どうやら、Bは転職しても職場に居続ける事が出来ず、業種も職場も転々として30を迎えたらしい。6回目の転職先で心が折れかけてるそうだ。
そんなBにAは俺と合わせたがっていた。
AはBに向かっていう、「お前さぁ、転職6回ぐらいで何弱気になってんだよ、お前の目の前にいるのは、30回以上職場をバックレたサラリーマンだぞ。転職のフリーレン」
Aが言う話は本当で、俺はバックラーだ、バイト含めれば30回以上バックれてる。メンタルがと頭が弱すぎて「辞めます」と言えないからだ。過去に正式な手続きを踏んで辞めた時はMPを使い果たして半年寝込んだぐらいだ。
コンビニ、年賀状の配達、焼き肉屋、車工場、製菓工場、倉庫作業、レタス農家、清掃業、医療事務、ビルメン、酪農、受付事務、オフィスビル警備、製紙工場、etc
全部短期で辞めてきてる。
新卒時にあまりにも無能すぎて、悩みぬいて精神科の門を叩き、抗不安薬依存になった挙句仕事を辞めて再復帰に1年以上かかった経験から、精神的にしんどくなったら逃げるをスタンスにしている。
よく「精神科行って相談しろ」という奴がいるが、あれを言える奴は絶対に行ったことない奴だ。精神科なんて予約3か月待ちとかだ。すぐにでも救いが欲しい奴にとって、精神科への初診予約のやり取りつけだけでも心をへし折られる。藁にもすがる思いでとった予約で受診し、「みんなそんなもんですよ」みたいな糞バイスを受けて5000円ぶんどられた日には、心の底から世界がどうでもよくなる。「精神科行って相談しろ」っていうのは、そういう経験がない奴の戯言だ。「闘争逃走反応」という言葉がある、戦うか逃げるか。結局自分を守れるのは自分だけなのだ。
俺はBに「精神を病む前に仕事を辞められた事は正しい選択だった」 「周りは怠けてるように思ってるかもしれないけど、俺はBが死ぬ思いでやってきたのが痛いほどわかる。本当に怠けたい奴は転職なんてしないし、どうにかしようとしてるから転職を繰り返してるんだよな」と肯定した。
Bの自身なさげな表情と、疲れきったような泣き顔を観て、俺と同じく社会にコミットできなかった人間だと察した。
俺には、そういう人間の問題を解決できる銀の弾丸はない。俺たちみたいな社会にコミットできない無能は、周りからゴミ扱いされて死んでいく運命なのだ。宿命なのだ。周りが簡単にこなせることが、社会生活のすべてが、俺たちには辛すぎるのだ。めまいで目がチカチカするほど、いっぱいいっぱいなのだ。
「転職先で頑張るのも自由だし、無理そうだったらさっさと辞めるのも自由だよ。ちなみに俺は30過ぎても転職繰り返してて、まともにキャリア気づけなかったから今派遣社員だよ。俺のようになれとは言わないけど、人間生きるだけならなんとかなるよ。」
そんなことを話してるとBは「話聞いてくれてマジでありがとう、転職エージェントみたいな人に会わされるのかと身構えてたから、話聞いてもらえて本当に良かった。もう少し頑張ってみるわ。増田さんもなんかいい仕事見つかるといいね。てか、フリーレンってよりフリーターだよね」と言った。
俺も「似たような悩み持ってる人いるとちょっと安心するよな、俺も話聞けて安心したわ、いい仕事あったら紹介してね」と返した。
生活保護でええやん。
転職できなくなったら受けるわ。 一応、生活保護いつでも受けられるように生活費切り詰める予行練習はしてんだよね。食費月1万5千円で納められるようになったワ。