Twitter上に「フジパンストアーは問題を四ヶ月間放置し、Twitterにうpしたところ会社が慌てて謝罪した」
という誤った情報が流れているので、最初に確認しておきたいと思う。
今回写真をうpしたのは被害者の知人である。知人のツイートから一部引用する。
「ミスにミスを重ね謝罪の心は見えず放置されこの4ヶ月に知人は呆れと怒りで一杯だそうです」
このツイートは、誠意を感じなかったというものであり、謝罪そのものは行われているようだ。
J-CASTニュース(http://www.j-cast.com/2017/04/03294727.html)からも引用する。
「フジパンストアーは男性に電話をしたり、男性の職場に何度も出かけて行き謝り、慰謝料、歯の治療費、交通費などの支払いについて相談した。」
「そうしているうちに男性は弁護士を立てると言ってきたところ、2017年3月13日には示談の決着が付きそうになった。」
このように、「4ヶ月間放置した」という事実は存在しないことが分かる。
あともう一つ、歯が「折れた」は誤りで、正しくは「欠けた」である。
デマが一瞬で拡散されるネットの恐ろしさが分かる事例。改めてその恐ろしさを痛感する。
では、本題に入る。
J-CASTニュースの記事によると、フジパンストアーは、SNSにアップしないことを申し入れていたようだ。
異物混入は絶対に防ぐことのできない問題で、殆どの会社で対応時のマニュアルが作られている。
その中にはお客様が「保健所に言うぞ!」と言ったときの対応も書いてある筈だ。
そういった際は、「私共にお留する権利はございません。納得いただけず残念ですが、お客様のご判断におまかせします。」
と言うのが一般的。
しかし、ネット拡散やメディアへのタレコミとなると各社対応が分かれているみたい。
一般的な異物混入の対応は、「謝罪」「改善の約束」「損害賠償」の3つが出来ることだと言われている。
損害賠償は至って明確。医者が提示した治療費を払えばいい。領収書があれば解決する。
示談となると、案件を非公表にしてもらう代わりに慰謝料を支払う必要が出てくる。
ところが示談の危険性は、何を根拠にこの金額なのか、というのが不明瞭であることだ。
慰謝料は建前上は精神的苦痛の賠償だけど、その実態は口止め料と何ら変わりがないといえるだろう。
安くては条件を呑んでもらえないし、後から高くしたところで誠意の欠片もない。
さらに「怒れば怒るほど値段を上げてもらえる」と思われたら終わりだ。
他にも示談が一般消費者に発覚してしまうと隠蔽と受け取られかねないし、そのリスクは大きい。
だからどうして、フジパンストアーはリスクの高い示談(SNSへアップしないこと)を申し入れたのか謎で仕方がない。
一般消費者は誠意ある対応を望んでいる。誠意ある対応とは迅速な対応とクリーンさだ。
ペ○ングが大きな騒動になってから、日○食品の冷凍パスタでも同じようなことが起きた。
日○食品は自ら公表し、お詫びとお知らせや回収などの対応が迅速だったので”賞賛”された。
カ○ビーの対応も迅速であることは有名。president.jpはクレーム客の再購入率が95%と報じているくらい。
日本人はアホじゃない。異物混入が防げないことはわかっている。
だけど、その後の対応次第で印象は大きく変わる。
フジパンストアーも、男性の職場まで何度も出かけて謝罪したという点はすごく誠意を感じるし、書面で原因や再発防止策の報告も行っている。
ダメな対応だったとは思えないのだが、「SNSへのアップしないことを申し入れた」という点だけがただただ残念。
被害者の知人は「挙句に世間に発表するのは困ると言った態度..ありえません」とツイート。事実、このように受け取られてしまっている。
ネットで大拡散されてしまう時代。お客様に口出し出来る立場じゃないということは覚えておきたい。
「寿司に異物が入っている」と虚偽のツイートをされたとき、被害を受けた会社は抗議文出しているし、犯人は後に逮捕もされている。
会社は拡散されることを恐れちゃダメだ。そんな段階まで来てしまっているのは残念だがこれが現実。
ネットって、恐ろしいよね。