https://anond.hatelabo.jp/20211120220251#tb
の記事を書いていた時の私へ。
この後無事に推し(カプ)と出会い、沼に落ちることができましたよ。
幼少期からオタクとして生きオタクとして育ち、中学時代にはBLに手を出し遠征や聖地巡礼をし、同人誌を買い漁っていました。「オタクである私」これを恥ずかしいともなんともないと思える、つまりアイデンティティにすら感じていた私が、まさかのオタクを離れ約10年。
きっとオタクとしての私はもう死んだ。推し活に楽しむ周囲を羨みながら死を覚悟した私は、「オタク」というアイデンティティを失った私を新たに形作るべく、30歳だし新たな節目に、新しい趣味をみつけたいなと思っていました。
そう思っていた矢先のことでした。
とあるアニメに出会いました。BLらしいと噂で聞き付け、見てみたのです。初見は挫折しました。登場人物の名前がややこしかったからです。
でもどうしても気になって忘れられなくて、また時間をあけてもう一度観てみました。しんどいストーリー、目が離せない二人の関係性……気づけば原作小説を買い、読み耽りました。
胸のときめきとはドキドキと言いますが、私はギューと締め付けられるような感覚に陥りました。二人のことを考えると嬉しくて楽しくて仕方ない。私は、オタクとしての喜びを再び味わいました。
その後どうしても抑えきれない萌えを発散すべく、二次創作を開始。半年前の私がやりたかった、「30歳になったら新しい趣味を始めたい」オタクに復帰できた上に、これを叶えることになったのです。
未来のあなたは二次創作で30にして初めて小説を書き、仕事と育児の隙間に投稿しています。一日に作業できる時間は通勤電車内の40分とかそんなんですが、新たな作品に出会ったり、書いた作品を読んで共感してもらえたりするのが、楽しくてたまりません。Webオンリーですがイベントにも出ました。このジャンルを通じてお話する人もできました。実を言うと仕事にも僅かに生かされています。
そして昨夜、ありがたくもそのアニメの放送最終回をリアタイで見届けることが出来ました。ハマった時にリアタイ放送、まさに奇跡のタイミングです。
この作品は海外のもので表現規制が年々厳しくなり、翻訳版上陸すら怪しかったところを、日本や本国のスタッフさん達の頑張りで、この目で見ることができたんです。本当に嬉しく思います。
しかも本当に制作スタッフの愛を感じる作りなんです。表現規制に引っ掛からないようにギリギリを攻めてたりしてカプ表現してくれました。原作小説の長い話をアニオリを混ぜつつ、うまい構成にまとめてくれたんです。作画のクオリティも凄いし音楽もいいし、主題歌ももちろん作品に沿った歌詞でとても良いんです。
ひとつのジャンルが終わりを迎えてしまうことはとても寂しいけど、今はその瞬間に立ち会えたこと、そしてこのジャンルにいて得たものを思い出してその喜びでいっぱいです。
あの日呻いていた過去の私へ。よかったね。オタクとしてのお前はまだ死んでないよ。
そしてこの作品とアニメ版にありがとう。このアニメがなければ私はオタクに舞い戻ることは無かった(もしくはもっと後だったに違いない)。愛ある作品を作ってくれてありがとう、日本に上陸させてくれてありがとう。来てくれてありがとう。