2024-05-21

自治体ゴミ回収を無料しろ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/expert/articles/e329fc10f4767b2dadad7edd4996a38d10847b71

このあたりの件。ゴミ行政そもそも制度設計ミスってるので、現行制度を前提にあれこれ言ってもあまり意味がない。

ゴミ行政目標とするところは、細かい点で議論はあるにせよ、大まかに以下の点は疑いないだろう。

1. ゴミの総量を減らしたい(環境負荷と処理費用の両方の観点で)

2. 特にポイ捨てや家庭ゴミ持込のような不法行為を減らしたい(見た目に美しくないし、迷惑なので)

3. とはいえ商品は売りたい(経済を回す観点で)

現行制度消費者からゴミ回収費用を取る)を考えると、ゴミになるものを買った時点でゴミの発生は確定しているので、ゴミの総量は減らない(1の観点メリットが無い)。回収が有料なので、ポイ捨てや家庭ゴミ持込にインセンティブが生まれる(2が悪化する。市民モラルによって影響の程度は異なり得るが、必ず悪化の方向へ誘導される)。モラルの高い市民は、ゴミを減らすために商品を買い控える(3が悪化する)。総合すると、全体的に悪化する。

ここで、ゴミ回収費用製造者販売者から徴収する(ゴミ税を新設してゴミの出にくい商品を作るほど減税する)ように制度を変更すると、個々の商品から出るゴミが減るので、ゴミの総量が減る(1の観点メリットがある)。ゴミ回収費用ケチるためのポイ捨てや家庭ゴミ持込はなくなる(2の利点。そもそもモラルがない奴もいるのでポイ捨てや家庭ゴミ持込は完全ゼロにはならないが、必ず減る方向へ影響する)。メーカーが競ってゴミの出にくい商品を開発して売り捌くので、経済が回る(3の利点)。

メーカーにとってゴミの出にくい商品を作るほど儲かるので、ビジネス上の合理性CSR上の合理性が一致する。メーカーはあたか社会貢献かのような顔をして自分たちが儲かる商品広告することができるようになる。さらに、ゴミの出にくい商品ほど安くなるので、消費者視点から経済的な合理性環境的な合理性が一致する。こうした一致は資本主義の仕組みの中で環境意識を醸成するために、また経済弱者であっても環境負荷の低い行動を選択できる社会を形作っていくために極めて重要だ。

類似構造制度炭素税環境税の形で多々前例があるので、導入のハードルはそれなりに低い(もちろんコストゼロではない)。もはや導入しない手はない。

補足として、現行制度リサイクルごみの回収を無料、その他のゴミの回収を有料にすることでリサイクル促進を図っている訳だが、ゴミ自体を減らす政策の方がシンプル効果が高い事は言うまでもない。ゴミ種別間で扱いを変える事でルールが複雑になり、経済合理性のない余計な事務作業誤り訂正コストが発生しており、折角のリサイクルがペイしていない。今すぐ止めるべき仕組みである

さらにいえば、自治体の有料ゴミ袋は日常的に必要になるものであるにも関わらず、キャッシュレスNGである事が多く社会キャッシュレス化に逆行している。コンビニによってはバイト君が「カードでも払えますよ」というのでカードをピッとしたらブッとなって「あ、ダメでした」からの「じゃあ支払い分けて下さい」で三度手間まである。不便極まりない。後ろに並んでいるアロハシャツ兄貴イライラも最高潮だ。舌打ちが聞こえる。マジでスイマセンね。言うまでもなく、この不便の根本的な原因は、家庭ゴミ回収が有料であるである

ことほどさように、自治体ゴミ回収は無料にすべきである。おわり。

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