婚活フェイクブログを書いてもう数年になる。目的は婚活の商材を販売する為で、自分ではしたこともない婚活の実情をネットからの知識を元に書きなぐる。
そんな作業をしている。だいたい売上はブログ一本で月に数十万円が行けば、自分的には大成功で業界や業者さんによっては単独で4桁出せる人もいるので、自分のセンスはあまりないのは十分に理解はしているのだけど、とはいえ生活の足しにもなるし、なにより書くことや編集すること自体が好きなので、その一環で続けている。
ちなみに売り上げの悪い月は数千円もザラにある(自分はSEOや広告をしないので安定しない)ので、事業性は無いに等しい。
で、本題に移る。
フェイクブログの内容は本当にフェイクで、自分で経験したことは一ミリも無い。ネットで書いてある各相談所の噂を特定なしで、自分なりに脚色して文章仕立て、ニュース仕立てにするだけ。かと言って完全なフェイクは読んでいる人も分かってしまうので、信憑性のある事も当然書かないといけない。
だんだん婚活情報を扱っていると、ネタ切れしてくるのは当たり前。殆どの内容が以下に要約される。
・完全に人生が破綻したようなゴミ男が上から目線で女性を値踏みすることへの嫌悪感
などなど。幸せな結婚なんてあるのだろうかと虚像の彼らをフェイクのフェイクをしながら思わないでも無い。
昨日、彼女と東京某所にある高めのレストランでランチに出かけた。そこはランチ単価が2kオーバーなので、比較的高年齢で美味しいものを少しだけいただききますからねタイプの顧客が多い店だった。
自分達は予約はせずに行ったので待っていた。自分達でおそらく1時間程度待ったかと思う。隣の待ち席に敬語で話す見た目がややイケていないが小奇麗にした男性とややぽっちゃりだが、小綺麗な服装をした30代半ばぐらいのカップルがいた。
よくよく話を聞いていると初対面では無いが、2,3回目程度らしくぎこちない感じで会話はしていたが、それなりに笑顔も女性側に溢れ、どちらもざっくり言うと、控えめな外見ではあったが非常に好感のもてる印象だった。
男性は自分の仕事の事、習慣の事。話慣れた手練のそれは感じなかったものの、少し大きな声で丁寧に喋っていたと記憶している。
女性の注文はランチ弁当で値段は男性より安いもの、それなりに気を使った注文をしているのは明らかだったが、体型はやや小太りである事は陽の光に透けて、それも微笑ましかった。
普段から怨嗟にまみれた婚活情報に接していると、本当に婚活をしている人なんているのだろうか、まして普通に婚活して結婚している人などいるのだろうかと思っていたのだが、こうして普段の生活に彼らは当たり前のようにいる事を実感した。