2020-10-15

「人を見る目がある」?

カナメが「美大の子絶対に食らいついてモノになる」と確信があり、そう確信できる程の人を見る目があり、くらいつかせるだけのカリスマ性があるようには描かれてないからモヤるんだな。

              

カナメは「人を見る目がある」って自分で言ってるけど、少なくとも私には特にそう思える描写はなかった。

しろこのあとの展開としては美大の子が潰れそうになって、カナメが自分の自信満々の曖昧ダメ出しの仕方ではムリで、どうしたらゲーム世界観を共有できるか悩む話になってもおかしくないとすら思った。

              

年寄りなのでたとえが古くてゴメンだけど)今どきは月影先生とか宗像コーチみたいに「才能を見出す眼力あるカリスマ」って描き方は流行らないんだろうね。宗像コーチなんか今見たらけっこうなブラック上司だけど、「岡ひろみは一流のテニスプレイヤーになる」という信念は読者にガンガン伝わってくる。

              

でも残念ながらカナメは「謎の自信でイキってる人の予言どおりにうまく行って結果オーライ」のように見えてしまった。うまく行ったのが偶然ではなく見る目があったからだというのが納得できなかった。

それとも結果オーライだったエピソードの話ってことなのか…

前作を読めばわかるのかな?

              

蛇足

(もしカナメが運任せでいい人材の獲得を目論んでて、そのためにエピソードにならない潰されたバイト死屍累々、「あー、見る目曇ってましたかね?まぁそういう殺伐とした業界ですから、ね?フフフ、いいゲーム作るためにはそんなの構っちゃいられないんですよニッコリ」ってキャラならむしろ読みたいかも)

              

追記

スパムかいくぐって他の人の書いたあの漫画についての文を読んだ。

「カナメは人を見て、褒めた方がいいメガネの子は褒めるし、美大の子世界観説明を突っぱねて自発的表現するタイプとわかってやってる」と書いてあって、うーーーん、そうなのかー、そう読めるのか、私は読みが浅い…?となってる。

              

でもさー、美大の子は「何でも描ける、世界観は聞かなくていい」と確かに言ったけど、そして読者には勝者になるキャラだってだんだん伝わるけど…カナメがそれを見通してる…ように感じなかったなあ…「潰れたらそれまでですよ」と言ってもおかしくないと感じる。

              

メガネの子に対して褒めてるのも、本当に素晴らしい音楽ができたとも取れるしコントロール下においてるとも取れる。どっちなのかを読者に明かさな演出なのかもしれないけど…

うん、カナメが他人コントロールする人とするなら、もっとわかりやすサイコパスみがないと私には納得感が持てないや。

              

また追記

この漫画が見るからに熱血で友情努力勝利のガワだったら、あまり気にならなかったかもしれないな。プライド表現欲のある美大生に奮起をうながす、煽る描写として「普通」は成立しそう(好き嫌いはあっても)。その場合は、「普通」と言われてぐぬぬってなる美大生を見てニヤリと片眉をあげるくらいのあざとい描き方、カナメのモノローグで(オレは信じてるぜ、お前はこんなもんじゃねえ、本気を…お前の表現を見せてみろ…!待ってるぜ、美大ちゃん!)くらい暑苦しいとわかりやすい。

              

でもそういう漫画じゃない。エッセイ漫画に近いガワで、淡々と、実際のゲームクリエイターベンチャーはこんな感じなんだな、と私のような一般人は思いながら読むから現実ならありえねぇって反応になっちゃう。医療ドラマ医療関係者ツッコミいれちゃうみたいに、ゲーム関係者ならなおさらツッコミたくなるだろう。

もし、俺たちTUEEE!ナカーマ!をやるのならもう少し「これはファンタジーですよ〜」ってエクスキューズがほしかったなあ…。

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