2022-10-21

ワナビイラストレーターから就職に失敗した末路

23歳、大学4年生。

イラストレーターを目指していたが、普通大学で実績もない俺を採用してくれるところなんてどこにもない。

就職説明会に参加したが、自分場違い感を感じたことを覚えている。

そこで思ったのは、「俺、就職できないな」という直感だった。美大に対して憧れを持っていた俺は、美大受験予備校に顔を出す。

しかしそこに居たのは、18歳の少年少女一心不乱に美大を目指している姿。すでに就職が決まった、俺より1個下の青年が顔を出してくれた。

自分には画力も、時間もない。その時強く感じ、心の中で何かが折れるのを感じた。

だが人と同じ道を行きたくない俺は、その心を無視して、イラストレーターを目指し続けた。


大学卒業後、24歳。俺は半年ニートになった。犬が病気になっていたので看病しつつ、俺は惰性で絵を描き続けた。

予備校美大に入るよりコスパがいいという選択からイラスト系のバイトを受けることにした。

1枚1500円、月の最高収入は2万。ニートや画塾に行ってるやつよりマシだ、俺は実務経験を積んでいるんだと言い聞かせながら、だれにでも描ける背景イラスト生産し続けた。


あっという間に2年がたった。26歳、アラサーだ。友達とたまにキャンプ行った記憶と、ゲームをやってたまに背景イラストを描いて犬と遊んだ記憶しかない。犬は死んだ。

ピクシブtwitterに上げるイラストは、相変わらず50いいねがいいとこ。

情熱が失われていることに気づいていたが、形だけイラストレーターを目指し続けた。もうほとんどオリジナルイラストも描いていない。トミーウォーカー試験も落ち続ける。

初めて彼女ができたが、一瞬で振られた。当たり前だ。社会常識仕事もない。周りの友達は着実にスキルを身に着けて社会人になっている。

イラストバイトから来た半額のリテイク案件。内容はほぼ新規イラストと同じ。自分の中で何かが切れて、不満をメールで送ったら仕事は来なくなった。


空っぽになった夢の残骸である俺は、マッチングアプリを始めた。処女美女、ブス、ヤリマンを抱き続けた。

イラストレーターをしてると嘘をついて。空っぽになった自分を埋めるように、デートを繰り返し、振られ、抱いてを繰り返した。

気付けばセックスした人間20手前。デートしたのは50人以上。

親にはイラストレーター仕事をうけているふりをした。


そんな自分に嫌気がさして、27歳でライターを始めた。マッチングアプリで培った営業力で、運よく月10万ほど稼げるようになったが、社会人になりそこなったクズばかりの集まりで初めて3か月で幻滅した。

そこそこ金が溜まったので昔からやりたかった俳優も目指してみたが、もうそこには席が用意されていなかった。

スクールで叱られて、褒められることもない。活躍できる道筋も無い。

だらしない生活が災いして、ライター契約を打ち切られた。今では月収2万がせいぜい。


今は28歳。これが俺の、ワナビイラストレーターから就職に失敗した末路だ。中途半端に夢を追いかけて、取りこぼしたものを拾おうとして、今ではこんな沼にはまってしまった。

やりたいことはあるけれど、スキルも、若さも、情熱も無い。一応俳優は片手間に目指すけれど。イラストレーターも片手間に目指すけれど。

こうやって理想を抱いて溺死するんだなぁと感じる。

今度はアメリカに行こうとか考えてるんだよ。夢を失敗して自暴自棄になってるモンスターだよ。

  • その年ならワーホリ使ってウハウハできそうだ。カナダとかオーストラリアとか。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん