2019-08-29

最近コンビニ業界が感慨深い

20年以上前の話になるんですが、学生時代環境問題に興味があって、そういうディスカッションに多く参加してたんですね。

時代感としては京都議定書があり、リベラルな人たちが多くそちらに流れていた頃でした。ドイツでは緑の党が大躍進していたり。

今も同じかもしれないけど、環境問題にはディープエコロジスト(生態系を守るためなら、人類が停滞または全滅してもかまわない)という思想と、

シャローエコロジスト(環境問題対応することが、長い目で見れば人類(含む経済活動)にとって有益である)という思想があります

私はシャロー側の人間で、世間一般でいうエコっていうのもこっち側だと思います

たとえば、エンジン燃費を上げることは同じガソリン量で長く走れるわけなので、シャロー側ではエコだし、ディープ側ではそもそも車なんかに乗るんじゃねぇという話になるわけです。

で、こういう議論をしていくと、ワークショップやらパネルディスカッションやらでは、大体いつも同じオチになります

たとえば、「若い世代への教育重要だ。」

たとえば、「効率主義(=新自由主義)に飲み込まれない社会をつくるべきだ。」などなど。

大体、何度か参加すれば金太郎飴であることがわかるので飽きてきます

で、同じくよくあるオチが「我々のライフスタイルを変えていく必要がある。」みたいなやつで、

この現代的なライフスタイルを支えているインフラは何かといえば、コンビニであるという話だったんですね。

そのため、大量消費・大量廃棄のシンボルであるコンビニの今後はどうあるべきか、というのがよくディスカッションテーマでありました。

で、ディープな人たちはそもそもコンビニ自体が悪なので、江戸時代に戻れとか言って、お話にならなかったのですが、

シャロー同士の議論でも、いくつかの論点がありました。

その当時よく言われていたことは、コンビニ24時間店を開けていることが(経済的にもエコ的にも)効率なのだという話です。

多くの電力は冷蔵庫冷凍庫に使われており、電源を入れたり落としたりできないので、そうであるならば開けていた方が得だという話でした。

このあたりの細かな数字は忘れましたが、とあるコンビニ大手の人も来てくれて、正確な数字を出してくれていたように思いますし、

夜間の需要がどれだけあるのかも数字で見せてくれました。

個人では、大都市近郊の、または地方都市の主要幹線道路沿いのコンビニではそれが成り立つのはわかるけど、

日本全国すべてのコンビニが開けておいた方が効率であるという言説は懐疑的でした。

すったもんだがあり、金太郎飴議論にも飽き、就職後はこの手の議論からさっぱり遠ざかってしまいましたが、

当時あれだけ難しかったコンビニを変えようという議論が、どちらかというと労働者問題フランチャイズ問題から動いていることは

驚くばかりです。業界の王であったセブンイレブンが近年これほどまでにヘイトを集めるなど想像もできませんでした。

当時の環境論者が視野狭窄ではなく、これらの問題を扱う人たちと手を取り合っていたならば、

もっと早くコンビニ業界を変えられたのではないかと思います

  • コンビニそのものが社会に不要 ATMと支払い端末と雨除けと防犯カメラだけあればいい 人や物質の商品は要らない

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