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鉄やマグネシウム合金の方が、同じ強度ならアルミより小さくて軽い。ではなぜ旅客機は鉄やマグネシウム合金で作られないのか? 向いてないのである。iPodは? 向いていないのである!
アルミニウムは加工が容易だ。純アルミニウムは融点が低く、切削もしやすく、リサイクルも容易で、アレルギーもない。アルマイトによって直接着色もできる。合成樹脂よりは高コストだが鉄やマグネシウムよりは安い。同強度や重量なら体積が大きくなるというのも不利ばかりではなく、例えば手で持つ筐体や把手など体積が必要な用途ならむしろ鉄より適することもある。
Appleがアルミに切り替えたのは、最近はあまり聞かなくなった環境保護団体グリーンピースに批判を受けたことが始まりだ。グリーンピースは環境汚染につながるプラスチックや化学物質の使用を強く批判し、Appleを汚染の最先鋒とした。それは正当だと思う。そこで当時の丸メガネ禿は、プラスチック筐体をほぼ全廃し、環境対応度スコアを最低からほぼ最高に引き上げさせた。それ以来彼らは何にでもアルミを使うようになり、新品のMacの香りも削減された。最近は確かにSamsungへ追従してステンレス合金の採用を始めている。これはフラグシップスマートフォンの価格引き上げと背面ガラスパネル化と薄型化の潮流が、多少高価だが弾性のあるステンレスフレームの採用を許容しまた要請しているからであろう。酸化被膜により簡単に曇るアルミニウムより、ステンレス合金は磨いた後の輝きを保つことが容易でもある。しかしステンレス合金にも金属アレルギーを起こしやすいとか表面処理の手間が多いとか問題はあり、どちらが包括的に優れているという理由がある訳ではない。
炭素複合材というのはナイロンなどのプラスチックで作った炭である。まず特殊なプラスチックをシートにし、整形して、真空中で焼き上げることで作られる。すると炭素だけが分解されず残るのである。この製造方法ゆえに後加工をすると表面から割れていくとか、リサイクルが不可能で焼いてCO2にしてしまうしかないとか、亀裂が確認しにくいとか、亀裂の成長が劇的だとか、問題も多い。プロペラシャフトには使えてもサブフレームまで一体成形できないのは加工が困難な性質のせいだ。耐用期間を考えなくともよいレースに使われるのはアルミより重量あたり強度があるからで、ここでアルミの採用が減っているのは単に安く扱いやすいが性能が悪いからである。買えて使えるなら軽いのだからカーボンの方が良いのだ。これも上に同じくフリーサイズの解決策ではない。
デジカメや携帯その他にはマグネシウム合金フレームがよく使われる。これは90年代から現代に至るまで一貫して使われていて、最近増えたものではない。筐体素材がアルミではなく価格がそれなりに高価なものであれば当たり前に採用しているが、わざわざ押し売りすることではないのであまり書かれることがないだけだ。ラップトップや電話機を分解したときに、褐色で梨地の、少し強めに曲げたり工具で潰したりするとプラスチックのように鋭くささくれて割れる、たいていは紙のように薄い内部フレームがあれば、それがマグネシウム合金のシャーシである。外装の場合は厚みを過剰に取り分厚く塗装するので、まずわからない。質感も悪い。マグネシウム成形品は見た目が美しくなく手触りもよくない。マグネシウム合金の鑢のような地を活かした製品は中々作れないだろう。
つれづれと書いてきたが現実にはアルミの採用が多い理由が分かるだろうか? 元著者が繰り返して書きながら理解できていない点の一つでもある――航空機も、筐体も、レース用のシャーシもそうだ。他の素材は破壊を許すような用途に使うと不都合なのだ。一定以上の負荷でとつぜん破断してしまい、うっかり手で叩き割ればガラス片のごとき破片を作る筐体など論外であろう。
椅子と机もアルミが良いし日用品は全部アルミが良いわ 軽量性と安全性が全て
アルミは触ったときのぬくもりが感じられないから嫌い
窓枠のアルミは結露がな