2023-05-25

日本白物家電はイヤーモデルやめないと死ぬよ(死んでるよ)

とにかく日本白物家電はさっさとイヤーモデル型のビジネスやめないとダメ日本白物家電の良くないところは

といったところだろう。これらすべてがイヤーモデル制と関連している。基本構造フルモデルチェンジの時以外は同じにして、高価な金型を5年ぐらい使い回して、毎年同じ時期に(季節家電需要ピーク前に)新機種出して、毎年ちょっとずつカタログスペック上げるやつだ。型番見ると5年前の製品とほぼ同じ型番で、アルファベットの部分だけが1年ごとに順送りになってたりする。

ちょっとずつ機能を足すのに比べて、デザインを変えたり構造を変えたりするのはコストがかかりイヤーモデルの切り替えにフィットしないから、やらない。そしてイヤーモデルベース設計は、トータルでは3年とか6年の間売り続ける想定で作られるからプラットフォームとしての使い回しが重要で、意欲的なデザイン構造は投入しにくく、保守的な「箱」になりがち。

結果として、「毎年イヤーモデル更新し、非本質的な「改良」をちょっとずつ行うことで、製品の値落ちを防ぎつつ、店頭での露出確保競争で他社と互して戦う」という販売側・マーケティング側の要請にもとづく、消費者無視の開発体制販売体制ができあがっている。

そして、そのことはすでに多くの消費者に見透かされつつある。



こういう消費者動向は、たとえばkakaku.comなどを見ているとはっきりわかる。kakaku.com掲示板には「イヤーモデル些細な違いよりも価格差のほうが重要から、旧型モデルになるのを待つ」という声が非常に多い。実際、モデルイヤー更新タイミングまで数ヶ月待てば同じ製品の値段が2/3になったりするのだ。別の例で言えば、ジャパネットたかたは、遂に型落ちエアコンであることを大々的にアピールして売り始めている。

もはや型落ちは消費者ネガティブな印象を与えていない。そもそも、すでに白物家電の分野では最新型であることが具体的なポジティブさにつながっていないのだから、当たり前だ。エアコンはそこそこの熱効率暖房冷房が効けばいい。電子レンジ食品をあたためられればいい。それ以外のところで細々と付加機能や性能向上をアピールされたところで訴求はしない。

こんな感じで、いまや大半の消費者は、家電モデルイヤーが直近・最新であること自体価値を感じなくなっている。にもかかわらず、日本家電企業は、製品自体訴求力向上の阻害要因となっている、古い開発体制販売システムを維持している。大きく変えられない形状、大きく変わらぬ使い勝手、大して意味のない機能追加。それが納得感の低い価格政策で販売されている。

から、この市場ハイエンド欧州家電が、ローエンドはアイリスジャパネット中国家電のようなアウトサイダーが奪い、ミッドレンジでは日本製の家電が型落ち待ちで利益が極限まで薄まった状態で買われている。だから日本白物家電は死につつあるのだ。

  • イヤーモデルなんかやってるんだからだんだん冷凍庫が大きくなって良さそうなのにそうはならない不思議

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