義については明確に誤解。ギリシャ伝統を引いてくるのは反王権主義者が持ち出した大義名分的なものであって、明治維新で倒幕派が天皇を担ぎ出したのと同じこと。ギリシャ民主政というのは市民階級貴族階級と言おうか)だけのものであって、そんなことを言えば日本の惣とか寄合の方がよほど民主的かもしれない。

日本現実は完全な(中央)官僚独裁国家

2007.11.29(その3)

森田実の言わねばならぬ[757]

平和・自立・調和の日本をつくるために【544】

最近感心したこと(2)――財界中枢部の経済人と懇談して

「稲は実るにつけて俯き、侍は出世につけて上向く」(日本の諺)

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 11月中旬、東京の中心地で行われた経済人の会合に招かれた。40分ほど前に会場のホテルに着くと、主催者はすでに待っていてくれた。

 しばらく3人の経済人と懇談した。それぞれかなりの大物経済人である。ひとりの経済人が言った。 「森田さん、最近中央官庁が非常に強くなりましたね。戦後中央官庁がこんなに強くなり、こんなに民間にきびしくなったのは初めてではないですか。国民は今の流れは“官から民へ”と思っているかもしれないが、実態は逆です。官と民の力関係は、官の側が強くなるばかりです。日本現実は完全な(中央)官僚独裁国家ではないでしょうか」。

 この見方は、私と同じである。最近、私の耳には各方面から「中央官僚が強くなった」「きびしくなった」「威張るようになった」「横暴になった」という話が断片的に入ってきていた。しかし今までの情報経済界の中枢部からの情報ではなかった。今回の情報日本財界の中枢部にいる人の情報だった。財界中枢部にも冷静な判断力をもった人がいるのである。

 数日前に、かなりハイレベル経済人の集まりに講演に行ったときにも、同様の話を聞いた。ある経済人が言った。

 「最近公益法人法が大幅に改正されたのですが、実は法律ができあがってから、その法律のなかに当然入るべき“公益法人の定義”がなかったことに気づいたというのです。欠陥法律をつくったのです。そこで監督官庁研究会をつくって、公益法人の定義についての議論を始めたのです。法律づくりがずさんなのですね。次々と法律をつくるものですから十分な審議が行われず、そのためにこんなひどいことが起こるんですね。ただ、公益法人法改正後、中央官庁の干渉はきびしくなりました。いちいち口を出してくるようになった。公益法人自由度は狭まっています。最近中央官庁は次々と法律をつくったり、改正したりしていますが、その都度、中央官庁の力は強くなっています。小泉内閣は“官から民へ”“民にできることは民に”と言っていました。国民はこれを中央官庁の権限を弱めることだと思いましたが、錯覚でした。逆でした。実態は、新法ができたり、改正されるたびに中央官庁が強くなっているのです。いまの日本中央官庁官僚独裁国家になってしまいました」。

 小泉内閣以来の構造改革の結果、アメリカ政府アメリカの巨大ファンド日本中央官庁の指導層が勝者となった。最大の勝者とみられていた日本財界の地位はいまや傾きかけているのである。日本の「民」は中央官庁に負けたのである。中央財界からこのような告発がされ始めたことは、大変な進歩である。

ベンチャー革命2003年12月30日

                       山本尚利

タイトル日本国研究

1.猪瀬流の日本国批判

 猪瀬直樹著「日本国研究」「続・日本国研究文春文庫には、日本

の政官財の構造問題が事例中心に詳細に書かれています。誰でも、コレを

読めば腹が立ってくるでしょう。猪瀬氏は日本国研究成果が認められて、

小泉内閣の下、道路関係四公団民営化推進委員会の委員に抜擢されました。

政府委員会は、これまで官僚からみてイエスマンの権威者を委員に選ぶの

普通でした。小泉首相は、官僚の敵を委員会に入れたのです。この判断

画期的でした。おかげでこの委員会はもめにもめて、マスコミに格好の

ネタを提供してきました。小泉首相は、同委員会構造改革派を入れて、

国民の前に、道路族国交省小泉首相の対立の構造を鮮明にして見せま

した。この作戦は図星となり、2003年11月の衆院選挙で小泉は見事勝利、

国民に承認されたのです。衆院選挙後は、元のシナリオどおり、道路族

手打ちして、道路公団問題のゲームは終わりました。小泉首相は、国民

中に、悪役、道路族議員を支持する沈黙の人々が少なからずいることに着

目し、国民に紛れ込む無言の抵抗派を喜ばせたのです。まったく狡猾なパ

フォーマーです。日本において構造改革への抵抗派はバカではないので、

道路建設無意味さを百も承知ですが、背に腹は変えられないほど切羽詰

まっているにすぎません。道路建設がまさに生命維持装置と化しているか

らです。構造改革派の猪瀬氏も委員に選ばれて、テレビへの露出頻度が上

がり、小泉首相へ大感謝です。ツケはまたも国民押し付けられます。日

本国批判は、一定程度、ビジネスになることを猪瀬氏は証明してくれまし

た。これも小泉首相のおかげです。

 小泉首相の手口は、野党的批判を身内に取り込んで、野党の攻撃を無力

化するものです。「自民党をブッコワス」というスローガンも同じ手口で

す。ほかの自民党議員より、若干スマートなだけですが、一時的には新鮮

な手口に見えました。

2.日本官僚は悪役か

 さて、前述の猪瀬氏は、日本官僚、そして官僚に操られる自民党議員

がいかに私利私欲を追求しているかを克明に告発しています。彼は日本国

批判の急先鋒でしょう。日本国民資産は、政官財の支配層によって、好

勝手に食い荒らされていることが、猪瀬氏によって克明に検証されてい

ます。小泉首相日本国批判のシンボル、猪瀬氏を取り込むことによって、

正義の味方月光仮面を演じることに成功しました。小泉首相自身は、た

たき上げの鈴木宗男氏と違って、政治家ファミリーの2代目ですから、正

義の味方を演じるに十分、身辺はきれいであったのでしょう。小泉首相

登場するまで、金権まみれの政治家しか首相になれなかったのが、運良く

構造改革の波に乗って、幸運にも首相の座を射止めることができたのです。

正義の味方は常に、悪役を必要とします。構造改革を標榜する月光仮面

小泉首相の場合、官僚族議員が悪役にさせられます。ところが小泉首相

の手口は常に、WinWinです。彼は悪役にこっそり耳打ちします「実は獲ら

せるから協力してよ」と。道路問題はこの手口で見事、成功しているよう

に見えます。その結果、小泉首相への評価は二分します。100点満点では

ないが、ソコソコ、健闘していると観る人、彼はごまかしている。インチ

キだと批判する人。

 彼の新鮮な手口を今、もっとも勉強しているのは官僚でしょう。官僚

小泉首相から学んだもの、それは国民ダマシのテクニックでしょう。その

秘訣は与党への批判派を取り込んで、野党を無力化する手口です。改革す

る振りして、実は何も変えない。インフルエンザの耐性菌のように、従来

の薬が効かないという厄介な代物です。しかし、この手口が通用するのは

一時です。批判丸め込み手口が流行すると、国民の不満は不完全燃焼する

ことになります。国民精神状態が慢性不健康となります。これは、まっ

たく始末が悪い。

3.官僚存在意義

 日本官僚批判は、猪瀬氏の日本国研究にまかせます。ところで、

本の官僚の特徴とは何でしょうか。それは匿名独裁性にあり、出る杭を

打つ習性です。官僚の天敵は、政治家ではなく、個人のカリスマ独裁者

です。小泉首相官僚料理方法にどれだけ精通しているかは、実のとこ

ろ、よくわかりません。もし、小泉首相が名実ともに、日本国カリスマ

独裁者になろうと野望を抱いたら、たちまち、官僚から引き摺り下ろされ

るはずです。かつて学歴のない田中首相官僚から内心、軽蔑されていま

した。そこでロッキード事件によって無残に引きずり下ろされた。この事

件は、米国事情官僚の利害が一致したことで田中おろしが奏功したの

でしょう。その娘、田中真紀子氏は天性のカリスマ性を引き継いでいるの

を、官僚の勘で悟られ、たちまち外務大臣の地位を引き摺り下ろされたこ

とは記憶に新しいところです。

 戦前日本官僚軍部官僚含む)は、虚妄の独裁者天皇祭り上げ

て、好き勝手をやったとみなせます。ヒトラーとか、フセインとか、金正

日とかの個人のカリスマ独裁者は、官僚匿名独裁が維持される限り、日

本では生まれにくいでしょう。しかしながら、民主主義精神の醸成がプア

日本において、当分の間、日本国家運営には、必要悪として所詮、な

んらかの支配者を必要とするのでしょう。そこで、日本では当分、官僚

配か、カリスマ独裁者支配かの二者択一しかないかもしれません。戦後

官僚は、天皇カリスマ性を利用しないで、自民党という利権集団を担ぐ

だけで実質的官僚独裁を維持できたのです。この実績により、一部の官僚

は非常に傲慢となっている一方、子羊国民を内心、愚弄していることでし

ょう。米国覇権主義者は、日本には、想像以上に民主主義が根付かず、実

質的官僚独裁国家であることを悟っています。そこで、官僚人事権に介入

して、官僚経由で日本を支配しようと考えていると思います。小泉首相は、

米国覇権主義者と官僚に間で、適当に泳がされているという図式が見えて

きます。しかし、小泉首相はそれほどバカではないので、米国エリート

日本国の有能官僚駆け引きテンションを巧みに利用して、首相の座を

守っているのです。

4.必要悪官僚独裁

 日本国民民主主義が定着しない限り、日本の統治には、結局、官僚

裁か、カリスマ独裁かの二者択一しかない。これは完全に必要悪です。ど

ちらが、子羊国民にとってリスクが低いかの選択です。カリスマ独裁者

悪例は隣国北朝鮮を見ればよい。

 リスクの点では、チェックアンドバランスがソコソコ機能する官僚独裁

の方がまだましです。支配者がある程度、好き勝手をすることは、避けら

れない。人間神様ではないですから。カリスマ独裁の場合、10人に9

人は悪徳支配者でしょう。だから、世界支配を目論む米国覇権主義者にと

って、カリスマ独裁の方が、ある意味で攻撃しやすい。しかし、彼らにと

って、日本匿名官僚制ほど不気味なものはないでしょう。フセインや金

正日の方がよほど御しやすい。敵が見えますから。ならず者国家と名指し

もしやすい。一方、日本は、民主主義を装う匿名官僚独裁国家ですから始

末が悪い。敵が見えない。かつて、日本は顔が見えないと言われました。

米国として、本音では、北朝鮮ではなく、日本こそがならず者国家なので

す。にもかかわらず、日本民主主義の衣をまとっているので、ならず者

と面と向かって名指しできない。米国にとって、実に腹立たしい大嫌いな

国、それが日本です。旧ソ連共産党独裁中国共産党独裁、ともにカ

リスマ指導者を頂きます。米国にとって、この方がまだわかりやすい。と

ころが、日本では、明治以降の天皇制時代でも、天皇フセイン金正日

のように振舞っていたわけではなく、裏に匿名官僚集団が控えていたわけ

です。だから、敗戦後戦犯天皇死刑を回避すると決めたマッカーサー

の主張が通ったのです。イラクフセインなら到底、独裁者無罪は通用

しません。米国日本にもっとも警戒心を抱いているとすれば、その警戒

の対象は不気味な官僚独裁でしょう。そこで米国の現ブッシュ政権は、戦

日本のしたたかな権力構造をモデルにしているように見えます。ブッシ

大統領戦前日本天皇のように扱っている。9.11テロ事件以降、ブッ

シュ大統領のオドオドした表情に、それは見て取れます。彼の個人的キャ

ラクターは育ちのよい、お人好しカウボーイです。決してヒトラーのよう

な実質独裁者には見えない。その意味で現代の米国政治体制民主主義

を装う特定資本独裁と言えます。日米政治体制を比較すれば、軍事・石油

資本リモートコントロールに傾斜している現代の米国独裁体制の方が、

日本官僚独裁よりも、はるかに危険で悪徳であると思います。米国の影

独裁者集団は、あるときは、共産主義者を敵だと騒ぎ、あるときは、テ

ロリストを敵だと騒ぎ、結局のところ、最後は戦争に持ち込むことが最優

先している。こうして戦争ビジネスとして、国際軍事競争力を維持する

ことを通じて、世界を支配するには、米国世界中で定期的に戦争を引き

起こすしかないのです。刀は使わなければさび付きますから。テロリスト

のオサマ・ビンラディンも、フセインも一時、米国の手先となって、初め

米国の本質を知り、ともに、過激な反米独裁者と化したのです。彼らの

間違いは、「目には目を」の戦略です。この発想では、永遠に殺戮が繰り

返される。その点、インド独立の父、ガンジーの非暴力主義のほうが絶対

に正しいのです。

5.現代の日米関係における官僚の役割

 さて現代の日米関係は、端的に言えば、上記のような危険米国の影の独

裁者集団と日本官僚集団の駆け引きです。戦前の日米対立構造と、その

本質は少しも変わっていないでしょう。大きな違いはただひとつ、戦前

日本官僚独裁が、軍事力をもつ軍部官僚に支配されていたのに対し、現

日本官僚独裁軍事力を持たない点です。戦後日本の軍事勢力再発

の封じ込めに成功している米国覇権主義者は、獲物としての日本に関して

は、1400兆円の日本国民資産(レント)を狙っているでしょう。ただし、

獲物としての優先順位は、中東石油資産の次くらいでしょう。だから、

日本戦争に巻き込まれなくて済んでいるのです。石油が取れない日本は、

天然資源資産価値ゼロです。このハンディキャップは、プレデター

(肉食獣)から狙われないという意味において、不幸中の幸いと喜ぶべき

です。さらに、イラク北朝鮮は「ならず者国家」としては一括りにされ

ていますが、プレデター米国にとって獲物としての価値には天と地の差が

あります。北朝鮮は、イラクのように石油はない。日本のようにお金もな

い。獲物としては、まったくおいしくない国家なのです。それでは米国

とって北朝鮮価値は何でしょう。それは日本を、恐怖心を煽りながらコ

ントロールする上において、北朝鮮はある程度、利用価値があるにすぎま

せん。この点を、日本国民はよく認識しておくべきでしょう。私利私欲に

目ざとい官僚はわかっていると思いますが。日本における子羊国民の究極

の選択とは、その虎の子資産を、日本人匿名官僚集団に好き勝手に食い

荒らされるか、それとも米国プレデターに好き勝手に食い荒らされるか、

どちらの被害が少ないかの選択です。どちらにしても、支配者というもの

はそれ相当のピンハネをするのが世の常です。前述の猪瀬氏の官僚批判を

逆手にとれば、私利私欲のかたまりのような悪徳官僚の方が、清廉潔白で

まじめな官僚よりプレデター横取りをある程度防いでくれる可能性があ

ります。

山本尚利(ヤマモトヒサトシ

2008-04-14

http://anond.hatelabo.jp/20080414115248

教養俗物でもかまわんけど、君もたいがいだね、ただし、君が攻撃のネタにしていることのうち肝心な点が俺の考えではないことは再度強調しておこう。

そのためのハッカー、そのための非モテ、そのためのオタなんじゃねーの。

少なくとも、自分から階級格差を肯定し追認する側に回っていることを公言するようなバカな真似はしたくねえな。

人のことを青臭いだのなんだのというけれども、君こそ大したものじゃないか。ハッカーオタクも何の関係もないと思うし、現状の非モテ運動がなんかできると思うか?各個撃破されてるだけじゃないか。

どっちにしても、俺はそんなものを追認してないからそこだけは誤解するな。韓信の股くぐりと言ったはずだ。

君が「古典なんて役に立たないから学校で教えるな」という意見を放棄するなら

俺がいつそんな主張をしたというんだか。

役に立たないし、高校教育程度じゃステータスシンボルにならんとは思ってるがな。

これについては他の人と混同していた。失敬。

ただし、高校で古文を教えることがステータスシンボルになるなどとは俺も言っていないからな。独学するための基礎ができると言ったのだ。

全然自明じゃないだろ、何言ってんだ? MIT日本にも作れってか?

本当にトップクラスエリートなんてほんの一握りだ。

外国で本当の一流を学んでもらったほうが本人のためになるし、コスト削減にもなる。

君さあ、先進国大学教育を丸投げしてる国があるかどうか考えてごらんよ。どこの国もそんなことをしてないってことは、誰も「外国で本当の一流を学んでもらったほうが」なんて考え方はしないってことじゃないか?実際、高等教育を丸投げしたらその国に人材を持って行かれてしまうのがオチだぜ?アメリカはそれで反映してるんじゃないか。

それから、MITがよほど日本大学より優れていると思っているらしいが、それは勘違いだし、だいたい日本大学に大勢いる「本当の一流」の研究者に余りにも失礼だ。東大京大をはじめ日本の有力大学は、世界の基準でいっても一流大学だぞ。アメリカイギリスはともかく、ドイツとかフランスとかその他の先進国には全然負けていないよ。それに、アメリカイギリス大学が優れているのは量的な側面であって、質的なものではないのでな。

欧米ギリシャ語ラテン語古典文学重要視されるのは、それが彼らの民主主義やら哲学やら自然科学やら数学やらの源流にあるからだ。

源氏物語万葉集が何に生かせるってんだよ。葉隠でハラキリ根性でも学べってか?

欧米古典日本古典では持つ意義がまるで違うだろ。

そんな、どっかで聞きかじったようなことを言わないでくれ。今さら丸山眞男の真似事のつもりか?君こそ立派な西洋中心主義者じゃないか。確かにルネッサンスというのは古典復興というお題目だったが、現状を否定するときにさらに過去の権威を持ち出すのは常套手段であって、それは「万世一系天皇」というのと似たようなもの。正確に言うと源氏物語だってそういう理由で明治期以降急に祭り上げられたものだ。ただしそれらが芸術史・文化史に刻み込んだ影響だけは否定できないし、作品としてよいものはよい、それだけのことだよ。

グレコ・ローマン文化を特別視する思想というものこそが、君が否定したがってる「文化資本階級支配をしたがってる奴」という奴らのドグマなんだが、そんなことも知らずに「文化資本」なんて言葉を使ってたのか?


以下は蛇足。

情報工学関連への言及が他と比べてショボくて、ああ専門外なのねー、とニヤニヤ出来たけど。

UNIXという「特定」OSの実装から離れた所で抽象的にOSを煎じ詰めるのはかなり学問的な領域だと思うが。もう基礎とはいえないだろう。

情報処理試験に出るような基礎教養は、全部使いどころがある知識だぞ。当たり前に使いすぎてて意識してない人が多いが。

「使い方」から遊離して「考え方」だけを煎じ詰めていくのは、プログラマレベルでの実践的な志向ではないだろうな。学問的には意義があるが。

あのさあ、情報処理試験に出るレベルの「常識」を「教養」なんて呼ばないでくれよ。

悪いけど、君が挙げてるのはどれも「情報工学」じゃない。単なる「ノウハウ」だ。それは、半田ごての使い方が「電気工学」でないのと同じぐらい自明なことだ。人が作ってくれた道具の使い方に習熟していることをいくら自慢されても、話の次元が違うとしか言いようがない。俺が言っているのは「大学でなぜ必修になっているのか」という話だ。だったら当然、「学問的な領域」の話が問題になっているわけだ。

まして俺は、「パターン認識」「待ち行列」みたいな理論的な分野を例として挙げたはず。一番そういう「手先の器用さ」が問題にならなさそうな分野をわざと選んだのだがねえ?

あのさあ、なんでパターン認識とか待ち行列とかの例を挙げたと思う?こういう分野では数値計算重要になるから、基本的に低レベルに近い言語プログラムを書くことが望まれるし、似たようなプログラムを使い回すから生産性という意味でもそれで大した影響がないということだ。

そもそも俺は低水準言語の話はしてなかったと思うが?

「低水準言語で十分」という例を挙げてどうすんだ。「低水準言語が有効/必要」な例をあげろよ。機械よりの視点で細かい制御が望まれる例を挙げるべきだ。

話が理解できていないから頓珍漢な応答になっていることは上に書いたとおりとして、「数値計算」と書いたはず。RubyだのPerlだので数値計算させて日が暮れてしまうのは君の自己責任だけれど。

源氏物語万葉集の読解を具体的に何に使えるってんだ。プレゼンのハッタリくらいにしかならねーんだろ?

一つだけ挙げた例を全てだと思い込むような人を説得しようとした俺が馬鹿だったのかな。

2008-03-11

父殺し

カラマーゾフの兄弟』を、ついに読んだ。

さいきん噂の、光文社文庫の新訳版。

誤訳を喋々する向きもあるけれども、

これは本当に素晴らしい仕事だ。

訳者亀山先生には、心から感謝したい。

テーマのひとつは、「父殺し」だ。

実際の血を分けた父親。国家の父としてのロシア皇帝。それに父なる神。

ドストエフスキーが急死したので、書かれなかった続編では、

ロシア的な「調和」がひとつの結論として描かれるはずだったろう、と訳者は推測している。

だが、これは、聖が俗にまみれて、父親と殺す殺されるの相克があって、

はじめて得られる「調和」だった。

わが身にひきかえると、自分は父親的なものに、あまりにも唯々諾々としていたのじゃないか。

親父も、教師も、ついでにいえば国家を象徴する天皇も、

誰もフョードル・カラマーゾフのような悪人じゃなかったから、

ぬるま湯のような関係にいたが、本来、父は殺されるべきものではなかったか。

俺は殺すつもりで向かっていかなければ、生きたことにならないのじゃないか。

「調和」に到達するのかは分からないけれども、明日からは戦いをはじめたい。

でないと俺は、自分の息子にとって、「殺しがいの無い腑抜け」になってしまう。

2008-03-05

http://anond.hatelabo.jp/20080305204433

アーロン収容所」という本があってな。

戦時中、筆者でもある日本軍人がアメリカ軍捕虜になった際、

そこの将校に「天皇祖先サルなんだぞー」と言われたんだって。

 

そしたら「そんなもん日本人なら誰でも知っとるわい。

モンキートライアル進化論裁判、お猿裁判)なんかで騒いでるお前らの

方が遅れとるわい」と言い返したら、その将校、びっくり仰天だったとさ。

一神教

一神教の神は「神聖にして不可侵、唯一であり全能である」存在

日本天皇は「神聖ぽくて不可侵ぽいが、唯一ではないし全能でもない」存在

もうちょっとテツガク的な外人なら「バカヤロー、神は全ての根源だから『1』ナノデアルが、天皇は虚なる中心であって偉大なる『0(ゼロ)』ナノデアルぞよ!」と罵倒して「表象帝国」でも読ませてやれば有り難がるだろうよ。

http://anond.hatelabo.jp/20080305205353

http://anond.hatelabo.jp/20080305204659

もっと言うと一神教の神の不可侵性と天皇の不可侵性の違いを説明できないというか。

一神教での神と天皇の違い

外人、特にキリスト教徒ムスリムのような一神教徒に教えるにはどうすればいいだろう・・・

キリスト天皇の違いでもいいや。

http://anond.hatelabo.jp/20080305124913

天皇を天と考えればいいよ

http://anond.hatelabo.jp/20080305124923

俺は陳勝でもないし劉邦でもない。それにそれは放伐というんじゃないか?

2008-02-04

ネット右翼が好む話題キーワード

ネット右翼が好む話題キーワードメモ書き。サイト運営しててこれらのキーワードが出たら炎上しやすいので要注意。事前にNGワード指定するのもよい。

韓国 朝鮮 在日 反日 帰化 三国人 中国 慰安婦 南京 大虐殺 靖国 参拝 英霊 天皇 皇室 日教組 火病

2008-01-26

教委主催講演会に行ったら、講師が「つくる会」だった件。

 

前書き

ほぼ記事タイトル通りの出来事があったので思わず匿名ダイアリー

(厳密には、八木氏はかつてはつくる会会長だったが、今はつくる会とは無関係

 

書くの初めてなので、読み難ければ申し訳ない。

 

先に書いておきますと、私は公立校勤務です。

で、私が勤務する地域では、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書を採択しています。

 

この教育講演会教職員一斉研修会)は、教委が主催したもので、基本的に地区内の全職員(学校事務職員も含む)が参加しました。

 

講師は八木秀次氏(日本教育再生機構理事長)。

 

恥ずかしながら、誰だか知らなかったんですが。

 

忍び寄る何か

開会前、もらったレジュメを読んでいると、最初に出てきたトピック

“「不当な支配」の主体の転換”

という内容。

 

教育基本法の、

教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである(旧第十条)」

という規定が、

教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない(改正第十六条)」

と改められたことによって、服してはならない「不当な支配」の主体が、

 

before:政府の圧力

after:日教組などの職員団体

 

と変化しており、政府首脳部からもそのような見解に立った発言が相次いでいる……という鋭い指摘。

 

私としては、

「なるほどそうか……。これは大変だな」

と思ったわけなのですが、その先を読んだら

「……なんか違う?」

 

なにしろ、いざ講演が始まったら、この

政府=正当な支配」

「職員組合=不当な支配」

という立場を全面的に賞賛する論調でして。

 

日教組に参加してる職員が1%切ってる本地区でそんなこと言われてもな……。

(うちの地元には、「教職協議会」という、日教組とは別の組織があり、これが97%の組織率を誇っています。

方針としては、行政との対話路線。

私もそっちに入っています。

まあ、日教組の勧誘姿勢もアレだし。

新採の時、勧誘パンフが送られてきて。

ガリ版刷りの楽しげなパンフレットだったんですが、封筒に

「教え子を戦場に送るな!」

って書いてある。

言いたいことはわかるがちょっと引いた。)

 

内容は、なんというか、ツッコミどころ満載だったんですが、まず特に違和感を感じた点。

 

滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい。 byゾーマ(DQ3)

講演の中で、エルトゥルル号の遭難とか、有名な“美談”がいくつも紹介されるわけですが、その中に真岡郵便電信局事件の話も出てきました。

 

第二次大戦末期、樺太ソ連軍が攻め寄せてきた時、最後まで電話交換所に残った女性達が、青酸カリを飲んで自決した事件です。

事件名とか知らなくても、

「みなさん、これが最後です。さようなら……さようなら……」

とかいう台詞は聞いたことある人は多いのでは。

 

で、八木氏は、自決した9人の女性電話交換手のことを、

日本人公共心の高さ、責任に殉じる態度が現れたもの」

とか褒め称えるわけです。

 

……ところで、これは教育講演会なんですが。

このエピソードを教育にどう生かせと?

 

彼女たちの行動こそ、日本人の鑑、責任に殉じる素晴らしい態度である。

お前達も、もし同じような状況に置かれたら……」

 

置かれたら?

 

自分の子どもになんと教えて欲しいかは、人によるかも知れませんが。

 

私としては、子どもたちには

「なんとしても生き残れ。命を大事にしろ」

……って、教えるべきなんじゃないかと思ったり。

 

ちなみに、八木氏は全然触れなかったことですけど、その時当直だった女性交換手は、全部で12人いたんです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E5%B2%A1%E9%83%B5%E4%BE%BF%E9%9B%BB%E4%BF%A1%E5%B1%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

で、死ななかった3人は、最初は押し入れとかに隠れててですね。

そのままソ連統治下で職員として再雇用され、日本にも無事に帰ってくるんですけど。

 

彼女ら3人は、「責任に殉じ」て死ななかった駄目な日本人なんでしょうかね?

 

少なくとも、八木氏の言う

ソ連軍は、刑務所から出てきたゴロツキみたいなのを最前線の兵士として送り込むわけですよ。だから、女性は陵辱されたり恐ろしい目に遭わされるわけです」

……というのは、この場合は事実に即してないと思います。

 

……まあ、ソ連軍がひどかったのはわりとかなり事実だと思うんですけど。

 

また、沖縄集団自決の件について、八木氏は、

沖縄というのは、長らく琉球王国という日本とは違う国で、その後は島津の統治下になり、近代化されたのが他の地域よりも遅れた土地なんです。

だからこそ、日本人的であろう、という責任感が逆に強くなって、それでああいう事件が起きたのではないかと思います」

 

という、目の覚めるような主張を展開します。

 

なんで目が覚めるかというと、すごいアクロバットだから。論理の。

危険なのでよい子はまねしないでください。

 

もし沖縄県民があの場にいたらかなり血圧が上がったんじゃないか、と思うんですが、あれはたぶん、戦わずして論敵を脳溢血で葬ろうという高度な戦術なんだと思います。

危険なのでよい子はまねしないでください。

 

ていうか、「集団自決」と「責任感」がどうつながるのかそもそも良くわからんのですが。

なんか、とにかく死ね責任感がある、みたいな話で、日本文化の奥深さを感じました。

 

「命どぅ宝」のお婆さんは、やっぱり駄目な日本人なんじゃろうかね。

近代化が遅れた地域だからな。

 

あとまあ全般に言いたいことは山ほどあるんですが、重箱の隅つつきは後回しにします。

 

本当の戦いはこれからだ!(打ち切り

とにかく、こういう歴史観のリビジョン促すような講演会に、公務として参加させられるのが、本地区の実態なわけですね。

開会が14:00でしたから、どの学校も特別日課で対応したと思います。

本校でも、当日は授業を午前中で切り上げて参加したわけですよ。

 

もちろん、講演聞いてる間にも給料が出てます。勤務時間内ですから。

なんという教育予算の有効活用

 

内容に疑問を感じたのは何も私だけではなくて、翌日の職員室では批判大会

 

「○○中学校社会先生も、あれはひどいと言っていた」

「○○小の先生に聞いたら、あれは有名な右翼だと」

「終わった後、あの先生と偉い人達とで飲み会があったらしいから、八木先生は急いでいたわけじゃないらしい。なのに質疑応答の時間を設けなかったのは、意図的なものに違いない」

 

……ええーっとですね。

つまり、「つくる会」の教科書採用した地域の学校だからといって、教員が唯々諾々と「つくる会史観に染まるわけではない、ということですよ。

 

このことは、左右どちらの論者にも覚えておいて欲しい、と思います。

我々はロボットではない。

 

いや、染めることを目的にした講演会だったんでしょうけどね。

 

本地区では、教育長はじめ偉い人が「つくる会」の支持者です。

その一存で採択が決まったようなもので。

 

しかし、「つくる会教科書を採択した、というだけで、かなり外部からの批判にもさらされてるし、学校現場にも不満があるのが実態です。

なので、教育委員会の方針に疑問を持っている教員を「啓蒙」しよう、というのが、この講演会趣旨だったんだと思います。

 

しかし、今どき、中学生ならネットくらい使いますよ?

真岡郵便局には女性交換手が12人いた」

くらいのこと、10分もかけずにわかっちゃうわけですよ。

 

授業で、“公共心ある日本人”の美談を得々と語って聞かせたら、生徒から史実に基づいたツッコミが入る可能性くらい容易に予想されるじゃないですか?

そういう意味では、都合のいいことだけ書いた教科書というのは、発行する側は気分がいいかもしれないけど、現場人間にとっては迷惑そのものなわけですよ。

 

……ああ、そうか、授業で質問の時間を設けなきゃいいわけですね。

さすが日本教育再生機構理事長

率先垂範を地で行っておられる。

 

で、その他、「作る会」教科書を使ってると高校受験に対応できないとかいう現場の苦悩をよそに、首長とか教育長とか、講演会場の最前列に座っていてですね。

で、講演会が終わった時なんか、立ち上がって喝采してるわけです。

 

スタンディングオベーションかよ偉い人。

 

とりあえず絶望した。

現場がなんとかしないとならん。

 

重箱の隅つつき。

以下、こまごまとしたこと。

 

*紀元は2600年。

八木氏は、聴衆に「日本の建国はいつか?」と問うて、「それは西暦600から700年前後である」とします。

 

なぜなら、「日本」という国号が成立し、「公」の意識誕生したのがその時代だからだ、というのです。

ちなみに、ここで言う「公の意識」とは、天皇を中心とした中央集権体制の確立のことを指します。

天皇独裁者ではなく、「国家の公的統治を究極において体現すべき地位」だというのですね。

 

……飛鳥時代象徴天皇制だったのか。

 

八木氏は、「皇室ニッチ産業」だ、という、寛仁親王言葉引用します。

政府行政の足りないところを補う。それが、皇室の果たす役割なんです」

 

確かに、障害者スキーへの支援とか、結構なことですね。

 

「このような皇室の在り方は、古代からずっとそうだったわけです」

いや……そうなの?

 

革命史観

八木氏は、他の教科書にある

平安時代貴族は贅沢な生活をしていた一方、庶民は貧しく、奴婢は売買の対象だった」

……とかいう記述を「闘争的だ」と評します。

 

これらが、マルクス階級闘争史観子どもたちを導くものだ、というのです。

 

君の教科書もまっ赤っか! これはレッドベアーの陰謀だ! 愛國戦隊を呼べ!

 

……別に教科書記述は、富裕層の打倒とかを呼びかけるものじゃないし、そもそも平安朝だって、階級闘争によって打倒されたわけじゃないんですが。

なんでマルクス

明治維新を含めて、日本には「階級闘争」とか「市民革命」とかいうものはないんじゃないですかね。古い見解でしょうか?

 

明治維新は、公のために働くことを自己の使命と考えていた武士たちによって実現した改革だった」(「新しい歴史教科書」。レジュメの孫引き)

うわ新しい見解だ。色んな意味で。

 

そんなに昔から日本人の自覚とか公共の意識とかがあったなら、もう少し早く戦国時代が終わりそうなものですが。

武田信玄「こうして同じ日本人同士が争っていても仕方がないじゃないか!」

上杉謙信「そうだとも! 天皇陛下の元にはせ参じ、一つの国を作ろう!」

……みたいに。

 

八木氏によると、現在学校教育では、歴史教育で闘争的姿勢を学び、公民教育で具体的な闘争目標を与えられている、というのです。

 

その闘争目標とは、電通経団連の打倒……ではなく。

「公民教科書には、夫婦別姓など、まだ法的に定められてもいないトピックが取り上げられている」

とかいうのが「闘争目標の提示」だと。

 

……ずいぶんせこいマルクス主義ですね。

 

歴史に学べ。歴史は繰り返す。

仮に、八木氏の言うとおり、飛鳥時代平安時代がそんなに素晴らしい時代だったとしたら、逆に言って、日本社会は1400年の長きにわたって大して進歩していないことになるんですが、それでいいんでしょうか。

 

奴婢の話とかって、私は

「私たちの社会は、昔より良くなっているのです」

って趣旨の話だと理解していたんですが。

人類歴史進歩と改良の歴史なのです。私たちも、もっともっと素晴らしい世の中を作っていきましょう。明日が今日より良い日であるように」

的な。

 

八木氏に言わせるとこれも「闘争的」なのかも知れませんが。

 

私としては、貴族平民に大きな差があったとか、事実なんだから仕方ないんじゃないか、と思うんですがどうでしょう。

八木氏も、それが「事実ではない」とは言わなかったし)

 

都合の悪い歴史事実は教えない、という態度の方が、むしろ我が国を危機に追いやる気がします。

それこそ、遺伝学におけるソビエトルイセンコ学説みたいに、学問イデオロギーに従わせようとした挙げ句、研究開発で西側に後れを取るような。

 

まあ、「歴史科学ではない」が、「つくる会」の立場なんだそうですが。

 

でも、望ましい思想を注入するために、歴史事実の方を改変する、っていうのは、それこそ共産国十八番なんじゃ。

ソ連生まれのくせに白頭山で生まれたと称する誰かさんとか。

 

日本の伝統を尊重しよう。祖先精神を大切にしよう。

基本的に「公共の意識」だけで日本の歴史・文化を語ろう、というのは、無理だと思うんです。

「恥の意識」とか「武士道」とかと同様、一言で語りきれるほど、日本人精神というのは浅薄なものじゃないんじゃないでしょうか。

 

そもそも、「公共の意識」が飛鳥時代から日本にあった、という主張自体いかがなものか。

確かに「公」という漢字自体は大昔からありますが、古文に出てくる、「公家」とかいうときの「公」と、「public」の訳語としての「公」を同一視するのは誤りだと思うんですが。

八木氏は、「公共」の意識が近代になって成立した、というのは誤りで、日本人日本人としての自覚はずっと以前から存在した、と言うんですが、それは逆に言って、国民国家建設のために尽力した明治の人々を愚弄するものではないでしょうか。

 

ちなみに八木氏は、中教審が、縄文時代記述を重視するよう議論しているのに不満を表明しています。

縄文時代は公共の意識が発生していない」=「日本ではない」

から、というわけですが、これは循環論法ではないですかね。

 

日本あけぼの」って言えば、普通縄文時代を指しますし。

逆に、明治憲法現行憲法の発布、あるいは江戸幕府なり鎌倉幕府なりを「日本」の成立、と見なす立場だってあり得るわけで。

 

縄文人だって一生懸命に生きていたのだし、彼らが苦労して稲作技術を会得していったからこそ、現代の日本があるわけで。

縄文人は日本人じゃない」という言いぐさは、縄文人に失礼だと思いますが。

 

八木氏は、チェスタトンの「伝統とは選挙権時間的拡大」「死者には墓石投票してもらわねばならない」なんかを引用して、伝統の大切さ、先祖の意思を尊ぶべきことを訴えるわけですが、縄文人は先祖じゃないらしいです。

……天孫降臨

 

ちなみに、八木氏が引用した中には、相田みつをの「自分の番 いのちバトン」とかまで含まれるんですが、相田さんってそういう主義の人だったのか。

走者がバトン渡す前に死んだらリレーにならなくね?

 

ところで、八木氏は「死者の民主主義」(チェスタトン)がお気に入りのようですが、私はむしろ、「地球は子孫からの預かり物」(ケニアのことわざ)の方が好きです。

死んだ世代の意思よりも、次の世代の幸せの方が重要だ、と、私は信じます(これでも学校関係者のはしくれですから)。

 

……ケニアのことわざの割に「地球」とか、かなり超訳の気配ですが。

 

*美しい日本語を守ろう。

八木氏、「屋久島の灯台守り」という、これまた美談を紹介してくれたんですが。

 

「顔は土気色」を「どきいろ」ってあんた。

一瞬、弥生式か縄文式か悩んじゃったじゃないですか。

 

自分で持ち込んだ資料が正しく読めないって、早稲田大学法学部卒が泣くぞ。

 

日本の文化がどうとか言う前に、八木氏はまず日本語くらいちゃんと読めるようにすべきだと思います。

 

返信欄

なんかあれこれコメントをもらってるようなのでここへ部分的に返信。

 

教育委員会主催講演会とかに行って何かを得たことがあるの?

ありますよ。

まあ、教育関係者の講演、というのは、聞いてすぐに教室で使える内容が多い一方、似たような話も多い……というか、教育界の通念を上手にまとめただけの、刺激に乏しい講演も多い、とは思います。

……ちょっと今回は刺激的すぎましたが。

 

>その場でぶつけてくれたら面白かったのに。

まあ、チキンなので。

 

偉い人が「つくる会」支持者で、しかも同席してるわけですから。

そこでこれだけのことを言ってしまうと、後々どんな処遇を受けることか。

 

それはもう、陵辱されたり恐ろしい目に遭わされるわけです。(流言)

 

それに、ここに書いた内容は、これでも推敲した内容です。

これをとっさに思いつける程度には賢くありたいのですが。

 

っていうか、偉そうなことを書いておいて恥ずかしいのですが、「女性交換手が12人いた」ということもその時は知らず、家に帰って調べてわかった次第。

 

でも、何か質問はしてやろう、とは思っていて、講演の間中必死で考えていたのも事実

古代以来、皇室ニッチ産業としての役割を果たしてきた、とのお話でしたが、私、不勉強でそういったことを存じませんでした。

そこで、例えば平安時代朝廷が、そういった役割を果たしていた、という実例を2・3ご教示願えるとありがたいのですが……」

くらいのことを聞いてみよう、と思っていたのですが、本文で書いたとおり、質疑応答の時間がなかったので不発に終わりました。

 

>自分のはてなダイアリーで書いたら?

少しでも匿名性の高いところで、と思ったのです。

何か使い方として問題がありましたら申し訳ない。

(ていうか、そもそもこの内容自体トラックバックで返すべきなのかも知れませんが、匿名ダイアリーに慣れてないので、返信があちこちにばらけるのが落ち着かないのです。なんでコメント欄がないんだろう)

 

こんなにブックマークをもらうとは思ってなかったのでちょっと動揺しています。

偉い人にばれたらどうしよう。

 

>「教職協議会」つーのは要するに「全日http://www.ntfj.net/tanidantai/」系団体だよね。共産党系の。

右寄りではないかも知れませんが共産党系とも思ってなかったのですが。「美しい日本人」がどうとかこうとか。どうなんでしょうか。

会員でありながら組織背後関係とかは知らないのです、申し訳ないです。(でもたぶんみんなそう)

 

>教師という連中が本当に馬鹿ばっかりでイデオロギーの固まりだということが良くわかった。

ククク、その通り。だが、気付くのが遅すぎたようダな……(ロシア訛り)

今や日本教育は、我がレッドベアーの(不当な)支配下にあル!

あと10年もすれば、この国はコミンテルンの軍門に降るだろウ……!(遅すぎる)

 

馬鹿冗談はさておき。

大学になるまで歴史教えるのやめちゃえば?自分で判断して学ぶまで教師の馬鹿どもから余計なノイズを入れないで欲しい

難しいところですね。

 

おっしゃるとおり、批判精神の薄い子どもに、イデオロギー教育をするのは禁忌だと思います。

 

その一方で、基本的な歴史知識は、全国民が持っているべき教養だとも思うのです。

そして、大学専門教育の場であるべきで、そういうことに時間を費やすべきではないと考えます。

だから、結局は義務教育に基礎的な歴史教育を盛り込まざるを得ないのではないかと。

 

その内容としては、重要歴史事実を教えるにとどめ、それをどう解釈するか、という思想的側面は、個々人に任されるべきだと思います。

 

……もっとも、「歴史事実」というのは現実にはほとんど無限存在するわけで、その中から何を「重要」として採り上げるかに、思想的問題が絡んで来ざるを得ないのも事実ですが。

エルトゥールル号を採り上げて奴婢は省くのか、その逆をやるのか。

 

でも、できる限り中立であろうとする姿勢は必要だと思います。

2008-01-03

http://anond.hatelabo.jp/20080103170351

大日本帝国日本国で、国体が変わったということは認識するべきだと思う。

吉田茂が第45代総理大臣というのが納得いかない。

徳川家康初代将軍だろう?

だったら吉田茂も初代総理大臣だよ。

国体が変わったという認識が必要では?」という主張には特に反論したいわけじゃないけど、徳川家康は「江戸幕府」の初代将軍だからその例自体は別と考えて問題ない。「鎌倉幕府」の初代将軍源頼朝だ。そしてそれに対して「坂上田村麻呂の立場は!」とか誰も突っ込まない。

それから、戦後当時の政府人の感覚では「国体政治体制」ではなく、「国体天皇を中心とした国家であること」であって、だから「国体護持」とは天皇戦争裁判にかけないことを意味した。降伏判断を遅らせて原爆を二発食らったのもソ連の参戦を招いたのもいわゆる「無条件降伏」したのも占領を受け入れ米兵駐留を受け入れ民主主義を受け入れ東京裁判を受け入れたのも、全ては「天皇制」護持のため。そしてそれは政府の人の単なる暴走じゃなくて、彼らが日本人全体の「空気を読んだ」からだというのがおおむね妥当だと思う。ホント日本人天皇が大好きだよな。

2008-01-02

http://anond.hatelabo.jp/20080102162219

見てたよ。

イラン人のサヘルが伊勢神宮に入るってアラーに怒られないのかなとか思いながら。。。

でも天皇もみたことがない三種神器ってさ、遷宮のさいに、そのご神体安置するやつのなかに安置するんでしょ?

・・・。

誰かはかならず禁忌をやぶってるとおもわね?

2007-12-19

陰謀論

男にも女にも身分の高低がある。そして社会上層部は概ね男が占めており、男の方がより権力を有しているのであるが、同時に、彼らの施策によって女は社会的に保護されやすい。注意せねばならない点として、この保護ということは決して女性権力を象徴するものなのではなくて、むしろ男性権力の象徴としての保護なのであるが、このことによって男はより徹底的に没落し得る。

ところで、女権運動が起こってくると、権力者たち――その殆どが男である――は自らの地位に固執するから、運動を和らげるために、自らを脅かさない程度の権利を女に与える。この結果として、中程度の権利を有する男は没落する。しかしながら当然、女権運動は収まらない。真の権力は微動だにしていないのだから。ここで、没落した男たちは思うだろう、女どもは我々を蹴落とし権力を得たではないか、だのに、未だに権力を欲する……強欲なり。彼らは女どもを呪い彼女らの運動を妨害するであろう。ここに権力者の思惑がある――権力無き男どもと女どもとを相争わせ、自らの立場を守ろうというのだ。

すなわち、次のようである。女は社会における性的弱者である。が、男はそうではない。社会弱者である男は、性的に弱者なのではなく、むしろ強者たる男に対して弱者なのだ。強者たる男が仮初めの地位を女に与え弱き男を貶めるが故に弱者なのだ。この二種類の男の間に女が加わることによって――これは強者の仕組んだ事である――一見事態は複雑なる様相を呈しており、そのゆえにこそ状況を見誤るのである。女が戦うべきは男ではなく強者の男であり、弱者の男が戦うべきも強者の男である、すなわち革命――しかし、どうやら日本はすり切れた古革も継ぎ接ぎ補修し使う民族らしい、1000年以上にわたって天皇一族が君臨し続けるのだから。

2007-12-11

http://anond.hatelabo.jp/20071206195700

はてなセリフの中正廟 2.0、あの突然の使われっぷりはいったい何なんだ。

id:tenz1225台湾人と思われる) が作ったジェネレータのことだろ?

id:tenz1225 は、前々から、他のジェネレータで時々派手な連投してたんだが・・・

このたび初めてジェネレータを作ったんだ。それが「中正廟 2.0」。

初めてのジェネレータ作成の喜びで気が狂って、セリフ連投しまくったのさ。

それと、下に注記したが、id:tenz1225の同志たちが「中正廟」と揶揄するために集団で書いてるんだろう。

※『中正廟』

 中華民国台湾)の中正記念堂(旧名)のこと。

台湾独立を支持する政党・泛緑連盟が、『中正記念堂という名称は、中正(蒋介石)の墓(廟)みたいだ』として、「中正記念堂」という名称を批判した。

2007年5月、「中正記念堂」は「台湾民主記念館」という名称になった。

日本で言えば、左翼政治屋が、「天皇家由来の名称の付いた建物の名称」とか「天皇在位に基づく元号」とかを非難している、といったところだな。

2007-12-09

http://anond.hatelabo.jp/20071209165802

間違ってるよ。

学歴というのは資本に直結する以外に

人格評価に資するところが大きい。

簡単に言えば社会では学歴とは人そのものなわけだ。

高校短大卒の女は、ブスならゴミ普通以上なら

産業まんことしか世間は認知しないが

早慶卒なら神様扱いされる

次官マスコミ会長まで行けば天皇扱い

最後は名誉だからな

学歴が無い奴は100%不幸

2007-11-21

三千世界の烏を殺し、主と昼寝がしてみたい


25日 12:10

呪泥怨愚を名乗る犯人から最初の電話があった。

「呪泥怨愚だ。息子をあずまんが大王みのもんたを用意しろ」

電話をとったのは、家族の長であり、一家の大黒柱を自負する失職中の夫。夫は、犯人の声を聞き、息子が誘拐された事を即座に理解すると同時に自分の命よりも大切な息子を失う未来想像し恐怖に襲われながら、毅然とした態度で答えた。

みのもんたは無理だ。今おもいっきりテレビに出ている」

「じゃあ、息子は諦めラメロスペシャル

「待て。他の条件ならのもう。みのもんた以外の条件だ」

みのもんた以外の条件はのめない」

それから夫と犯人押し問答が繰り返されるが、犯人の要求は断固として変わらず、挙げ句には「みの」「みのも」「もんちゃん」「みもんた」などの呼び方を使い始め、夫は戸惑うばかりであった。そのやりとりおもいっきりテレビが終わるまで続いたが、犯人は「また明日連絡する」とだけ言い残し、電話を切った。

夫は緊張と疲労でその場に崩れ落ちた。

後に夫は語る。

「腸が煮えくり返るような犯人への怒りと、首筋に氷を押し当てられたかのような息子を失うことの不安を同時に感じていました。まさに冷静と情熱の間でした。いや、とにかく、恐ろしかったです」

26日 12:08

呪泥怨愚から二回目の電話電話をとったのは依然失職中の夫。今度は傍らに妻が、そして周囲には警察がいた。

「呪泥怨愚だ。息子は東幹久みのもんたを用意しろ」

「何度も言わせるな。みのもんたは無理だ。息子を返せ」

「それなら取引はお終いだ」

警察からの引き伸ばしてのジェスチャーがされる。事前に犯人との会話を出来るだけ引き伸ばすよう説明を受けていた夫だったが、極度の緊張と、息子を思い一睡もできなかった事による疲労の蓄積が、彼に冷静な判断をさせなかった。

夫は受話器に向かって叫んだ。

「お終いも獅子舞もあるか! 息子を返せ! さもなくば、さもなくば」

激昂する夫に、止めようとした警察も、泣いていた妻も注目し、その後の言葉を待ったが、別段考えがあったわけでもない夫は恥ずかしそうにもごもごと呟いた。それぞれは持ち場に戻った。

「さもなくば、息子は帰ってこない。みのさんを連れて来い」

そしてまた、犯人により電話は切られた。

とたん、警察が動き出す。ピザ屋に偽装した刑事は傍らのラーメン屋バイトに偽装した刑事と素早く情報を交換する。「逆探知は」「携帯電話から。近くです」「連絡!」「もうしてます」「よし」「発見しました」「早いな!」「しかし」

警察の大人数を導入した捜索により、電話開始より12分で犯人携帯電話発見した。

しかしそこに犯人の姿はなく。電柱にくくりつけられた携帯電話と、携帯電話セロテープでくっつけられた糸電話があるだけだった。糸電話の向こうに犯人がいるはずと糸を辿り走り出した若い刑事現在行方不明である。

27日 12:22

三日目。まだ電話はかからない。

電話機の前に、腕を組む夫、泣き続ける妻、声を潜めて何事かを話し合う警察の面々が揃う。

テレビにはみのもんたが映っている。わずかに眉間に皺を寄せ、悩み相談の声を聞いている。

夫は憎憎しげに吐き捨てた。

「悩んでいるのはこっちの方だ……」

そのときだった。

顔を伏せて泣いていた妻が、電話に飛びついた。電話機を抱え、いつの間にか手に持っていた耳かきで、止めようとした警察と夫を牽制する。

妻は血走った目でどこかにコールする。やがて、コール音が止むと、妻の目はまた潤み始めた。

みのさんですか?」

モニターの中で、みのもんたが、答える。

「何か、お悩みですか。奥さん」

妻は泣きながら、息子が誘拐されている事をみのもんたに話した。警察電話を止めさせようとするが、妻は既にみみかきを半分以上耳の中に入れていて、危なくて近づけない。夫は大人しかった妻の言動に驚くばかりであった。スタジオにいた芸能人達も、突然のハプニングに騒然とした雰囲気となるが、みのもんただけが表情を崩さず、冷静な声色で相槌をうっていた。

「それで」「うん。それは酷いね」「そう」「なるほど」「奥さん、偉いよ」「わかった」

妻が語り終えた後、泣き声が止むのを待って、みのもんたはやさしく声をかけた。

「それで奥さん。どこにいけばいい?」

妻が息を呑み顔を挙げ、テレビの中のみのもんたを見た。夫も警察モニター凝視して、ぽかんと口を開けている。モニターの中のみのもんたは、そのどこを見ているかわからない危うげな目線で、確かに妻を見ていた。そして、みのもんたスタジオをあとにする。テレビカメラがそれを追いかける。みのもんたは迷いなく日本テレビ階段を上っていく。みのもんたエレベータを使わない。一歩一歩踏みしめるのが好きなのだという。そうやって生きてきたのだ、恥ずかしそうにインタビューに答えた事がはるか昔に一度だけあった。

みのもんた日本テレビの屋上の扉を開け、吹き込んだ風に目を細める。そこには既にミノコプターが用意されている。

夫の携帯電話犯人から電話がかかる。

「呪泥怨愚だ。そのまま、真っ直ぐ東に飛べ」

28日 8:20

突如、ばりばりという音が響き渡り、驚いて夫と妻が家を飛び出すと、黒光りするミノコプターが目の前の道路に着地するところだった。強風に目を細めながら、夫婦は見た。ミノコプターの扉が開き、そこから最愛の息子が降り立つのを。

しかし、そこにみのもんたの姿はなかった。

28日 10:30

一人の刑事子供の戻った夫婦の元を訪れる。

笑顔の戻った妻が、刑事を迎え入れた。

「息子さんが戻って、本当に良かった」

ありがとうございます。あなた方のおかげです」

「いえ。今回警察は何もできなかった」

「そんなことは」

「そんなことはあります。奥さん。我々はあなたにしてやられてしまった」

妻のコーヒーのカップを持つ手が止まる。まだ夫は刑事言葉を理解できない。刑事は止まった空気を振り払うように手を振り、にこやかに笑う。

「いや、奥さん。そんなに睨まないでください。私は私の見解を述べているだけです」

妻は、刑事の動向を探りつつ、コーヒーを飲む。

「ですが、聞いてください。これは刑事の独り言。ある事件の顛末です。子供誘拐から始まったその事件の犯人母親だった。もちろん誘拐狂言。最初の電話母親パート先に記録が残っている。出たのは夫だ。意味不明言葉を混ぜる事で、夫にばれないように工夫しているつもりだった。夫は気付かず、事態は思った方向に進む。次からは母親電話にはでない。電話をしたのは誘拐された息子。母親は息子が誘拐された悲しみで精神変調をきたした役を演じる。そして、茶番テレビの中に飛び火する。全てはそのため、みのもんたを引きずり出すため。何故このような手順を踏んだのか。それはみのもんたを試す意味もあった。手の込んだ嫌がらせともとれます。でも真相はもっと捻じ曲がった所にあると思います。私がこの荒唐無稽ストーリィを思いついたのは、私がそのような荒唐無稽な思考を行う人間達を知っていたからです。その人間達は、タモリ同盟と呼ばれている」

「ふふ、ふふふふふふ」

突如笑い声を上げた妻に、夫と刑事はぎょっとする。

「失礼。あんまり面白い事を言われるから。でも、いいんです。好きですよ。そういうの」

「そうですか。一つだけ聞きたい。今みのもんたはどこに?」

「知りません。知る由もありません」

妻は窓の外を眺め、呟く。それは彼女の本当の主人が言った言葉

「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」

28日 11:55

霊峰富士。かつて天皇不老不死の妙薬を燃やした場所。

「こんな形で、お呼び出しして申し訳ありません」

「いやいや、驚きました。ですが、こんな形でしか、ありえないでしょう」

「では始めますか」

「では」

互いが互いにマイクを投げつける。

太陽は真上。容赦のない紫外線が二人の男に降り注ぐ。だが二人の男は不敵に笑う。

黒いサングラスは何のためだ。必要以上に黒い肌は何のためだ。

太陽を制するため』

男達は笑いを止める。

目の前の男は同じく覇道を歩むもの。だが王は独りでいい。

二人の昼の王は、互いに歩き出す。次第に歩みを早め、そのスピードが、空気との摩擦熱が炎となって二人のスーツを焦がす程になった瞬間、二つの影は交錯した。

20年続いた「午後は○○!思いっきりテレビ」が終了。これはその終わりに起こったことだ。

第二回ファック文芸部杯参加

http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20071130/p1

2007-11-12

http://anond.hatelabo.jp/20071112092252

日本国憲法第1条で以下のように規定しているため、

日本国の象徴であり日本国民統合の象徴

天皇日本国民ではありません。したがって人権はありません。

http://anond.hatelabo.jp/20071112092252

それどころかおみゃー、熊沢天皇裁判によりゃ「天皇裁判権に服さない」だぜよ。

逆に言えば、天皇から訴訟もできんぜよ。

2007-10-28

http://anond.hatelabo.jp/20071028131250

京都人だけど逆に自尊意識が高すぎるのも困りものです。

辟易する。もう御所天皇なんかいないって。無駄に「みやこ」って言うな。

2007-10-11

権力が欲しい、金が欲しい、とにかくチカラが欲しい

先日、友人が死んだよ。交通事故。友人2人も同乗する車での事故。酷いケガで意識も朦朧としていた。自分はちょっとした打撲程度で大した事は無かった。救急車を呼んで同乗するも、受け入れ先の病院が無い。なんだかんだで受け入れてくれない。別に深夜でもない。昼間の4時ですよ。たらい回し。そうこうしているうちに酷いケガの友人はみるみる元気が無くなっていく。「かかりつけのお医者さんは無いですか?」なんて聞かれたけど、全員、いたって健康でそんな医者なんぞ知らない。結局、病院に担ぎ込まれたのは、救急車に乗ってから1時間後。車内では救急隊員が必死で心臓マッサージ。大した事無い俺達は、泣き叫ぶ事しかできない。みんなで救急車の中から携帯で119して受け入れてくれる病院なんとかしてくれ、それはできないとかなんとかで怒鳴る事しかできない。104で病院探して電話しても救急車に従ってくれの一点張り。その救急車が困ってるのにどうにもならない。俺達はわーわー怒鳴るだけで何もできない。そういう時に何をしたら最善なのかもわからない。そうやってるうちにも友人は弱っていく。返事が無くなる。

受け入れてくれた病院でも大騒ぎ、結局、俺達の前で臨終になった。医者救急車の運転手にも掴みかかった。彼らはベストを尽くしてくれたのだろうか。俺達は感情むき出し、血まみれ涙まみれで抗議にならない抗議をした。彼らはたんたんとしていた。まあ、こういうもんですよ。みたいな、そういう態度だった。

俺達が政治家だったら、もっと違った対応をしてくれたのだろうか、明らかに金持ちっぽかったら対応が違ったのだろうか、無礼な話かもしれないけど、自分が天皇だったら、総理大臣だったら、県知事だったら、友人はしかるべき処置を受けられたんじゃないか。俺達は余りにも無力だった。大切な友人を失った。俺達にもっとチカラがあればよかったんじゃないか。

2007-10-04

http://anond.hatelabo.jp/20071004133540

鎌倉時代だろうが江戸時代だろうが、天皇・公家的には「脳みそ筋肉ゴリラが怖いから政権は渡すけど、本当に偉いのは私たち」じゃなかったのか。

天皇東京に移ってからも、たかだか140年しか経ってないわけだろ。

これまでずっとそんな感じだったんだから、それが染み付いていても仕方がない、って話だ。

それに、「自分の我を押しつけてくる」といっても、(東京で)周囲に「関西弁を話せ」って強制してるわけじゃないだろう。

大阪に来た東北人に「関西弁喋れ」とも強制しないよ。

もちろん、相手に通じやすいように話す心がけもある。

重要な場面では自然敬語標準語になるわけだから、致命的な問題が起きるわけでもない。

そんな神経質になって否定するほどのことじゃないだろ。

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